甲府労働基準監督署発表
平成19年 3月23日
 

1  リネン業等を営む会社及び同社工場長を書類送検
 3月23日、甲府労働基準監督署は、リネン業等を営む会社及び同社工場長を、労働安全衛生法違反※1の疑いで、甲府地方検察庁に書類送検した。
 
2  エレベーターの搬器壁面上部と昇降路の梁とに頸部をはさまれて労働者が死亡
 平成19年1月15日午前10時10分頃、甲府市内の同社リネン工場において、労働者が工場内に設置された厚生労働大臣が定める構造規格に違反するエレベーターを使用して工場2階に上がる途中、エレベーターの搬器壁面上部と昇降路の梁とに頸部をはさまれて死亡したものである。
 捜査の結果、厚生労働大臣が定める規格により、昇降路及び搬器については、壁又は覆いを設けていなければならなかったにもかかわらず、当該エレベーターには、昇降路及び搬器双方に壁又は囲いを設けていなかったことが判明したものである。
 
3  労働安全衛生法の規定
 労働安全衛生法及び同施行規則では、「事業者は、法定の機械等については、厚生労働大臣が定める規格※2又は安全装置を具備したものでなければ使用してはならない」旨が規定されている。このうちエレベーターについては、エレベーター構造規格に「昇降路及び搬器には、壁又は囲いが設けられていること。」等と規定されているにもかかわらず、本件にあっては、昇降路及び搬器に壁又は囲いが設けられていないエレベーターを設置し、労働者に使用させていたものである。
 
4  当署の今後の方針等
 平成18年における労働災害発生件数(休業4日以上)は、平成19年2月末日現在(山梨労働局集計:未確定)、山梨労働局管内で791件であり、前年同期に比し、8件,1.0%減少しているが、このうち製造業における労働災害は240件と全産業の3割を占めており、前年同期に比し、27件,12.7%増加している。
 平成18年5月8日には、山梨県北杜市に所在する製造業の事業所において、本件と同様に厚生労働大臣が定める規格を具備しないエレベーターを使用中の死亡災害も発生している。 製造業における労働災害は「はさまれ、巻き込まれ」によるものが最も多い状況であり、このような状況を踏まえ、当署においては、今後とも製造業における労働災害防止を図るため、監督指導パトロール等を強化するとともに集団指導等を通じて、各事業場における安全管理の徹底を呼びかけていくこととしている。
 
【参考事項】
※1  労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第27条、
 エレベーター構造規格第16条第1項第1号
           第21条第1項第3号  違反
※2  エレベーターについては厚生労働大臣が定める規格として「エレベーター構造規格」が 規定されている。
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