第6期 第1回 東京地方労働審議会 (平成23年12月7日開催)

 

第6期第1回 東京地方労働審議会

 

1 日時   平成23年12月7日(水)  15:15~17:00

 

2 場所   新宿公共職業安定所 西新宿庁舎(2階共用会議室)

 

3 出席者

   委 員  佐藤委員、尾津委員、梶原委員、金子委員、橋本委員

        秋山委員、浅見委員、傅田委員、三宅委員、米田委員

        大浜委員、加藤委員、渡邊委員

 

   事務局  山田東京労働局長、阿部総務部長、堀之内労働保険徴収部長、

        引地労働基準部長、清野職業安定部長、松浦需給調整事業部長、

        柴田雇用均等室長、廣瀬新宿公共職業安定所長

 

4 議題

(1)    会長の選出について

(2)    会長代理、部会委員の指名及び専門委員任命に係る同意について

(3)    ハローワーク新宿における求職者支援制度の受付状況について

(4)    平成23年度における重点対策事項に係る進捗状況(上半期)について

(5)    その他(質疑・意見交換)

 

5 配布資料

    本会議資料

(1869KB; PDFファイル)

 

  別添資料1

(6485KB; PDFファイル)

 

  別添資料2~7 

(4648KB; PDFファイル)

 

6 議事

【髙橋企画室長】  それでは、ただいまから第6期第1回東京地方労働審議会を開催させていただきます。本日は委員の方々にご出席いただきまして、ありがとうございます。私は進行を務めさせていただきます総務部企画室の室長の髙橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本会を開催するに当たりまして、山田局長よりごあいさつを申し上げます。

【山田労働局長】  東京労働局の山田でございます。お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。それから日ごろ、労働行政の推進に当たりましては、皆様方に格別のご指導とご支援をいただいていますこと、この場をおかりして御礼を申し上げます。

 先ほど、手帳を見ておりましたら、前回の審議会を行った次の日に震災が起こりまして、状況ががらっと変わったという感じがいたします。震災以来、労働局からも現地に職員を派遣したり、あるいは、東京には雇用という面が復興の上で非常に重要な要素があるということで、労使の皆様にもお世話になりながら、雇用機会の確保ということで、いろいろなことをこの半年以上の間やってきたという感じがございます。

 それから、現在、税と社会保障の一体改革ということで、消費税の増税のことが議論の中心になっておりますけれども、この改革の中には参加保障、つまり、できるだけ多くの方々に社会を支える側に回っていただくという視点での政策といいますか、そういういったものも非常に重要な要素でございまして、そういう意味では、労働政策に与えられた課題というのも非常に大きいと思っています。参加保障の前提といたしましては、やはり働くことが報われる社会であるかどうかということが非常に重要でございます。1つは最低賃金でございますけれども、これも労使のご協力をいただく中で、今般改定ということで、生活保護基準を超える額になったということでございます。

 それから賃金不払いに関する対応も重要ですし、さらには長時間労働や仕事の上でのストレス、メンタルといったことから起因する労災も増えております。こういった労災の補償の問題、さらにはこういうことが起こらないような、企業に対する指導に取組んでおります。

 それから女性の労働問題に多いわけですけれども、セクハラ、育児休業にかかわる問題、こういったことにつきましても、さまざまな相談なり指導を行っているところでございます。

 こういった、働くことが報われる社会というものの形成に資する対応の前提のもとで、やはり参加保障ということが非常に重要でございます。先ほどご視察いただきました求職者支援制度がこの10月から始まっておりますけれども、やはりリーマンショック以降の非常に就職が難しい状況の中で、生活保護に陥る前に生活の手だてというものをしっかりと構築する意味で、非常に重要な施策だと思っておりまして、これを円滑に運用していくことが重要であると思っています。

 それから若い人たちの問題、やはり学卒の労働市場が今非常に厳しい状況に置かれております。東京の高卒者、来春10万人と言われておりますけれども、そのうち高卒で就職希望の方というのは5,000人ということでございまして、既に5%になっておりまして、やはり高学歴化の中で高卒から専門学校あるいは大卒の就職の問題に、課題が移ってきているという状況の中で、ジョブサポーターを大幅に増員するといったことも含めまして、大卒を中心とした就職対策ということに力を入れているところでございます。ただ高卒につきましても、非常に数が少なくなってきておりますけれども、全国的に見ますと、昔の集団就職の時代とは違いますけれども、やはり東京の企業に勤めたいという地方出身の高卒者の期待というのは非常に大きいものがございまして、高卒の求人というものもしっかりと確保していく必要があるということでございます。

 さらに平成25年度からは、年金の支給開始年齢が報酬比例部分も含めまして60歳からだんだん65歳に移行していくということで、60歳代前半層がある意味では年金は真っ白な状況になっていくということになりますので、これからは60歳代前半層、65歳まで希望する方全員が仕事ができるという環境をどうつくり上げていくかということが非常に重要になってまいります。これも、これから労使の皆様方にいろいろなご協力をいただきながら、環境を整えていかなければならないと感じているところでございます。

 障害者の問題につきましても、最近は企業のコンプライアンスといいますか、障害者雇用に対する認識が非常に深まって、かなり進んできております。ただ、いろいろな状況を見ておりますと、東京都の教育委員会の雇用率というものがまだ法定に満たない状況であるとか、さまざまな課題はございます。こういった課題につきましても、しっかりと進めていかなければならないと思っております。

 いずれにいたしましても、いろいろな課題を労使の皆様方とご相談しながら、理解点、合意点を見出しながらやっていかないといけないことでございますし、本日のような公益側の方も含めましたさまざまな方々のご意見を伺いながら進めていくことが、非常に重要であると思っておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。

【髙橋企画室長】  続きまして、委員のご紹介でございますが、本来、皆様全員をご紹介すべきところでございますが、時間の関係もございますので、お配りしております審議会委員名簿でご紹介にかえさせていただきますが、今期から新たに委員にご就任いただいた方のみ、ご紹介させていただきます。

 まず公益委員として、尾津委員でございます。着席のままで結構でございます。

【尾津委員】  よろしくお願いいたします。

【髙橋企画室長】  続きまして、梶原委員でございます。

【梶原委員】  よろしくお願いいたします。

【髙橋企画室長】  次に使用者側の委員でございますが、大浜委員でございます。

【大浜委員】  よろしくお願いいたします。

【髙橋企画室長】  渡邊委員です。

【渡邊委員】  渡邊です。よろしくお願いいたします。

【髙橋企画室長】  本日は労働者代表委員で白川委員、それから使用者代表で上原委員、田中委員、蜂谷委員からあらかじめご欠席の連絡をいただいております。それと公益委員の田付委員でございますが、急遽、けさ方、欠席のご連絡がございましたので、ご了解ください。しがたいまして、本日ご出席の委員は全部で13名、ご欠席5名ということでございます。

 それから次に、委員の皆様への辞令の交付でございます。第6期の第1回ですので、本来ならば局長から1人ずつお渡しするところでございますが、これも時間の関係がございます。皆様のお机に配付させていただいております。簡略化いたしましたが、ご了解いただきたいと思います。

 それでは続きまして、東京労働局の職員の紹介でございますが、前回開催の出席職員は省略させていただきまして、その後、人事異動がございました職員のみご紹介いたします。

 清野職業安定部長でございます。

【清野職業安定部長】  清野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【髙橋企画室長】  ありがとうございます。

 続きまして、資料でございます。お手元に1枚紙で配付資料一覧を差し上げております。漏れのないようにお配りしたつもりでございますが、もし漏れがございましたら、いつでも事務局のほうへお声をかけていただきたいと思います。

 本日は、後ほどここの23階にあるハローワークも見学していただく予定を入れておりますし、それから先ほどご視察いただきました求職者支援制度の関係もございますので、新宿公共職業安定所長の廣瀬所長にも出席をいただいております。

【廣瀬新宿所長】  今日はどうも、ようこそおいでいただきまして、ありがとうございます。廣瀬と申します。

【髙橋企画室長】  それでは、定数の報告をいたします。先ほどご紹介いたしましたが、出席委員13名でございます。これは地方労働審議会令第8条第1項の規定に照らしまして有効に成立する人数でございますので、ご報告を申し上げます。

 それから、本審議会は東京地方労働審議会運営規程第5条第1項の規定に基づきまして、原則として公開の会議とさせていただきます。また、議事録も発言者名を含めて、後ほどホームページで公開させていただくことになっておりますので、ご了承をいただきたいと思います。

 それでは、いよいよこれから議事に入らせていただきたいと思います。

 まず、議題の1番目は会長の選出でございます。本審議会の会長の選出でございますけれども、地方労働審議会令第5条第1項の規定に基づきまして、公益代表委員のうちから選出することになっております。いかがお取り計らいすればよろしいか、どなたかご意見はございますでしょうか。

