第6期 第2回 東京地方労働審議会 (平成24年3月13日開催)
第6期第2回 東京地方労働審議会
1 日時 平成24年3月13日(火) 9:30~11:00
2 場所 九段第3合同庁舎 11階共用会議室1-3
3 出席者
委 員 佐藤会長、尾津委員、梶原委員、金子委員、橋本委員
秋山委員、浅見委員、白川委員、傅田委員、三宅委員、米田委員
上原委員、加藤委員、田中委員、蜂谷委員、渡邊委員
事務局 山田東京労働局長、阿部総務部長、堀之内労働保険徴収部長、
引地労働基準部長、清野職業安定部長、松浦需給調整事業部長、
柴田雇用均等室長
4 議題
(1) 平成24年度東京労働局行政運営方針(案)について
(2) その他(質疑・意見交換)
5 配布資料
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6 議事
【髙橋企画室長】 それでは、定刻でございますので、ただいまから東京地方労働審議会を始めさせていただきます。
本日はお忙しいところ、委員の皆様に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。冒頭の進行を務めさせていただきます、企画室長の髙橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
では、開会に当たり、東京労働局長よりごあいさつを申し上げます。
【山田労働局長】 東京労働局の山田でございます。日ごろ、労働行政の推進に当たりましては格段の御支援、御協力をいただきまして、誠にありがとうございます。この場をお借りして御礼申し上げます。
ちょうど昨年の3月のこの審議会の翌日に大震災が起こりまして、状況が一変いたしまして、被災地への応援派遣とか様々な形で震災とのかかわりが増えたわけでございます。
最近の状況でございますが、税と社会保障の一体改革の議論を見ておりましても、やはり負担と給付の関係はもう容易ならざる状況でございまして、どういう政権がやっても、これは非常に厳しい選択を国民に迫らざるを得ないという状況でございます。こういうことを考えますと、就業による生活保障、つまり、できるだけ多くの方々に社会を支える側に回っていただくということが、非常に大きな課題になってきていると感じております。
1つは、若者、女性、高齢者、障害者といった様々な方々を含めて、全員参加社会というものをどういうふうに創っていくのかということがございますし、そういった雇用の量の問題と一体の話として、質の問題としては、働くことがむくわれる社会というものをどう創っていくのかということも、重要な課題になってきていると思います。非正規雇用の問題、正社員の長時間労働の問題、あるいは最近では、労働災害もかなり増えておりまして、安全確保の問題、それから育児・介護休業の問題と、様々な働くことを取り巻く環境の中での課題というものが出てきておりまして、こういったことに一つ一つ対応していかなければいけないと思っているところでございます。
一方で、税と社会保障の一体改革の関係で消費税の増税の議論が出てきている裏腹の関係で、やはり身を切る覚悟をと言われておりまして、我々公務員も定員削減の動き、プラス新規採用の抑制といったことも相当強く迫られている状況でございます。我々としては、先ほど申し上げたような課題が増えている一方で、非常に厳しい定員事情の中で業務をこなしていかなければいけないということでございまして、このあたりのところは我々としても人繰りには非常に苦慮しておりまして、是非様々な形で御理解と御支援、御協力をいただければというふうに思っております。
本日は平成24年度の東京労働局行政運営方針案につきまして、これから御説明をさせていただきますけれども、皆様方から忌たんのない御意見をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
【髙橋企画室長】 ありがとうございました。
続きまして、定数報告をさせていただきます。本日御欠席の委員は公益代表の田付委員、使用者代表の大浜委員でございます。それと、労働者側の浅見委員は少し遅れるという報告をいただいております。浅見委員を入れまして、本日の出席委員16名でございます。したがいまして、審議会令第8条第1項に照らしまして、本会は有効に成立しておりますことを御報告申し上げます。
次に、資料の確認でございます。資料につきましては配付資料一覧という1枚紙を入れておりまして、3つほどお配りしております。配付漏れ等ございましたら、遠慮なく、議事の途中でもお声をおかけください。
それでは、これから議事に入らせていただきます。以降の進行につきましては佐藤会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【佐藤会長】 はい。今日は朝早くからどうもありがとうございます。
では、議題に入る前に、運営規程第6条第1項に基づきまして、本日の議事録署名委員を指名させていただきたいと思います。労働者側代表は白川委員にお願いしたいと思います。使用者側代表は渡邊委員にお願いしたいと思います。
それでは、議題の、「平成24年度東京労働局行政運営方針(案)について」に入りたいと思います。事務局から順次説明をお願いしたいと思います。その後、説明が終わった段階で質疑というふうにしたいと思います。今日はいつもより時間が30分短いということで、説明はかなり御無理をお願いしていますが、議論の時間を取りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【阿部総務部長】 まず私から、概略的なところをお話しさせていただきます。審議会の資料、厚くなっております。1枚めくっていただきますと資料が4つセットされております。そのうちの資料2が、これまでの行政の施行状況を示しております。それが今のデータということで、その上で、資料3が24年度の運営方針の概要ということで、今日の説明用の資料ということになっております。実際の行政運営方針は、別冊で配っているものが実際の行政運営方針なるものでございます。字ばかりですので非常に説明が難しいので、今回この資料3を使っております。それから、資料4については、後ほど安定部長のほうから話があると思います。
私のほうからは来年度の最重点目標について説明させていただきます。19ページをお開きいただけますでしょうか。
現在、景気の持ち直しの動きがあるといわれながらも、やはり雇用情勢は厳しいという状況を踏まえまして、私どもとしては「働くことがむくわれる社会をめざして」ということでスローガンを立てて、対応していきたいと思っております。
大きく3つの重点の柱を立てておりまして、1点目が「ハローワークのマッチング力を強化し、安定した雇用の実現を図る」。2つ目が「働き過ぎ、賃金不払い、解雇などの問題に、優先的に対応する」。3つ目が「男性も女性も安心して働ける環境をつくります」。ということで、取り組んでいきたいと思っており、3行政がそれぞれ連携しながら取組をしていきたいと思っております。
【清野職業安定部長】 職業安定部の清野でございます。私からは職業安定の分野における今年度の取組状況と、来年度、平成24年度における重点対策等につきまして説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、今年度のこれまでの取組につきましては、資料2の3ページに職業紹介等の全般、それから資料2の4ページに若年雇用対策の取組状況等につきましてまとめているので、まず、こちらを御覧いただきたいと思います。
3ページの職業紹介の取扱い状況ですが、新規求職者は下半期に入り減少傾向が顕著となり、11月、12月、1月というところでは10%を超えるような減少となっておりますが、4月からの年度ということで1月までを捉えますと、累計で前年比5.8%減少という状況でございます。新規求職者数が減少しますと、往々にして就職件数も減少する傾向というのがこれまででございましたが、就職件数、充足数ともに目標数、前年同期比ともに上回る実績を上げているという状況でございます。
これは、リーマンショック後に求職者が急激に増加となった状況から、ようやく少し落ち着いて、相談支援ができるような窓口状況になってきたというようなことが、こういう成果に通じているのではないかと考えているところでございます。
このほかの求人の状況ですとか雇用保険受給者の状況等、詳細の取扱いにつきましては後ほど御覧いただきたいと思います。
次に、4ページをお開きいただきたいと思います。若年者雇用対策でございます。新規学卒関係では、2月20日に東京新卒応援ハローワークを、今まで六本木にありましたものを西新宿のほうに移転させていただいております。また、3月5日に、多摩地区の拠点である八王子新卒応援ハローワークの拡充を行いました。さらに、3月19日以降には支援拠点の増設を行うこととしており、全力を挙げて卒業前の集中支援を実施しているところでございます。
