第6期第1回 東京地方労働審議会港湾労働部会 議事録(24年2月)
1 日時 平成24年2月13日(月) 13時30分~14時30分
2 場所 東京労働局海岸庁舎 4階大会議室
3 出席者
(1) 公益委員 田付委員、鬼丸委員、野川委員、原委員、吉井委員
(2) 労働者委員 菊池委員、小林委員、佐藤委員、内藤委員
(3) 雇用主委員 秋葉委員、田端委員、鶴岡委員、中山委員
(4) 専門委員 関東運輸局東京運輸支局 山尾支局次長
東京都港湾局 港湾経営部港湾経営課 上林山課長(代理)
(5) 関係機関 財団法人港湾労働安定協会東京支部 荒井支部長
(6) 事務局 東京労働局
清野職業安定部長、藤村職業対策課長、堀内職業対策課長補佐、金澤特別雇用対策係長
品川公共職業安定所
高野所長、齋藤雇用開発部長、泉港湾労働課長
4 議題
(1)港湾労働法施行状況について
(2)その他
5 議事
【堀内職業対策課長補佐】
ただいまから第6期第1回東京地方労働審議会港湾労働部会を開催いたします。
私は、当部会の進行を務めさせていただきます東京労働局職業安定部職業対策課長補佐の堀内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入ります前に、当審議会の運営に関しまして説明をさせていただきます。
既にご案内のとおり、国の審議会は原則公開することとされております。この部会も対象となっております。従いまして、当審議会の港湾労働部会は傍聴できること、また議事録及び資料も公開の対象となっております。先の第2期第2回港湾労働部会におきまして、議事録における発言者の公開につきましても承認されており、今期も発言者の公開がなされることとなりますので、あらかじめご承知いただきますようよろしくお願いいたします。
それでは、部会の開催に当たりまして、東京労働局職業安定部長の清野からごあいさつ申し上げます。
【清野職業安定部長】
皆さん、こんにちは。改めまして、東京労働局職業安定部長の清野でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。東京地方労働審議会の港湾部会の開催ということで、開催に当たりまして一言ごあいさつをさせていただきます。
本日は、各委員の皆様方、大変お忙しい中ご出席をいただきまして、心より感謝申し上げます。また、日頃より、私ども職業安定行政の運営につきまして格別のご理解とご協力を賜っており、重ねてお礼申し上げます。
さて、最近の雇用失業情勢でございますが、景気は回復の動きが見られるものの、12月の全国の完全失業率は4.6%と、依然として高水準で推移しております。ハローワークに仕事探しに来られた求職者お一人に、ハローワークにお申し込みいただいた求人がどの位の倍率となっているかというようなことを示す有効求人倍率がございますが、全国で0.71倍、東京は0.91倍という状況でございます。まだ1倍を下回っております。この求人倍率というのは、単に求職者の人数と求人募集がかかった人数をあらわした指標でございますので、実際、仕事探しをする際、あるいは求人の人材の募集をする際は、求職者、求人者の方それぞれ、求める条件ですとか希望がございますので、この数字というのはまだまだ厳しい状況が続いていると、こう理解をしているのが現実でございます。
ところで、昨年発生いたしました東日本大震災は、津波や原発事故を誘発し、はかり知れない災害となってしまいました。あれから間もなく1年となりますが、この間、災害の復旧・復興に欠かすことのできない物資物流を担っていただいております皆様方のご活躍に、この場をお借りしまして感謝申し上げます。地震発生直後から、労使の皆様の協力のもと、情報収集に当たられ、緊急援助物資の輸送に伴う物資の保管ですとか、仕分けですとか、荷役作業体制の確保などに機敏にご尽力いただいたところでございます。誠にありがとうございました。
また、京浜港への直接の被害は少なかったと聞いておりますが、風評被害への対応ですとか、危機管理体制の再構築等々、日々お力を注がれておられるものとご推察しておりますが、震災復興の道のりはまだまだ長くかかるものと思いますので、どうぞこれからも、ご協力方よろしくお願い申し上げます。
我々労働行政でも、全国から被災局への職員の派遣はもとより、「日本はひとつ」しごと協議会を全都道府県に立ち上げまして、国も自治体も民間も、とにかくみんなが力を合わせて頑張ろうということで、さまざまな取り組みをしております。東京局では、全ハローワークに震災直後から特別援助窓口を設置しまして、関係機関との連携のもと、被災局への求人連絡や、避難されている方への出張相談、あるいは面接会の開催など、積極的な支援に取り組んでまいったところでございます。