【加藤委員】  はい。

【髙橋企画室長】  加藤委員、お願いします。

【加藤委員】  会長の選出の件なんですが、第5期の会長を務められました佐藤先生に、引き続きお引き受けいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【髙橋企画室長】  皆様、異議なしということでございますので、佐藤委員、引き続きよろしくお願いいたします。

【佐藤会長】  では、ご指名ですので、皆さんのご協力を得ながら、審議会を円滑に運営していきたいと思いますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは早速ですが、議題2の会長代理及び部会委員の指名に入りたいと思います。本件につきましては、地方労働審議会令第5条第3項の規定に基づき、私から会長代理を指名することになっておりますので、本日はお病気で欠席ですが、田付委員に会長代理をお願いしたいと思います。ご了解いただければと思います。

(「異議なし」の声あり)

【佐藤会長】  ありがとうございます。

 また、この会議の議事録の作成につきましては、東京地方労働審議会運営規程第6条第1項の規定により、会長のほかに2名の委員に議事録への署名をいただくとなっております。それに基づきまして本日の議事録の署名人には、労働者側は傳田委員、使用者側は加藤委員になっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、東京地方労働審議会運営規程第9条の規定に基づき、本審議会のもとに労働災害防止部会、家内労働部会、港湾労働部会を設置することとなっておりますが、それぞれの部会に所属する委員につきましては、地方労働審議会令第6条の規定により、会長が指名することとされております。そこで、各部会に属すべき委員につきましては、お手元の資料2をごらんいただければと思います。そこに所属部会別委員名簿の案がありますので、ごらんいただき、そのようにさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【佐藤会長】  では、ご了解いただいたということで、どうもありがとうございます。

 続きまして、港湾労働部会の専門委員につきましてお諮りしたいと思います。本委員の任命は、地方労働審議会令第3条第4項の規定により、本審議会の同意が必要となっております。特にご意見等がなければ、同意するとしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【佐藤会長】  どうもありがとうございました。それでは、当審議会として専門委員任命に同意するというふうにしたいと思います。

 事務局におかれましては、本日欠席されております田付委員、白川委員、上原委員、田中委員、蜂谷委員、並びに臨時委員等の皆様に、本件の結果をご報告いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして議題3です。ハローワーク新宿における求職者支援制度の受付状況について、今日は所長に来ていただいていますので、廣瀬所長からご説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【廣瀬新宿所長】  座ったままでよろしいですか。

【佐藤会長】  はい。もちろん。

【廣瀬新宿所長】  それでは、改めましてハローワーク新宿の廣瀬と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私から、ハローワーク新宿における求職者支援制度の簡単な流れと、それから制度開始までの私どもの取組状況ということについて、資料に基づいてご説明申し上げたいと思います。委員の一部の皆様は、先ほどこの制度で民間の教育訓練機関を実際にご視察されたということですから、その際に大体、制度の概要などの説明があったと思いますので、そこは私からは省略させていただきますが、ご承知のように平成21年5月に補正予算で雇用保険を受給できない、特に非正規労働の方々だとか、あるいはキャリア不足で長期に失業状態に置かれている方々に対して、新たなセーフティーネットということで構築させていただいて、当時、緊急人材育成・就職支援基金として3年間の時限措置として基金を造成して、私どもが中心で、支援ということをやってきたわけであります。その翌年、22年の6月に新成長戦略の中で、求職者支援制度としてしっかりと法律事項として整備して、この10月から施行されたという流れでございます。

 それでは、資料3の7ページをごらんいただきたいと思いますが、求職者支援制度の目的は、あくまでも再就職をしていただくということでございますので、私どものハローワークにおいでになられた方々には、お一人お一人にキャリアコンサルということを基本的に実施させていただいております。キャリアコンサルをする中で、やはりブラッシュアップの訓練ということがどうしても必要だといわれる方々に、そうした訓練のご案内をしていくということでございまして、訓練の実施に入った方々に対しては、月に1回ハローワークにおいでいただいて、就職支援を、担当制等をしきながらやらせていただく。それと並行して、一定の要件を満たす方々に対する生活支援給付金10万円を、支給申請ということも含めてやらせていただいている。私どもとしては、毎月1回おいでいただく中で、ご本人の再就職に対する意欲だとか、あるいは訓練の状況だとかということも把握させていただきながら、モラルハザードが起きないように、スクリーニングの意味合いも含めて、やらせていただいているということでございます。

 それから、次のページをごらんいただきたいと思います。少し細かい図になりますが、支援の流れに対応するためのものでございまして、ハローワーク新宿における私どもの取り扱いの状況とご理解いただきたいと思います。図の右側が私どもの実施体制でございます。それから左側は来所される方々に対する手続の流れとご理解いただきたいと思います。今日このエルタワービルの23階に、お時間があればご視察もいただきたいと思いますが、ここで基本的には受講に関する事前の相談と、事後の就職支援ということもやらせていただいております。

 少し特徴的なところをご説明しますが、右側の黄色く塗ってあるところが特徴的なところでございまして、先ほど、ここにおいでになられる仕事を探される方々に対するキャリアコンサルの実施という中で、特定求職者の確認ということをさせていただいて、あくまでもブラッシュアップが必要かどうかということも、私どものコンサルの中で判断をさせていただいております。

 それから、下の黄色いところは、具体的には訓練が、本人の希望と私どもの判断が一致をしたときに、一定の審査会議を私どもではさせていただいておりまして、その方々に対してほんとに訓練が合っているのかどうか、少なくとも再就職につながるものであるのかどうかということも、組織的なコンセンサスという意味で、審査会議をやらせていただいております。中でも、特に給付金だけが目的であることについては、一定の職業指導も含めてスクリーニングをかけなければいけませんので、審査会議の中で組織的なコンセンサスを目指してやっているということであります。私どものところでは、まずそういったキャリアコンサルから訓練に入っていただくという指示、それから再就職までの支援計画ということを立てさせていただいているわけですが、職員21名、15の窓口を構成して対応しております。極めて忙しい窓口になります。

 それから訓練に実際に入った方々に対する支援でありますが、先ほどお話を申し上げましたように、月に1回こちらのほうにおいでいただいて、本人の訓練の進みぐあい、あるいは出席状況だとかいうことも確認し、生活支援給付の要件ということもそこで確認させていただいて、ここはキャリアアップハローワークといいまして、主に非正規労働者であった方々が正社員になっていただくためのプログラムをいろいろ支援として持っているハローワークでありますが、隣のビルにございます。そこにおいでいただいて、職員13名、窓口が5つ、ここで個別的に必要に応じて担当制をしきながら、その方々の再就職支援と給付の要件ということを確認して、支給していくということでございます。

 次のページをごらんいただきますと、私どもハローワーク新宿で10月1日に施行以後、取り扱いした状況でございます。まず①の表の訓練の申込状況でございますが、10月3日の当初の開講コースは85人で、52名が合格したと記述してございますが、ここは制度が開始して間もないことと、それから冒頭に申し上げました基金訓練が少し重複した時期でもありましたので、ここは若干少ないという状況になってございます。11月14日の開講コースには283人の申込みで、158人の方が合格している。合計で言いますと629名の申込みがあって、入校が210名で、生活支援給付金の支給対象となった方が126名ですから、入校率としては少し低いかなと思っていますが、給付金の支給率は60%でありまして、緊急人材育成支援事業の基金事業のときは65.6%はあったので、少し訓練と生活支援給付というのがマッチングして、制度の趣旨に沿った運用ができているんじゃないかと私は認識しているところでございます。

 それから②の表の訓練コースのコース別入校状況でありますが、11月のコースでは基本的にパソコンの基礎コースだとか、あるいは事務的な訓練だとか、いわゆるビジネススキルを主とした基礎コース、これが20名です。それから実践コースでは、主に成長が見込まれる、いわゆる成長分野、介護、福祉系、それから医療系に76名。その他成長が見込まれる分野として29名、デザイン系が13名入っております。その他と言われるところは、主にセレモニーサービス、あるいは今若い方々ではやっているウエディングプランナー、それからキャリアコンサルだとかと言われる訓練に希望が多いという状況でございます。

 いずれにしても、冒頭に申し上げましたように、求職者支援制度の創設によりまして、私どもが従来から運営しておりました雇用保険の失業給付制度以外、あくまで生活保護制度の前段階としての支援策ということが一つ増えたと私どもの職員も認識しておりまして、これから私どもの課題として認識しているのは、やはりきちっとブラッシュアップの訓練を踏まえて、再就職していただきたいといわれる支援スキームをもう少し充実させたいということ、それからモラルハザードというか、濫給が起きないように、きちっとスクリーニングは月に1回、本人の訓練状況も踏まえながらやはりやっていく。そういう意味で、的確な職業相談体制ということは既に構築しておりますので、しっかりと運営していきたいと思っているところであります。

 雑駁ですが、以上でございます。

【佐藤会長】  どうもありがとうございます。今のご報告についてご質問なりご意見があれば、ここで伺えればと思うんですが、いかがですか。見学もされてきたということですので、何かあれば。