新卒応援ハローワークにつきましては、従来から学生職業総合支援センターとして六本木にありまして、新卒者等の就職支援を行っておりましたが、平成22年9月に東京新卒応援ハローワークとして、リーマンショック以降の厳しい環境下の新卒者等への支援強化を目的として設置されたところでございます。当初はジョブサポーターの方が中心となり大学等を回っても、なかなかこちらの熱い思いが伝わらずに、一方通行の働きかけ的になってしまうという傾向もございましたが、積極的な就職支援、それから各種セミナー、あるいは面接会等々の取組の成果が徐々にあらわれてきておりまして、今では大学等から大変歓迎される存在というようなところになってきており、成長してきているものと思っております。
また、学生さん等につきましては個別支援をしておりまして、孤立させない、一人で悩ませないというようなことで支援を推進しておりまして、就職が決まった学生さんたちから、同じつらい思いをしている後輩たちへの励ましのメッセージもいただいている状況でございます。
東京新卒応援ハローワークは2月20日に、先ほど御説明したように新宿へ移転したことにより、交通のアクセスも大変よくなりまして、利用者が約4割増というような盛況となってきているという状況でございます。今後も1人でも多くの学生たちが就職を実現させるための支援を実施していくということで、職員、ジョブサポーターは熱い思いで頑張っておりますので、皆様方、機会がございましたら是非ともお立ち寄りいただきまして、見学をしていただければと思っております。
その他の詳細の取組状況につきましては、資料を御覧いただきたいと思います。
次に、平成24年度の重点対策ですが、3点、変更することとしております。こちらのほうは資料3の21ページあたりからということになりますが、1点目の変更点は、リーマンショック以降、セーフティネットをキーワードに1番目の項目として対策を挙げてまいりましたが、来年度は重点対策の1番目には、先ほど総務部長より御説明がありました「マッチング機能の充実・強化」を掲げた点でございます。ここ数年、雇用情勢が大幅に悪化し、雇用におけるセーフティネットとしてのハローワークの役割は大変大きく期待もされてきたところでございます。数々の事業等によりまして、一定の成果をあげてきたものとは思っております。最近の雇用を取り巻く環境、新規求職者の減少を考えますと、来年度は本来のハローワークの職業紹介に立ち戻り、求職者の就職、求人の充足対策を柱とした対策が大変重要となってくると考え、「マッチング機能の充実・強化」を1番目の項目として挙げさせていただいております。
2点目の変更点は、昨年10月に施行されました求職者支援制度を含む職業訓練関係を盛り込んだ職業訓練の効果的な活用による就職支援を、新規に項目立てしたことでございます。この項目には、今年度の「安心して働けるセーフティネットの充実・強化」に含まれていた公共訓練の項目と、ジョブ・カード制度の項目、求職者個々の状況に的確に対応した就職支援に含まれていた緊急人材育成支援事業の項目を、引き継いで記載をさせていただいております。
3点目は、今年度、安心して働けるセーフティネットの充実・強化に含まれていました「雇用保険制度の適正な運営」と「雇用調整等に対する的確な対応」を1つにして、「雇用環境の整備のためのセーフティネットの推進」として項目立てしたところでございます。
これらの変更により、重点対策項目は、今年度の7本柱から9本柱とさせていただきました。各項目の詳細につきましては、資料3のほうの、先ほど言った21ページ以降を御覧いただきたいと思います。
時間の都合もございますので、重点項目のうち強化するもの等について、簡単に説明させていただきます。第1項目の、マッチング機能の充実・強化ですが、全員参加型社会の実現に向けた雇用対策が課題であると認識をしまして、依然として厳しい雇用失業情勢の中、求職者個々の状況に合った就職支援を、ハローワークが求人・求職部門一体となって取り組んでいくための対策をまとめさせていただいています。昨年度との変更点は、マッチングを重点とした内容にしたところでございまして、充足を意識した求人開拓や、いわゆる一見さんといわれるような求職者ということではなくて、就職が決まるまで相談に来ていただく、いわゆるリピーターの確保というようなことにも重点を置いている点でございます。また、求職者サービスの充実・強化の中に、震災被災者に対する就職支援の実施を新規に載せております。
第2項目の若年者雇用対策の推進では、今なお就職環境の厳しい新卒者等に対し、前年度以前の求人申込事業所等の訪問リスト等を整備し、年度当初から職員、学卒ジョブサポーターが中心となり、求人開拓推進員等の開拓戦力とも綿密に連携をして計画的な求人開拓の徹底をはかること。さらに、東京及び八王子新卒応援ハローワークを拠点に、4か所のサテライト――これはハローワーク飯田橋、渋谷、池袋、立川の4か所各所に設置をいたしますが、これが連携をして大卒求人の確保及び就職支援を実施してまいりたいと思っております。また、主に3年生を対象に、早期に職業意識啓発を行う大学生現役就職促進プロジェクト――これはまだ仮称でございますが、これの取組や就職未内定学生に対して新卒応援ハローワークへの利用誘導、求職登録を積極的に図り、学卒ジョブサポーターの担当制による一貫した就職支援を実施し、結果としてフリーターへの流入を防止してまいりたいと考えております。
第6項目の職業訓練の効果的な活用による就職支援では、非正規労働を繰り返したり失業期間が長期にわたるもの等に対して、安定した職業につくための能力開発等の対策をまとめております。
第8項目の求職者個々の状況に的確に対応した就職支援では、福祉から就労、支援事業の推進において生活福祉・就労支援協議会を活用し、地方自治体との協定等に基づきまして、相互に緊密な連携を図ることについてと、生活保護の受給申請時等の早期の段階から就職支援を実施することを加えております。
第9項目の地方公共団体との連携による就職支援では、地域主権改革の「アクション・プラン」に基づく一体的実施の推進として、安定所が行う無料職業紹介と、地方自治体が行う業務を協定に基づいた一体的実施の取組を加えておるところでございます。
以上が、重点項目のうち、主な強化を図る点としておるところでございます。
次に、平成24年度雇用施策実施方針、地方方針でございますが、地方方針につきましては都知事の意見を求めることとなっておりまして、現在、東京都において意見集約を行っていただいております。この意見を取りまとめ、策定する予定となっております。なお、項目につきましては、資料3の52ページにお示ししているとおりでございます。
以上、大変雑ぱくな説明となってしまいましたが、私からは以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。続いてお願いします。
【松浦需給調整事業部長】 続きまして、需給調整事業部長松浦でございます。よろしくお願いいたします。東京労働局における需給調整事業に関する重点対策等について、御説明をさせていただきます。
まず、大きなところでございますけれども、19ページの最重点目標とその取組というところを御覧いただきたいと思います。この中で、19ページの青い一番上のマッチング力の強化と安定した雇用の実現を図りますというところの一番最後でありますが、ここに私どもに関係する「労働者派遣法改正に関する動向に注視しつつ」云々ということで書いております。今年度特に重視しておりますのが、最後にあります「派遣労働者等の保護及び雇用の安定の充実を図ります」というところを、何を目指すかというところで、はっきりと明記させていただいているところでございます。背景としましては、現在議論されているところの労働者派遣法の改正等を念頭に置いたものということでございます。
そういった状況でありまして、私どもの23年度の業務の重点事項に関する実施状況でありますが、5ページを御覧いただきたいと思います。5ページの左側の下の3番にございますが、指導監督につきましては、派遣事業につきまして1,899か所で指導監督を実施。さらに職業紹介について、566か所を実施ということでありまして、今年度の、大体見通しを立ててきたところにつきましては、十分に実施をさせていただいたところでございます。
その中で、具体的な中身としましては、この5ページの右上の4番の「現下の課題に対応した厳正な指導監督の実施」というところでございます。特に1番にあります、東日本大震災に端を発した復旧・復興事業等に係るいろいろな違法行為に関する適切な指導監督ということで、実施をしてまいったところでございます。また、違反を繰り返す派遣元事業主等に対して、積極的な指導や行政処分等を念頭に置いた監督を実施してまいりました。また、労働基準行政とも連携をしまして、共同監督といった形で請負事業の監督を実施しております。またさらに、外国人技能実習生に係る管理団体の行う無料職業紹介事業所に対する指導監督、これは全数を対象に集中的に実施したところでございます。
