甲府労働基準監督署発表
平成18年12月15日
 

1  機械器具製造会社及び工場長を書類送検
 12月15日、甲府労働基準監督署は、機械器具製造会社及びその工場長を、労働安全衛生法違反※1の疑いで、甲府地方検察庁に書類送検した。
 
2  エレベーター搬器の天井と台車に挟まれ労働者死亡
 平成18年5月8日22時頃、北杜市にある同社の倉庫において、労働者が倉庫内に設置された厚生労働大臣が定める構造規格に違反するエレベーターを使用して、台車に載せられたアーク溶接機を1人で倉庫2階から1階に運搬作業中、エレベーター搬器の天井部と台車に首を挟まれ、頚椎骨折により死亡したものである。
 捜査の結果、エレベーターの2階出入口の床先と搬器の出入口の床先との隙間に台車の車輪がはさまり、エレベーターの搬器の昇降スイッチを何度か操作しているうち、搬器は昇降しなかったものの搬器を吊っていた電動巻き上げ機のチェーンが繰り出され、搬器内で台車を引き上げようとした際に搬器が落下して、エレベーター搬器の天井部と台車に首を挟まれ被災したものと推定される。
 
3  労働安全衛生法の規定
 労働安全衛生法及び同施行規則では、「事業者は、法定の機械等については、厚生労働大臣が定める規格※2又は安全装置を具備したものでなければ使用してはならない」旨が規定されている。このうちエレベーターについては、エレベーター構造規格に「(搬器の)出入り口に戸が設けられていること」等と規定されているにもかかわらず、搬器の出入口に戸が設けられていないエレベーターを設置し、労働者に使用させていた※3ものである。
 
4  当署の今後の方針等
 平成18年における労働災害発生件数(休業4日以上)は、平成18年10月末日現在、山梨労働局管内で604件であり、前年同期に比し、45件、8.1%増加している。
 このうち製造業での労働災害は195件と全産業の3割を占めており、前年同期に比し、43件、28.3%増加している。
 製造業における労働災害は「はさまれ、巻き込まれ」によるものが最も多い状況であり、このような状況を踏まえ、当署においては、今後とも製造業における労働災害防止を図るため、監督指導、パトロール等を強化し、各事業場における安全管理の徹底を呼びかけていくこととしている。
 
【参考事項】
※1  労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第27条、エレベーター構造規格第21条第1項第4号違反。
※2  エレベーターについては厚生労働大臣が定める規格として「エレベーター構造規格」が規定されている。
※3  本件のエレベーターは、金属製の搬器を、倉庫の梁に取り付けた電動巻き上げ機のチェーン1本で吊り上げる構造のもので、搬器に取り付けられたローラーが搬器の四隅にある柱に沿う形で、搬器を上下に昇降させる構造であった。
当該搬器は、角材を組み合わせた直方体の枠に鋼鈑による床および天井を取り付けたのみの構造のもので、出入り口に戸が設けられていなかったほか、搬器の周囲には壁が設けられていない、エレベーター構造規格に違反するものであった。
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