【傳田委員】  じゃあ、すみません。

【佐藤会長】  どうぞ。傳田委員。

【傳田委員】  私の質問は部長からも所長からも、最終セーフティーネットの生活保護の前段でというお話があるんですけれども、制度的にいったら、生活保護の受給者もやろうと思えばできるわけです。そのときの給付の額の調整みたいなものは当然ながらあります。生活保護の、前、前とおっしゃるんですが、私は保護の方々も、もう一回就職のチャンスがあるんだと言っていただかないと、この制度は生きないのかなと思っています。そういう言い方をしないと、聞いている皆さんが少し誤解するんではないかなと。まだ始まったばっかりなので、その方々のところまでこの制度が浸透しているかどうかという観点はもちろんありますけれども、そう言っていかなければ、なかなかそこには到達できない。

 東京都などにも言っていますけれども、リーマンショック直後、生活支援というのはハローワークの皆さんと自治体との間で、そうした支援協議会も始まっていて、できればそういうスキームの中でも、福祉系の方々が一生懸命やられてこの制度を紹介しながら、ハローワークの皆さんのところに結びつけていくということを、ぜひやっていただきたいという思いがあります。

【佐藤会長】  はい、わかりました。

【廣瀬新宿所長】  よろしいですか。前段と申し上げたのは、あくまでも従来の失業給付制度と……。

【佐藤会長】  それは十分わかっています。

【廣瀬新宿所長】  生活保護制度の真ん中のセーフティーネットという位置づけということをご説明申し上げたかったわけで、現実は私どもの所にも、生活保護受給者の就労支援という事業の中で、ブラッシュアップの訓練を受ける方も、10人弱いらっしゃいますし、母子家庭のお母さん方も、積極的に受講を希望されるという方々についてはしっかりとやっておりますので、ここは私の言葉が足りなかったということであります。

【佐藤会長】  ほかにありますか。

 これはまだ始まったばっかりで、新しい業務ということで、入口のところで毎月毎月フォローがあって、最長1年続く可能性もあるわけですね。そうすると、途中で当然就職する方もいるわけですから、1年ぐらいたったときと、これはかなりマンパワー的には要員はいるのではないか、逆に言うと、今の要員だとこのぐらいまでとか、かなり増えても平気だという感じなのか、その辺はいかがですか。こちらのサービス提供のマンパワーとして。

【廣瀬新宿所長】  現場感覚で申し上げますと、やはり訓練コースといわれるものが、今日ごらんいただいた、LECなども中心になると思いますけれども、これからもう少し訓練コースということは幅広に、成長分野を中心に増えてくると思います。その場合に、私どもが受講のあっせんを適格性を含めて判断していくことになると思いますが、完璧なマンパワーで対応することは多分、おそらく現場感覚ではきついと思いますが、いずれにしても、そこは今も担当者制の再就職支援ということを、大体1人の職員が6名から7名ぐらい持っていますので、そこを少し幅を広げていくことになると思います。

【佐藤会長】  そうなりますね。その辺がなかなか難しいところですよね。人を増やせないということもあるので。

 よろしいですか。それではまた何かあれば、後で議論の中で質疑できればと思います。

 それでは、続きまして議題4ですけれども、平成23年度における重点対策事項に係る上半期の進捗状況について、事務局からこれまでと同じように順次説明をお願いしまして、全部終わったところでまた議論、ディスカッションしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【清野職業安定部長】  それでは、改めまして職業安定部長の清野でございます。皆様には日ごろから何かとご支援、ご協力を賜っておりますことに、まずもって感謝を申し上げます。

 それでは私のほうは平成23年度労働局の行政運営方針の上半期の状況ということで、安定行政の分野に係る重点対策についてご説明させていただきたいと思います。

 本年度の職業安定行政の分野における最重点目標は、雇用におけるセーフティーネットとしての役割を果たすとともに、安定した雇用の実現を図るということを掲げまして、その達成のため7本の重点対策に取組んでいるところでございます。本日は、このうちの対策の核となる項目について、お手元の資料ナンバー4に沿って上半期の状況を説明させていただきます。

 それでは安定行政における重点対策としまして、12ページをまずお開きいただきたいと思います。左上をごらんいただきたいと思いますが、1点目は、先ほど申し上げました安心して働けるセーフティーネットの充実・強化ということでございまして、職業安定行政の基本は、1人でも多くの仕事探しの方を就職させること、求人者の皆様にはよい人材をあっせんすることにあると心得ておるところでございます。ハローワークが支援する求職者の方は、さまざまな事情も抱えておりますので、なかなか数値化して測定するということは難しい面もございますが、各ハローワークが取組んだ成果を目に見える形で社会に発信したいとの思いもございまして、就職件数、あるいは充足数の目標を立てて、その目標達成を最重点課題として取組んでおるところでございます。上半期の実績はこちらに掲載したとおりでございますが、累計で就職件数が7万6,600件、達成率が目標達成率としましては101.5%、一方、受け付けた求人数に対する充足数というのは10万2,280件、達成率が103.4%と、いずれも対前年同期比を見ても増加させることができたところでございます。

 次に、上半期の職業紹介の取扱状況につきましては、同じページの右上のほうの表に掲載させていただいております。新規求職者はほぼ横ばい状況ということで推移している中、新規求人数については前年同期比14.3%増加ということで、これは経済状況の要因もあろうかと思いますが、各ハローワークに配置されている求人開拓推進員による悉皆的な求人開拓や、ハローワークの所長をトップとした挙所体制による求人開拓の取組が成果につながっているものとも考えているところでございます。最近の求人数は、おかげさまでリーマンショック前の水準に近づいておりまして、対前年同月比でも20か月連続で増加する等、一定量の求人確保ができてきたと思っております。そのため、下半期につきましては、求職者ニーズをしっかり把握しまして、より一層、的を絞った求人の確保に努め、マッチング精度を高めて、就職支援の促進に努めていくこととしております。

 次に、雇用維持のための雇用調整助成金、あるいは中小企業緊急雇用安定助成金、雇用保険受給者の上半期の取扱いというところにつきましては、このページの上から3番目、4番目に載せてございますが、後ほどごらんいただければと思いますが、いずれもリーマンショックにより爆発的と言っていいぐらいに増加した状況が落ちつきを見せているところでございます。ただし、円高や海外の要因によるリスクなど、今後の状況も大変心配しているところでございます。

 2点目としましては、先ほどのページの左側の真ん中に戻っていただきますが、3月11日に発生した東日本大震災の震災被災者支援に係る局の取組みについてでございます。震災後、3月28日から都内17か所のハローワークに震災被災者等特別相談窓口、それから2カ所の新卒応援ハローワークに学生等震災特別相談窓口を設置しまして、職業相談をはじめ、雇用保険の受給手続や休業手当等に関する相談まで、一元的に受け付けることとさせていただいております。

 次に、被災した方々と仕事とのマッチング体制の構築ということを目的としまして、東京都、あるいは関東経済産業局や関東農政局、経済団体の皆様、それから今日お越しいただいております連合東京さんにもご協力いただいたり、あるいは人材派遣協会等の民間の職業紹介機関関係の皆様にもご協力いただき、東京都「日本はひとつ」しごと協議会を4月28日に開催させていただきました。この会議で、国も、都も、民間も力を合わせて震災被災者の就労支援に取組むこと等について、合意したところでございます。

 また、東京に避難されてきた方を対象として、さまざまな機関と連携して、都内3か所の緊急一時避難施設等において、個別相談会ですとか、東京都との共催による大規模な合同就職面接会なども開催してきたところでございます。

 また下期になりますが、10月19日には、しごと協議会の就労部会を開催させていただきまして、避難者を対象とした合同就職面接会を11月22日に、こちらも実施させていただいたところです。今後も震災被災者、あるいは避難者を含め、また仕事探しをしている方々が、できるだけ早く就職を決めて安心して年末年始を迎えていただきたいと、現在、東京労働局年内就職応援キャンペーンということで、全体的に実施させていただいているところでございます。

 それから13ページに移っていただきたいと思います。3点目につきましては、若年者雇用対策の推進でございます。新規学卒者等に対する就職支援については、初めに新規大卒者等への支援ということでご説明しますが、東京都における新規大卒者等の支援は、昨年9月に六本木に設置しました東京新卒応援ハローワーク、また昨年11月に八王子に設置しました八王子新卒応援ハローワーク、この2つの拠点において集中した支援を行っているところでございます。新卒応援ハローワークでは学生向けの支援メニューを取りそろえて、1人でも多くの未内定学生が、1日でも早く就職できるよう支援しているところです。このため、大学等とも連携を強化させていただきまして、ジョブサポーターが機動的に対応することで、新卒応援ハローワークへの理解促進とともに、大学から未内定学生を誘導していただく流れを構築してきたところでございます。

