第9期 第2回 東京地方労働審議会(平成30年3月19日開催)

9期第2回 東京地方労働審議会

 

 

1 日時   平成30年3月19日(月) 15時00分17時00分

 

 

2 場所   九段第三合同庁舎 11階 共用会議室1-1

 

 

3 出席者

 

委 員   岩村会長、梶原委員、長江委員、坂爪委員、脇坂委員

斉藤委員、吉田委員、傳田委員、反町委員

土屋委員、川本委員、寺上委員、杉山委員

大津委員、會津委員

 

事務局  勝田東京労働局長、黒澤総務部長、平石労働保険徴収部長

古瀬雇用環境・均等部長、鈴木労働基準部長

小林職業安定部長、井上需給調整事業部長

 

 

4 議題

(1)平成30年度東京労働局行政運営方針(案)について

(2)質疑応答・意見交換

(3)その他

 

5 配付資料

 平成30年度東京労働局行政運営方針(案)(1.63MB; PDFファイル)

 東京地方労働審議会資料(2.39MB; PDFファイル) 

 

 

6 議事
 
【永野企画課長】
 定刻2分前でございますが、全員おそろいでございますので、ただいまから第9期第2回東京地方労働審議会を開催させていただきます。
 本日、委員の皆様方には大変お忙しいところご出席をいただきましてありがとうございます。私、冒頭と進行を務めさせていただきます、雇用環境・均等部企画課長の永野でございます。どうぞご協力のほどよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、本審議会の開会に当たりまして事務局を代表し、東京労働局長勝田智明よりご挨拶を申し上げます。
【勝田局長】
 皆様お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。東京労働局長の勝田でございます。
 まずは、平素から東京労働局の業務運営に格段のご理解、ご協力、ご支援賜りまして厚く御礼申し上げたいと思います。平成29年度も残すところ10日余り、皆様方には本当に年度末大変お忙しい中、ありがとうございます。
 本日の審議会では、来年度平成30年度の東京労働局の行政運営方針について、皆様にご審議いただき、ご意見を頂戴することをメインとさせていただいております。東京労働局では、各部の、各行政系統、垣根を越えた連携により、総合的な労働行政推進に努めてまいりました。特に、現在一番重要な課題でございます一億総活躍社会の実現に向けまして、最大のチャレンジでございます働き方改革、一人一人の意思や能力、置かれた状況に応じて多様な働き方、この選択を可能にするため働く方々の視点に立って行う改革、このチャレンジを成功させるために社会全体として、発想を転換したり制度を大きく変えていったりする必要があろうかと思っております。私ども労働行政の果たすべき役割も多いものと思っております。
 このような状況の中で、東京におけます平成30年度の行政のスローガンは引き続き、「誰もが安心して活き活きと働けるTOKYOへ」、これをスローガンに三つのチャレンジを掲げました。一つは国全体の課題でもございます、働き方改革の実現に向けた取組の加速。そして二つ目が特に東京で顕著になっております、人手不足の解消に向けた人材確保の一層の推進。そして三つ目として、オリンピック・パラリンピック、この東京での開催に向けて安全衛生の確保。この三つを大きな柱としてさらに同一労働・同一賃金の非正規労働者の処遇改善や長時間労働の是正による安全で健康に働くことのできる職場づくり、こういったものに労働局、労働基準監督署、ハローワーク一体となって取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 行政運営方針詳細につきましては、この後、各担当部長のほうからご説明申し上げますが、本日はお手元に示しております、この行政運営方針案につきまして委員の皆様方から忌たんのないご意見を頂戴して、成案にしていただきたいと思っております。何とぞ積極的なご意見をいただき、ご審議のほどよろしくお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願い申し上げます。
【永野企画課長】
 ありがとうございます。続きまして、本日ご欠席の委員のご報告をさせていただきます。公益代表委員では、野川委員。労働者代表委員では唐澤委員と、恵島委員が本日ご欠席でございます。したがいまして、本日の出席委員は15名となりまして地方労働審議会令第8条第1項の規定に照らしまして、本審議会が有効に成立しておりますことをご報告申し上げます。
 次に、お手元にお配りしております資料のほうを確認させていただきます。
 お手元のほうにはA4の1枚もので出席者名簿、それから本日の次第、座席表、まずこの1枚ものが3枚、お配りをさせていただいております。その下に本日提出の資料でございます。5点ほどございますが、まずはカラーの横刷りのもの、第9期第2回東京地方労働審議会資料。そして、その次の縦長でちょっと厚いですけれども、行政運営方針の(案)。続きまして、第13期東京労働局労働災害防止計画案、縦長のものが一つ。続きまして、同じく案の概要という横長、パワーポイントのもの。最後に同じく計画の本省版の縦長の冊子が一つ。以上が資料となってございます。もし不足等ございましたら、合図をしていただけましたら、事務局のほうで準備させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、これより議事に入らせていただきますが、本審議会は東京地方労働審議会運営規定第5条第1項の規定に基づきまして、原則として公開の会議とさせていただき、その議事録につきましても発言者名を含めて公開とさせていただくこととなっておりますので、まずご了解をお願い申し上げます。
 では、以後の議事進行につきましては、岩村会長にお願いをしたいと思います。会長どうぞよろしくお願いいたします。
【岩村会長】
 それでは会議を始めたいと存じます。
 まず最初に、この会議の議事録の作成についてでございます。東京地方労働審議会運営規程第6条第1項の規程によりまして、会長のほかに2名の委員に議事録への署名をいただくということになってございます。つきましては、本日の議事録の署名人でございますけれども、労働側は斉藤委員に、使用者側は土屋委員にそれぞれお願いをしたいと存じます。よろしくお願いをいたします。
 それでは議事に入りたいと思います。まずお手元の議事次第をごらんいただきたいと思います。議題の最初の1番目は、平成30年度東京労働局行政運営方針の(案)についてでございます。きょうは、これについては分量も多いということもございますので、事務局からのご説明につきましては途中で一たん区切りを置きたいと思います。前半は労働基準部までということにいたしまして、一たんそこまででご質問、ご意見等を承りたいと存じます。その後、後半でございますけれども、こちらは職業安定部以降についてのご説明を事務局からいただいて、その後に皆様からの質問、ご意見等をいただくと、そういう進め方とさせていただきたいと思います。
 それでは事務局から、順に沿ってご説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
【黒澤総務部長】
 総務部長でございます。まず私から平成30年度行政運営方針全体を貫きます基本的な考え方につきましてポイントをご説明申し上げます。
 まず、このお手元色刷りの横の東京地方労働審議会資料1枚めくっていただきまして、右下のページ番号1ページ目をごらんいただきたいと存じます。
 先ほど局長の挨拶にありましたように、平成30年度につきましても「誰もが安心して活き活きと働けるTOKYOへ」というものをスローガンとしております。今年度同様、引き続き、一億総活躍社会の実現、そしてその鍵を握ります、働き方改革に全力を挙げて取り組んでいくというものでございます。
 その下にこれも先ほど局長が申し上げました三つのチャレンジというものを掲げてございます。まず1点目が「働き方改革の実現に向けた取組加速」でございます。長時間労働を是正し、全ての方が安心して活き活きと働くことができる環境をつくるとともに、中小企業・小規模事業者の方々の生産性向上に取り組むというものでございます。
 2点目が「人手不足解消に向けた人材確保の一層の推進」でございます。魅力ある職場づくりを進めまして、人材と仕事のマッチングを図り、「全員参加の社会」の実現に取り組んでまいります。
 3点目が「オリンピック・パラリンピックに向けた労働安全衛生の確保」でございます。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けまして、本格化してまいります大会施設工事の安全対策を中心といたしまして、職場の安全衛生管理の確保に全力で取り組んでいくということにしております。
 そしてもう一点、各部が取り組むに当たりましての共通となる特色といたしまして、この分厚い縦置きの行政運営方針という資料がございますが、こちらの26ページをお開きいただきたいと思います。
 こちらの26ページのところに「総合労働行政機関として推進する重点対策」とございまして、主に二つのことが書いてございます。
 一つ目はその下に5行ほどにわたって書いております「東京労働局が」という段落でございますが、ここに書いておりますのは局内の各部及び労働基準監督署、ハローワークが連携をしていくということで、これは当然のことでございます。
 その下でございます、「とりわけ」というところに書いてございますが、「東京労働局管内には企業の本社が集中している」というふうに書いてございます。この地方労働局におきます行政運営方針、これは47各労働局においてそれぞれ策定するわけでございますが、東京の特徴としましては、事業所の数でいきますと全国の事業所のおよそ12%が東京にございます。また、労働者の数でいきますと、全国の16%の労働者の方が東京で働いているということになります。さらに重要なこととして、ここに書いておりますように企業の本社機能が集中している。したがいまして、事業活動もそうでありますが、さまざまな労務管理、人事管理、雇用管理、そういったものも本社のほうが主導をしている場合が少なくないわけでございます。したがいまして、私ども東京労働局といたしましては、企業の本社に対します周知啓発、指導、支援などの働きかけによりまして、本社から都内はもちろんでありますが、全国各地の支社、支店等への波及効果、これも念頭に置いて行政活動を進めてまいりたいと考えております。
 そのような意味におきまして、東京労働局は管轄区域としてはこの東京都内を管轄しておるわけではありますが、その行政の効果といたしましては全国を視野に入れまして、気を引き締めて積極的な行政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
 まず、以上が各部共通する特色として申し上げました。
【古瀬雇用環境・均等部長】
 引き続きまして、雇用環境・均等部の関係を説明させていただきます。古瀬と申します。よろしくお願いします。
 資料1枚の2ページからになります。
 まず、働き方改革推進の取組状況についてでございますけれども、今年度の状況としましては、労使各団体にご協力の要請をさせていただきますとともに、個別の企業に対しましては経営トップへの働き掛けをさせていただきましたほか、人事労務担当者の方を対象とした個別のコンサルティング、あるいはワークショップ形式のセミナー等を実施したところでございます。
 また、企業における取組の促進のために、ホームページにさまざまな企業規模、業種の取組事例を掲載させていただいたほか、取組のヒント集としてのリーフレットを作成し配付をしているところでございます。
 また、東京都との連携を引き続き行っておりますほか、金融機関との連携を開始することといたしました。この金融機関との連携の具体策については、これは個々の金融機関ごとに違ってくるものとはなりますが、例えば金融機関が地域の企業に対して経営支援を行う際に、国の助成金などの支援策について併せて周知をしていただくといったことですとか、金融機関からのお求めがあれば、地域の企業の人材確保ニーズに対して、労働行政のほうから支援を行うといったようなことを想定しているものでございます。