こういった事業内容につきましては、基本的に引き継がれて、平成24年度も重点事項として取り扱われるわけでございますが、その中で、特に変更のあった点を中心に御説明をさせていただきたいと思います。
29ページを御覧ください。まず、29ページの法制度の周知等のところでございます。法制度の周知の中に、これは従来とほぼ同じ書きぶりでございますが、現在、国会で審議をされております派遣法の改正案につきましては、3月8日に衆議院を通過させていただいたところでございますので、引き続き、参議院での早期成立ということを期待してまいっているところでございます。内容的には、若干の修正はございます。例えば製造業派遣の禁止や登録型派遣の禁止といったことにつきましては、削除されるなどの修正も、今行われているようでございますけれども、基本的には均等待遇の配慮義務等の派遣労働者の保護に係る法改正という事項につきましては、引き続き御審議をいただいているということでございますので、そういった点につきましてしっかりと周知啓発をしてまいりたいということを、改正法が成立した場合に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
充実した点としましては、29ページの下の2行でありますけれども、求人広告の苦情等があった場合の指導や協力要請ということがございます。これにつきましては、23年度に行政評価の中で、こういったことについてもっとしっかり取組をするようにという指摘をいただいておりますので、これをしっかりやってまいるということでございます。
それから、31ページのオを御覧いただきたいと思います。31ページのオの職業紹介事業につきましては、このように労働条件の明示、職業の範囲の明示、あるいは帳簿書類の備付けなど、基本的な事項を含めてしっかりと監督をしてまいりたいと思っております。
昨年度までは、主に有料職業紹介事業に的を絞って実施をしておったところでございますが、今年度からは無料有料に問わず、しっかりとこれを実施してまいりたいというふうに思っております。
それから32ページでございますけれども、ここの中には文字上の変更点ということではないのでありますけれども、2番の申告、苦情相談への迅速、適切な対応といったことにつきましては、先ほど申し上げた労働者の保護や雇用の安定の観点から、特にしっかり意を払ってまいりたいと思っておりますし、また3行目にございます、派遣労働者向けのセミナー、これにつきましては派遣法の成立などの状況も注視しながら、より充実を図っていく方向で検討してまいりたいと思っております。
簡単でございますが、以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございます。
それでは基準部長お願いします。
【引地労働基準部長】 では、御説明させていただきます。厚いほうの資料の6ページを御覧いただきますと、23年度の労働基準行政の取組がございます。これにつきましては12月も御説明申し上げましたので、その後の動向につきまして、何点かだけ御説明させていただきます。
7ページを御覧いただきますと、申告・立替払の状況でございますけれども、23年の数字が出てございます。申告のほうは青いところですが、23年度はマイナス8%ということになってございます。それから立替払の申請のほうはマイナス7%ということで、若干減少は見られますものの、いわゆるリーマンショックのございました20年の水準から見ればまだ高いと認識してございます。
それからちょっと飛ばしていただいて、9ページを御覧いただきたいと思います。これは脳・心臓疾患と、それから精神障害の労災認定の請求認定件数でございますが、平成22年度、脳・心臓疾患は140件とございます。その下のほうに注書きがございまして、平成24年度1月末で135件ということでございますので、1月の段階で既に昨年の数字に近づきつつあるということでございます。それから黄色いほう、精神障害の件数でございますが、請求件数は平成22年度、右上のほうですが、179件でございます。これも下の注書きの2行目にございますように、1月末で176件ということでございまして、これも同様に昨年度の数字に近づきつつあるという状況になってございます。それから石綿の請求・給付の状況につきまして、下の表に掲げてございます。
それから、10ページでございますが、メンタルヘルス対策の状況でございます。一昨年、当局で調査をしました規模300人以上の、いわゆる大きな規模の企業のアンケート調査の状況でございまして、左側、7割以上の企業で精神疾患の発症を懸念しているという状況にございます。その下のほうでございますが、メンタルヘルスにつきまして、過重労働の有無にかかわらず、実際に発症例があったというのは85%の企業に上っているということでございます。これに対しまして、右側の下のほうでございますが、メンタルヘルス対策支援センターで、支援をしているということでございます。
それから、11ページを御覧いただきますと、先ほど局長のほうからも申し上げましたけれども、労働災害の発生状況でございます。3月2日現在、66人とございますが、その後、昨年の数字でございますが、現在で69人まで来ております。昨年同期で71人でございますので、今の段階ではマイナス2ということでございます。
これに加えまして、同じページの下のほうを御覧いただきますと、これは死亡災害だけではなく、休業災害も含めた数字でございます。一番右下の数字でございますが、プラス2.4%というところでございます。休業災害を含めた全体の労働災害の件数は微増であります。減少させなければいけないのに、増加しているという状況でございます。
それから12ページを御覧いただきますと、これがまた非常に憂慮しているところでございますが、今年に入って労働災害で亡くなった方が9人となってございますが、昨日までで11人に増えてございます。昨年同期の段階では1人でございますので、したがいまして10人のプラスということで、大変増えているということでございます。死傷災害の休業も含めた数字は、先ほどと同じように右下を御覧いただきますとプラス40%ということで、非常に労働災害は増えているということでございます。
最後に、13ページでございますが、最低賃金の改定でございます。産業別最低賃金につきましても、2月18日付けで3つの業種につきまして改定をしたという状況になってございます。
こういった状況を踏まえまして、33ページ以降に24年度の取組ということで整理してございます。34ページを御覧いただきますと、最重点ということで、「働き過ぎ、賃金不払、解雇などの問題に、優先的に対応します」と書いてございますが、特に37ページを御覧いただきますと、従前の取組に加えまして、今申し上げました労働災害防止対策につきまして、現在、「東京ゼロ災害運動」というのを立ち上げまして、平成24年、今年の上半期、6月までを中心といたしまして11次防の最終年における目標達成に向けた集中的取組を行っているという状況でございます。特に災害が多発している建築工事、道路貨物、第三次産業のうち小売、社会福祉施設、飲食店、ビルメンテナンス、この業種を重点業種として集中的に監督指導・個別指導等を行っているということでございます。
それから、メンタルヘルス対策、アスベスト対策、これを含めまして安全と健康確保対策と労働条件の確保とを二本柱にして、集中的、重点的に進めるという方針にしてございます。
最後に、39ページを御覧いただきますと、さらに加えまして、適正な労働条件の整備対策ということでございます。ワーク・ライフ・バランスの対策、それから看護師等の雇用の質の確保ということで、医療現場の勤務環境の改善に向けた取組。それから、労働契約法、有期労働契約に関する改正の法案を提出する予定になってございますが、成立した暁にはルールの周知をしていきます。それから、佐藤先生が御尽力されておりますパワーハラスメントの提言がまとまれば、基準行政におきまして周知徹底していくという方針にしてございます。
以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。
それでは、均等室長から御説明いただきたいと思います。
【柴田雇用均等室長】 均等室長の柴田でございます。私からは、資料といたしましては取組状況から、まず御説明させていただきます。14から15ページをお開きいただきたいと思います。
この取組状況につきましては、昨年12月に件数を御報告してございますけれども、それから3か月後の12月末の件数でございます。年末にかけて3か月で大きく変わっておりますのは、紛争解決の援助の受理件数でございまして、均等法の(2)の紛争解決援助の受理件数につきましては、労働局長による援助が86件となっておりますが、前回御報告いたしました9月末では34件でございました。また、調停につきましても11件ですけれども、前回報告では3件ということでございました。