 次に、新規高卒者への支援でございますが、各ハローワークに配置されている高校生を担当する学卒ジョブサポーターを中心に、学校との連携を基軸としながら就職支援をしております。高校生の場合、特に未成年ということもございますので、希望者全員を就職させることに全力で取組んでいるところでございますが、東京の高校生用の求人数は、残念ながら昨年よりも約1割減少という大変厳しい状況となっております。都内の経済団体さんへの要請やハローワークによる求人開拓に取組むとともに、就職面接会を積極的に開催することとしております。面接会等の開催状況につきましては、こちらのページの右のほうに載せてございますので、後ほどご覧いただければと思います。

 それでは、14ページに移らせていただきます。高年齢者雇用対策の推進ということでございます。高年齢者雇用安定法に基づく、本年6月おける雇用確保措置の実施企業割合は95.0%ということで、前年比で1.8ポイント減少となっております。減少要因としましては300人未満の中小企業における継続雇用制度の対象者基準を、労使協定によらず就業規則等により定めることができる経過措置というのがあったのですが、こちらがこの3月末で終了した関係で、労使協定未締結企業、あるいは確保措置の未実施企業になったということが原因に考えられているところでございます。

 次に、希望者全員が65歳まで働ける企業の割合ということでございますが、東京の状況は前年よりも2.4ポイント上昇して38.2%となっております。右側の上のグラフを見ていただきますと、大企業に比較しまして中小企業の取組が進んでいるのかなということでございます。

 下半期の取組としましては、確保措置未実施企業への厳正な対応と、希望者全員が65歳まで働ける企業の普及・啓発を重点に取組んでまいりたいと考えております。

 5点目は、障害者雇用対策の推進ということでございます。東京の現在の民間企業における実雇用率は1.61%と、前年比で0.02ポイント減少となっております。こちらの減少要因としましては、昨年の法改正によりまして、雇用率の算定時において短時間労働者も算入することとなったことにより、あるいは除外率が10%引き下げられたということもございまして、障害者の増加率に比較しまして算定基礎労働者の増加率が上回ったことが挙げられます。全国数値におきましても1.68%から1.65%ということで、0.03ポイント減少している状況でございまして、減少幅としましては東京のほうが少しよかったのかなというところでございます。下半期の取組としましては、企業に対する雇用率達成指導においては、各企業の雇用課題に対応した提案型の企業指導を行い、一方ではチーム支援による障害者個人個人に応じた就職支援を行っていく。1人でも多くの方の働きたい思いにこたえていきたいと考えておるところです。

 本日は、10月から施行された求職者支援制度、先ほど実際の訓練施設を見ていただいたところですが、雇用保険のセーフティーネットの対象とならない求職者の方を、この訓練を使って就職につなげていくという、ハローワークにとっても新しいツールがスタートしたところでございます。この制度が有効なものとなるように努力していきますので、これまで以上にハローワークへのご支援、ご協力をお願いし、簡単でございますが説明とさせていただきます。

 以上です。

【松浦需給調整事業部長】  需給調整事業部長の松浦でございます。私からは、私どもの所管しております労働者派遣事業及び職業紹介事業などの民間の事業所に対する指導監督の状況等につきまして、概略をご説明させていただきます。

 資料の15ページでございますが、まず1番につきましては、法制度の周知ということで、積極的な周知を実施しているところでございます。なお、現在国会にかかっております改正労働者派遣法につきましては、5回の継続審議ということでありまして、厚生労働省、政府としては早く成立をお願いしたいということでありますが、いろいろな修正なども含めて、現在政党間で検討がなされているところということで、本日も衆議院の厚生労働委員会で審議が実施されたと聞いております。

 それから、2番目の許可・届出事業所の状況でございますが、特徴がありますのが労働者派遣事業所の数でございまして、平成22年の3月期のところを見ていただきますと、マイナス1.4%ということで派遣事業所数が初めて減少に転じていることがございます。中身を見ますと、許可で行います有期雇用の方を対象とした一般労働者派遣事業が800ぐらい減少しておりまして、片や常時雇用の労働者のみを対象とする特定労働者派遣事業が500ぐらい増えていて、その差し引きで300程度の減になっているところでございます。私どもが指導監督していく上で、今後心配になっていくのが、厳しい許可ではなくて少し参入要件が容易な特定労働者派遣事業が増えている中で、今後引き続き適正な事業運営をしていただく必要があるということで、しっかりと見ていく必要があるだろうと考えているところでございます。

 それから3番目の指導監督の実績でありますけれども、今年度上半期につきましては、労働者派遣事業を特に重点的に実施したところでありまして、是正指導につきましては昨年度よりも違反の発生率が2割程度増えているところでございます。中身を見ますと、やはり派遣契約に不備があったりとか、労働者への就業条件の通知に不備があったりということで、基本的なところで、まだ十分な対応をさらに一層していただく必要があるだろうという内容のものが多いという結果でございました。

 こういった状況を踏まえまして、4番でありますが、今後の指導監督の実施についての方針ということでありますけれども、(1)引き続き違反を繰り返す事業所に対する厳正な指導をしていきたいということと、2番でありますが、これはもう既に10月でありますので実施いたしましたが、労働基準監督署との共同監督などを実施したところであります。また3番目としまして、外国人技能実習制度については、130程度の紹介事業所が監理団体として外国人労働者の受入れをつかさどるということでありますので、これらの指導監督を集中的に実施したいと考えているところでございます。

 5番目でございますが、私どもの需給調整事業部に寄せられているいろいろな申告、それから苦情相談、その他の相談でございますが、この状況につきましては(1)申告は16件ということでございます。それから(2)の苦情・相談の状況につきましては、苦情・相談それぞれ含めて労働者派遣事業については5万9,000件、それから職業紹介事業については2万件程度、上半期で寄せられたところでございます。そのうち派遣労働者の相談について見ますと、特にその中心となりますのは①でございますが、雇止めの問題、あるいは就業条件の明示の問題、あるいは派遣・請負区分基準がちゃんと守られているかといったような問題、それからさらには労働基準行政とかなり近い分野だと思うんですが、賃金や労働時間についての問題、それからそのほか派遣期間と関係の深い政令業務であるとか、あるいは2つ下にありますけれども、派遣期間の問題といったことにつきまして、さまざまな問題が寄せられているということでありまして、必ずしも悪いからということではないかと思いますが、労働者派遣事業についてのいろんな説明をさせていただいているところでございます。また派遣元事業主や派遣先からも数多くの質問が寄せられておりまして、やはり派遣期間の問題とか派遣・請負区分基準といった基本的なところではございますけれども、こういったものをしっかりとサポートさせていただいていると考えているところでございます。

 以上、簡単でございますが、今年度の上半期の状況についてご説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

【佐藤会長】  続きまして、基準部長のほうからお願いします。

【引地労働基準部長】  基準部長の引地と申します。どうぞよろしくお願いします。

 資料16ページ以下、基準行政の概要につきまして、ご説明を申し上げます。16ページの3つの大きな項目にございますけれども、1つは労働条件の確保・改善といったことでございます。雇用環境が改善しつつあるとはいいながらも、申告・相談、立替払は依然として多いという状況でございますが、申告というのは労働基準法に違反することで、賃金不払あるいは突然の解雇、長時間労働といったことにつきまして、具体的に救済を監督署に求めてくることを申しておりますが、これは大体3,975件、今年はこのぐらいの数字でございまして、昨年より7%ほど減っているということでございます。それから立替払の認定と書いてございますが、中小企業が事実上の倒産をしたときに、法律上の倒産ではないので、監督署長が倒産認定する申請の件数でございますが、同じく10月末までに268件ということで、これも昨年より少し減っているという状況でございますが、依然として多い数字であろうと認識しておりまして、これの迅速な対応に努めているということでございます。

 それから3月11日に発生した東日本大震災への対応ということでございまして、東京にも福島、宮城のほうから避難されている方が少なからずおられまして、その方々が賃金をもらえないまま来られている方、あるいはご家族を亡くした場合の遺族請求といったことがございまして、これについての周知、相談対応ということをしてまいりました。

 それから2つ目の柱でございますが、今も少し申し上げましたが、長時間労働の抑制・過重労働による健康障害の防止対策ということでございまして、長時間労働による健康障害、脳・心臓疾患と、それから精神障害というものが労災請求されるケースが増えてきておりまして、脳・心蔵疾患のほうは、今数字がそこに出てございますけれども、22年度140件、それから精神障害179件でございますが、今年半年で、23年度上半期では脳・心疾患のほうは80件の申請、それから精神障害のほうは半年で101件ということでございまして、昨年を超える申請件数で推移しているということでございます。

 それから長時間労働の対策ということでは、時間外労働協定、いわゆる36協定の受理時の指導徹底ということと、それから健康の面では、今の精神障害の件数が大きい数字ということを申し上げましたが、メンタルヘルスの対策ということでメンタルヘルス対策支援センターという産業保健推進センター内に設けてございますけれども、こちらの利用勧奨をしていると。それから10月25日に産業保健フォーラムということで、筑波大学大学院の松崎先生のご講演などを中心にしたフォーラムを開催しまして、啓発しているということでございます。

