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甲府労働基準監督署発表
平成19年 3月20日
 

1  電気通信工事会社及び代表取締役を送致
 3月20日(火)甲府労働基準監督署は、
(1) 電気通信工事業を営む会社
(2) 同会社の代表取締役
をそれぞれ労働基準法(同法第24条:賃金不払い)及び労働安全衛生法(同法第100条・労働安全衛生規則第97条第1項:労災隠し)違反の疑いで甲府地方検察庁に書類送検した。
 
2  事件概要
 ケーブルテレビ配線などの電気通信工事業を営む同会社の代表取締役は、
(1)  経理担当のパート事務員及び現場作業員に対する平成16年6月1日から平成17年11月11日までの定期賃金総額4,652,484円を、それぞれの所定支払日に支払わず、
(2)  平成17年3月29日午前5時ころ、静岡県富士宮市内の工事現場において、労働者がケーブル撤去作業中、高さ約6メートルの電柱から飛び降りたときに、両側踵骨を骨折し、3か月半余り入院するという休業4日間以上の労働災害が発生したのに、災害を隠蔽する目的で同工事現場を所轄する富士労働基準監督署長に対し、労働安全衛生規則関係様式第23号による「労働者死傷病報告書」を提出しなかった
ものである。
 
3  労働基準法及び労働安全衛生法の規定
(1)  労働基準法第24条について
 同法第24条で、事業者は賃金を所定支払日に全額支払わなければならない旨定められている。
(2)  労働安全衛生規則第97条第1項について
 同規則第97条第1項で、事業者は労働者が労働災害により4日以上休業したときは、遅滞なく、様式第23号による「労働者死傷病報告書」を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない旨定められている。
 
4  被害状況
 実質的な賃金の未払額としては、
  賃金 差引支給(手取)額 事務員  532,680円(8か月分)
  賃金 差引支給(手取)額 労働者 1,492,445円(6か月分)
  合計                2,025,125円
が、現在まで未払いのままとなっている。
5  当署の今後の方針等
 厳しい経済情勢の下、管内においても賃金未払いの相談・申告事案が相次いでいる。
 当署管内の事業場に対する監督指導の強化を図るとともに、今後も悪質な法違反行為については、厳正な態度をもって臨むこととしている。

 また、本来、労働安全衛生法で報告を義務付けている労働者死傷病報告とは、これにより災害の発生状況、原因等を調査し、同種災害の再発防止、被災者の適切かつ迅速な救済等の行政目的を達成するためのものである。
 当署としては、建設業界に対し、労働者保護のために正しい知識の周知を図るとともに、今後も同種法違反行為については、厳正な態度をもって臨むこととしている。
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