また、新卒者雇用に関する取り組みとしまして、非常に厳しい新卒者の就職状況の中、東京新卒応援ハローワーク及び八王子新卒応援ハローワークにおきまして、人事、労務分野、カウンセリング等の経験がある、ジョブサポーターという個別支援や大学との連携をしていただく方を採用して、被災地域における新卒者雇用のための求人の確保にも取り組んできたところでございます。また、東京で面接会を開催するに当たりましても、関係の被災地域における新卒者の就職支援にも、こちらにバスで来ていただいたり、あるいは労働大学校の宿泊設備を使って宿泊をしていただくというような取り組みをしてきたところでございます。
現政権下におきまして、平成24年は雇用が回復する元年でなくてはならないということを言われておりまして、私ども安定行政としましても、求人・求職者のマッチングの強化、新卒応援ハローワークを中心とした未内定学生、あるいは高校生及び3年以内の既卒者への一層の就職支援、雇用調整助成金等を活用した企業の雇用維持努力への支援、こういうことを最重要項目として掲げまして、着実な推進に努めるとともに、行政サービスの一層の向上を図ってまいる所存でございます。
さて、本日は、東京地方労働審議会労働港湾部会にて、港湾労働法の施行状況についてご審議いただくわけでございますが、東京港は、首都圏4,000万人の生活と産業を支える一大物流拠点として、また世界と日本を結ぶ国際貿易港として、我が国の経済活動に重要な役割を果たしております。しかしながら、近年のアジア諸港の躍進等によりまして、日本の港湾の相対的地位が若干低下する中、国際競争力の強化に向け、さまざまな課題への取り組みが求められていることも、皆様、既にご承知のとおりでございます。
こうした状況を踏まえて、私ども職業安定行政としましては、東京港が引き続きその機能を十分に発揮していくためには、そこで働く港湾労働者の雇用の安定と福祉の増進が極めて重要であるとの認識に立ちまして、関係機関との密接な連携のもと、港湾労働法の遵守の徹底と、雇用秩序の維持に向けた取り組みを更に展開してまいりたいと思っております。引き続き皆様のご協力をお願い申し上げます。
終わりに、本日の審議でございますが、平成21年度からスタートした港湾雇用安定計画を踏まえて、ぜひ活発なご議論を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして、簡単でございますが冒頭のあいさつとさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
続きまして、本日ご出席の各委員の皆様方をご紹介させていただきます。ご紹介は、席次表、名簿のとおり、五十音順とさせていただきます。
まず、公益代表委員からご紹介申し上げます。
鬼丸委員でございます。
【鬼丸委員】
鬼丸です。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
田付委員でございます。
【田付委員】
田付です。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
新たに公益委員に就任されました野川委員でございます。
【野川委員】
野川でございます。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、新たに公益委員に就任されました原委員でございます。
【原委員】
原です。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、新たに公益委員に就任されました吉井委員でございます。
【吉井委員】
吉井でございます。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
続いて、労働者代表委員をご紹介申し上げます。
菊池委員でございます。
【菊池委員】
東京港湾の菊池です。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく小林委員でございます。
【小林委員】
海員組合の小林です。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
新たに労働者代表委員に就任されました佐藤委員でございます。
【佐藤委員】
全港湾の佐藤です。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、新たに労働者代表委員に就任されました内藤委員でございます。
【内藤委員】
全倉運の内藤です。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
次に、使用者代表委員をご紹介申し上げます。
秋葉委員でございます。
【秋葉委員】
秋葉でございます。
【堀内職業対策課長補佐】
新たに使用者代表委員に就任されました田端委員でございます。
【田端委員】
田端です。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、新たに使用者代表委員に就任されました鶴岡委員でございます。
【鶴岡委員】