 それから、過労死等を発生させた事業所に関しましては、長時間労働が是正されているかといったような観点で監督指導を実施しているということと、それからワーク・ライフ・バランスセミナーでございますが、これにつきましても先般、JILPTの主席統括研究員の伊岐典子先生にご講演をお願いして、約100人の方々がお集まりいただいて、聞いていただいたということでございます。

 それから3つ目の大きな柱、死亡災害20%の減少というのは、今、囲みにございますが、第11次労働災害防止計画というのを5か年計画で進めておりまして、20年度から24年度まででございますが、これの目標が20%減少ということでございまして、今の状況で申し上げますと中長期的には全体の死亡災害は減少しておりますけれども、建設業、運輸交通業で増加しているということでございます。今年1月から11月22日までのところで亡くなった方は54人と書いてございますが、12月5日現在では58人に増えてございまして、また、けさもテレビでごらんになった方もあるかと思いますが、レールの交換事故でお1人亡くなり、3人の方が重傷を負うという重大な災害も発生してございますので、年末に向けまして労働災害防止対策の徹底が必要と認識しております。特に建設業は、夏場に相次いで大手の現場で死亡災害、あるいはあわやという災害が相次いで発生しましたので、大手の支店長さんの方々にお集まりいただきまして、労働局長から直接災害防止対策の徹底につきまして要請書を交付したということがございます。

 また東日本大震災の対応ということで、東京からもがれき処理に関して建設業者を中心に作業員が行っておりますので、処理作業の災害防止講習会、あるいは原発の緊急作業にも応援で行っているという企業がございますので、そこに対して放射線についての基本的な知識の講習会を開催したところでございます。

 これ以外に資料にございますけれども、最低賃金に関しましては、22ページでございますが、東京都最低賃金が837円でございます。生活保護水準との乖離解消が今年実現したということで、837円になってございます。また産業別の最低賃金というのもあるわけでございますが、これのうち鉄鋼と輸送用関係、それから出版業につきましては今月に審議して改定していくことになってございます。

 それから最後にもう1点だけ、19ページをごらんいただきますと、先ほどご紹介した脳・心蔵疾患の労災請求の、あるいは認定の推移がございます。その下にアスベスト、石綿の関係の請求件数の推移を出してございますので、ご参照いただきたいと思います。

 もう1点だけ、1枚めくっていただきますと20ページ、従業員の健康管理に関するアンケートを昨年やりまして、規模300人以上の企業4,000社余りにアンケートをしまして、1,266社からの回答をいただいたわけでございますが、ここに見ていただきますように、そういう1,266社のうち85%余りで精神障害の発症例があったとしておりますし、それから懸念があるという企業が7割以上ございます。それから過重労働、長時間労働が関連した精神疾患の発症を懸念しているというところも5割に上るという結果がございまして、メンタルヘルスの対策の必要性が裏づけられているのかなと思っておりまして、この対策を強化していきたいと思っております。

 以上でございます。

【佐藤会長】  それでは均等室長、お願いします。

【柴田雇用均等室長】  雇用均等室長の柴田でございます。私からは雇用均等の分野について上半期の進捗状況をご説明いたします。資料は23ページをごらんください。

 男女雇用機会均等法関係でございます。労働者、事業主からの相談件数は合計で1,828件となっております。このうち半数が労働者からの相談でございまして、内容的には4分の3がセクシャルハラスメントに関する相談、そして14%ほどですけれども妊娠、出産等に係る不利益取扱に関する相談が多くなっている状況です。

 その次の労働局長による紛争解決援助の申立ては、昨年とほぼ同数でございます。調停が3件と少ないですけれども、この調停も10月以降にとんとんと続いて出てきておりまして、現在9件目の申請が出ておりますので、今時点で昨年度と同じ件数に達している状況です。

 (3)の行政指導ですけれども、行政指導はポジティブ・アクションに取組む企業を平成26年までに40%にするという政府目標がございますので、ポジティブ・アクションの取組促進についての助言に重点を置いて行政指導を実施しておりますので、ポジティブ・アクション助言というところが266件で増加をしているところです。年度後半につきましても引き続き、妊娠、出産などに係る不利益取扱い、セクシュアルハラスメントなどの相談に丁寧に対応いたしますとともに、迅速、的確な紛争解決の援助、ポジティブ・アクションの推進を中心とした行政指導を行ってまいりたいと考えております。

 次に、育児・介護休業法の関係でございますが、相談件数ですけれども、昨年6月30日に改正法が施行されましたので、相談件数は昨年大変多かったんですけれども、本年度上半期はそれが落ちつきまして、相談件数は4,753件となっております。

 紛争解決援助は労働局長による援助が45件ということで、昨年度の件数を上回っている状況です。申し立ての内容は休業などに係る不利益取扱い、それから期間雇用者に係るものが多く見受けられるところでございます。調停につきましては、上半期はゼロ件でございますけれども、こちらも10月以降には3件の調停申請が出ております。

 行政指導につきましては、企業において改正法に沿った規定整備に関する助言を行っておりまして、助言件数としましては553件となっております。こちらも年度後半につきましても、引き続き育児休業などに係る不利益取扱い、それから期間雇用者に係る相談に的確に対応するとともに、平成24年7月1日から、改正法が今一部適用猶予となっております100人以下の企業においても全面適用ということになりますので、これは労働基準監督署やハローワークとも連携をとりまして周知徹底を図ってまいりたいと考えております。また出産後の女性の継続就業率を上げていくために、やはり有期契約労働者の育児休業取得について周知、啓発を進めていきたいと考えております。

 24ページでございますけれども、パートタイム労働関係です。パートタイム労働関係の相談件数は、ごらんいただきますように、145件ということで、こちらは減少傾向でございます。パートタイム労働法の履行確保につきましては、均衡待遇・正社員化プランナーが事業所を訪問しまして、法に沿った雇用管理改善が行われますように取組んでおりまして、助言件数は400件ということになっております。年度後半においても引き続きパート法に沿った雇用管理改善に努めるとともに、こちらは均衡待遇・正社員化推進奨励金という奨励金を活用して進めてまいりたいと考えております。

 最後に4番目ですけれども、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画でございます。本年4月から一般事業主行動計画の策定届出が、労働者数101人以上300人を雇用する事業主に義務づけられたところでして、9月末現在の届出数は4,380社ということで届出率は70.4%でございます。10月以降も徐々にではありますけれども、今現在73%ぐらい、これから一層下半期につきましても、電話等によってこの届出の促進、督促を図っていきたいと思っております。また子育て支援企業として519社が認定を受けて、くるみんマークを取得しているところです。

 以上でございます。

【佐藤会長】  それでは総務部長、お願いします。

【阿部総務部長】  総務部長の阿部でございます。よろしくお願いいたします。

 続きまして25ページ、労働相談の状況についてご報告させていただきたいと思います。23年度前半の相談件数、2番のところにございますが、6万5,000件余りということでございまして、前年よりちょっと多いぐらいということでございます。そのうちの個別労働紛争の関係の相談件数ということで、右側3番の黄色のところでございますが、1万4,500件余りというところでございます。前年比でわずかながらの減少といったところでございます。その内容を見てみますと、下に棒グラフで幾つか細かい字でございますが並べております。解雇に関する相談が圧倒的に多く、次いでいじめ・嫌がらせ、労働条件の引き下げ、退職勧奨などがこれに続いているということでございます。棒グラフは左から21年度の上半期、22年度上半期、23年度上半期になっていまして、右側のほうの少し高くなっているいじめ・嫌がらせのところが若干増加傾向にあると見てとれるかなと思っております。

 それから、その下の5番の労働局長の助言・指導の申し出がなされたものが、上半期に277件ということでございまして、これらについてはほぼ1か月以内で事務処理が終了というところでございます。それから紛争調整委員によるあっせんの運用状況、右側6番でございますが、上半期で697件の申請がございまして、前年比の4%増ということでございます。上半期中にあっせん手続を終了したものが655件でございまして、参加率が約6割、409件ということでございます。そのうち7割弱に当たる276件が合意成立ということでございまして、あっせん申請全体の解決率としては大体4割ぐらいということになっております。それからあっせんの処理期間は大体95%強が2か月以内に終了ということでございます。

 これがいつものパターンなんですが、26、27ページに前回のときにいじめ・嫌がらせの関係の質問が少し出たので、個別紛争の相談、いじめ・嫌がらせが上半期で2,392件あったんですが、その中の350件だけなんですけれども、少し抽出して分析したものをつけさせていただいております。うまくデータがとれているかわからないんですけれども、性別としては3分の2が女性からの相談であるといったこと、それから下のほうの勤続年数はほんとに満遍なく、いろんな勤続年数の人たちが多いといったようなこと、それから規模も不明が多いんですけれども、それ以外は大体散らばっているかなといったイメージでございます。