 来年度の取り組みにつきましては、これらの取り組みをさらに充実、継続をさせていくほか、中小企業・小規模事業者に対する支援策の大きな柱としまして、働き方改革推進支援センターを設置することとしております。
 このセンターにつきまして3ページに図を載せております。このセンターにおきましては非正規雇用の方々の処遇改善や労働時間制度、あるいは賃金引き上げ等に関する事業主からのご相談につきまして、窓口や電話、メール、あるいは訪問により対応させていただきますほか、関係機関との連携、ご協力によります出張相談会なども実施をすることとしております。
 次に4ページにまいりたいと思います。
 学生の方々に対して労働法制について知っていただくために、労働法制セミナーというものを企画して、講師を派遣させていただいてるところでございますけれども、その実施状況につきましては回数、受講人数ともに増加をしておりますほか、今年度は新たに専門学校におきましても開催しました。
 また、学生アルバイトの関係では、4月から7月というのが毎年多くの新入学生がアルバイトを始める時期でございますので、この時期にフォーカスして、「「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン」ということで、相談対応を重点的に行っているところでございます。来年度もこれらの取組をできる限り対象を広げつつ進めたいというふうに考えているところでございます。
 次に5ページをごらんいただきたいと思います。労働契約法に基づく無期転換ルールへの対応についてです。
 本年4月より無期転換ルールの運用が本格化しますので、それに向けてさまざまな周知啓発を行ってまいりました。昨年9月から10月にはこれは全国統一的にですけれども、周知キャンペーンを行う期間とし、その後も引き続き事業主、労務担当者向けの説明会ですとか、あるいは働く方々向けの説明会、個別相談会なども実施をしたところでございます。さらに自治体とも連携をしまして、大型の周知・広報ということで、例えば新宿駅周辺などにあります大型のデジタルサイネージを使ったような周知、こういったものも行っているところでございます。
 また、右側にまいりますけれども、無期転換ルールに関連した、雇止め事案の対応といたしまして、企業に対する啓発指導を行っておりますほか、無期転換ルールの特例措置の認定申請件数については、今年度、特に下半期、年明けから申請件数が急増いたしております。こういった中で、私どもとしても審査体制を強化して、対応をしているところでございます。来年度も引き続き、関係機関のご協力もいただきながら周知広報を進めるとともに、相談対応、また企業に対する啓発指導を行うこととしております。
 次に6ページでございます。個別労働紛争解決制度の施行状況を6ページから7ページにかけて掲載をいたしております。
 動向の特徴でございますけれども、まず相談、助言・指導、あっせんのいずれにおいても、いじめ・嫌がらせに関するものが最も多いという傾向は変わっていないところでございます。7ページの右側のグラフは相談についてのグラフになっておりますが、助言・指導、あっせんにつきましても、同じような傾向となっております。
 それからこの7ページの左側をごらんいただきたいと思います。総合労働相談の件数や均等三法に関する件数を載せているところでございますけれども、昨年度に比べ減少する見込みとなってるところですが、この要因としては改正育児・介護休業法に関する問い合わせや相談が落ち着いたということがあるものというふうに考えているところでございます。
 次に8ページでございます。雇用均等分野の施行状況でございます。
 左側の中ほどに、是正件数の割合を載せているところでございます。また、下の円グラフをごらんいただきたいと思いますが、これは助言の内容別に件数をみたものでございます。見てまいりますと、セクシュアルハラスメントや、妊娠・出産、育児休業等に関するハラスメントが引き続き多くなっている状況でございます。
 また、女性活躍推進法につきましては、301人以上の義務企業については99.8パーセントの行動計画届出状況となっておりますが、努力義務の300人以下の企業につきましては、今のところ1,000件程度となっておりますので、来年度は300人以下の企業に対しましても、女性活躍に取り組むメリットについて、引き続きご理解いただくように周知啓発に努めたいと考えております。
 次に、9ページ左側のグラフをごらんいただきたいというふうに思います。
 これは週60時間以上という長時間働いている正規従業員の方の年代別の割合を、これは男性について載せているものでございますけれども、実線が東京、点線が全国の数字になっております。ごらんいただきますと、東京ではほぼ全ての年代で、全国よりも高くなっておりますけれども、特に30代前半の男性で全国よりも高いという結果になっております。
 また、右側にまいりますけれども、東京におけます男性の育児休業取得率は、近年、上昇はしておりますが、まだ7.4%と1割に満たない状況でございますので、こうしたことから来年度の取組の重点としましては、先ほど申し上げました女性活躍推進の項目のほか、男性の育児休業取得促進にも取り組みたい。また併せて、認定制度の周知等にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 次に最後10ページでございます。総合的ハラスメント対策の実施としてございますけれども、セクハラ、いわゆるマタハラ、それからパワハラ、これらを合わせまして総合的に7月から12月の間を中心として説明会、相談窓口の設置、周知啓発等の対応を行ってまいりましたほか、過重労働対策の一環としてのメンタルヘルス対策と、それからパワハラ防止対策の連携による周知啓発も実施をしたところでございまして、来年度もほかの政策との連携によりまして、より効果的、効率的な啓発に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
【鈴木労働基準部長】
 労働基準部長の鈴木でございます。私からは労働基準部所掌事項について、説明させていただきます。
 まず、運営方針について先ほど説明がありました、東京労働局三つのチャレンジについてですが、基準部関係で申せば、一つ目の項目「働き方改革の実現に向けた取組加速」に関しましては、長時間労働の是正、それから、全ての人が安心して生き生きと働ける環境をつくるという点、そして、三つ目の項目「オリンピック・パラリンピックに向けた安全衛生の確保」という点。大きく二つの課題、チャレンジを与えられているものでございまして、しっかり取り組んでいかなければならないと考えているところであります。
 労働基準部関係で具体的な部分は、パワーポイント資料では11ページからでございまして、運営方針本文では35ページからになりますが、時間の都合で駆け足になりますので不明な点では本文を見ていただく、または質問等をしていただければと思いますのでよろしくお願いします。
 まず、パワーポイント資料の11ページをごらんください。
 長時間労働の是正という観点では、資料にもございますとおり、東京は週60時間以上就業する方の割合が全国平均と比べても、男女ともに高いという状況があります。下の枠で「平成30年度の取組」ということで対策をまとめてございますが、(1)に記載のとおり、引き続きさまざまな情報から時間外・休日労働が月80時間を超えている疑いがあるとか、長時間労働を原因とする労災請求があった事案などについて監督指導を徹底していくということになろうかと思います。
 それから新たな取り組みとしては、この(1)のまた書きのところに書いてございますが、オリンピック・パラリンピックを踏まえて、インフラ工事等が大幅に増加しており、建設業の現場で施工管理を行う事業場での長時間労働が懸念されることへの対策として、現場への安全衛生確保の観点で監督指導を行う際に、これらの事業場の労働時間の実態も確認して、問題があれば適切に指導するといった、新しい取組も始めたいと考えております。
 (3)も新たな取り組みになるかと思います。昨年の規制改革推進会議での決定を受けて、民間事業者の活用による委託事業で開始する予定でございます。三六協定未届事業場に対する相談・指導ということで、具体的な内容はこれから明らかになります。
その他(4)に記載もしておりますが、来年度も11月の過重労働解消キャンペーンなど、マスコミ等に協力を求めて過重労働防止、それから過労死防止に関する積極的な周知啓発に努めてまいりたいと考えているところです。
 12ページの労働条件確保につきましては、ここもさまざまな課題があります。(2)のところにありますとおり、外国人、自動車運転者、介護労働者等さまざまな課題があるわけでございますが、過重労働の最重点の取り組み課題がある中で、主体的能力の許す範囲でしっかり、引き続き取り組んでいくということであります。
 ここの資料には具体的には書いていないのですが、運営方針本文には、例えば38ページにはフランチャイズ展開をしているコンビニの労働条件確保について監督指導を強化すると書いています。この業種では一昨年にバイト生から1万円の罰金を取ったという事案がありました。そういったことで、昨年度三多摩地区を中心に自主点検を実施して、実態が把握できたというところがあります。また、去年、雇用環境・均等部がセブンイレブンとタイアップして、フランチャイズの店長に労働法を周知をしたということもニュースになりましたので、今年度は全般的に主体的能力の許す範囲で監督指導を強化していくということも運営方針本文には書いてございます。
 そのほか、技能実習生につきましては、東京では建設業に非常に多いということで、これも本文には建設業における技能実習生の労働条件の確保対策を強化すると書かせていただいておりますが、これは具体的には書いていないのですが、全体として災害が多く、監督指導を強化する予定の建設業の安全性の監督の中で、現場単位で技能実習生の労働条件も確認していくということにも取り組もうと考えてるところです。
 先ほどの建設現場の過重労働の件も含めて、運営方針本文で可能な限り具体的に書いてるつもりでございますので、我々としてはそういうふうに取り締まられるのであれば、先に直しておこうかと、自主的な是正がなされることも狙ってるところですので、ぜひともそういう視点をもって多くの方に運営方針を読んでいただければと考えているところでございますのでよろしくお願いいたします。
 次に労働災害の防止でございます。13ページからでございます。
 12次防は、我々の力不足を痛感する結果になったということで、非常に遺憾でございます。死亡災害、資料では54人となっているところでございますが、これは少し経った後に死亡災害を把握するものもありますので、統計を締める3月末まで把握したものを次々足していくということでありまして、今日現在では58人になっております。労災の脳心・精神事案の迅速処理を進めてる関係で、まだもう少し増える可能性があると思っているところでございます。今年も建設現場で一度に3名が亡くなるとか、それから、ヘリコプター墜落災害もございました。一度に多くの方が亡くなる事故も多かったわけでございますが、全体として業種的な課題としては建設業で25名の方が亡くなっている、全体の4割を占めているというところが一つの特徴かと思ってございます。
 一方で製造業の死亡災害が0件であったというのも一つの特徴かと思っているところであります。
 死傷災害については、15ページから書いてありますけれども、小売業、陸上貨物運送業、社会福祉施設というような、3次産業的な業種において大幅に増加している傾向があるというふうに思ってございます。小売業が建設業を抜いているというのも、東京の大きな特色というふうに思っているところです。しっかりと分析して、引き続き対策を講じていくということが必要と考えてるところであります。
 そういう中で、12次防が今年度で終わりでございまして、13次防の案を作成したというところです。16ページに13次防の目標というものを書かせていただいております。死亡災害は15%減、死傷災害は5%減を目標として施策を展開していきたいと考えているところです。今日はちょっと時間がありませんのであまり説明はできないのですが、参考までに13次防関係の資料をお配りしましたのでお見通しいただければと思います。なお、資料は先ほど開催いたしました災害防止部会、本審議会の部会で詳細に説明させていただきました。分析のあり方等をもう少し丁寧にやってはどうかとか、さまざまな意見をいただいたところですので、意見を踏まえて直せるところは直していきたいと考えているところでございます。