その次の育児・介護休業法関係の(2)の紛争解決援助の件数につきましては、労働局長による援助が68件。前回御報告しましたときには34件ということでしたし、また調停案件につきましても、今回は3件ということですが、前回は0件ということで、年末にかけまして紛争の解決援助が多く求められてまいりました。
それからもう1つ御報告ですけれども、次世代法の行動計画の届出状況でございます。23年度は、101人から300人の行動計画の届出につきまして義務化になりましたので、これにつきましても2月末現在で、届出率が87.7%という状況になっております。
以上が取組状況の御報告ですけれども、次に均等行政の課題につきまして、これは本文のほうですけれども、本文の9ページのほうを御覧いただきたいと思います。
【佐藤会長】 別冊資料ですか。
【柴田雇用均等室長】 はい。運営方針の、字がいっぱいあるので見にくいという資料ですけれども。
【佐藤会長】 そうですね。縦長のほうですね。
【柴田雇用均等室長】 はい。そうです。9ページに均等行政の課題ということで整理をさせていただいております。
まず、下のほうですけれども、女性の就業規模等の実現というところ、女性の就業の拡大(就業率M字カーブの解消)というところで、男女雇用機会均等対策の推進につきまして、1つは、配置・昇進の性差別禁止に係る均等法の履行確保を図る必要があるということがございます。
そしてその下、男女間格差の解消を図り、実質的な男女の均等取扱いを実現するためにポジティブ・アクションの推進が不可欠というところが、均等法の課題でございます。
その次のページで、育児・介護休業関係ですけれども、育児・介護休業に関しては、今年の7月から、今まで適用が猶予されていました100人以下の事業主の方についても全面適用、全面施行になりますので、これについての履行確保を図るということが課題となっております。
また、育児休業に係る介護などの不利益取扱いなどの相談等もございますので、これに対して厳正な対処をしていくということが必要となっておりますし、併せまして、「両立支援助成金」及び「中小企業両立支援助成金」、これらの助成金を活用して事業主の支援をしていくこととしてございます。
同じく、課題の中で13ページにワーク・ライフ・バランスの関係がございます。ここにつきましては、育児休業と短時間勤務と同じく、先ほどの両立支援対策を課題として再掲をしてございます。
さらに、15ページのところですけれども、ここの非正規労働者の雇用の安定処遇の改善のところで、パートタイム労働対策を課題として入れてございます。均等・均衡待遇の確保と正社員転換の推進ということが課題となっております。
これらの取組状況と課題を踏まえまして、24年度の重点対策でございますけれども、重点対策につきましては横の資料でございますが、42ページを御覧いただきたいと思います。
まず、男女雇用機会均等確保対策につきましては、妊娠・出産を理由とする不利益取扱いを、引き続き厳正に対応して、相談につきましては労働局長の援助または調停を活用して、紛争の解決援助を行っていくということです。また、法違反については厳正な指導を実施してまいります。
セクシュアルハラスメントにつきましては、雇用均等指導員(セクハラ担当)を活用しまして、実効ある防止対策を図ってまいりたいと考えております。
さらに、均等取扱いにつきましては、課題にありましたように、配置・昇進に重点を置いて計画的な報告徴収を実施してまいります。
次に、43ページでございます。仕事と家庭の両立支援対策ということで、100人以下の企業に適用される改正育児・介護休業法につきましての周知徹底を図ってまいります。また、期間雇用者からの育児休業の取得に関する相談もございますので、これについても丁寧な対応を図ってまいりたいと考えております。
育児休業の取得を理由とする不利益取扱いの相談につきましては、雇用均等指導員(両立担当)を活用して迅速に対応してまいりたいと考えております。
また、次世代法につきましても、101人以上の企業につきましては行動計画の策定届出が義務となっておりますので、これらの徹底を図ってまいりたいと思っております。
そしてその次ですけれども、44ページのパートタイム労働対策につきましては、パートタイム労働者の働き・貢献に応じた正社員との均等・均衡待遇を図られるよう、短時間労働者の雇用管理改善を促進するため、計画的に報告の徴収を実施してまいりたいと考えております。これにつきましては雇用均等指導員(均衡担当)を活用して、特に中小企業事業主に対しまして均等・均衡待遇への取組、正社員への転換が推進されるように支援をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。
それでは、徴収部長からお願いいたします。
【堀之内労働保険徴収部長】 46ページを御覧いただきます。
労働保険制度は、それ自体が労働者のセーフティネットであるとともに、セーフティネットである各種の施策を推進する財政基盤となるものですから、以下の2つを課題とさせていただいております。
労働保険料等の適正徴収でございますが、24年2月末現在の収納率は98.12%でございます。これは前年比0.16%ポイントの上昇でございます。22年度の収納率が98.43%でしたから、23年度は98.5から6%台の収納率になると見込んでいるところでございます。ここ何年かの収納率を見てみますと、平成18年度の98.81%という水準にはまだ達しておりませんので、ここは引き続き重要課題と位置付けをいたしました。
次に、未手続事業一掃対策のほうでございますが、本年度から3か年計画を策定してございます。初年度につきましては目標件数を確実に達成できるものと見込んでいるところでございます。
以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。
それでは、最後に総務部長から。
【阿部総務部長】 最後に私から、労働相談の関係を説明させていただきます。
まず、17ページを御覧ください。23年度は震災の影響もありまして、経済の持ち直しの動きはあるといわれながらも、やはり雇用情勢は厳しいということで、労働相談件数と個別労働相談の件数ということですが、若干の差はありますけれども、いわゆる高い水準で続いております。この水準につきましては、24年度も引き続き続くのではないかなというふうに考えております。
そういう中で、労働相談の関係が、48、49ページにございます。24年度におきましては、引き続き総合労働相談員が相談を受けていくことになるんですけれども、来年度からはいじめ・嫌がらせ等の困難事案に対応する、総合労働相談員のうち困難事案担当という人を若干置くことにしておりまして、多様な相談に対応していこうと考えている次第です。
24年度におきましても相談者のニーズに応じた相談体制を充実させるということと合わせて、49ページの右側にありますが、全体システムの図の右側にも書いてありますが、裁判所、それから労働委員会、法テラス、それから東京都など、各団体とも連携しながら労働相談、それから紛争解決ということで取り組んでいきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。短い間に適切にまとめていただきました。
まず、御説明いただいたのは、平成23年度、前回との継続ということで重点対策の取組状況を説明していただき、かつ、24年度の運営方針の案についても御説明いただいたわけですが、質疑は、まず前半の23年度の重点対策取組状況の御説明についての御質問なり御意見、それを先に伺って、その後、ちょっと分離は難しいかもわかりませんが、運営方針のほうに御意見をというふうにしたいと思いますので、前半のほう、資料でいうと資料2の17ページのところまでの御説明で御質問、御意見があれば伺うという形にできればと思うのですが。
どうぞ、浅見委員。
【浅見委員】 遅れて来まして申しわけありません。
5ページの需給調整の分野のところでお聞きしたいんですが、4番のところで、「東日本大震災からの復旧・復興事業等に係る違法な労働者派遣、募集等について情報収集に努めるとともに、的確かつ厳正な指導監督を実施した」というふうにありますけれども、実際に東京都の中においてそういった事業者があったのか。もしあれば、どれぐらいあったのか。それとあと、どのような指導監督をしたのかというのを、もしわかれば具体的に教えていただきたいんですが。
【佐藤会長】 では、まとめて後でというふうにしたいと思います。5ページの上の4(1)の中身をもう少し具体的に御説明していただきたいということで、ちょっと考えておいていただいて、いつものように質問を先に出していただきたいと思いますので、どなたからでも。
それでは、私から。11ページのところの死傷災害の発生が若干、全体で増えているということでした。労災の中身なんですけれども、メンタルなども入っているのかということ。
もう1つは、業種ごとの増減の話と業種固有の労災と言えない通勤途上災害はどういうふうに見たらいいのかというのを後で教えていただきたいというのが1つです。