鶴岡でございます。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
中山委員でございます。
【中山委員】
中山です。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
なお、名簿にございます城田委員におかれましては、所用により欠席でございます。
次に、専門委員をご紹介申し上げます。
関東運輸局東京運輸支局次長の山尾委員でございます。
【山尾委員】
山尾でございます。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
東京都港湾局長の中井委員は、本日、所用により欠席のため、代理で出席いただきました港湾経営部経営課の上林山課長でございます。
【上林山課長】
よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
東京都産業労働局長の前田委員は、本日、所用により欠席でございます。
次に、関係機関の職員をご紹介申し上げます。
財団法人港湾労働安定協会東京支部の荒井支部長でございます。
【荒井支部長】
荒井でございます。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
続きまして、事務局職員を紹介させていただきます。
東京労働局職業安定部職業対策課長の藤村でございます。
【藤村職業対策課長】
藤村でございます。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、特別雇用対策係長の金澤でございます。
【金澤特別雇用対策係長】
金澤でございます。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
品川公共職業安定所所長の髙野でございます。
【髙野職業安定所所長】
髙野でございます。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、雇用開発部長の齋藤でございます。
【齋藤雇用開発部長】
齋藤でございます。よろしくお願いいたします。
【堀内職業対策課長補佐】
同じく、港湾労働課長の泉でございます。
【泉港湾労働課長】
泉でございます。よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
以上で、紹介を終わらせていただきます。
では、議事に入ります前に、お手元に配付してございます資料について確認させていただきます。
まず、会議次第でございますが、この中に委員名簿、席次表を一緒につけてございます。次に、配付資料1「東京地方労働審議会港湾労働部会規程集」でございます。本部会の運営は、これらの政令及び規程に基づき運営させていただきます。次に、配付資料2「東京地方労働審議会港湾労働部会 資料」、こちらは、次第8、港湾労働法施行状況についてのご説明の際に使用いたします。また、参考資料といたしまして、労働統計、作業統計、年度別・月別の港湾荷役の業務取り扱い状況を添付しております。
以上、配付資料は2点でございます。
それでは、議事に入らせていただきます。本日は、港湾労働部会第6期第1回目の開催でございますので、最初に部会長の選出をお願いすることになりますが、部会長の選出につきましては、地方労働審議会令第6条第5項に基づきまして、公益を代表する委員から選出することになっておりますが、ご意見等ございませんでしょうか。
【中山委員】
中山ですが、田付先生にお願いできたらと思いますが。
【堀内職業対策課長補佐】
ただいま、中山委員より田付委員を推薦するご発言がございましたが、委員の皆様、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【堀内職業対策課長補佐】
ありがとうございます。それでは、田付部会長より、部会長就任のあいさつをお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【田付部会長】
ただいま部会長に選任されました田付でございます。よろしくお願いします。例年、粛々と審議が進められておりますので、今回もまたよろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
ありがとうございました。
次に、地方労働審議会令第6条第7項に基づきまして、部会長があらかじめ指名することとなっておりますので、田付部会長に部会長代理の指名をお願いいたします。
【田付部会長】
部会長代理には野川先生にお願いしたいと思っていますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【田付部会長】
よろしくお願いします。
【堀内職業対策課長補佐】