 細かい説明は致しませんが、一つだけ今回、13次防の特色として、我々として考えてるところを簡単にご説明させていただきますと、この13次東京労働局労働災害防止計画案の概要、「Safe Work TOKYO」のロゴマークがある資料の8ページを見ていただきたいのですが、13次防は東京らしさをしっかり出したいというところで、東京局において計画を推進するに当たっての三つの基本的な考え方というものをまとめさせていただいております。
 一つは、冒頭に局長からもいろいろお話が出てございますとおり、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会施設工事における安全性対策をしっかり行っていきたいと思ってございます。世界の人々に感動を与える大会でありますので、レガシーとして全国の快適で安全な建設工事のモデルとしていく必要があります。局署において、受注者、元方事業者、施工事業者、関係団体、労働者団体との連携によってしっかりと労働災害防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 二つ目は、これはまさに東京の特色かと思いますが、本社機能が集中してるということです。特に3次産業、店単位での災害防止というのはなかなか難しい部分もありますので、企業として取り組んでいただく必要があると、そういった形での取組を進めていきたいというところでありまして、逆にそういった取組が東京のみならず、全国の労働災害を減少していくことにもつながるんだと、そんな強い自負心を持って我々としては施策を展開していきたいと考えているところでございます。
 三つ目が、12次防でもございましたとおり、行政が進める安全性対策の見える化でございます。安全確保に取り組む必要があるということを、我々が取り組んでいることをPRすることによって、多くの都民にも認識を深めていただくということで、引き続きSafe Work TOKYOのロゴマークを使って、施策のPRに努めてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
 先ほど災害防止部会でいろいろなご意見を承ったところでございますが、本審議会の委員の皆様におかれましても、13次防はこんなことに取り組んだらいいんじゃないかというようなご意見をどんどんいただければ、我々としても対策を考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に元の資料に戻りまして17ページでございます。
 メンタルヘルス対策、職業性疾病対策もしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。特にストレスチェックにつきましては、ストレスチェックの結果報告、未提出事業場対策はもちろんですが、やはりいい取り組みを進めるためには参考になる取り組みをしっかりPRするということも重要と考えております。これは当初から言っておりますが、なかなか良い取り組み例が集まらないという難しい部分があるわけでございまして、これからぜひとも皆様方からもさまざまな事例を紹介していただきながら、しっかりとそういった方向で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 また、4番の「治療と仕事の両立支援」でございますが、これも推進チームを通じるなどにより、引き続きしっかりと啓発に努めることとしているところでございます。
 まだ、30年度のどのタイミングでできるかわからないので、運営方針には書かなかったのですが、やはり実態がわからない部分があるので、可能であれば来年度早々に、企業単位での取り組み状況等についてアンケートみたいなことが出来ればいいかなと思っておりまして、その際にはご協力をお願いしたいと考えているところでございます。
 資料18ページは最低賃金関係の件がを書いてあるところでございます。最低賃金につきましては、我々としては、一つに円滑に答申を得るということ、もう一つには周知と履行確保をしっかりやっていくということが本来重要なわけですが、ここを見ていただいたら分かるとおり、最近の上げ幅を見れば支援対策も重要かというふうに考えておりまして、拡充された支援制度の周知をしっかり行うということが一つの大きな課題になるのかと思っております。この辺の周知につきましては、行政としてもしっかりやりますけれども、労使の皆様方にもぜひともご協力を賜りたいと考えてるところであります。
 家内労働につきましては、資料は特にありませんが、3月2日にこの本審議会の部会である家内労働部会を開催させていただきました。工賃改定の具体的な申出はありませんでしたが、婦人既製服製造業の最低工賃の改訂について事務局としては見送りということでお諮りを申し上げたところでございます。労働者側委員からは、9年据え置かれてる前提がありましたので、改定すべきとの反対意見が出たところですが、部会全体としては了承いただいたところでございます。この家内労働部会は本審議会の部会でございますので、以上のことを報告させていただきます。
 それから最後のページでございます。19ページの労災補償です。
 資料にありますとおり、脳・心請求事案件数は高止まりで、精神請求事案件数は増加傾向にあるというふうに思ってございます。1件1件の事案が、医学的な意見を聞いたりとか、労働時間を把握したりということで、非常に大変な作業があるわけですが、労働者の方が1日でも早く救済されるべく、もしくは業務上外の決定が出るように引き続き、迅速・適正な給付調査に努めてまいりたいと考えてるところでございます。
 私からは以上でございます。
【岩村会長】
 ありがとうございました。
 それでは、先ほど申しましたように、ここまでで一たん切りまして、ここまで詳細に行っていただきました事務局からの説明についてご質問、ご意見がありましたらお出しをいただきたいと思います。
 では、長江委員どうぞ。
【長江委員】
 ご説明ありがとうございました。
 二つ、質問を経ましてのコメントなんですが、質問が一つ目。
 育児・介護で、男性の相談が伸びてるというところなんですけれども、これ実は労働経済学のほうで、男性は徐々に上がってきているという研究結果が出ていますけれども、実はサボってる男性もいるという結果も出ていまして、それを踏まえて東京労働局さんに、もうちょっと詳細な分析をして指導をしていただいたほうが、より効果的に男性の育児・介護の取得が進むのではないかという件で質問させていただきます。所得だとか学歴だとかという変数を入れることが可能でしたら、そういった所得区分、もしくは男性、女性の学歴区分にしたがって分析を行われて、どういった人たちがどれだけ多くの介護・育児などの取得をされているのかというところを、より細かく見られると、より適切、行政改革・・・じゃないかなと思った点が第1点です。その点は質問です。
 二つ目ですけれども、長時間労働ですね。これも一律にこう見るというところでちょっと疑問を感じてしまったんですが、最初に東京労働局さんがおっしゃられていたように、東京の特徴としては本社機能というのが集中しているという、東京の特徴がというふうにまず説明をいただいたんですけれども、この長時間労働をしている人たちというのは、本社機能が集中しているところで長時間働いているのか、もしくはそうではないところで働いているのかというところで、また指導のあり方というの変わってくると思うんですね。そこも一つ見分けられているのかどうかというのをご質問させていただきたいと。
 最後1点コメントなんですけれども、私がオリ・パラのことで非常に懸念しているのが、負のレガシーを残しちゃうんじゃないかというところを懸念していまして、どういうことかと言いますと、大阪で万博が行われたときに、日雇い労働者が全国から集められた。その日雇い労働者が帰るところがなくて、その場に居続けた結果、ホームレスになってしまったんです。これは御存じの人は御存じかと思うんですが、大阪特有のホームレス問題として非常にニュースにもなった話ですので、同じことが東京で起こる可能性があると僕は考えているんですけれども、そういったことを踏まえた上で今のオリンピック需要の日雇い労働者が、大阪と同じような負のレガシーを残さないような形で何らかの対策を議論していただきたいというのがコメントです。すみません、よろしくお願いいたします。
【岩村会長】
 それでは、質問が2点と、それからコメントということでしたので、関係するところでそれぞれお答えいただければと思います。
【古瀬雇用環境・均等部長】
 それでは、最初の2点についてお答えをさせていただきます。
 まず、育児休業の取得のところで、男性について学歴、所得等をもう少し深掘りをというご指摘の点でございます。
 実はちょっとこのデータは、東京都のほうで把握されているデータなので、少しそういった深掘りができるのかどうかも確認をしたいと思います。
 それから、長時間労働のその隣のグラフについて、本社機能がある場所で起きているのかどうかというところ、非常に重要なご指摘をいただいたと思っております。実は今回このグラフをつくって分析をしていくに当たりましては、なかなかデータの限界でどういったところで起きてるのかというところまでは把握が難しいというところがあったのですが、もう少しさらに別のデータも見ながら考えていかなければいけないなというふうに思った次第でございます。
【勝田局長】
  3点目のほうの日雇いの話ですね、確かにおっしゃるとおり、大阪万博の前までは山谷地区にいた日雇労働者のほうが多くて、それが万博とともに万博の建設で大阪に流れて、大阪のあいりん地区のほうが、日雇労働者が多くなったという歴史的な事実はあります。実は、そのことが次のつくばの科学博のときに起きるだろうというふうに私ども想像していました。つくばの科学博のときには、つくばでの科学博建設工事現場を担当するための日雇いの紹介をするための臨時の、今でいえばハローワーク、安定所、つくばのところに設けてやったんですけれど、実際にはほとんどそうならなかったというふうに私ども認識しています。というのも多分、その間に建設工事現場における機械化とか、そういったものが進んだといったことが大きかったのではないかと思ってございます。
 現在の東京オリンピック・パラリンピックの施設関係の労働者の状況を見ても、私どもが見る限りでは日雇労働者、あるいはそういった方々に対する需要が大きくふえているというふうには見てはおりません。
 では、その代わり何かほかのことが起こっているかといえば、一つ懸念しているのは、外国人技能実習生の方々が非常に入ってきている。実は東京の中でいえば、外国人技能実習生が1番多い産業は建設業でございまして、ほかの地域ですと製造業の外国人技能実習生が多い、あるいは農業の外国人技能実習生が多いというのと、少し違う状況になっている。そういった点で先ほど安全衛生のお話もしましたが、それも含めて外国人技能実習生の問題というのは東京について言えば、主に建設業の問題であるという視点の基に安全衛生でございますとか、それ以外の労務管理の問題でございますとか、そういった問題について私どもとして適切に対応していくといったようなことが重要ではないかというふうに思ってるところでございます。
【鈴木労働基準部長】
 これは人によって意見が違いますので、私も分析した上でなのかと言われると辛いところがありますが、今日は土屋委員もいらっしゃるので聞いていただければと思います。
 今回、実は13次防を作るときに、オリンピック、パラリンピックの後、工事量ががくっと落ちて対策を変えるべきじゃないかということを我々の中で検討したのです。建設業者の方々に聞きますと、多くの建設業者が今出来ていない工事が非常にたくさんあって、他で過去に起こったように一気に工事量が落ちるということはないのではないかという分析が結構あったものですから、多分工事は続くのではないかというふうに読んでる部分もあるのです。そこのエビデンスはないのでわからないのですが、そういう意味でいうと、極端な話にはならないと思っているところです。
