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建設会社と代表者を書類送検 |
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7月14日、鰍沢労働基準監督署は、土木工事請負業を営む会社及び同社代表取締役を労働安全衛生法第100条第1項・労働安全衛生規則第97条第1項違反(「労働者死傷病報告」の未提出=いわゆる「労災かくし」)の疑いで甲府地方検察庁に書類送検した。
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事件の概要 |
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平成15年8月3日、同社が南巨摩郡内で施工した砂防えん堤の築造工事において、組み立て中の足場から同社の労働者が約7メートル下に墜落し、左足骨折等による休業約2か月の労働災害が発生した。
当署に寄せられた情報に基づき捜査を進めた結果、上記労働災害について同社代表取締役が、労働安全衛生法第100条第1項・同規則第97条第1項によって義務付けられている「労働者死傷病報告」を鰍沢労働基準監督署長あて提出しなければならないことを知っていたにもかかわらず、これを提出しなかったことが判明した。
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労働安全衛生法の規定について |
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労働安全衛生法及び同規則では、「事業者は、労働者が労働災害 …(中略)… により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、様式第23号による報告書(労働者死傷病報告)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。」と規定されている。
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当署における今後の方針 |
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労働災害が発生したにもかかわらず、隠匿を目的として労働者死傷病報告を提出しないいわゆる「労災かくし」の多くは、公共工事の発注機関から今後の受注に障害となるペナルティーが科されることや、労働基準監督署から調査等を受け、行政上の措置や処分が下されることを恐れることなどがその動機であるが、事業場における同種災害の再発防止や被災者への適切迅速な救済に支障を来たす等労働基準行政の的確な推進を揺るがすことにもなりかねないことから、引き続き厳正な対応を行うこととしている。
なお、近々当署管内の建設業界に対し、労災かくし排除の要請を行うこととしている。 |