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ここからの議事進行につきましては、田付部会長にお願いいたします。
部会長、よろしくお願いいたします。
【田付部会長】
それでは、まず定数報告からお願いしたいのですが。
【堀内職業対策課長補佐】
本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。公益代表、労働者代表、使用者代表委員それぞれ、定数の3分の1以上の出席いただいております。地方労働審議会令第8条の規程を満たしていることをご報告いたします。
【田付部会長】 ありがとうございました。
次は、議事録署名委員ですが、労働者代表は、佐藤委員にお願いしたいと思います。
【佐藤委員】
私がやります。全港湾の佐藤です。
【田付部会長】
よろしくお願いします。
それから、使用者代表のほうは、中山委員にお願いしたいと思います。
【中山委員】
中山です。はい、私がやります。
【田付部会長】
よろしくお願いします。
それでは、続きまして、港湾労働法施行状況についてご報告いただきたいのですが、事務局よりよろしくお願いします。
【藤村職業対策課長】
よろしくお願いいたします。
【田付部会長】
はい。
【藤村職業対策課長】
私、東京労働局の職業安定部職業対策課長の藤村と申します。改めまして、委員の皆様には、港湾労働対策の運営に当たりまして、格別のご理解、ご協力を賜りまして、この場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。
私のからは、お手元に資料を2種類用意してございます。配付資料の2を中心にして、ご説明を差し上げたいと思います。よろしいでしょうか。
配付資料2を1枚めくっていただきますと、目次がございます。こちらで1ページと2ページ、ここの常用港湾労働者の就労状況と東京港港湾労働者作業別の就労状況、ここの2点についてご説明申し上げます。また、9ページ、10ページにつきましては港湾労働者の派遣業務取り扱い状況の22年度と23年度、こちらについては、後ほど財団法人港湾労働安定協会東京支部の荒井支部長からご説明をいただくということになりますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、まず1ページをご覧いただきたいと思います。こちらが、常用港湾労働者の就労状況ということでございます。東京港で働く常用港湾労働者の就労状況を、18年度から23年の11月まで示してございます。常用港湾労働者とは、期間の定めなく雇用されている港湾労働者はもちろんでございますが、2カ月を超えての期間を定めている労働者もここに入っておりますので、ご報告をいたします。また、直近の23年11月現在、東京港で港湾荷役の許可を得ている企業143社、この企業の常用労働者として、(4)番からございますとおり、船内作業、沿岸作業、倉庫作業などの港湾荷役についている労働者の就労状況ということでご覧いただきたいと思います。
まず(1)欄、月末現在の港湾労働者証を所持している有効者数ということでございます。ご覧のように、各年度とも前年度比増加を示しまして、22年4月以降23年11月まで、この増加傾向が続いているという状況です。
これを反映しまして、このうち、実際に就労した者というのが(2)欄、就労実人員ということになります。年度別では、22年度に月平均4,088人日ということで、4,000人日を超えてまいりました。23年度に入っても、ごらんのように4,000人前後の方が港湾作業に従事していると。明らかに増加傾向を示していることが、こちらでうかがえると思います。また、一番下のところ、23年度の月平均ということで、4,065人日。前年同期比で1.6%の増加を示しているという状況でございます。
横へ行きまして、(3)欄の就労延数ということになりますが、こちらについては、港湾荷役の特徴といたしまして、荷役量が日によって急激に増減するという、いわゆる波動性によるものがあるということもございますが、一番下、23年度月平均で7万8,300人日ということで、前年同期比でも2.4%の増加を示しているということになります。
次に一番右側になります。(7)欄、こちらでは、1人当たりの平均就労日数。前年同期が19.1日ございましたので、23年度の月平均としてコンマ2増加いたしました。19.3日といった状況でございます。
あと、荷役別の状況につきましては(6)欄、その他、こちらがはしけ、いかだ運送などの作業ということになりますが、ご覧のように23年度に入りまして、ここが減少を示しております。(4)欄の船内、それと(5)欄の沿岸・倉庫作業については増加を示しているといった状況でございます。
あと、こちらの資料にはないんですが、ここの常用労働者の年齢別構成比をちょっとご紹介申し上げますと、50歳以上の占める割合というのが、23年12月現在、昨年12月現在で27.5%、30歳未満の割合というのが14.8%という状況でございます。