 それから27ページで、いじめ・嫌がらせですので行為者としては上司というのが圧倒的多数ということ、あと、いじめ・嫌がらせを受けた原因が私的行動とか仕事のミス、意見の相違など、そういったものが多くなっているということです。それからいじめ・嫌がらせの具体的対応ということですので、罵倒とか誹謗中傷とかいったことでございます。それからあと、事業所の中での相談窓口があるか、ないかということでいえば、窓口がないということで、ある意味こういう相談に来られている、労働局のほうの総合労働相談の窓口に来ているといったことかなと思います。それから相談状況も、上司への相談をしている例もありますが、相談しなかったというのも半分以上ということで、労働局の相談に来ているといったことかなと思っております。

 あと、本省の会議でも職場のいじめ・嫌がらせ問題の円卓会議を開催して、会長もメンバーになっておられるところでございますが、検討しているということでございますので、情報を得られ次第、また審議会の場でも情報を提供してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【佐藤会長】  どうもありがとうございます。最後ですが、徴収部長から。

【堀之内労働保険徴収部長】  堀之内です。どうぞよろしくお願いします。

 労働保険適用徴収分野の重点対策についてご説明申し上げます。3つ柱を掲げてございます。1番目が労働保険料等の適正徴収でございます。平成22年度の収納率は98.43%、これは全国の労働局のトップクラスの収納率でございます。今年度の収納状況につきましては、自然災害、あるいは円高等がございますが、昨年並みの収納率が上げられるのではないかと見込んでいるところでございます。平成23年9月の徴収決定額ですが、9,285億となってございます。この内訳を少し申し上げますと、雇用保険料が6,900億で全体の75%、労災保険料のほうが全体の25%で2,300億ということになってございます。労働保険料の適正徴収につきましては、費用の負担の公平性という観点からも最重要課題として取組んでいるところでございます。

 2番目が労働保険事務組合制度の効率的な運用でございます。労働保険事務組合といいますのは納税組合みたいなものだと考えていただければいいのですが、東京に810組合がございまして、それらの組合に約14万6,000の事業所が事務を委託してございます。15人未満の小零細事業所がそのうち9万2,000事業所ございまして、全体の約63%を占めるということで、小零細の事業所さんはなかなか労働保険の事務手続も困難だということから、この事務組合の事務委託ということが、私どもの行政にとっては非常に重要な課題になっているということでございまして、事務組合の育成、指導に努めているところでございます。

 3番目が労働保険の未手続事業の一掃対策の推進でございます。本年度、第3次労働保険未手続事業一掃対策3か年計画を作成いたしまして、目標を3年間で1万8,158の保険関係の成立を目指して取組むということにしてございます。労働保険制度は労働者の福祉の向上を目的に昭和50年に全面適用となっておりますけれども、依然として小零細事業所におきましては未手続事業所があるということから、積極的に保険関係の成立の働きかけをして、解消に努めていきたいと考えているところでございます。

 以上で終わらせていただきます。

【佐藤会長】  どうもありがとうございました。前回に質問があったことも調べていただいたということもあったわけですけれども、それでは皆さんからご意見なりご質問を受けたいと思いますが、最初にご説明いただいたことについて、ここはわからないとか、もうちょっと説明してほしいとか、やや事実確認的なものを先に出していただいて、その後ディスカッションとしたいと思いますので、まずはいつものように事実確認を先に出していただいてから、それぞれ担当の方からご説明いただいて、もし大体それが出し尽くしたら、今度はご意見のほうを伺えればと思うんですが、まず事実確認的なものがあれば、どこからでも。

【加藤委員】  よろしいですか。

【佐藤会長】  どうぞ。加藤委員。

【加藤委員】  27ページの態様で、グラフがかいてあるんですけど、(MA)と書いてあるんですが、このMAというのはどういう意味かちょっとわからなかったものですから。

【佐藤会長】  まとめてでいいですか。

【加藤委員】  はい。

【佐藤会長】  ほかにご質問とかがあれば。

 僕のほうから、13ページの安定部長のところで、面接会の、先ほど局長から高卒が減ってきてというお話があって、大学等には専門学校とかも入っているのか。専門学校生はどこに行くのかなと。もちろん専門学校自身も無料職業紹介をやっていますけれども。

 あと、需給調整部長の外国人研修生のところで、多分東京にたくさんあって、ただ研修生が働いているところは地方ですよね。その辺を東京では書類上でしかできないのか実際にかなり見に行くのかとか、その辺どうなっているのかということ。多分団体はここにあるんだけれども、研修生が働いているというか、研修しているところは別の場合が多いと思うので、その辺を教えていただければというところです。

【金子委員】  13ページのところですけれども、内定率が非常に大学生の場合は悪いというデータが出ていて、これから内定をさせていくための具体的な支援をする、学校と、大学側と連携をとりながらやるという方向ですが、具体的にはどういう形がとらえられているのか、見通しはどうなんだろうかとか、ちょっと予測もつかないでしょうけれども、そんなことを教えていただければと思います。

【佐藤会長】  とりあえず今出たところのお答えをお願いします。

【阿部総務部長】  27ページの件は、MAはマルチアンサーということで、350件なんですけれども、複数計上です。

【加藤委員】  わかりました。複数回答という話ですね。

【阿部総務部長】  足し上げて350超えていますという趣旨でございます。

【松浦需給調整事業部長】  すみません。需給部ですが、今お尋ねのあった、働いている場所については統計がとれていないので。

【佐藤会長】  基本的には団体のところで書類上のチェックでやる。ちゃんとやっているかどうかというのは。

【松浦需給調整事業部長】  職業紹介ですので、職業紹介を行う事務所の検査ということになります。

【佐藤会長】  そういうことですね。

【松浦需給調整事業部長】  現場ではなくて。

【佐藤会長】  わかりました。

【清野職業安定部長】  安定部ですが、会長のほうからご質問いただきました、大卒のところに専門学校も。

【佐藤会長】  専門学校はそこに行くということですね。

【清野職業安定部長】  入っております。

 それから、これからの支援ということでございますけれども、大学等につきましては、先ほど申し上げました2つの拠点のハローワークを中心に、ジョブサポーターを相当人数配置しておりますので、ここを中心に、1つには先ほど来出ている担当制による個別支援を中心にやっていきたいなというところでございます。もちろん集団指導のところでは応募書類の書き方だとか、セミナー、そういうグループワーク等も駆使しながらやっていこうと考えております。

 また高校生につきましては、先ほど来言っているように、高校担当のジョブサポーター、それから職員のほうも各学校を回って、実際にほんとの個別支援で、個別求人の確保をしていきたいと。確保というのは一般求人で、この仕事内容であれば高校生向けにもいいんではないかというものを、具体的に当たっていくしかないという支援をさせていただいているところです。

【山田労働局長】  学卒も非常にミスマッチが多くて、やはり就職したくてもできない学生がいる一方で、なかなか採用したくても採用できない企業も中小企業を中心としてあるので、おそらくこれから大学4年生は相当自分の就職したい企業のレベルというものを、ある程度妥協しながら探っていくという段階になると思うんです。ですからそういう意味で、そういう人たちに対してもやはりできるだけアピールできる企業をマッチングしていくというか、それで去年の経験なんかも踏まえていくと、そこでかなり結合していく部分はあります。

【佐藤会長】  中小企業であれば、採りたいところは結構数的には多いし、求人数も多いけど、大学生のほうからするとどの会社が、行きたい会社がいいかわかりにくいと。職安としては一定の基準を満たしていれば、あまりここがいい悪いとも言いにくいわけですよね。ほんとは大学がもうちょっと、いい会社、悪い会社とはっきり言ったほうがよくて、そこはやっぱり先輩がいるところから情報を集めて、ここは中小だけどいい会社だとか、働きやすいとか、情報を、それは大学ならできるということ。その辺の連携ですね。

【金子委員】  行政と大学とはうまく連携がとれているようで、実際にはとれていないんですよね。やりたいけれども、行政のほうから連携をとりたいと言っても大学のほうから働きかけがないとなかなかしにくいでしょう。

【山田労働局長】  そうですね。

【金子委員】  だからジョブサポーターの場合でも、求めている大学と、それからそんなところ相手にしないという大学がある。ところが相手にしないという大学の中にもやっぱり就職が決まっていない学生がいっぱいいますからね。

【山田労働局長】  そうですね。

【清野職業安定部長】  大学生等の就職面接会に、学生さんも受けてみてくださいというようなことで、実際に決まったことが発端で、大分こちらに目を向けていただいたという学校も結構あります。

【金子委員】  それと並行して、既に今年は3年生の説明会、セミナーが始まっていますよね。去年よりは2カ月おくれだけれども、実際に見てみると2カ月おくれの今というのは、大学の中ではすごく目立っちゃって、けさもゼミをやっていて、ゼミの学生がみんなぴしっとスーツを着込んでいるんだけれども、それは結構な話なんだけれども、じゃあこれから報告という話になったら、半数ぐらいの学生がこれからセミナーに行ってきますと席を立っちゃうんですよ。これは相変わらずだなと思って。だから時期的な問題というのは、果たして今が、2カ月去年よりも遅いからいいと言えるのか、いや、もうちょっと遅くならないのかなと思って。そんな気がしていて、今ちょっと複雑な思いです。