あと、15ページの雇用均等のところの次世代の届出ですが、届出率が100にならないところは、301人以上の企業の把握が変動するとかですね。統計上、届出が100にならないのか、お願いしても、実際上、そういう企業があるのかですね。これ101人から300人も同じなんですが、やっぱり301人以上も動きますよね。お願いしてもやってくれないような企業があることによる部分も結構あるのかということを、後で教えていただければということで、2つです。
ほかの方、いかがでしょうか。
では、まずは需給調整部長のほうから。
【松浦需給調整事業部長】 まず、4(1)の件でございますが、復旧・復興事業関係で、現在、比較的私どもの関連で問題になりがちなのが、瓦れきの片付け等の処理を取り扱う人をどうやって確保するかといったことに関連した問題が、比較的多うございます。
今年度、私どもがいろいろ情報を受けて調べたものということでいいますと、下半期に入って6件ほどございますけれども、特徴としましては、全国的なそういう人を確保するというような動きがあるようでございます。そのような中で、このままいくと多重の派遣のような形になるのではないかという疑いがあるようなものとか、あるいは、求人条件なんか労働条件が必ずしも明確になってないのに、募集をしているのではないかといったようなものがございます。それから、物によりましては既にそういった事案もあって警察の摘発を受けたような――これは瓦れきとは違うんですけれども、原発関連であったりとかですね。復旧・復興、それから原発関連等の中にはそういったものも含まれますが、そういった関連のものなどいろいろと情報がございますので、これを調査をしたということでございます。
既にそんな情報で、他の局とか機関からあったようなものにつきましては補充的に指導監督を実施するとともに、それ以外の案件についてはまた当局において調査をして、結果から申し上げますと、事前にそういったことがないような状況のところでそういった行為をやめていただいて、実際にそういった被害が生じる前にやめていただくように指導したというような状況になってございます。
【佐藤会長】 よろしいですか。では、基準部長のほうから。
【引地労働基準部長】 この労働災害の発生件数には、メンタルヘルスとか、あるいは脳・心臓疾患のものも、業務上と認定されたものはカウントしております。死亡についても同じでございますし、休業のほうも同じでございます。
先ほど申し上げましたが、昨年の死亡が66人から69人に増えたというのは、昨年の、例えば精神障害、自殺の案件なんかを業務上と認定しますと立ち上がってくるということで、タイムラグがあって立ち上がってきているということでございます。
それから、これはいわゆる業務災害でございまして、通勤途上の災害は入ってございません。通勤災害が入りますとものすごい件数になります。
【佐藤会長】 そうですか。
【引地労働基準部長】 それから業種の増減でございますけれども、例えば建設であれば高所からの墜落とか、社会福祉であれば腰痛が多いとか、あるいは道路貨物であればトラックからの転落といったような、業種作業ごとに特色のある災害の発生動向になってございます。あるいはビルメンであれば高齢者の方のつまずきとか転倒とか、そういった業種ごと、災害の特性ごとに対策を講じなければならないというふうに考えてございます。
【佐藤会長】 金融業等は、どんな災害ですか。
【引地労働基準部長】 金融ですか。金融は、ちょっと詳しいデータはありませんが、おそらくは転倒、事務所で転ぶとか。
【佐藤会長】 わかりました。
【引地労働基準部長】 もちろん、脳・心臓疾患も入っているかと思いますけれども。
【佐藤会長】 小売業だと、売り場が整理されてないで転ぶとか。
【引地労働基準部長】 そうですね。あと包丁でいろんな加工をするときに切るとか。
【佐藤会長】 わかりました。
では、均等室長、お願いします。
【柴田雇用均等室長】 行動計画の届出状況についての把握は母数の確定がなかなか難しいというところもあるんですけど、従来から義務であった301以上の企業については、基本的には把握をしている母数については、まあ9割……、100%近く届出をいただいています。常に動くのは300人以下の企業が今まで、義務化でなかったところから、従業員数が増えて301人以上に上がっていくと、そこがまだやっていなかったりということがあり、301人以上の大企業についてもそういう動いている状況が常にあって、なかなか瞬間的に100%というのが、東京においては難しいような気がいたします。
それから、101人から300人の規模の企業につきましては、9割ぐらいにはこれから届くんだろうと思いますが、後の10%に行動計画の策定・届出を指導するのはかなり難しい状況があるように感じております。
【佐藤会長】 はい。どうもありがとうございます。それでは、もちろん前半のことでも構わないんですけれども、特に今日は24年度の運営方針(案)となっていますので、皆さんから少しまとめて御意見を伺って。2回ぐらいに分けてやる時間はあるかと思いますので、まずは御意見を出していただいて。
では、加藤委員。
【加藤委員】 加藤です。
21ページの下から2行目ですが、震災被災者に対する就職支援の実施ということ。先日、日曜日で丸1年たって、かなり被災者の人たちが雇用保険が切れたりして大変な状況になっていると思います。また、東京都が瓦れきの受け入れを表明したように、かなりすばらしいことだと思うんですが、具体的にどのようなことをされるか、その辺をちょっと御説明していただけたらと思います。
【佐藤会長】 21ページの下から2行目のところですね、震災被災者に対する就職支援ですね。では、後で御説明いただければと。
【傳田委員】 具体的な要望になりますけど、よろしいですか。
【佐藤会長】 どうぞ。どこにかかわるか、あればちょっと言っていただいたら。
【傳田委員】 最初に職業安定のほうですけれども、これは前回の審議会、12月に申し上げましたけれど、求職者支援法が10月に発足したことについてです。この制度は生活保護に陥らないためのセーフティネットということで機能させていかなきゃいけないということで、1つは募集の段階のことです。ハローワークでも十分制度の説明や、社会的にも制度の説明をされていると思います。東京都や各自治体において、福祉関係のサポーターの皆さんといいますか職員の皆さんとの連携を是非強化していただきたい。今、生活保護にある方で就労意欲を高めていただいて現実的に訓練に入っていただくというようなことを、福祉サイドからも十分やっていただくということが必要だと思いますので、そうした連携の強化をお願いしたいと思っています。
次に、若年者雇用の特に新卒の問題です。労働局は、今も就職前最後の支援強化ということで取り組んで頂いていますし、さらにまた6月までも強化の期間として努力しています。新卒者の就職困難は何年も続いていますから、何年間かそうした大変な学生が蓄積をしているという状況にあります。卒後3年以内という枠組みが本当に十分機能しているのかどうなのかというところに、少し課題があるのではないかと思っています。もう既に来年度卒の就職活動が始まっているわけで、既卒3年であれば、その区分けをあんまりつけないことが望ましい。既卒3年以内の方は特別に面接会とかもやられていますけれども、あまりそういう区分けといいますか、しないような取組の中での採用を、企業の方々にもより一層お願いをしていくということが必要なのではないかなと思っております。
次に、基準の問題です。先日も災害ゼロに向けての集まりがありましたし、使用者団体や労働安全を専門にされている機関の方々もお集まりになりました。そうした中で、労働局の6月末までの取組を聞いて御協力申し上げるという枠組みがあるわけですけど、その中で、使用者団体向けとか労働者向けというふうに書いてありますが、その要項の中でも、安全配慮義務はまずは使用者側にあるということは当たり前で、労使でという観点を様々な場面で発言をしていただきたい。もちろん、労働組合がある企業はそうしたことについて認識があると思います。労働組合のない中にあっても、安全衛生委員会ですとかそうした労使の枠組みの中できちんとやろうということが基本ということですから、そういう意味からも、組合のあるないにかかわらず、安全問題については労使でという点についての強調した言い方といいますか、指導をお願いしたいと思っています。
以上です。
【佐藤会長】 求職者支援制度ですね、その効率的な運営なり厳格な運営についてと、若年者雇用を、新卒だけではなく、既卒を含めてどうするかということと、あと安全の問題ですね、労使で取り組めるようなものを支援してほしいという話だったと思います。
ほかには。どうぞ。白川委員。
【白川委員】 2点お聞きしたいと思います。