ちょっとさかのぼりまして、4年前の19年12月の数字を見ますと、特徴的に違うのが、ちょうどそのときに50歳以上の割合というのが31.0%でございましたので、今回、4年たって27.5%というのが50歳以上の割合ということになります。では、ほかの割合で増えたところはといいますと、40歳代の層が、4年前に比べて増えているという状況でございます。
私ども行政といたしましても、この東京港における将来の担い手である若年者層の確保と育成も、引き続き重要な課題であると考えております。また、港湾労働者の雇用の安定を図り、港湾労働が魅力あるものとすること、あるいは技術革新の進展であるとか、労働行政を取り巻くさまざまな時代のニーズ、そこに対応した技能労働者の育成も急務であると考えております。
以上が、1ページの説明でございます。
続きまして、1枚めくっていただきまして2ページ、こちらが東京港の作業別の就労状況、全作業分でございます。この表は就労状況を示しておりますが、まず、港湾労働法あるいは港湾雇用安定計画の趣旨から幾つか申し上げますと、一番左側、(1)の就労延日数欄、ここは各雇用形態で働く労働者の合計。その内訳として、(2)欄、企業常用雇用労働者。ここの数字でございますが、港湾運送業務の分野におきましては、高度な技術・技能を有する労働者を、より積極的に確保していくという方策が求められていると。そんな中、港湾労働者につきましては、常用雇用をいたしまして、計画的な教育訓練を行うことによって、高度な技術・技能を有する労働者というのを育成していくということが重要であるというふうになります。
いわゆる、各事業主に雇用される常用労働者による作業を原則といたしまして、港湾運送の波動性に対応した企業外の労働力につきましては、まず(3)欄、ここで労働者の派遣制度に基づいた派遣を活用していただき、次に必要な労働力を確保できない場合は(4)欄、安定所紹介による日雇いからの受け入れ。さらに、その紹介が受けられない場合には、(5)欄、ここで例外的に日雇い労働者の直接雇用が認められているといった趣旨でございます。これが、港湾労働法あるいは港湾雇用安定計画の趣旨というところの見方ということになりますので、ご案内を申し上げたいというふうに思います。
(1)欄の一番下、23年度分のご紹介を申し上げますと、就労延日数としては64万7,823人日、これが23年度11月までの数字でございます。この64万7,823人日のうち、(2)欄、企業の常用雇用労働者62万6,399人日ということになりますので、全体の96.7%。かなり高い比率で、企業内の常用労働者によって港湾作業が行われているといった状況が言えると思っております。港湾労働法に基づいた、安定した、いわゆる雇用関係による健全な運営が一定程度定着しているというのが、東京港の考え方であるかなというふうに認識しております。
残りの3.3%が、いわゆる(3)欄からになります。企業外の労働力ということになります。参考資料でご案内申し上げますと、11ページをちょっとおあけいただきたいと思います。こちら、11ページが、その3.3%を占める企業外の労働力の内訳――派遣・安定所紹介・直接雇用の占める割合をグラフで示した資料でございます。一番下の横の表の中で、企業外労働力の内訳といたしまして、一番下になります――直接雇用、この割合が高く、やはり17年度以降8割から9割を占めております。安定所紹介、港湾労働者派遣の順にパーセンテージを示している状況になります。
繰り返しになりますけれども、常用労働者以外で作業する場合というのは、例外的に日雇い労働者の直接雇用が認められている。こうした状況を踏まえますと、今後も各事業主に対して、港湾労働者の派遣制度の利用促進というのを、やはり私どもも積極的に働きかけてまいりたいというふうに思っております。
戻っていただきまして2ページになります。以上、そういった趣旨から数字をご覧いただきたいと思いますが、ここの2ページで1点、特徴的な箇所の説明をさせていただきます。(5)欄の直接雇用による日雇いの一番下になりますが、23年11月現在、3,034人日、これが前年同期に比べて27.3%、急激に増加している。この要因でございますが、周辺港の状況を含めて確認したところ、例年11月というのは冷凍船の入港が多いということとあわせまして、今回、震災による影響によって、東北の冷凍倉庫が使用できないということをもちまして、東京港のほか川崎、横浜も入港が多かった状況があるということ、こうしたことが一因で、この大幅増につながっているのではないかと考えております。ちなみに、12月分というのは、今、集計中でございまして、数字として表には計上しておりませんが、おおむね10月の水準となると予測しております。
以上、特徴的なことを申し上げましたが、全作業で、今、私の方からご説明申し上げましたが、後ろ3ページから8ページが作業別の内訳ということになりますので、ここは、大変恐縮ですが、お時間がないので、各委員の皆様には後ほどご覧いただきたいと思います。