 あともう一つ、確かに災害防止の観点でいうと、企業本社が多いと申し上げましたが、大企業の本社は確かに多いですし、大企業の本社の中の東京本社の占める割合は高いのでしょうが、東京の中で多いかどうかというのはまた別の問題ではないかと思ってございます。
 先ほど、13次防の災防部会のときに申し上げましたが、我々としてはさまざまな情報で時間外・休日労働が月80時間を超えている疑いがある事業場、それから脳・心・精神の労災請求があった事業場に対して、個別に監督指導を実施しているところですので、なかなか分析が難しい中で個別に対応させていただいているところでご理解いただければというふうに思ってございます。よろしくお願いいたします。
【岩村会長】
 長江委員、いかがでしょうか。
【長江委員】
 ありがとうございます。
【岩村会長】
 よろしいでしょうか。
 それでは脇坂委員。
【脇坂委員】
 先ほど出た長時間労働で60時間以上割合の数値ですが、全国レベルでもそうなんですけれども、こういうふうに性別、年齢別の形で数値が出るんですね。ところが全国レベルで職種別でみてみると断然ドライバーが圧倒的に高いんです。ドライバー、その次が販売職。だから本社機能があって、事務系統の人たちが猛烈に働いているイメージではない。60時間以上限るとそこが多いんです。ですから、これ就業構造基本調査(就調)だと思いますから、それで職種別東京でも取れますので、東京の特徴がこの就調でつかんで、職種別をむしろ焦点に置いたほうがわかりやすく出ると思います。いつもこう性別、年齢別ばっかりなので、なかなか見えてこない面がありますので、ぜひお願いします。
【岩村会長】
 全国レベルで労働政策審議会の労働条件分化会などでは、東京都は特化してませんが職種別に出ていて、その結果として運送業のところが非常に長時間労働であるということから、荷主も含めた形で対策の会議をやりましょうということで、きょうもこの中に東京の会議のご紹介も出ているというふうに理解しております。
 ほかにはいかがでございましょう。
 それでは、傳田委員。
【傳田委員】
 先ほどご紹介いただきました中で、無期転換ルールの周知、啓発のところがございました。労働契約法ができて5年ということで、18条部分の希望申出が4月から始まるということで、これまで準備されてきた大手企業などは人手不足感もあって、それなりにこれを有効に使いながら対策を打ってきたというふうに理解をしてます。しかし、圧倒的多数の企業は今慌ててるというようなことがあります。連合東京も労働局の後援をいただきまして、この3月に労働者向けに4回ほど説明、そして相談会を実施させていただきました。一般労働者の皆さんに無期転換という難しい言葉が、いかにも理解されていないということがあります。こちらに35ページのところでは、周知啓発、主に企業側にその対策を強く促すというふうにございます。企業の皆さんにそうしていただくのは、安心、スムーズな転換をする上では大変必要なことだと思いますが、希望するという制度から労働者の方が理解していただくというもう一つの面が重要で、我々の調査でも使用者の方が対象者の方に、「あなた今対象になりましたよ」って言って伝えますかというと、45%ぐらい使用者の方しか言わないということになっています。労働者の方がわかって希望するのがこのルールなものですから、そこの努力をしていただきたいと。我々本当に一般の労働者の方々、知らない人にわかってくださいというふうにして説明会に来てもらうのに一苦労しまして、毎回30人ぐらいずつしか集まらず、集めるのが必死というようなことでした。これは労働局とか、または関係するところでやっていただいて安心して来ていただいて、そして転換ができることが望まれます。
 次のキャンペーンのところが9月、10月って書いてあるのは6か月の雇用契約の次、また集中してやりましょうということだというふうに理解してますけど。
【古瀬雇用環境・均等部長】
 今年度の9月、10月になります。
【傳田委員】
 今年度のですか。ぜひ続けてですね、これは4月以降、ぜひ集中して労働者向けにもやっていただきたい。難しい作業だと思いますが、ぜひそこをお願いしたいというふうに思っています。
 それから働き方改革全般のことですが、多様な働き方改革へも進んでるものですから、そういう意味では事例「に」学ぶというんですか、事例「を」学ぶわけじゃなく、事例に学ぶということは大事かなというふうに思っています。厚生労働省のポータルサイトの中でも、最初はたくさんの企業が紹介がありましたが、あまりリバイスされていません。東京レベルでいろんな企業が身近に聞いてすぐ展開して、皆さんに参考になるようなことを労働局さんでやっていただきたいなという思いがあります。斉藤委員の企業では勤務間インターバルも10月から大々的に実施されますし、中には育休促進のため、当該労働者ではなくて、その職場の同僚の皆さんに手当を出すとかですね、本当に多様な動きが出てます。そういう事例に学べるようなことを労働局サイドで東京にあったような形でやっていただきたいというのが二つ目の要望です。
 三つ目は監督行政のことで、労働時間ですとか、長時間労働の監督指導には多くの要望がありますが、これ言ったら切りがないんで、ぜひお願いしたいのは東京労働局の監督官をとにかくふやしてほしいです。国全体の枠はあるのは事実ですけれども、とにかくそのことができれば、もう少しいろんなこともまたお願いをして、聞いていただけるようなことにもなるというふうに思います。ILO基準からいっても日本、そして東京の場合は低いわけですから、これは働く人たちを守る労働行政にとって、一番の対策だと思います。OBの方を使うとか、社労士さんを使うとかっていろんな方法が言われてますけれども、基本になるのは監督官の方をふやしていただくことだと思います。強い要望があちこちからあるということを本省にも言っていただきたいと思っています。以上です。
【岩村会長】
 ありがとうございます。
 では、川本委員どうぞ。
【川本委員】
 まず今、傳田委員からご指摘のあった無期転換ルールの関係、それから多様な働き方の事例の関係につきましては、もう同意見です。私どもの団体でも様々ないろんなセミナーとか周知活動やっておりますが、労働局のほうでもよろしくお願いしたいと思っております。
 それで、私が今申し上げたい意見は、まずオリンピック・パラリンピックに向けてで
ございます。先ほど開かれた部会でも意見申し上げましたが、4点ございます。
 1点目が建設関係で、事故の問題に絡んでまいりますが、実際建設の工事のスタートがおくれた事案というのが幾つもあるとお聞きしていますし、そういう中で工期と安全の観点から、ぜひ心の籠もった対応をしていただきたいなと。建設会社は、労働時間規制も強化されてるし、人手は不足してる中で、絶対的に工期を守らなければならない。そうした状況で、いかに安全を守ってもらうか、そういうような対応をいただきたいなと思ってるのが1点目です。
 2点目であります。
 これも災害の関係にありますが、熱中症の問題で、今年のオリンピック・パラリンピック夏場でありますので、関係者、ボランティア、それから野外には様々なお店などが出ると思います。ぜひ熱中症対策につき万全を期していただきたいなと、これ二つ目であります。
 三つ目。外国人の技能実習生その他、これも建設会社に多いわけですが、やはり言葉の問題というのは相当あると思っております。今、自動翻訳機が相当進み、携帯のものができてきたということで、ボランティアの人たちも心配せずに外国人に対応できますということをテレビで見ました。こういうもので対応していただいて、外国人技能実習生の安全の指導、あるいは教育ができるようにお願いしたいと。
 そして4つ目は受動喫煙問題であります。
 第3次の計画の案の中にも受動喫煙対策入ってございますけれども、これもオリンピック・パラリンピックに向けて、まさしく様々な国の方がやってくると。要は建物の中でも外でも吸ってぽいぽい捨ててるような国から、ほとんど吸えない国、あるいは受動喫煙ということで分煙をしてる国もあれば、多くの場合はビルの中はだめだけれど、外で吸えるという国からも多くやってくると。こういう中でありますので、ぜひこの辺も柔軟に検討いただければなと思っております。特に最近は電子たばこという新しい技術革新のものが生まれております。葉たばことは全く種類が違うので、同じ対策でも分けて多様性をもって検討されるべきだと思っております。以上であります。
【岩村会長】
 ありがとうございました。
 何か事務局のほうございますか。では、お願いいたします。
【古瀬雇用環境・均等部長】
 私のほうから傳田委員からご意見いただきました、無期転換に関する労働者向け周知、それから働き方改革の事例の発信についてでございますけれども、まず無期転換の労働者向け周知については、今まさに、今は新宿駅西口の都庁に向かう通路のスタート地点にある大きいデジタルサイネージ、それから通路の途中にぽんぽんぽんとあるサイネージ、それらを使いました周知を始めたところでございまして、これを引き続き渋谷区内ですとか、足立区内の同じような電光掲示板を使いまして周知を展開していくということを計画しているところでございます。
 それから働き方改革の取組事例につきましてですけれども、本省のポータルサイトでは、かなり大手企業の事例が多いということもございますので、今年度から私どもとしても、もう少し規模の小さい企業の身近な取組事例を今10社弱でございますけれども載せ始めたところでございます。こういった取組を引き続き拡充していきたいというふうに考えております。
【岩村会長】
 はい、ありがとうございました。
 はい、お願いいたします。
【鈴木労働基準部長】
 傳田委員から労働基準監督官の増員の話をいただきました。引き続き我々としても増員に努めているところではございますが、東京労働局の中でも、具体的には申せませんが、体制の強化は図っていきたいという気持ちはあるわけでございまして、引き続きできる体制を取っていきたいと思います。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 川本委員からのお話でございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、建設工事の工期遅延の問題については、発注機関との連絡会議もございますので、ご指摘の点も踏まえ、心のこもった対応をしていきたいというふうに考えてございます。
 あと、熱中症も確かに先ほど気づきませんでしたが、ボランティアのこともあるのですが、観客の問題もやはりあるのだろうと思います。それらを考えれば、まだ早いのかもしれませんが、東京都とも連携して熱中症の危険性についてPRするというのはいい機会かとも思いますので、前向きに対応させていただきたいと思います。
 自動翻訳機の話もそうですが、ご意見を踏まえてしっかり対応を取りたいと考えております。また、技能実習機構が出来たのが、我々としてもいろんな面で非常に連携が取りやすくなったと思ってございますので、6月頃に機構と連絡会議などを開く予定もございますし、うちの職員も出向しておりますので、しっかりと連携を取って対応していきたいと思ってございます。
【勝田局長】
 受動喫煙の関係は健康増進法が国会に出ておりますので、その状況も見ながらということになっていくかと思いますが、影響が結構大きいのではないかというふうに思っておりますので、また多分、今後この審議会においても対応等において皆様にご相談させていただく機会も出てくるのではないかと思っているので、ぜひよろしくお願いいたします。
【岩村会長】
 それでは、土屋委員がお手が挙がってました。どうぞ。
【土屋委員】
 まず、外国人技能実習生の件ですけれど、建設業ではふえているということで、私は、大手35社が集まってる労務安全研究会の理事長をしていますが、今後無資格で作業をされては一番困るということで、それのQ&Aの本の作成と、労研セミナーを2月に開いて五十何名集めて講習会をしています。やはりこれだけふえてきますと、いろんな問題もある。限定で最大3年間延びてますので、基準部長のおっしゃるとおり、現場で本当にふえたときに、安全の教育に言語が違うのにどうするんだという話になると、今後の課題がずっと出てくるかと思います。それは今後研究会の中でも委員会を立ち上げ東京労働局さんと打ち合わせさせていただきながら実態の把握と、それに対しての安全の見える化をしていく考えです。