1点は職業安定分野、22ページでございます。若年者雇用対策の推進の中の一番上の項目で、就職支援の強化と、もう1つは職業意識形成支援、この2つにかかわるかと思うんですが、新卒内定率が非常にまだ厳しい中にありまして、一方で、中小のものづくり産業、製造業ではなかなか人員、人材を確保するのが難しいと。現に大田区などでは、板橋に抜かれるような非常に厳しい状況にもなっております。私、JAMですので機械金属の産業別の者なんですが、経営者からも非常に悲鳴に似たものが聞こえてきます。
その中で、是非行政としてお考えを伺いたいのは、日本の製造業を支えているのは、やはり中小ものづくりであるのは間違いないわけでして、そこが倒れると日本全体にも大きな影響があると。ましてや雇用のミスマッチということについて、行政として学生の側にもやはり意識を、魅力を伝えていくという、こういう指導と、片方で企業はものづくりをやっていく、その魅力とか達成感とかそういったことを伝えさせる、そういったことを指導していく、こういうことが支援ではないのかなというふうに思ってございます。御意見を是非お伺いしたいと思います。
もう1点が雇用均等の分野でございます。44ページ、イの部分の1つ目の○ですね。中小企業事業主に対して具体的な取組方法に関するアドバイスを行う。先ほどアドバイザーのお話も伺ったわけなんですけれども、これ是非指導を。私どもも労働組合産別としてこういうことをやっているんですが、なかなか各事業主には見えてこないんですね、こういった取組が。悩んで立ちすくんでいるというのも事実ではないかと思います。どのような周知を、そしてこの活動をどのように、どの程度の規模で行っていくのか、それらの具体的な手法等について、これはお教えをいただければと思います。
【佐藤会長】 はい。安定がたくさん出たので、今のところをお答えいただいて、次でいいですかね。
では、まず、安定部長から。
【清野職業安定部長】 それではまず、21ページのほうの震災対策ですが、この関係についてちょっと触れさせていただきます。東京には福島からの避難の方が多いわけなんですが、当初、その方たちに対してまず、避難所に出向いてのいろいろな相談というようなことをしてきたところでございます。あるいは就職面接会ということもさせていただいたところでございます。
状況としましては、3月1日現在でお仕事探しをされている方が647名というような把握になっております。それから、これまでに都内のハローワークの紹介によりまして就職がお決まりになった方が、782名ということで把握をしております。先ほどの六百数十名の方のうち、雇用保険の受給をされている方――これは2月15日現在の数字でしかないもので恐縮ですが、こちらが六百数十名のうち、257名の方が雇用保険の受給をされているという状況でございまして、雇用保険受給者等につきましては個々に把握できるものですから、個別支援を行っているというようなことで御理解いただければと思います。
それから、必要に応じてニーズ調査を東京都さんとも連携しながらやっておりまして、今後も必要に応じて集団的な面接会が必要なのか、あるいは個別支援のほうがいいのかというようなことは、効率的にやっていきたいと考えております。
それから、新卒関係で何点かいただきましたが、既卒3年というようなことにつきましては、できるだけ企業さんの御理解をいただいて、新卒だけではなくて、既卒3年者も含めてということでお願いをしているところで、大分この辺は御理解をいただいてきているのかなと思っております。
まず、集団の面接会、大規模な面接会なんかもやりますが、このときは既卒3年の方も当然、参加しており、面接の中にどんどん入れていただいておりますので、人材をそういう中で発掘していただくということでやっておりまして、これは引き続き企業様の御理解をいただきながら進めていきたいと思っております。
それから、先ほど、中小企業とのマッチングというようなお話をいただいたところでございますが、ここは私どもとしても大変重要なことだと。片方に求人があって、片方で学生さんが苦しんでいるというのが何とかできないかということで、新宿の東京新卒応援ハローワークでも、できるだけ中小企業とのマッチングをしていこうではないかというようなことで、組み立てをさせていただいております。それから、学生さんのほうにも、日本を支えている中小企業さんにはすばらしいものがあるんだというようなところを、意識、理解していただきたいということの、先ほど言った意識啓発事業。
あるいは親御さんのほうも、テレビコマーシャルに出てくるような有名なところでないと、というようなことも聞きますものですから、親御さんに対するセミナーの開催ですとかというようなことも含めまして。また、企業見学というようなことにつきましても、いろいろなところをとらまえまして実施し、片方では学生さんのほうには就職を決めていただきたいし、それから企業さんのほうには人材を確保していただきたいという観点で進めてまいりたいと思っております。
【佐藤会長】 あと求職者支援制度ですね。円滑な運営について取り組んでくださいということだったんですが。
【清野職業安定部長】 求職者支援制度につきましては、10月からスタートしたものですから、10月にスタートして、通常、3か月間の訓練コースを持っておりまして、以後、終了してから3か月後に、いわゆる就職実績がどのぐらい上がっているかというようなところで把握をしなければいけないというところですが、現段階では、10月生の修了生につきまして、初めての傾向がこの3月で捉えられるかなというようなところでございます。
それで、先ほど言っていただいた福祉事務所さんですが、もちろん、福祉事務所さん等々の求職者支援訓練についての活用ということにつきましては、福祉関係の方々も大変関心を持たれておりまして、様々な機会に御質問をいただいたりしているところでございます。それから、この制度につきましては各ハローワークが各区のほうに十分説明をするのと、チラシ等も各福祉事務所に置いております。また福祉事務所のほうから、先ほど説明しましたように生活保護の申請をする相談の段階で、この人は就労できるのでは、というような方については必ず回ってくるような、そういう仕組みをつくりつつありますので、そういうことで、一生懸命に各行政機関が連携して取り組んでいるところでございます。
【金子委員】 ちょっと関連して、いいですか。
【佐藤会長】 どうぞ。
【金子委員】 その前の問題で、中小企業の魅力を伝えていくと。親に対するセミナーを、これはしたいということですか、それともしていると。
【清野職業安定部長】 もう既にしています。
【金子委員】 しているということですね。
【清野職業安定部長】 その辺は充実を図っていかなければいけないかなと。
【金子委員】 それは具体的にはどういう呼びかけをして、どういう場所でどの程度の親御さんが参加しているのかなんですけれども。
【清野職業安定部長】 現在は、高校生の保護者を中心に、安定所から学校を通じて勧奨しており、ハローワーク内の会議室や各学校の校内においてセミナーを開催しているところでございます。なお、セミナーにおいては、就職環境の厳しさやハローワークで実施している支援メニュー等についてお話をしております。
【金子委員】 実績はどの程度集まっているんですか。
【清野職業安定部長】 高校生なんかの場合は、PTAに呼ばれて、そこに参加してやったりというように、効率的にやろうということなんですが。学生さんのほうについては、周知というところがなかなか難しいなというのはあるところでございます。
【金子委員】 1つは、その関係で、いわゆる3年生からもう既に就職活動をしているわけで、3年生に対する就職セミナーも、労働局も実際にはやっているわけですね、大学と連携しながら。
【清野職業安定部長】 はい。
【金子委員】 その中でその問題をもっと取り入れていくと、学生のほうも意識が芽生えてくるだろうと思うんですよ。私も実際に学生の就職を聞いていると、今年はやっぱりなかなか決まらない人が結構多いんですけれども、それでも、中小企業に行きたいというふうな学生があまりいないんです。
【佐藤会長】 そうですか。
【金子委員】 だから、それを3年生ぐらいのうちから、そういう選択肢の中にも、実は魅力のある中堅企業がたくさんあるんだという、そういう教育セミナーみたいなものも取り込んでいったら、かなり意識が変わってくるだろうという気はするんですけどね。
【清野職業安定部長】 わかりました。先ほど御説明させていただいた、仮称ですが、大学生現役就職促進プロジェクトということを来年度は力を入れていきたいと思いますので、その辺を参考にさせていただきまして、取り組んでいきたいと思います。
【金子委員】 一部上場企業ばかりじゃなくて、こういうところもあるんだというものを入れていくことが必要だろうと思います。
【清野職業安定部長】 はい。
【白川委員】 すみません。1点いいですか。
【佐藤会長】 どうぞ。