以上、私から、雑駁ではございますがご説明申し上げました。また引き続き、港湾労働対策というのは、関東運輸局、あるいは東京都の港湾局、港湾労働安定協会の東京支部、事業主団体、それと労働組合など、関係機関や団体と有機的な連携を図っていきたいというふうに思っております。さらに、皆様方のご協力をお願い申し上げまして、私の説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【田付部会長】
ありがとうございました。
それでは、荒井支部長、お願いします。
【荒井支部長】
改めまして、雇用安定センターの荒井でございます。私からは、当雇用安定センターで取り扱っております派遣の状況につきまして、ご説明させていただきます。
配付資料2の9ページと10ページになりますが、9ページは22年度の取り扱い、10ページは23年度の取り扱いとなります。ここでは、10ページの23年度の数字をもとに説明させていただきます。
10ページ中ほどより上の表は、23年4月からの月別の取り扱い状況でございます。下の表は、年度別の月平均取り扱い状況でございます。項目につきましては、上の表も下の表も同じでございますが、まず、上の表の23年11月の数字を左からご説明させていただきます。
事業所実数ですが、こちらは派遣元事業所数、すなわち派遣の許可をとっている事業所でございます。東京港には、23年11月末現在143の店社がございます。その中で35の事業所が派遣の許可をとっております。さらに、そのうち2社が神奈川県で許可をとられておりますので、東京で許可をとられているのは33事業所でございます。
その右側にございます派遣労働者数、これは35の事業所で派遣労働の対象となっている方で、667名となっております。23年11月末現在、常用港湾労働者数は4,592名でございますが、その中の約15%、667名が派遣対象労働者ということになります。前年の11月が695名でしたので、4.0%の減少となっております。
次のくくりになりますが、この3つの項目は、雇用安定センターにあっせん申し込み、要するに求人申し込みをいただいた事業所等の状況でございます。求人事業所数が25事業所、求人件数が900件ちょうど、求人数は4,338名という状況でございます。なお、4,338名のうち、横浜からの申し込みが約34%、1,487名でございます。
この求人をもとにいたしまして、雇用安定センターでは派遣のあっせんを行っているところでございますが、右のくくりはそのあっせん状況でございます。先ほどのあっせん申し込み900件、4,338名に対しまして26件73名のあっせんを行っております。東京の事業所だけで見ますと、あっせん申し込み数2,851名に対し、あっせん成立数が73名ということで、成功率は2.6%となっております。次に、派遣元事業所数、つまり何社から派遣労働者を出したかということですが、これは3社でございます。3社から実人員28名が延べ73人日派遣されたということでございます。一番右側にありますのが派遣先事業所数、つまり派遣労働者を受け入れた事業所数で、3社となっております。
下の表につきましても同じ項目で、各年度別に月平均を記載しておりますので、後ほどご覧いただきたいと思います。
以上、簡単ではございますが、当雇用安定センターの派遣業務取り扱い状況につきまして説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
【田付部会長】
どうもありがとうございました。
ただいまのご説明に関して、ご意見、ご質問などありましたら。何かありませんか。
じゃあ、ちょっとお考えいただいている間に私から伺いたいんですが、去年の3月の震災の後、特に外国船が、東京港忌避の動きが随分あったという話を聞いておりますが、あまり港湾労働の方には影響がなかったように見受けるんですが、どういう状況だったんでしょうか。
【中山委員】
中国船が当初、放射能の関係で、一部抜港という形が3月の末からちょっとあったんですが、その後すぐ復帰して。
秋葉さん、そんなに影響していないですよね。
【秋葉委員】
ほとんど影響はございませんでした。
【中山委員】
ほとんど……。最初の時だけちょっと抜港の動きがあったんですが。
【秋葉委員】
ええ、一、二隻ということでした。
【田付部会長】
どうもありがとうございました。
【野川委員】
じゃあ、いいですか。
【田付部会長】
野川委員どうぞ。
【野川委員】
1つ。派遣の状況ですが、この2ページの表を見ますと、港湾労働者派遣については、平成14年度から19年度まで漸減という状況ですが、急激に20年度、21年度に減って、21年度で底を打って、22年度はまた少し上がり、23年度も少し上がり気味ですかね。この21年度に急にどんと底を打って、またこう……、Vと言えるかどうかわかりませんが、その動きの背景について、ちょっとご説明いただければと思いますが。