【佐藤会長】  それでは、ご意見でも質問でも自由に。ただ、たくさん出るようだったら、少し出していただいてからですけれども、そんなに多くなければ1個1個でも構いませんが。

【傳田委員】  3つほど。

【佐藤会長】  どうぞ。

【傳田委員】  1つは高齢者雇用の……。

【佐藤会長】  高齢者、安定のところですね。

【傳田委員】  こちらでも希望者全員が65歳まで働ける企業は38%ほどですが、ちょうど連合が調査する数もこうですし、やはり大企業のほうがなかなか制度をつくりにくいという傾向にあるようです。製造系ですと、わりと大手の会社も組合と協議を始めて、今年の春とか、今年の秋とか、来年の春ぐらいまでには何とかと言っていますが、どうもサービス系といいますか、営業の延長線上でやっている企業ですと、高齢者の方々が引き続いて希望の職種の中で残っていくのがなかなかできなくて進まないんだろうと思っています。ワーク・ライフ・バランスや両立支援では、大分好事例を出しながら、制度を一生懸命広げてきた経過があります。

 だから、この2013年問題を超えて、しっかりやっていくということになると、先行してこういうことをやっているといういろんな事例、特にサービス系企業の事例紹介、その辺のことをしっかりやっていただきたいと思います。法律で希望者全員をそのままやってくれればということもありますが、自分たちから制度をつくっていかなきゃいけないという課題です。ですから、そうした事例を広げて欲しいと思っています。

 次に長時間労働の改善では、労働局に改善指導のための方がいらっしゃって、労働局から派遣指導、アドバイスされていくとかいうのはあります。こういうのは、なかなかすぐにはできないんだろうと思うので、我々もそうしたものの紹介ということをぜひ一緒にやりたいと思っています。

 もう1つは、労働者派遣のことで、先ほど部長もおっしゃったように国会で審議入りしました。いずれにしても、今多分想定がつく中での修正で、少なくても短期の日々派遣については原則禁止ということなので、既にそのことを見越して上半期の報告の中でも変化があるんだろうと思っています。つまり労働者派遣から短期の日々派遣が職業紹介に変わっていく過程が見えます。この点も適正な指導が上期であったのかどうかということの質問です。本当は派遣の姿のままで、職業紹介なんですということがないようにということが1つのポイントになってくると思います。その点についての今の準備とか、状況的なことがどうなのかということと、そこをしっかりウオッチしていただきたいという意見を持っています。

 それから最後に、労働基準のご説明にありましたとおり、11月の労働時間を適正に把握するという月間の中で、それぞれ取組みをいろんな形でやっていただいたと思っています。運輸の産業には結構長時間労働と過重労働というのがこれまでも言われてきて、なかなか是正ができない。そのことで健康面ですとか、それから労働災害もそういうことに起因して起きる率が極めて高いということから、400ぐらいの荷主の団体に向けて、そうした是正のお願いといいますか、理解をしていただきたいということで、東京労働局のほうで荷主団体に11月29日付で要請発信していただいている12月5日に発表されていると思います。

 なかなか改善していかないところは、「ずばっと」ここを直しましょうということを直接的に産業に向けて発信していくことは、とても必要だと思っています。そのことは、すごく私どもは評価しております。リアクションがこれから出てくると思うんですけれども、たまたま今言った運輸産業のところの労働組合の委員長も委員としていらっしゃいますから、そういうことがしっかり受けとめられて、働く側もそういったところを啓発していくということになればすごくいいなと思っています。

 最近は円高になると、円高によって何か起きないようにといろんな発信を労働局もしていただいています。とりわけなかなか改善していかないところにはどんどんやっていただきたいというのが、私たちの1つのお願いでございます。

【佐藤会長】  最初のは60歳前半層の雇用機会の拡大、事例等の紹介とか啓蒙という話ですね。

【清野職業安定部長】  この38.2%を何とか引き上げていきたいということで、各ハローワークのほうに一定の目標数を振り分けまして、何とかこのパーセンテージの引き上げをしていきたいということで今現在取組んでおります。そこには高齢者のアドバイザーの方の力も相当入り込んでくるかなということで、こういうアドバイザーの方が持っている事例なんかを提供しながらという取組もしております。

 それから、もう少し全体的な、企業を一堂に集めてセミナーということも企画をさせていただいておりまして、来年春の2月7日には、清家先生にご協力いただきまして、高齢者セミナーを開催する予定にしております。いろいろあの手この手を使いながら、それから既に実際には希望者全員が定年自体もないんじゃないかなという企業さんも中にはあろうかと思いますので、そういうところにつきましては、すぐにでもこの制度に乗ってもらいたいということも含めまして、指導させていただいているところでございます。

【佐藤会長】  これは今ちょうど本省でも議論しているところですけれども、ただ、難しいのは、だんだん定年制のもとで働く人が減ってきているので、従来のように定年延長なり再雇用というのは、勤務延長すれば雇用機会ができるわけではないので、やはりもう少し60歳前半でも、就業のところ、いわゆる年齢によって差別されないで勤められるということもすごく大事になってくるかなと思いますので、よろしくお願いします。

 じゃ、派遣のほうで。先ほどの、いわゆる職業紹介のほうに短期の派遣は移っているんじゃないかというお話。

【松浦需給調整事業部長】  いわゆる日雇い派遣等の問題についてですが、日雇い派遣等の実情につきましては、ニーズそのものが、今いろんな経済情勢等もあり低下していることもあって、これが何かの形に目立って動いていっているということは、私どもの指導監督の実務の中では把握しておりませんけれども、想定されるものとしましては、先ほど少しご指摘のありました紹介にこれが移っていくといったことも考えられますことから、特に職業紹介事業につきましては、間接払いの問題、それから求人手数料の徴収の制限の問題、ここら辺のところが結局直結してくる問題かと思っていますので、職業紹介事業に対する指導監督の際には、そういった点を特に重点的に現在見ているということがございます。

 それから、これはあってはならないことなんですが、なかなか実際はやりにくいはずなんですけれども、請負といった形式で実質的に短期の派遣がされるということは、これは万が一にもあってはなりませんので、請負事業に対する指導監督につきましては、引き続き徹底してまいりたいと思っております。

【佐藤会長】  いいですかね。あと労働時間のほうで。

【引地労働基準部長】  トラックの関係でございますが、全国的に脳・心蔵疾患の申請の職種が一番多いのは運転手でございますし、業種別に見ても労働時間が長いということで、トラックは重点的に指導対象にしてございますけれども、やはりトラックの陸運の企業だけじゃなくて、それに荷物を発注する方の理解もないとなかなか労働時間短縮も進まないし、安全の確保も難しいということで、陸運支局長さんと相談して要請を出させていただいたということでございます。昨年はトラックのターミナルの会社を集めて、トラックターミナルの安全確保ということも取組んでまいりましたけれども、さまざまな切り口で指導していきたいと思っております。

【佐藤会長】  ほかにはいかがですか。

【三宅委員】  はい。

【佐藤会長】  どうぞ、三宅委員。

【三宅委員】  三宅です。2点お伺いします。1つは19ページのところで石綿関係の給付状況が出ていて、石綿肺等というのが出ていて、石綿肺等はということで下に説明書きがありますが、じん肺とどう区別されてこの数字が出てきているのか教えていただきたいと思います。建設でも、石綿肺もしくはじん肺という形で労災申請をしているケースが結構ありまして、その区分がどう使われているのか、そのあたりを聞きたいのが1つです。

 もう1つは、事故の関係です。先ほど事故は58件と聞きましたが、実は9月の冒頭に臨海のほうのゴンドラが落ちた事故がありましたけれども、死亡したのは全建総連の組合員です。それから、その後10月に、武蔵野のマンションの新築工事の酸欠で死亡したのも、2人とも全建総連の組合員で、この間かなりそういう事故で亡くなっている人がいるということなんです。

 事故はなくしていかなくてはいけないなと思いますが、武蔵野のほうで死んだ人は兄弟でやっていたんです。ですから、ひょっとしたら片方は親方で片方が従業員という形になるかなと思うんです。そうすると、片方の一人親方のほうの事故は、統計に入ってこないことになると思います。今日午前中、全建総連の基準局要請行動に入って話を聞いてきたんですけれども、そうしたら各労働局に一人親方だとか特別加入者の事故の資料というのはあるはずだと言われたんです。僕は以前もお願いしたんですけれども、事故状況というのは、一人親方の人というのを発表していかないと、トップセミナーとかをやっていますけれども、全体像が見えてこないもんですから、僕は形式的になっているのではないかという気がしているんです。ですから、こんなに事故が起きているんだ、自己責任で済ませるのではなく、きちんと指導もしていくというか、そういうのも必要だと思うので、その第一歩が事故の実態、数とか、そういうものを知らせていく必要があると思うんですね。ぜひそういう面で、特別加入者の事故状況を教えていただければありがたいなということです。