【白川委員】 以前、ビッグサイトの見学会に行かせていただきました。学生に説明していらっしゃるのは、おそらく人事・総務系の若い社員の方なんですね、それぞれの中小企業の。これでは魅力は通じないと思うんです。私はそういう企業ばかり、経営者とも会ってますからね。すばらしい経営者がいっぱいいらっしゃる。そういう人たちは誇りを持って、しかもロケットに乗せているとか、マイクロソフトの心臓部に入っているんだとか、そういったことを言われると若い人は目がきらきら輝くんですね。是非そういう夢を持っている経営者の方々に語っていただくと。ビデオでもいいじゃないですか。そのようなことをちょっと工夫をしていただければと。これは意見でございます。
【佐藤会長】 はい。どうもありがとうございました。
では、基準部長のほうから、お願いします。
【引地労働基準部長】 労働災害防止につきましては、確かに法令上の義務は使用者にあるということでございますけれども、現在のような状況を打開していくためには、労働側の皆さんの御協力も是非ともお願いしたいと思っておりまして。先般の東京ゼロ災害運動もそういうことで、経営者協会の方も御参加いただきましたけれども、連合東京の方からも御出席をいただいたわけでございます。
東京ゼロ災害運動は、監督とかそういった行政側だけではなくて、国民というか都民全般の広範な活動にしていきたいと思いますし、その中ではやはり労働組合の皆様の御協力も是非賜りたいと思っておりますので、具体的にどのような形で進めていくかはまた御相談させていただきながら、行政のほうも指導に当たって働きかけていきたいというふうに考えております。
【佐藤会長】 では、均等室長のほうから。
【柴田雇用均等室長】 中小企業に対する具体的なアドバイスというところでございますけれども、雇用均等指導員の均衡担当という専門的な知識を有する者を配置をしまして、その人たちが個別の企業を訪問いたしまして、そこでパートタイム労働者の方がどのような仕事についているか、同じような職場で同じ職種の正社員の方はどういう職務の内容かというようなことは具体的に個々の企業によって異なりますので、それを把握をいたしまして、それを踏まえて、短時間労働者の方が働きや貢献に応じた均等あるいは均衡の取れた処遇がされているかどうかというところを見せていただく中で、具体的な取組をアドバイスをするということを考えております。
【白川委員】 よろしいですか。
【佐藤会長】 どうぞ。
【白川委員】 どの程度の規模で、そしてどのように周知をしているのしょうか。
【柴田雇用均等室長】 指導員の配置が3人ですので、この方たちが稼働する日数に応じて個別の企業を回りますので、年間300から500ぐらいの間の企業を回ることになると思います。
【白川委員】 私もそのぐらいの数は回りますね。いや、ごめんなさい。嫌みじゃなくてですね。
申し上げたいのは、個別で回って御指導されるのは大変すばらしいことだと思うんですね。それがないと具体的には進まないと思うんですけれども、改正パートタイム法も含めまして、かなり周知は行き届きつつあると思うんですが、実態の問題がやはりあると思うんですね。そのためには、指導するというところにもう少し囲い込む工夫を凝らしていただけないかなというふうに思います。具体的にどうしたらということはございませんけれども、より多くのところを周知を徹底、もしくは指導を徹底、ここの観点をよろしくお願いしたいと思います。
【柴田雇用均等室長】 はい。
【佐藤会長】 あと10分ちょっとありますので。どうぞ、上原委員。
【上原委員】 安定のほうのマッチングの件なんですけれども、2つありまして。
この本文のほうにもいろいろ書いてあって、ミスマッチというのが言われて久しいわけで、非常に重要なことだろうと思うんですけれども、一部のハローワークで、電子化されて、双方のデータのマッチングの実験というんですか、運用をしているところがあると聞いたんですけど、その辺のことがもしあって、うまくいっているのであれば、その状況をお願いします。
もう1つは、先ほど来、いろいろ話が出ていますが学生というか就職者側が迷うとき、背中を押すという意味でジョブサポーターですか。これは国も、5万人の目標に対して、今4万人ぐらいまできていると聞いているんですけれども、ジョブサポーターなるものがどれぐらいの数……。例えばハローワーク1か所あたりに何人とか。恐らく、面談すれば20分やそこらかかると思うので、1人で1日でも20人かそこらしか面談できないと思うので、その辺の充足数というんですか、その辺があればちょっと教えてください。
【佐藤会長】 システム的なマッチングをやっているかどうかということと、あと学生の支援のことですね。どのぐらい人がいて、どのぐらいかと。ほかに、1つか2つあれば。では、どうぞ、秋山委員。
【秋山委員】 すみません。基準と雇用均等のところ、両方にかかると思うんですが、今回のところでパワーハラスメントの提言を出されるということで、それで職場のいじめ・嫌がらせの対応を行うというふうに出ております。一方、セクシュアルハラスメントにつきましては、多分、雇用機会均等法をベースにということだと思うんですが、雇用均等のほうで、これは以前から引き続き取り組まれているということです。ただ実際、職場なんかですとその辺のところが、ここからここまでがセクシュアルハラスメントで、ここから先はパワーハラスメントというのが、なかなかやっぱり区別はつけづらい部分というのもあります。職場のいじめ・嫌がらせという大きなくくりの中で、是非パワハラだけとかセクハラだけということではなくて、一体となったようなところで職場のほうの取組を進められるようなことを行っていっていただきたいなと思います。
【佐藤会長】 パワハラ・セクハラ、合わせてやっていくほうがいいんじゃないかというようなことですね。それは後で御意見があれば伺うことにしたいと思います。いかがですか。
【田中委員】 それじゃ、1つ。
【佐藤会長】 どうぞ、田中委員。
【田中委員】 19ページの青いほうの、労働者派遣法改正。これは今の衆議院のまま通るとして、指導監督というのはどういうところに力点を置いてやろうということなのか。
【佐藤会長】 法改正がされた後ということですね。
【田中委員】 そうですね。その辺の方針がありましたら、教えていただきたい。
【佐藤会長】 では、そこまででとりあえず。次に三宅委員。
【三宅委員】 労災の適用問題ですけど、40ページにありますように、迅速・適正な処理となっています。そのことでちょっと発言をさせていただきたいと思います。
建設の場合は、日々雇用というか短期雇用というか、現場ごとに転々として動くというケースが多くあります。そういう中で、雇用されて2日目、3日目とかでの事故が起きているわけです。ところが、その適用の仕方、平均賃金の出し方が、ちょっと具体的で申しわけないんですけれども、署によって違うケースが起きています。どういうふうに労災の適用のシステムとか、事務処理の指導とか、そういうのをやられているのか、ちょっと教えていただきたいということ。
もう1点が、石綿肺がんの認定基準の見直しが、国のほうの検討会で行われていますけれども、4月1日から新たな基準が施行されるというふうに聞いていますが、医療機関に対する指導、教育というか、そういうのはどうされるのか、ちょっと教えていただければと思います。
以上です。
【佐藤会長】 では、まず、安定部長のほうから。2つ御質問が出ていましたので。
【清野職業安定部長】 まず、システマティックなマッチングがどうかということだったんですが。
【佐藤会長】 やっているところがあるんじゃないかというお話ですが。
【清野職業安定部長】 もちろん、求職者の情報、それから求人者の情報がありますので、これはぶつければある程度のところで対象者が出てきたりというようなことは……。各所のほうでは、求人開拓をすれば、当然そういう形で、どのぐらい該当する方がいるのかというようなところで、そういう方に通信紹介というような形で、こういう求人があるんだけどいかがですかというような情報提供をしたりというようなことは、させていただいております。
そういうことからも、より求職者の応募条件といいますか、そういう情報が必要になりますし、求人者の方からはより採用状況を詳しくお聞きしていかなければできないので、ここは基本業務として進めているところでございます。
ジョブサポートにつきましては、今、学生と高校生とを分けておりまして、高校生については各ハローワークが責任を持って、管轄する高等学校の就職希望者を1人残さず就職を決めなさいというようなことで、100%就職を目指して、高等学校の先生とも連携しながら進めておるところでございます。それから、大学等につきましては、先ほど来の新卒応援ハローワークを中心として支援をしているところでございまして、今、東京新卒のほうが63名のジョブサポーター、八王子のほうに14名の配置をして、取組を強めておるところです。
そういうところで、ジョブサポーターのほうは学生の背中を押してあげるというようなことですとか。大変厳しい状況の中で、例えば数十社回ったとか、100社に近いようなところに応募したんだけどなかなか結びつかなかったという方は、気持ち的にも大変なえてしまい、モチベーションが低くなっているというような方もおりますので、ジョブサポーターはしっかり話を聞いて、先ほど、1人で悩ませないというようなことで申し上げましたけれども、寄り添ってやっていこうというような形で努力しているところでございます。