【荒井支部長】
はい。派遣制度が発足してから11年が経過いたしました。過去の派遣あっせんの実績を見てみますと、制度発足当初は、決して十分な取り扱い数とは申しませんけれども、それなりの数字が上がっていたかと思います。それが、平成18年度以降は、残念ながら一貫して下がり続けております。雇用安定センターといたしましては、これまでの間、派遣制度が活用されますよう、あらゆる機会を通じて制度の周知徹底を図ってまいりました。
それで、このような取り組みの効果によるものかどうかは定かではございませんけれども、一昨年11月、新たな派遣契約が何本か締結されまして、昨年の11月までの13カ月間は、派遣あっせん数は対前年比でプラスで推移しております。
過去の浮き沈みはありますが、17年がピークで、それから18年以降下がり続けておりましたけれども、この中身は、事業所が移転した、あるいは許可の更新をしなかった、あるいは派遣の契約が打ち切りになったというような内容によりまして、数字が動いている状況でございます。
【田付部会長】
いいですか。
【野川委員】
何か特に大きな、特殊な原因があったということではないということですね、今のお話ですと。たまたま許可を受けない事業所があったり、移ったりといったような、通常想定される原因が重なったというようなことでしょうか。
【荒井支部長】
はい。そうです。
【田付部会長】
はい。
【藤村職業対策課長】
よろしいですか。安定センターからの回答プラス、私ども東京の雇用失業情勢のところから見ますと、どれだけ仕事が企業のほうで動いているのかという状況の指数というのが、先ほど安定部長から申し上げましたとおり、有効求人倍率というところで見ます。1人の仕事を探す方に対してどれだけ求人があるか。実は、東京というのは1倍を優に超えていまして、20年のリーマンショック後、21年度というのが一番最悪な状況で、0.5倍台の有効求人倍率を示したのが21年の秋なんです。
今のこの港湾の作業の内訳等々をひもといていきますと、やはりどれだけ仕事が来ているのという数字からいきますと、東京の雇用失業情勢、まさしくそのままの数字がこの派遣の取り扱い数に出ていますので、やはり今後、円高の影響であるとか、いろいろな要因はまだまだありますが、経済が活性化することによって、やはり東京港の作業内容も充実してくると考えている、指標の表れの1つかなと考えております。
【野川委員】
ありがとうございます。
【田付部会長】
よろしゅうございますか。
ほかに質問がありましたら。労働者代表の方、どなたか。
よろしゅうございますか、質問は。あるいはご意見。せっかくご出席いただいているんですから、一言ご意見いただければ。
【小林委員】
よろしいですか。
【田付部会長】
はい、お願いします。
【小林委員】
海員組合の小林ですが、港湾労働者の派遣業について、あまり詳しくないので教えてほしいんですが、10ページの資料で、今ほどご説明いただきましたあっせんですかね。これは、安定協会によるあっせん、申し込み数が、例えば23年の11月は4,338人分あっせんしてくれという申し込みがあって、成立が73人。マッチングが2.6%ですごく低いのは、何でこんなに低いんですか。多分、ほかの月も似たようなものなんじゃないかなと思うんですが、その理由を教えてください。
【荒井支部長】
申し込み数は、確かに4,338と多いんですけれども、利用がなかなか進まない。その理由なんですけれども、理由としましては、派遣料金が、一方では高い、あるいはまた逆の一方では安いとか、あるいは日によって労働者が変わることによりまして、安全面とか指導・教育面が大変だとか、派遣元、派遣先、それぞれ事情がおありのようで、今ひとつ制度が利用されないのが現状なんです。
それで、私どもも非常に苦しい立場でございまして、派遣制度が活用されますよう、あらゆる機会を通じてお願いはしているんですけれども、現状はこのような数字になっております。
【中山委員】
いいですか。基本的に、各企業の各労働者はそれぞれ専門性が結構ある。例えば青果であるとか、紙の巻き取りであるとか、あるいはさっき出ました冷凍であるとかとあるんですが、例えば求人が増えていますが、去年の11月の冷凍カーゴというのは、冷蔵倉庫の労働条件って、非常にある意味ではきついんですね。労働時間の問題等があって。それで、なかなかマッチングが難しい。例えば人が、同業の中で何人か派遣が出せるよという話があって、出ているんですけれども、受け入れられるところとのマッチングがやっぱり非常に難しいという部分があって、それが一番大きい問題ですね。
【小林委員】
はい、事情はわかりました。先ほどマッチングを上げていかなきゃいけないというごあいさつがあったので……、藤村さんのほうから、マッチングを上げていかなきゃいけないんだと。マッチングが合わないから低いんですだけでは、なかなかこの先進歩しないので、そのマッチングがなぜしないのかということを、もうちょっと何か対策していかれるべきではないかなと思います。