【佐藤会長】  じゃ、今わかる範囲内で。

【引地労働基準部長】  最初のご質問の石綿肺とじん肺の区分については、勉強不足でございまして、また調べましてお答えさせていただきます。

【三宅委員】  お願いします。

【引地労働基準部長】  それから一人親方のお話は、前回もお話しいただきまして、建設業の方々に聞くと、今、非常に労働者じゃなくて一人親方への発注という形が増えているということでございますけれども、労災保険も保険法を直接の適用じゃなくて、特別加入という別の仕組みにもなっていることもありまして、死傷病報告の報告義務もございませんので、なかなか統計というのは確定的なものはとれないということだと思います。ただ、今亡くなられたような事故の場合は、当然当方のほうでは調査しますので、その中で一人親方というか、労働者なのか労働者じゃないのかという判断をしていくことはあります。ただ、統計的に、具体的に数字がどれぐらいかという形での把握というのは、なかなか困難だと思っております。

【佐藤会長】  ほかにはいかがですか。

【米田委員】  すみません、いいですか。

【佐藤会長】  どうぞ。

【米田委員】  先ほどの長時間労働の関係で、トラックの関係でございますけれども、実はトラックも規制緩和が非常に問題となっておりまして、それによってどうしても仕事をとるという認識からいくと、早い時間から荷主の要請に合わせて行かなきゃいけないと。現地でトラックをとめて中で仮眠して待つという状況が、かなり多くこのごろあるわけです。

 それによって、今の季節柄等々で考えると、当然暖房をかけてエンジンもかけっ放しで中で寝ることになると、その振動だけでも結構脳疾患だとかいうものにも影響があるだろうとも言われていますし、相対的に拘束時間が長過ぎるんです。実質朝3時に出て、荷主のところに4時半とかに着いて、早ければ6時ごろからおろせるとか、7時にならないとおろせないとか。戻ってきて、また次の日の荷物を積んで終了ということになるんだろうと思いますけれども、海運関係もそうなんですけれども、東京港等々は6時間ぐらい待たないと、ひどいときはバースの中に入れないという、あちらに行かれた方はわかると思うんですけれども、3車線まるまるとまってそのまんま動かないですから、そういう実態の中で荷主さんには理解をしていただくというのが、基本的にそれが運賃料金に反映しないわけなんです。

 ですから荷主さんとしてみれば、オーダーによって入ってくればそれでオーケーということなんですけれども、そこはなかなか難しいところで、トラック協会も含めて、附帯作業として従来もらっていた運賃が、今附帯サービスになっているということで、それが規制緩和でどうしてもサービスにならざるを得ないというのが1つ出てきているのかなと。

 それからもう1件は、よく運輸関係で言われるのは、フォークリフトを使っての現地での荷おろしということになるんですけれども、フォークリフトの事故も大変多くて、今言ったように附帯サービスで現地のお客さんのフォークリフトを使っておろすと。それによって事故が起きる。事故はどちらのせいになるのかと。今のところは中小零細だと自己責任、運転手の責任だということになっているんですけれども、これは運輸支局にも、フォークリフトの安全管理も含めて、現地の荷主さんのフォークリフトの管理状況だとか、それを使わせる体制だとかというのも、さらに調査していただきたいということでお願いしているんですけれども、実質、先ほど言ったように長時間で朝早くから行っていて、結果的に自分で荷主さんのフォークリフトを使っておろさなきゃいけない。それは事故が起きないとは、そのほうが不思議なぐらいな内容でございますので、そういった実態も含めて、今後指導のほうをお願いしていきたいなと思います。

【佐藤会長】  お聞きしておくということでいいですか。

【引地労働基準部長】  おっしゃるとおり、トラックの労働時間と安全衛生管理というのは、そこの事業者だけではなかなか解決できない問題もありますので、トータルとしての対策というのが必要だと思っております。またフォークリフトも運転免許じゃない別の免許が要るわけですので、その辺の指導も周知していかなきゃいけないと思っております。

【佐藤会長】  いかがでしょうか。どうぞ。

【加藤委員】  全般についてなんですけれども、守秘義務の関係なんですが、今日の資料を会社の中で回覧していいか、あと、私はほかの、建設労務安全研究会というところにも関係しているんですが、そのほうの資料として回してよろしいか、その辺をお伺いしたいんですが。

【佐藤会長】  資料の扱いですね。

【阿部総務部長】  今日の本会議自体は公開のものですので、資料もいわゆるこの場の分は公開です。先ほどの視察のときの資料の関係は、済みませんが先方の関係がありますので非公開です。ここの場での分は全部公開で大丈夫です。

【加藤委員】  わかりました。

【佐藤会長】  ホームページに載るわけではないのかな。

【阿部総務部長】  ホームページにも載せます。

【佐藤会長】  たしかホームページに載せる、資料は公開されているんですね。

【阿部総務部長】  はい。載せますので、大丈夫です。

【佐藤会長】  いかがですか。

 もうそろそろ時間ですけれども、ちょっとだけ確認で、先ほど障害者雇用率のがあって、下がっているのは分子分母に短時間の人が入ったということなんですけれども、従来は30時間以上が障害者はフルタイムでカウントされていて、30時間未満のところはカウントされていなかったんですけれども、分母に入ることによって、分子も増えているんですか。例えば求人も、短時間で障害者の方を雇いたいとか。つまり、計算するときに、分母に短時間の人が入って落ちているんですね。分子のほうの、障害者、雇用されている人が、30時間以上が今までは障害者雇用率にカウントされたんですけれども、短い部分で雇用される障害者の方というのは増えてきているのか、その辺はどんな感じですか。

【廣瀬新宿所長】  増えています。

【佐藤会長】  増えてきているわけ。

【廣瀬新宿所長】  例えば新宿なんかでも、マクドナルドとかサービス系が多いので、これは分母分子に入っています。

【佐藤会長】  そうですか。そういう意味では、今までもあったわけですけれども、企業としてはそこはカウントされるというで、積極的に短時間の人を雇うようになってきているということですか。

【廣瀬新宿所長】  雇うようになっていますし、ただ、ややもすると、分母の方がボリュームとしては大きくなってしまう。

【佐藤会長】  大きいので、もちろん努力してもなかなか埋まらないということはあると思いますけれども、短時間で働ける障害者の方の雇用機会はそういう意味で増えてきていると。

【廣瀬新宿所長】  そうですね。

【佐藤会長】  企業も雇おうという気になってきている。そうですか。

【尾津委員】  質問よろしいですか。

【佐藤会長】  どうぞ。

【尾津委員】  先ほど視察をさせていただきまして、その際にLECの役員の方が、今までは手に職をつける時代だったんですけれども、今後は頭に職をつける時代だということをおっしゃっていまして、まさしくそれは障害を持つ人に対してはフィットする考え方なのかなと思っているんですけれども、先ほどちょうど私が視察したときに、階段しかなくて、おんぶ、担いで中を視察させてもらったんですけれども。

【佐藤会長】  なるほど。施設ね。

【尾津委員】  そうですね。どうしてもアクセシビリティーというところで十分でなかったということで、残念ではあったんですけれども、私が仮にあそこで受講する場合に、どうしてもそれがバリアになってしまうと。障害者雇用は障害者雇用のこととして1つありまして、また別に私がああいうところに行く場合、あるいは障害を持つ人が職業訓練などを受ける場合に、バリアがあった場合にはどうしてもそこで参加できない、ひいては雇用に結びつくことができないということになってしまうので、そのあたりも障害者雇用という枠ではなくて、1つの教育であるとかの機会の中に組み込んで考えていただければなと今日は強く思いました。

【清野職業安定部長】  重要なことだと考えておりますので配慮してまいりたいと思っています。

【佐藤会長】  そういうことは確かに大事な点で、ここは特に委託でやっているところなので、お聞きしておいていただきたい。

 大体よろしいですか、時間のほうは。この後もう1つ見学があります。それでは、最後に事務局を代表して、山田局長のほうからごあいさつをお願いできればと思います。

【山田労働局長】  特に申し上げることはございませんけれども、ほんとに熱心なご質問なりご意見をいただきまして、ありがとうございます。我々としても、いろいろ政治状況は混迷しておりますけれども、とにかく現場をしっかりと動かしていくということが大事だと思いますので、今後ともぜひご支援、ご協力をお願いしたいと思います。今日はどうもほんとうにありがとうございました。

【佐藤会長】  ありがとうございました。

 それでは、これをもちまして、第6期第1回の東京地方労働審議会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

【髙橋企画室長】  どうもありがとうございました。

 それでは、最初にも申し上げましたけれども、せっかくこの建物に来ていただきましたので、よい機会でございますので、23階にご案内します。

―― 了 ――

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雇用環境・均等部 企画課(企画担当) TEL : 03-6867-0212

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