 当社にとってはまだそれほど顕著に外国人は来てないんですが、一部で型枠解体工とかいますよという話があります。それと溶接関係。これも確かに特殊な技能ですから、高圧則も改定されています。圧気工法の内部で、溶接もできるということで、外国の特殊技術であり、あえて厚生労働省で法改正もしております。そういう観点から見ても、今後は多分20年までには、やはり外国人はそのまま残ってると思いますので、確実にその中で安全対策はこれからしていかなきゃだめかなと思います。
 それと、建設業全体の話ですが、オリンピックまでの工事施工量は増えてますけど、それは東京は確かに増えてます。地方というと、増えてる箇所もあるし、公共投資が少ないところはそれなりで、まだ仕事ないよというところもあるわけです。ですから都内でいえば、現場が増えてます。そうしますと、もうこれ以上増えても施工・安全管理がゼネコンでも地場ゼネコンでもできなくなります。その結果、発注者の先送りという感じでオリンピックが終わった後に次の発注を考えてますので、急に増えて急に減るということはないと思っています。現状維持をしながらちょっと増えていって、またオリンピック終わってから緩やかに下がっていくというのが現状かと思います。ですから、ゼネコンでも人員、確かに新入生とか入れてますけど、それはあくまでも次の課題の10年、20年先の技術屋の育成ですから、今の現状で安全管理が確保できるという状況で推移していくかと。ですから急にオリンピック後に減ってしまうということは都内ではないと思います。逆に言うと、地方でも徐々にまた増えていく可能性はあります。
【岩村会長】
 はい、ありがとうございました。
 では、斉藤委員どうぞ。
【斉藤委員】
 2点、要望ということで発言させていただきます。
 特定最賃と家内労働部会の論議につきましては、非常に地賃が上がる中で据え置きということで続いてきておりますけれども、東京のものづくりの価値というものを適正に審議できるような環境をつくっていただければと思っております。非常に中小企業の人材確保が厳しいとか、あるいは人材の育成が大変だというようなお話はこの審議会の中で聞いてきている内容ではございますので、中小企業への支援と合わせまして適正な東京都で働くものづくりの価値について論議していければと思っております。
 2点目ですけれども、東京都ということでは、働きたくても保育園が預けられないという保活の問題というのが非常に深刻化しているのではないかというふうに思っております。ぜひ、本社機能がたくさんある東京ですので、例えば思いつきみたいになりますけれども、そのオフィスの一画を預けられない子供に提供するというようなことと、東京都が推進している時差通勤と合わせて、一時的に預けられない子供たちを預かるオフィスというものも、企業の中に検討していただくというような取り組みも一助になるのではないかと思っておりますので、今後の取り組みの検討としてお願いしたいと思います。
【岩村会長】
 はい、ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 では、杉山委員どうぞ。
【杉山委員】
 ありがとうございます。1件だけお願い事項がございまして、私ども小売業ですので全社員の8割が販売、あるいは接客の仕事をしております。そういった中で今、働き方改革のいろいろな施策が出てくるんですが、どうしてもオフィスワーカーを念頭に置いた施策が多いと感じております。どうしてもそうなるのは仕方がないんですけれども、例えばテレワークといっても、店舗型の販売ですと事実上できません。それから昨年、景気雇用策の副産物で生まれましたプレミアムフライデー。これも、こちらはサービスする側ですからむしろ残業がふえるほうなんです。そういった流れがありますので、いろんな施策を打ち出す際に、こういったサービス型の産業のことも多少念頭に入れていただければというふうに感じております。以上です。
【岩村会長】
 はい、ありがとうございます。
 それでは申しわけないんですが、そろそろ後半に移りたいというふうに存じます。
 それでは、事務局のほうからまず説明をお願いいたします。
【小林職業安定部長】
 職業安定部の小林でございます、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは私ども平成30年度の職業安定分野の重点対策につきましては、厚紙のほうは行政運営方針51ページからとなりますが、お手元のパワーポイントの資料でご説明をさせていただきます。20ページからとなりますが、初めに少し最近の雇用情勢に触れさせていただきたいと思いますので、21ページをごらんいただければと思います。
 平成30年1月現在の東京の有効求人倍率は、下段の中央赤枠に囲っておりますが、2.08倍ということで前月より0.07ポイント低下をし、4か月ぶりに前月を下回るという状況になっております。しかしながら、22か月連続での2倍台ということで、この2倍を超えての連続というのは過去最長となっております。また、平成29年10月から12月期の南関東の完全失業率は、下段の右側に記載しているとおり、2.8%と前年同期を0.4ポイント低下しているなど、現在の雇用情勢は改善が進んでいると判断しているところであります。しかしながら、人手不足感がより一層強まってきていること、さらには少子高齢化の進展に伴う構造的な問題も加わり、雇用は順調としながらも雇用課題の深刻さは増してきている状況となっております。こうした雇用課題に対処するために、東京労働局三つのチャレンジ、中でも私ども職業安定分野におきましては「働き方改革の実現に向けた取組加速」、そして「人手不足解消に向けた人材確保の一層の推進」にしっかりチャレンジし、『誰もが安心して活き活きと働けるTOKYOへ』を実現していきたいと考えております。
 それでは、具体的な重点対策につきましては、お戻りいただきまして20ページをごらんいただければと思います。
 まず、こちらのマッチングという点でございますが、いうまでもなく、ハローワークの最大の果たすべき役割はマッチングであり、人手不足を始めとするさまざまな雇用課題の解消に向けてはハローワークにおけるマッチング機能のさらなる充実強化が最重要課題であると認識しております。その中で、求職者への就職支援、それから求人者への充足支援を行っているところでございますが、例えば29年度の右側の表を見ていただきますと、新規求職者の目標達成率は102.8%、就職件数は98.6%となっており、新規求職者は予定どおり進んでいるという状況ではありますが、就職は目標どおり進んでいかないというのは、その一つ上の紹介がなかなか進んでいないというのが要因となっております。では紹介をなぜ打てないのかということですが、ハローワークに来てはいるけれども、相談窓口までつながらないというような状況も見えてきております。そういったことも含めまして、しっかりと相談窓口につないでいく仕組みの構築に努めていきたいと思っております。いずれにしましても、求職者が減少傾向で推移している中、マッチング成果を上げていくためには、ハローワークに来所した方には、しっかりと職業相談窓口につなぐ、つなげる取り組み、またハローワークに来ない方、未利用者には、ハローワークにつなぐ、つなげる取り組みを強化し、さまざまな支援を織りまぜながら、一人でも多くの方々の就職の実現を図ってまいりたいと思っております。
 それから、求人者への充足支援ということでは、求職者が減少しているということもありまして、大変厳しい充足環境となっております。とりわけ厳しい中小企業に対しては重点的に助言・援助を行うなど、しっかりと求人者に関わる取り組みをしていくことが重要となっております。具体的には(3)に書いてありますように求職者が応募しやすい求人条件や求人票の記載内容に係る助言・援助を行うほか、雇用管理指導援助業務と連携し、充足に向けた支援を更に強化して実施していくことを考えております。
 次に22ページをごらんください。非正規労働者の関係でございます。
 こちらの正社員待遇改善ということにおきましては、平成28年度に策定いたしました「正社員転換・待遇改善実現プラン~東京5か年計画~」に基づきまして、地方公共団体と連携を図りながら正社員転換・待遇改善の取り組みを進めてまいります。
 それから、二つ目にございますのが、雇用関係助成金の活用にある企業の生産性という点でございますが、こちらにつきましては29年度から生産性の向上というような要件が始まったわけでございますが、さらに30年度からは、一部の助成金においては、将来的に生産性が向上した企業に対しても割り増し助成を行うというような制度が拡充されたということになりますので、こういった制度周知をしっかりと行いまして、生産性向上に取り組む企業をより一層支援してまいります。
 それから人手不足人材確保の点についてでございます。こちらにおきましては、やはり雇用管理改善による「魅力ある職場つくり」の推進ということが重要となっております。こちらも引き続きこれまでの取り組みに加えて、30年度からは新たな助成金として人材確保等支援助成金、あるいは東京働き方改革推進センターの活用も加えるなど、しっかりと魅力ある職場づくりを推進してまいりたいと思っております。
 それから次に、人手不足分野の福祉分野、建設分野などの人材確保対策についてですが、これまでの福祉分野のほかに、建設、警備、運輸こういった雇用吸収力の高い分野につきましては、平成30年度から当該分野に特化した専門窓口であります人材確保、就職支援コーナーを現在の池袋1カ所でございましたが、来年度からは都内7カ所に拡充をして「ツアー型面接会」の実施など、人手不足分野の効果的なマッチングの支援に取り組んでまいります。
 それから、23ページをごらんください。
 こちらは、地方公共団体と一体となった取り組みということでございますが、平成30年度におきましても、引き続き東京都雇用対策協定に基づく機動的かつ、総合的な雇用対策を実施するほか、区市町村が実施する各種支援策や、事業との連携などを通じ、それぞれの強みを発揮し、一体となった雇用対策を進め、地域の求職者の利便性の向上の就職促進を図ってまいります。具体的には、女性、若者、高齢者などの就職面接会等の共同開催であるとか、生活保護受給者等を含めた生活困窮者の就労支援や、ふるさとハローワークの運営、さらには求人・求職情報の提供などなど各種連携事業を進めてまいります。
 次に24ページをごらんください。
 こちらは、個々具体的な取り組みでございます。まず、女性の活躍推進ということでございますが、求職者が減少傾向にある中でも、女性の割合というのが非常に高まってきているところであります。こうした中、特に支援が必要となるひとり親の方々や、それから就職を希望する子育て女性の方々に対しては、小さなお子様連れでも利用しやすい環境に整えております3カ所のマザーズハローワークと、7カ所のマザーズコーナーを中心に個別担当制による求職者個々に応じたきめ細かな就職支援を実施してまいります。また、仕事と子育ての両立しやすい求人の充実・確保に努め、各種助成金の活用促進も図るほか、地方公共団体、関係機関との連携も図りつつ、女性の活躍を推進してまいります。
 それから、次の若者の支援でございます。
 まず、新規学卒者の支援ですが、すみません、こちらの表が29年9月現在となっておりますが、実は30年の1月がまとまっておりまして、上段一番右側の内定率だけ申し上げますと89.8%となっており、その下の前年比が0.4ポイントの増というような数字になっておりますことをお詫びし訂正いたします。いずれにしましても、高校生の内定率は過去最高で推移しているところでございます。大学生もきょう発表になったのを見ますと、90%を超え、こちらも過去最高で推移しているところでございます。引き続き、高校生についてはハローワークに設置しております、学卒ジョブサポーターがしっかりと一人一人に支援を行いながら進めてまいります。
 それから新規大学卒業者につきましては、東京新卒応援ハローワーク、八王子新卒応援ハローワーク、この二つの拠点においてしっかりと未就職者が出ないよう取り組んでまいります。
 次の25ページをごらんください。若年者の支援ですが、不安定労働者の長期化というようなものも進んでおります。そういったところも含めまして、引き続き東京わかものハローワークを含めた、この3カ所のわかものハローワーク、それからハローワークに設置しておりますわかもの支援窓口において、個別担当者制による正社員就職実現に向けた一貫した支援を実施してまいります。