その割には、直接雇用の、いわゆる日雇いの方は結構おられて、要はこういう人を派遣の仕組みに入れていって、雇用されていかないと、ある程度、波動性があるというか、全員、100%常用雇用できれば一番いいんでしょうが、なかなか経営者の方もいろいろ事情があるでしょうけど、そのためにいろいろ、安定した労働者が生活できるためにこういった仕組みをつくられたんじゃないかと思うんですけど、マッチングがしませんでしたでは、なかなかどうなのかなと。マッチングがしないから成立しないのはわかっているんですけど、何か次のステップを考えられた方がいいんじゃないかなと。
【鶴岡委員】
よろしいですか。これをご覧になって直接雇用の問題が出たんですが、東京港の場合に96%が常用労働者で回しているわけですね。港湾の波動性を考えてみても、ほんの4%なんですよ。そうすると、正直言いますと、常用労働者できちんと……。
【中山委員】
賄えている。
【鶴岡委員】
賄えているという状況なんですね。本当に突出した部分が、この派遣及び直接雇用で賄っていると見ていくと、おっしゃっていることはわかるんですけれども、現状からいえば僕は適正だというふうに理解します。
派遣の問題につきましては、制度そのものに、業側からも、あるいは働いている人からもいろいろ問題があることは事実です。これは、また詳しく制度そのものをご覧になるとわかると思うんですが、そういった意味で、非常にこの制度自体が、マッチングも含めて、常用労働者が基本的には仕事がない時でないと、まず派遣できない。それで、今の数字を見る限り、96%がそういう形で稼働しているわけですから、そうすると、派遣できる労働者自体が、各社そんなに持っていないということですね。そういうふうにご理解いただくと、この問題はわかっていただけると思います。
【中山委員】
結局、今、鶴岡委員が言ったように、臨時雇いや常用の比率というのを常用制にするようにという形で、今、東京港としては96%ぐらいまで常用になっているんです。だからほとんど自社。そこでたまたま、波動性がありますから、あいたときに、うちの方としては出せますよという形で、例えば東京国際埠頭なんかだと、紙関係の仕事をやっている作業員を出すわけですね。それは、受け入れるところが、例えば冷凍関係の方の求人があったとすると、やっぱりうちの方の作業員としては行けないみたいな部分があるんですよ。それを常用の96%の中でやっているわけです。
そのあとの臨時部分の4%の中でのマッチングで、ここだけをとらえて派遣制度になるので、非常にマッチング率が低いということにはなるんですけれども、この派遣というのは、我々が抱えている労働者で、波動性があって、あいたときに出す、それが足りないときにもらうという部分があるので、うまくマッチングする……。例えば、コンテナヤードで、いわゆるガントリークレーンの運転手ならガントリークレーンの運転手が足らないというようなときで余っている。これはうまくマッチングするんですね。だから、そういう部分はいいんですけれども、業種が違ったりするというのは非常に難しいということがあります。
【鶴岡委員】
同じ職種は、忙しいときはみんな忙しいんです。
【中山委員】
そうですね。
【鶴岡委員】
不思議なことに、暇なときはみんな暇なんです。そういうことで、この派遣は、なかなか整合性がとりにくいと理解しています。
【小林委員】
なるほどね、わかりました。おそらくこのあっせん申し込み人数が多いのは、安定協会の方が各社回られて、少しでも余裕があったら出してねということで、多分こっちの数字がつくられて、でも、実際はそういういろんな業種の事情とかがあって、なかなかマッチングしないと。
というのは別にあれなんですけど、マッチング率2.6%って、多分、ほかの方が聞くと、それって機能してるのみたいな感じになるんじゃないかなと思うので、もうちょっと工夫した方がいいんじゃないかと思っただけです。
よくわかりました。ありがとうございました。
【田付部会長】
どうもありがとうございました。
ほかには何かご意見、ご質問ありますか。よろしゅうございますか。では、今日はここで会議を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【堀内職業対策課長補佐】
田付部会長、ありがとうございました。
本日は、皆様におかれましては、ご審議いただきましてありがとうございます。委員の皆様におかれましては、今後とも職業安定行政の運営につきまして、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。それでは、これをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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職業安定部 職業対策課 TEL : 03-3512-1664