【佐藤会長】 では、需給調整部長のほうから。今回、派遣法をもし改正されたら、今度はどのような取組をというようなことがもしあれば。
【松浦需給調整事業部長】 このたびの派遣法改正、どのような形になるかはこれからの国会の議論も若干あるのでございますが、現在の修正案などを見てまいりますと、派遣労働者の雇用の安定とか待遇の改善、均衡処遇とかいいますけれども、そういったものを中心とした法改正だと思っております。
また、いろいろな具体的な取組につきましても、これは派遣元事業主がまずしっかりしていただくということ、プラス、派遣元事業主が何かしていこうとするときに、労働者派遣の場合、労働者派遣契約ということでございますので、派遣元と派遣先がきちんと法令を理解した上での合意ということに基づいて派遣労働者の受け入れをしてもらわないとうまくいきませんので、私どもとしましては、派遣元事業主、派遣先共にバランスのいい指導監督を目指していきたいと思います。その手法につきましては、やはり法改正が施行されたらということでございますので、まずは本省の審議会での議論などを踏まえた様々な政省令、あるいは要領、あるいは指針などの内容を踏まえながら、しっかりと周知をしていくということ。プラス、あとは個別の事業も順次見ながら、丁寧な指導をしていくということを目指していきたいと思っております。
【佐藤会長】 はい。これは法案審議中なので、決まったらということで。
では、基準部長のほうからあれば。先ほどの労災の関係。
【引地労働基準部長】 パワハラのところから、まず御説明します。
まだ具体的に、どのような形で周知をしていくかという指示は本省のほうから来ていませんが、東京とか大阪とか、そういう大都市部を中心に、提言がまとまればリーフレットなどで啓発をしていくという形になると思います。
その際に、これまでも均等行政や安定行政もそうですけれども、いろいろ連携してきておりますので、どのような形で連携できるのかは、また均等室長と相談をしていきたいと思います。
それから、三宅先生の労災の平均賃金のお話ですが、これは具体的に通達もございまして、署によって違うというのは初めて聞きましたので。もし違うところがあれば、また御指摘いただければ、たぶん御説明不足によるものかと思いますけれども、お答えさせていただきたいと思います。
それから、アスベストの肺がんのお話でございますけれども、新しい基準ということになりますので、医療機関のほうに対する周知も、当然、予定しております。医師会などを通じましての広報と、それから労働者の方、あるいは事業者の方、さらに既に退職なさっている方もおられますので、区市町村広報紙などにも広報依頼をしていきたいと考えております。
【佐藤会長】 均等室長のほうから何かありますか。
【柴田雇用均等室長】 確かに秋山委員がおっしゃるように、セクハラとパワハラが一体的に起こっているケースも多いですので、セクハラに関しては、雇用均等室が今、対応しております。企業においても、それを一体的に対策を講じているところも多くありますが、今後、そのような形で対応していきたいと思っております。
【佐藤会長】 職場のパワーハラスメントのワーキンググループを僕は頼まれてやっていたのでなんですけど、今回の法改正するということは、職場におけるパワーハラスメントを定義し、行為類型を明確にし、企業なり労使で取り組んでいただく予防なり対応についての考え方を示したということです。そういう意味で、セクシュアルハラスメントは今まであったわけですけど、それとは別にパワーハラスメントを定義して。
ただ、取組は実際上、厳密に区別できないものもあるので、企業なり労使の取組としては職場のハラスメントと。ハラスメントでも、セクシュアルハラスメント以外のパワーハラスメントもあるんだということを今回定義したということですので、取組としては職場のハラスメントを予防したり、起きた場合は対応することをやっていただくと言っていますので、是非両方セットでやっていただく。ですから、企業への周知も。別に新しく何かパワーハラスメント対策をつくるというより、もう既にセクシュアルハラスメントのものがあれば、それとうまく一緒に、職場のハラスメントの予防、対策という形でやっていただければというふうになっていますので、是非やっていただければと思います。
ほぼ時間ですが、もし是非ということがあれば。では、上原委員。
【上原委員】 別添の「行政運営方針」というか、これも添付で送ってもらえると助かるんですけどね。
【佐藤会長】 確定した後でいいですか。
【上原委員】 いや。例えば、(案)の。ここを読んだだけじゃわからないようなことがありますので、事前に送っていただきたい。
【佐藤会長】 審議会の前にということですね。
【上原委員】 ええ。そうです。
【佐藤会長】 はい。審議会の運営のあり方でということですね。
【傳田委員】 すみません。この方針の(案)の中でいろいろと数値目標値がありますが、それがまだ空欄が多く、いつ確定するのかという単純な質問を1つ。
それから、そういう目標をつくってやるのは大変いいことだと思うので、それで結果が見えるといういいこともありますけど、もう1つは、遠いスパンでの目標というもので、幾つか確認されているものがあるものですから。例えば、月60時間以上の残業者は半分に減らすとか、有給休暇は2020年までに70%取得を目指すとか、幾つかの雇用戦略対話でも決まっている。そういう目標の出し方も合わせてしていただきながら、ステップの今年幾らというのを、是非計画を出していただくような形。1つは単年度という目標と、長期の目標も常に出しておくような工夫をしていただきたいというのが要望です。
【佐藤会長】 はい。中はそういうふうに書かれてはいるみたいですが。
【浅見委員】 すみません。時間がないところを。今後、進捗状況などが、審議会のほうで報告されると思うんですが、その際にお願いしたいのが、指針の中で周知するとか指導するとか、提言をしていきますという文章が多いんですけれども、具体的な例をお願いしたいと。例えば、ここまでに周知はどういう方法でどの企業に、例えばですが、そういった資料を何百社に送ってそうしたとか。全部じゃなくてもいいんですが、例えばこういうことをしましたということで。その結果、こういうふうになっていきましたというような流れの報告の仕方をしていただけると、大変わかりやすい。先ほども、そういう質問をした上で、親御さんに対してああいうことをしてきたというのが初めてわかったりとかしましたので、是非いい事例があれば、具体的なものがもう既にあれば、出したような報告の仕方をしていただけると助かります。
【佐藤会長】 はい。多分、時間が短い中なので、バックデータはあるんでしょうけど、今日はまとめてということがあったのかもしれません。審議会の持ち方については、総務部長のほうから。
【阿部総務部長】 今回、資料を事前に送らせていただいたときに、私は別添まで送ったのだとばかり思っていましたので、申しわけございませんでした。今後、事前送付について、しっかりした対応をしたいと思います。
それからあと、目標値につきましては、今、本省のほうでもデータを、全国的に数値目標をつくっている最中でございまして、本省の指示も踏まえて、東京としての数字を最終的に確定していくという作業を3月中に行いますので、その上で入るということでございます。本省からの行政運営方針の指針的なものが出ますので、それを踏まえて最終決定ということにさせていただくことになっております。そういう結果が出て、まとまった段階では、委員の皆様方にはきっちりお送りさせていただきたいと思います。
それから、ただいま浅見委員からいただきました、いわゆる結果の報告というか、審議会でのデータの示し方等、説明等につきましては、非常に有益な御意見をいただいたと思っておりますので、我々としても次回以降の報告に際しては、いろいろ気をつけてそういう資料づくりをし、報告をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【佐藤会長】 それでは、本日予定した議題は以上ですので、事務局から何か御連絡事項があれば、よろしくお願いします。
【髙橋企画室長】 特にございません。
【佐藤会長】 いいですか。
【髙橋企画室長】 この後、労働災害防止部会が引き続きございますので、よろしくお願いします。
【佐藤会長】 はい。特に局長のほうからもいいですか。
【山田労働局長】 結構です。
【佐藤会長】 それでは、これで第6期第2回東京地方労働審議会を終わらせていただきます。ちょっと時間をオーバーしましたけれども、この後も会議がある方もあるようですので、よろしくお願いいたします。
どうもありがとうございました。
── 了 ──
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