 それから26ページをごらんください。次は高齢者の関係でございます。
 高齢者の活躍につきましては、少子高齢化や労働力人口の減少が顕著となる中で、65歳以降の高年齢者も含め、働く意欲のある高年齢者が年齢に関わりなく生き生きと働き続けられる、生涯現役社会の実現というのが重要となっております。また、ハローワークの求職者も65歳以上の方が非常に増加傾向で推移をしております。こうした現況を踏まえまして、企業に対してはこちらのほうに書いてございます、「ニッポン一億総活躍プラン」や「働き方改革実行計画」に基づき、65歳以上の定年引き上げや、66歳以降の継続雇用延長を行う企業にしっかりと支援を実施し、働きかけを行ってまいります。それから、高年齢求職者に対しましては、都内8カ所に設置しておりました生涯現役支援窓口を平成30年度は16カ所に拡充し、きめ細かな相談支援や、65歳以上の求職者が活躍できる求人の確保を強化するなど、高年齢者の再就職の促進を図ってまいります。
 続きまして、障害者の関係でございます。
 障害者の関係でございますが、こちらのほうは右下の表をごらんになっていただければ最近の取り組み状況が出ておりますが、29年の6月1日現在の民間企業における障害者の雇用状況でございますが、グラフの上から3番目の青い線が東京の全企業の実雇用率の平均となっておりますが、1.88%と着実に増加をしております。しかしながら、2.0%という現行の法定雇用率には達成をしていないという状況でございます。また、その一つ上の1.97%が全国の状況となっておりますので、こちらのほうも下回っているという状況になっております。規模別で見ますと、300人未満企業の実雇用率、これは一番下の紫色の線になりますが、こちらは1.07%と極めて低い状況になっておりますので、引き続き障害者雇用ゼロ企業を含む法定雇用率未達成企業、特に中小企業に重点を置いた指導、支援を強化して取り組んでまいります。それから障害者個々に対しては、障害者の個々の障害特性に合わせたきめ細かな相談・支援、地域の関係機関と連携した「チーム支援」を一層推進し、就職の促進を図ってまいります。
 それから、30年度は増加傾向にある精神障害者、発達障害者の雇用支援を推進するために精神・発達障害者しごとサポーター養成講座の実施により、職場における精神・発達障害者を支援する環境づくりを推進してまいります。
 次に27ページをごらんください。外国人材の関係でございます。
 外国人留学生、それから専門的、技術的分野の外国人に対しましては、東京外国人雇用サービスセンターで、就労に制限のない在留資格の外国人に対しては、新宿外国人雇用支援指導センターを中心に、増加傾向にある外国人に適切な職業相談、職業紹介を実施してまいります。
 次の28ページをごらんください。こちらは人材開発ということで、職業訓練の関係でございます。効果的な就職支援ツールの一つである公的職業訓練の活用を促進していくためには、ハローワーク未利用者の取り込みが課題となっております。このため、愛称・キャッチフレーズ、ロゴマークを活用した公的職業訓練の周知・広報に取り組み、ハローワーク未利用者への認知度向上に努めてまいります。また、30年度におきましても、引き続き地域の求人・求職ニーズを踏まえた訓練計画を策定し、東京都雇用対策協定に基づく連携事業として、東京都が行う公共訓練、国が行う求職者支援訓練を一体的に実施してまいります。それから、訓練受講者の就職支援につきましては、訓練実施機関と情報共有を図りながら訓練受講者の訓練中から訓練終了後まで個別担当者制による職業紹介を徹底するなど、就職支援を強化してまいります。また、訓練受講者が応募可能な求人の確保にも努めてまいります。
 次に29ページ、最後は計画目標数を含めた業務展開の推進でございます。
 これまで申し上げた各種取り組みをしっかりと確実に進めていくため、主要事項については目標を設定し、PDCAサイクルによる進捗管理の下、計画的な業務展開を推進してまいります。
 平成30年度のハローワークの総合評価の基礎となる業務目標数につきましては、こちらのお手元の分厚い紙の78ページをごらんいただきたいと思います。上段に主要目標数として就職件数は106,000件以上、雇用保険受給者の早期再就職件数は42,080件以上、それから、充足件数につきましては142,000件以上というような形で目標を定めております。また、補助指標、重点指標となる目標数につきましては、「イ」に記載のとおりとなっております。
 なお、今年度のハローワークの総合評価の取り組み状況につきまして、若干ご説明いたします。29ページをご覧ください。(1)の主要指標による評価におきましては、①、②は平成30年1月までの状況となりますが、①の就職件数の29年度目標数に対する進捗率は82.5%、②の求人充足数については81.5%、③の雇用保険の受給者の早期再就職件数につきましては、平成29年11月までの累計となりますが、72.8%ということで、①と②については、やや進捗が遅れている状況となっております。この総合評価につきましては、当審議会においてご説明をさせていただいているところでございますが、表の左側の全所必須指標、それから右側の所の重点指標・重点項目をポイント化しまして総合評価を実施する予定ということになっております。
 29年度、これが全部まとまるのが大体7月ごろと考えております。委員の皆様には改めてご報告をいたしますので、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。
 駆け足になりましたが、私どもの安定行政分野については以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
【井上需給調整事業部長】
 続きまして、需給調整事業分野につきましてご説明いたします。担当部長の井上と申します。資料は先ほどの職業安定部から資料がございましたものの続きで30ページ、31ページが当部の資料になってございます。
 最初に民間人材ビジネスの動向についてでございますけども、労働者派遣事業につきましては、ごらんのとおり旧特定労働者派遣事業の経過措置が今年の9月に終了することになっております。そのためにグラフ、右側の下のほうになりますが、新規の許可申請、届出制から許可制への切りかえ、こういった申請が大幅に増加しております。直近の3月では300件を超えてるような状況になっております。ただ、都内には依然として11,000を超える旧特定の労働派遣事業者がおりますので、引き続き丁寧な働き掛けを行ってまいりたいと考えております。
 職業紹介事業につきましては、人手不足傾向が続く中で新規に参入する事業者がふえて右肩上がりで増加してるような状況にございます。こうした中で平成29年度法制度の周知、または指導監督に取り組んでまいりました。実績のほうは、右側に記載したとおりでございます。特に指導監督に当たりましては、業務改善命令、または事業停止命令そういった行政処分も含めまして、法違反が確認された場合には厳選な対応を進めてきたところでございます。30年度の取組方針につきましては、次の31ページの右側のほうをごらんいただきたいと思います。行政運営方針案のほうは76ページから78ページが対応しております。後ほどそちらのほうはごらんいただければと思います。
 まず法制度の周知につきましては、平成30年度は改正労働者派遣法、27年9月に改正されましたので、3年が経過いたします。先ほどの経過措置のお話に加えまして、期間制限のルールの3年の最初の上限に達する年になってまいります。派遣先における対応も必要になってまいりますし、派遣労働者の方の雇用を安定するための取り組み、こういったものもしっかりと周知を図っていかなければならないというふうに考えております。指導・監督に当たりましては、今申し上げました雇用安定措置、こういったところに重点を置きながら引き続き派遣法違反がないような運営がなされるようしっかりと指導、監督に取り組んでまいりたいというふうに考えております。理想企業等につきましては、今年度も取り組んでまいったところでございますが、来年度につきましても同様にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 職業紹介事業につきましては、本年1月に改正職業安定法が施工されております。労働条件の明示、または職業紹介実績の情報提供、新たに事業者の方々に対応いただく事項がふえております。適切に実施がなされているのか、改正法の履行確保を重点に置いて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 また、労働者からの申告、相談、今年度の状況は左側のほうにおつけしておりますが、相談のほうはいろいろ改正法もあって全体としてふえております。こういった相談があった際には引き続き迅速に対応していく、これを基本に据えて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 許可、申請、届出の対応につきましては、こちらの冒頭申し上げましたように今年の9月29日で旧特定労働者派遣事業の経過措置が終了いたします。今、非常に窓口も混雑しておりますが、さらに9月に向けて申請が集中することを想定しております。事業主の方々になるべく早く提出をいただくとともに、当部の受理体勢も整備しながら円滑な許可制の移行が図られるように30年度しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 簡単ではございますが、以上当部の事項として説明させていただきました。
【平石労働保険徴収部長】
 それでは、続きまして労働保険の適用徴収関係の重点対策等につきましてご説明をさせていただきます。担当部署の平石と申します、どうぞよろしくお願いいたします。
 資料は審議会資料の32ページ、最終ページでございます。
 まず最初に、労働保険をめぐる現状について簡単に触れさせていただきたく思いますが、労働保険適用事業場数につきましては、これまでの手続指導等によりまして、着実に増加してきておるところでございます。一方で、中小規模の事業を中心に新たな未手続事業が発生しているという現状がございます。また、労働保険料の収納率につきましても年々上昇しているものの、依然として収納未済再入額が存在してるという状況がございます。こうした状況を踏まえまして、平成30年度においても労働者を雇用する全ての事業主の労働保険への加入と、それから労働保険料等の確実な納付を最重要課題といたしまして、労働保険の未手続事業一掃対策の推進、それから労働保険料等の適正徴収、そして労働保険事務組合に対する指導等の三つの柱を中心に各種施策を積極的に取り組んでまいりたいと思ってるところでございます。
 それでは、まず1点目の労働保険の未手続事業一掃対策の推進でございます。本年度は第5次未手続事業一掃対策の2か年計画の最終年度として、様々な対策に取り組んで来たところでございます。その取組状況でございますが、審議会資料の右上の表をごらんいただければと思います。
 中ほどに29年度の状況が出ておりますが、成立の目標件数が9,200件でございまして、これに対して12月末現在で6,869件の事業場が新たに成立に至っております。これは昨年度の同時期と比べまして、件数では502件、それから目標に対する達成率では4.0ポイントそれぞれ上回ってるという状況でございまして、こちらについては年度内に目標を達成できるのではないかというふうに見込んでるところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、30年度におきましても今年度までの取組状況等を検証した上で、第6次労働保険未手続事業一掃対策3か年計画を新たに策定いたしまして、未手続事業の的確な把握、そして積極的な加入干渉、たび重なる指導にもかかわらず手続を行わない事業主に対する職権成立、あと労働保険制度の積極的な周知広報によりまして、未手続事業の解消に取り組んでまいりたいと思ってるところでございます。
