甲府労働基準監督署発表
平成19年10月24日
 

1  木材伐出業者を書類送検
 10月24日(水)甲府労働基準監督署は、木材伐出業を営む個人事業者を労働安全衛生法第21条第2項・労働安全衛生規則第519条第2項(墜落による危険の防止)違反の疑いで、甲府地方検察庁に書類送検した。
 
2  災害の状況
 平成19年10月1日午前10時15分頃、山梨県北杜市内の道路防災工事現場において、労働者が地上から高さ約7.6メートルの傾斜70度の法面の端部(ここより上方は傾斜30度)近くに生えている立木の伐倒のための準備作業を行っていたところ、法面の下の道路に転落し、全身を強く打って死亡したものである。
 上記作業場所は地上からの高さが約7.6メートルであり、傾斜70度の急斜面の上方にあるにもかかわらず、労働者に安全帯を使用させる等の墜落防止措置は講じられていなかった。
 
3  労働安全衛生法の規定について
 労働安全衛生法第21条・労働安全衛生規則第519条第2項では
「事業者は、高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所で、囲い等を設けることが著しく困難なときは、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。」
と定められている。また、傾斜40度以上の崖の上は、墜落の危険のある作業床端としている。
 本件災害発生現場においては、囲い等を設けることが著しく困難であったため、安全帯を使用させる等の墜落防止措置を講じなければならなかったにもかかわらず、それを行っていなかったもの。
 
4  建設業において多発する災害
 山梨労働局管内の平成19年における死亡災害を含めた休業4日以上の労働災害発生件数は524件(1月から9月までの未確定の速報値。以下同じ。)となっており、このうち建設業での災害が91件、さらにそのうちの38.5%の35件を土木工事業が占めている。土木工事業での災害のうち約4分の1が墜落災害で、一歩誤れば本件同様の死亡災害につながりかねないのが現状である。そして、本年は本件災害も含め、土木工事業では4件(4名死亡)の死亡災害が発生している。
 このような現状を踏まえ、建設業における労働災害の減少を図ることは当署の重点課題となっており、監督指導、集団指導等を実施しているところである。
 当署では、建設業での同種災害発生の防止のため、管内の建設工事現場に対し、安全施工管理を徹底する監督指導の強化を図るとともに、今後も同種違反行為については、厳正な態度をもって臨むこととしている。
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