 続きまして、第2点目の労働保険料等の適正徴収でございますが、29年度、今年度における労働保険料等の徴収決定、それから収納状況につきましては、審議会資料の中ほどにございますが、昨年の同時期と比較しますと徴収決定額、それから収納額はいずれも減少しております。これは本年度実施されました雇用保険率の引き下げによるものでございます。一方、収納率でございますが、2月末時点で98.63%ということでございまして、適正徴収という観点では一定の成果を上げているという状況にございます。
 平成30年度の適正徴収の取り組みでございますが、本年度と同様にその根幹となるのが年度更新でございますので、この年度更新の円滑な推進をはじめといたしまして、口座振替納付の利用勧奨、それから実行ある滞納整理、事業場に対する効果的な算定基礎調査、こういった業務を着実に推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから最後に、3点目の労働保険事務組合に対する指導等でございますが、労働保険事務組合に事務処理を委託する都内の事業場は、全体の大体約4割を占めておりまして、労働保険料の徴収と、中小事業主の負担軽減のために、大きな役割を担っております。したがいまして、平成30年度においても引き続き指導計画に基づく指導、それから監査等により問題を認めた場合の個別指導等によりまして、事務組合制度の信頼の確保に努めてまいりたいと考えてるところでございます。あわせて、一人親方、あるいは中小零細事業主等が安心して就業できますよう、労災保険の特別加入制度の周知・広報にも積極的に努めてまいる所存でございます。
 以上で説明を終わります。
【岩村会長】
 ありがとうございました。
【黒澤総務部長】
 総務部でございます。一番最後でございます。内部管理事項が中心でございますが、この場をお借りいたしまして4点ほどご報告をさせていただきます。こちらの分厚い行政運営方針の資料のほうの91ページをごらんいただきたいと思います。
 内部管理が中心でございますが、まず5とありまして、「綱紀の保持」とございます。これも当然でございますが、国家公務員倫理法をはじめといたしまして、行政運営全般を通じまして法令遵守の徹底に来年度も取り組んでまいります。
 その下「6 防災対策」とございます。
 最近地震その他、ふえてきているような感じを受けてございますが、災害に対しまして防災、それから業務の継続を含めまして日ごろから防災対策を講じてまいります。
 1枚おめくりいただきまして92ページでありますが、万一災害が発生した場合でありますが、具体的な状況にもよりますが、帰宅困難者の方々が発生した場合には、状況に応じまして労働局、監督署、ハローワークの庁舎を開放するといったことも考えておるところでございます。
 三つ目、8とありまして「会計経理」でございます。
 8の(2)で「公共調達の適正化」とございます。行政手法にもさまざまございますが、最近は特に民間の事業者の方への委託という形態をとって行う、いわゆる委託事業といったものが増加をしてございますので、その契約事務に関しまして透明性の確保をはじめとして適正に行ってまいりたいと考えてございます。
 最後、一番最後のページ、94ページでございますが、ここは私ども職員の働き方・休み方改革の推進でございます。休暇の取得、それから超過勤務の縮減、私どもも率先して取り組んでまいりたいと考えてございます。以上でございます。
【岩村会長】
 ありがとうございました。ちょっと私が先走り過ぎまして申しわけございません。
 それでは、後半の事務局からのご説明につきましてご質問、あるいはご意見がございましたらお願いをいたします。では、傳田委員どうぞ。
【傳田委員】
 今年の方針でまず10月1日からの3年ルールの適用をめぐっての話なんですけども、やっぱり雇用安定措置をしっかりというところが最大のポイントになると思います。その際いろんな法令違反というのは僕らに相談いっぱい来るんですけど、やっぱりこれは民間人材ビジネスをやってる方々がやることなんで、なおさら法令というのはしっかりやってもらわなきゃいけないと思っています。例えば派遣会社で、派遣先がなくなったら2か月でやめていただきますという会社もあります。今年で5年たつ人たちは無期に転換できるわけで、無期に転換になった人たちは3年ル-ルは関係ないわけなんですけども、それもやっぱり派遣契約終わって派遣先がもういいって言えば終わりな話なんです。そのときにも次の派遣先を探さなきゃということに当然なって、これは普通派遣社員も無期に転換した人も一緒なんですけど、2か月探さなければ6割休業補償払って、2か月仕事がなければやめていただきますというのをはっきり言ってる企業がいるという実態は信じられないんです。いろんな違反がありますが、これはそれを本当に人材ビジネスで、きちんとやるという人たちが許可を得てやってる事業ですから、こんなことが今から問題になるようでは、先が本当に心配だなというふうに思ってます。今から雇用安定措置3年ル-ルの中においてのことは、一層力を入れてやるような工夫をぜひお願いしたいなというふうに思います。
 それとやっぱり偽装派遣に流れるということが一番の懸念ですから、ここについての二つをよくお願いをしたいというふうに思っています。
 もう一つの派遣のことですけども、やはりこれから先、法律がどうなるかわかりませんけども、その際の同一労働、同一賃金めぐっての話とすると、相手先の派遣先の労働条件、賃金の情報をもらい均等化をはかる、あるいは労使協定を結んで当該産業の賃金水準以上とすることになります。ほとんどのところには労働組合ないわけで、派遣の企業の中では特に。その際、適正な労働代表を選ぶというようなことを今までですと、三六協定の締結はあるんで、そういう仕組みはできてるかもしれませんけど、労働者代表を選ぶ際に派遣労働者の意見を聞いて意見反映することはすごく難しいんです。ちゃんとした労働者代表選び方というものを、派遣元に於いて今からしっかりと指導していただきたいというふうに思っております。これ3点、今から準備をしないと大変なことになるというのは見えている話なのでよろしくお願いしたいと思います。
 最後は小林部長に質問です。先ほどから外国人技能実習生の話が出てますが、11月1日に法律が新しく初めてできて、その際に介護も対象になりました。その介護が今のところ実習計画とか管理団体がつくっている最中なんで、実際には余り入ってませんけども、5月以降相当入ってくるというようなことが今言われています。その際に、今、安全のことは随分言われましたけど、介護分野、介護の求人があるところに管理団体はそこの情報を取って紹介をするということはできるんですか。管理団体の人たちがそういう情報を基にして、じゃあ就職をさせましょうということが決められるということですね。わかりました。そうすると、管理団体の人たちに対する指導をしっかりやっていただきたいということになりますので、よろしくお願いいたします。
 介護の実習で本当に難しいのは日本人と同じような賃金を払うということとかですね、言葉の問題も多いんですけれども、条件がほかよりもたくさんついてるものですから、それらをクリアするというのは大変難しいことかなと。今、東京では大体13,000人弱ですかね、実習生の方おいでになりますけど、これから介護ですと、どっと出るというふうに将来予想される。5月以降、準備されてるところは大変たくさんあるというふうに聞いてますので、よろしくお願いしたいと思います。
【岩村会長】
 はい、ありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。
 では、長江委員どうぞ。
【長江委員】
 ありがとうございます。
 今回は第13次ということで、計画というのは短期的な計画もあるし、当然長期的な計画ももちろんあると思うんですけれども、お聞きしたいのがまずその設定目標のことです。目標を設定するときに短期的な目標と、中・長期的な目標の設定の方法があると思うんですけれども、そのときの各分野における議論がなされているのか、もしくは同じルールでずっと設定されているのか、私は変える必要があると思ってるんですけれども、そのような議論を東京労働局さんの中でやられているのかどうかというのをお聞きしたいのが第1点。
 二つ目なんですけれども、高齢者の就業のところで、発表資料の26ページですね。「ニッポン一億総活躍プランや働き方改革実行計画に基づき、65歳以上の定年引上げや65歳以上の継続雇用延長を行う企業等に対する支援を実施し、働きかけを行う。」って書いてあるんですけれども、これは「等」というのを、プランを示した企業のみと解釈してよいのか、それとも新規開拓を考えていらっしゃるのか。これは質問です。新規開拓をされたほうがもちろんいいと思うんですけれども、もちろんその取り組みの中で、どういう計画で進められてきたというその面もあると思いますので、その辺お聞きしたいというのが二つ目です。
 最後なんですけれども、障害者に関することです。障害者の雇用ということを長期的な観点で考えていきますと、今、雇用率を達成している企業というので定年退職をしてやめていく障害者というのが必ず発生するわけですね。そうすると、長期的な目標としては、どういうふうに雇用率を引き上げるという短期的な目標だけではなくて、じゃあどうやったら定着していくのだろうかという目標が必要だと思うんです。その点に対しては、東京労働局さんのほうで、どういう長期計画を考えられているのか。私の個人的な意見としては、障害者を全く雇ってない企業とかは、障害者というのが実際社会にいるんだから、雇用しなきゃいけないんです。しかもその障害者というのは、そんなにプロダクティビティが低いわけではない人もたくさんいるということを、まずは知ってもらう必要があるというふうに考えているわけですね。また、合理的配慮の問題では、障害を持つ求職者も自分たちの権利を知る必要があります。そういった啓蒙活動というんですか、ジョブセミナーを行ったり、就職支援セミナーを行ったりという、ハローワークを通じてとかという経路ではなく、要は専門用語では「ナッジ」って言うんですけど、軽く肩をたたくような活動という程度のことを東京労働局さんのほうでポスターをつくってみんなに見てもらうとか、ホームページでこうなんですよというような目につくところに置いておくというような取組をなされているかどうかというのをちょっとお聞きしたくてご質問させていただきます。よろしくお願いします。
【岩村会長】
 ありがとうございます。それではご質問3点だと思いますが、よろしくお願いいたします。
【鈴木労働基準部長】
 すみません、13次防については、いろいろな考え方があるのだろうと思います。単年度で目標を設定するということも、ある意味、意味があることなのかもしれませんが、ご承知のとおり災害というのは対策が行き届いたから一定程度進むという部分だけではなくて、偶然でも起こる部分で、環境を整えていくという計画なのではないかと思っています。そういった観点で申し上げると、中期的な計画を作るということは、すみません、我々もずっと考えていることでして、そういう意味で局によってはその分を割り戻した形で単年度の目標を作ったりとか、最後の達成するために1年でだめであれば、あと4年で達成するために少し高い毎年の目標を作ったりとか、そういったことも現実にはあるのだろうと思っています。だから今、我々の13次防は、具体的に毎年15%減らしていくということを目標にしながら取り組んでいくつもりではいるのですが、今日ご指摘の点も踏まえて緩やかに進むものと、一気に進むものは確かにあるんだろうなと思っておりますので、ちょっと検討させていただきたいなと考えております。
 それから、もう一つ参考までに申し上げますと、以前はこの中長期計画が5年間のトータルでの災害件数みたいな形で、分析や目標値が設定されていたのですが、それは今と5年後の差になって、途中で増えていても、それでも達成という形になってしまうのが、ちょっと我々もなかなか難しい部分はあります。確かに東京は災害件数が一定数ありますが、地方へ行くと死亡災害は4件とか5件なんですね。そういう中で何件減らすかという部分では現実のところで今、全国的にはそういう話になってきたと思うんですけど、例えば東京では5年間の累積ベースの目標を立てるというのも一つの手なのかもしれませんが、少なくとも今年は議論した上で本省の方針に合わせたということでご理解いただければというふうに思っています。
【岩村会長】
 多分ですね、13次防についてはそうだと思うんですが、質問の趣旨はその他労働力需給とか、職安行政のところでも、単年度目標が立てられていたとしても、単年度目標だけじゃなくて、中長期的な目標なども立てられているのか……。そういうご質問だと思います。
【勝田局長】
 もともと雇用対策法の中に雇用対策基本計画というのがあって、中期的な政策上の目標というのをもっていました。雇用対策基本計画が終了時点における全国の失業率というのを目標にしてやってきたというのが雇用対策の実情でございます。
 一方で、これは主にストックの値を中心にした失業率ですので、それに対してフローのところで需給調整のフローであるハローワークの就職件数や、就職率といったものを目標にしましょうというのが2000年代の半ばから2004、5年だったと思いますけど、そこから出てきました。一方でそのストックとしての中長期の失業率を目標にするというのが、もう無理だ、やめましょうという話になって、これがなくなってしまった。一方で、毎年毎年のパフォーマンスを縛るという意味でのハローワークに対する目標という形での就職件数とか、就職率。ですから、災害発生とか何とかという、行政によるアウトプット、アウトカムとしての問題ではなく、社会全体のものとしての中長期と、それからハローワークが実際どれだけやってるかということのパフォーマンスとしてのアウトカム、アウトプットとしての目標が単年度になってるということで、目標の性質が違うので、ちょっと立て方が違うというふうにご理解いただければいいのかなというふうに思いながら聞いていたところでございます。
【岩村会長】
 それでは、残る二つ済みません、よろしくお願いします。
【小林職業安定部長】
 まず、高齢者の関係でございますが、26ページの3番を見ていただきたいと思うのですが、3番の(1)に毎年6月1日付で各企業の高齢者の状況というのは把握をさせていただいております。これをごらんのとおり、現在65まで雇用確保措置を実施しているのは企業は全体の99.7%となっておりますが、(2)にあるように年齢に関わりなく働くことができる企業の普及という点については70.9%ということで、改善しつつも依然として低い状況になっております。したがいまして、ここの企業割合を高めていくため、未導入企業に対して65歳以上の定年引き上げ、あるいは66歳以降の継続雇用の延長というような働きかけを進めていくというところであります。
 それから、障害者の関係でございますが、確かに身体障害者の方は高齢化による定年でお辞めになるという方が非常に多くなってきております。したがって、こうした要因もあって精神障害者や発達障害者の割合が高まってきているところであり、定着支援ということも実は重要となってきているところでございます。こうした中、今、委員からご指摘がありましたようにセミナーや説明会など、体系的に障害者の雇用促進や定着支援等について周知啓発をしていくというような仕組みはあるんですけれども、各企業にチラシやポスターを掲出させ、企業内で広めていくというようなところまでの仕組みというのは今、講じてないというところでございますので、是非そういったところも加味しながら障害者の雇用促進や定着支援が図られるようにしていきたいとは思っております。
 その中で今、精神障害者、発達障害者、先ほど説明をしたように増えてきているというところがありますので、企業内に精神・発達障害者のしごとサポーターを増やして、さらに定着支援をしっかりやっていこうというような取り組みを進めているところでございます。企業への出張相談というようなこともやっておりますので、こうした仕組みも利用しながら、企業内の多くの方々にも障害者の雇用促進や定着支援の重要さというところを知っていただければいいのかなと思っております。以上でございます。
【岩村会長】
 長江委員、よろしいでしょうか。
【長江委員】
 はい、大丈夫です。
【岩村会長】
 もし何かありましたら追加でどうぞ。
【長江委員】
 障害者雇用についてですけれども、私が言った話というのは企業に対してポスターを配るとかという話とかではなくて、常に東京労働局さんのホームページのところに載っけておけば、皆、東京労働局さんのホームページを見たときは目にする。そういう、要は政策というんですか、この分野は情報の非対称性も非常に大きい分野ですので、この障害のことに関して言えば。知らせるということが、まず重要だと私は感じています。だから、そういうことをお願いできればという。
【小林職業安定部長】
 ホームページにつきましては、現在も障害者雇用の周知は行っているところでおりますが、トピックス欄等を使ってそこに飛べばいつでも見られるというように作り込みを行うなど、今後はさらに幅広く周知をしていきたいと思っております。
【長江委員】
 はい、ありがとうございます。
【岩村会長】
 はい、ありがとうございました。ほかにはいかがでございましょうか。
 では、斉藤委員。
【斉藤委員】
 29ページのマッチングのところについてなんですが、左下のところの満足度のところだけれども、目標数はこれ目標数値がちょっと高いんじゃないかって気もするんですが、結構乖離が大きいというところが1点。これが例年と比べてどうなのかというのがもし、おわかりになればというのが一つ目です。
 2点目なんですが、関連して右のところで職員の資質向上という点をご指摘されていますが、国家資格でキャリアコンサルタントを雇用労働者に推進されてるかと思うんですけれども、その有資格者という者を例えば積極的に活用するとか、職員に資格を取得するというようなことの取組をされているかどうかという、この2点を教えてください。
【小林職業安定部長】
 こちらの利用者の満足度調査でございますけれども、目標数は確かに高いなというところなんですが、これまでも90%の目標を掲げております。ただ前年度はハローワーク全体を利用した状況で満足したかどうかという目標数であたったものが、29年度は、全体としての満足度ではなく、例えば求人の場合ですと人材確保という点のみについて利用した満足度はどうだったんだろうかというようなところに変わってきておりまして、例えば28年度でその点について求人者の満足度を対比して見てみますと、28年度は80%ぐらいの数字でございました。29年度はさらに人手不足というところで、ハローワークに求人を出してもなかなか人が来ないというようなところもあって、会社さんのアンケートでは満足度が低調な状況になってきております。このため、先ほど冒頭で申し上げたように、しっかりと求人者に関わっていくというところが重要だろうというふうに考えているところでございます。
 それから、キャリアコンサルティングの研修でございますが、ハローワークの職員がしっかりとキャリコンの資格も取ろうということで個人的に勉強をされる方もいるんですが、我々職業安定部の中にキャリアコンサルトの資格の養成研修というものもつくっておりまして、そこにハローワークから希望者を募って、しっかりと資格試験を受けることができるようなスキームをつくっているところでございます。
【岩村会長】
 よろしゅうございましょうか。ほかにはいかがでございましょうか。
 最後に私から一つだけお尋ねとコメントですが、この資料の25ページですけれども、就職氷河期に就職時期を迎えたフリーターの件ですが、ここの資料だと近年60万人前後で高どまりというのは、東京だけではないですよね、全国ですよね。東京だとすみません、大体どのぐらいいるという見込みなんでしょうか。
【小林職業安定部長】
 すみません、今ちょっと手元に数字がなくて申しわけありません。
【岩村会長】
 わかりました、ありがとうございます。
 ちょっと気になったのは、今ちょうど有効求人倍率が2倍を超えるというような状況にあるので、そうするとこういったフリーターの人たちを何とか安定就労に持っていくというのには非常にいいチャンスなのではないかということです。もちろんこういった方々を安定就労に持っていくというのは、非常に難しいということはよく存じているんですけれども、一つの今チャンスなんじゃないかということと、それから年数がたっていくとこの人たちは結局また年齢がどんどん上がっていって、どんどん就職が難しくなり、かつ場合によって年金の問題等も発生するので、やはり今、有効求人倍率が高いときに、大変だとは思いますけれども、難しいということはよく知ってるんですが、ぜひ安定就労に持っていくような取組というのを力を入れて、今もやってらっしゃると思いますが、力を入れてやっていただければなというように思います。以上でございます。
 そのほかいかがでございますでしょうか。では、脇坂委員どうぞ。
【脇坂委員】
 障害者の雇用のことなんですが、オリ・パラに向けた三つのチャレンジで、労働安全衛生の確保で仕事もあるという感じなんですが、障害者雇用にも私は十分、特にパラリンピックが今非常に国民の関心もふえてますので、東京パラリンピックを契機に行うことがよいと思います。
 私、たまたま先週トヨタ自動車の東京本社の1階のショールームに行ったら、パラリンピックに関するものが半分以上なんです、車よりも。トヨタの社員でもちろんメダル取ったりする競技者の展示があるのですが、それだけじゃなくて、ボッチャの体験コーナーとか、一企業でもかなりのことをやっている。パラリンピックの選手はほとんど仕事を持ってるわけです。だからやっぱり、重要なイメージ戦略かもしれませんけども、ぜひ一企業でもやってるくらいですから、このパラリンピックを単に労働安全衛生だけじゃなくて、障害者雇用というところにもつなげるような活動といいますか、計画をしていただければと思います。
【勝田局長】
  東京パラリンピックのときに障害者の問題が非常に進んだというのが前回のときの事実だと思います。今、障害者雇用を見ていますと、ハローワークに来ている中でも、身体障害者の方で知的な障害がない場合については、就職が大分進んでいて、知的あるいは精神的な障害者の方が非常に中心になってきていますので、パラリンピックはもちろんでございますけれど、そういった方々に少し力を入れながらやっていきたいと思います。
【岩村会長】
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。司会が余りうまくなく、時間がいっぱいになってしまってまだご発言なさってない方もいらっしゃるかもしれませんが、よろしければ個別にまた事務局のほうにお伝えいただければと思います。
 最後に皆様にお伺いしたいのですけれども、きょういろいろご意見を頂戴したところでございますが、それを踏まえた行政運営方針案の修文をするかどうか、する場合にどういう修文にするかということについては、会長の私にご一任いただきまして、事務局と調整させていただきたいと思いますけれども、それでよろしゅうございましょうか
(異議なし)
【岩村会長】
 ありがとうございます。それではこの後の進行は事務局のほうにお願いしたいと思います。
【永野企画課長】
 岩村会長、ありがとうございました。
 それでは事務局よりお知らせをさせていただきます。
 7月をめどに先ほど職業安定部長のほうからもご説明がありましたが、7月をめどに取りまとめを予定しております、平成29年度分のハローワークの総合評価の当審議会への報告についてでございますけれども、会長にもお諮りをした上で、委員の皆様のご負担等も踏まえまして、昨年と同様、会議形式ではなくて、事務局から各委員に資料を送付することでご報告をさせていただき、ご意見があれば頂戴をするという方向でお願いをすることとしておりますので、どうぞご了解をお願い申し上げます。
 それでは最後に、事務局を代表いたしまして勝田局長からご挨拶を申し上げます。
【勝田局長】
 本日は平成30年度の労働局行政運営方針につきまして、いろいろな角度からさまざまなご意見いただきまして、本当にありがとうございました。いただきましたご意見、最終的な行政運営方針策定に当たりまして、参考にさせていただきたいと思っております。委員の皆様には、今後とも一層のご支援賜りますようお願い申し上げたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
【永野企画課長】
 では、これをもちまして、第9期第2回東京地方労働審議会を終了させていただきます。委員の皆様方には、本日長時間のご審議大変お疲れさまでございました。これをもちまして、散会とさせていただきます。ありがとうございました。

 

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