第4期第4回 東京地方労働審議会議事録 |
1 | 日時 平成21年3月6日(金) 10時00分~12時00分 |
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2 | 場所 九段第3合同庁舎 11階 共用会議室2-1 |
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3 | 出席者
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4 | 議題
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5 | 議事 |
【前田企画室長】 定刻でございますので、ただいまから第4期第4回の東京地方労働審議会を開催させていただきたいと思います。委員の皆様で、お二人ほど、まだ到着してございませんけれども、お時間でございますので、先に進めさせていただきたいと思っております。
本日は、雨の中、また、年度末の大変お忙しい中を、委員の皆様にはご出席をいただきまして、大変ありがとうございました。本日、前半の司会進行をさせていただきます企画室の前田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、お手元にお配りをしてございます本日の資料の確認をさせていただきたいと思います。本日の審議会の次第並びに座席表、並びに、本日の審議会の配付資料一覧をおつけしてございます。本日の資料につきましては、資料一覧にございますとおり、資料1の「平成20年度東京労働局重点対策の取組状況及び課題」から、資料4の「平成21年度東京労働局雇用施策実施方針(案)の概要」まで、4部ございます
また、参考資料といたしまして、「東京都婦人既製洋服製造業最低工賃(官報公示文)」、並びに参考資料2といたしまして、「次世代育成支援対策推進法が改正されます!」というリーフレットをお手元にお配りさせていただいてございますので、確認をよろしくお願いいたします。配付漏れ等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次に、本日の出席委員でございますが、2名、まだ到着してございませんけれども、お二人の委員、ご出席をいただくことになってございますので、委員18名のうち15名の方に出席をいただいてございます。地方労働審議会令第8条第1項の規定によりまして、本会が有効に成立しておりますことをご報告申し上げます。
それでは、審議会に先立ちまして、局長の東よりごあいさつを申し上げます。
【東労働局長】 おはようございます。委員の皆様方には、先ほども司会のほうからございましたけれども、雨の中、また年度末のお忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、常日ごろから、労働行政推進に当たりまして、ご理解いただいておりますことを、この場をかりまして改めて御礼申し上げる次第でございます。
毎日、雇用関連報道をテレビ、新聞、また論壇でも見ない日はないわけでございます。私ども、それを受けまして、小手先は要らないと、体当たりでやれということで、安定所、監督署、それから、均等室、一丸となってやっておるところでございますが、引き続き、一生懸命やっていくということで、きょうの議事次第、21年度の行政運営方針等につきまして、いろいろご熱心にご論議いただければということでございます。
きょうも、テレビをずっと見ていて、あるいは、私は夜寝るときにラジオをつけっぱなしに寝ておるんですけれども、ここいつも言われておりますが、オバマ頼み、それから、中国で全人代が始まったということで、中国の内需頼み。60兆ぐらいの公共投資をやるという中国の予算が発表されたわけでございますけれども、日本として、どういう形でもっていくのがいいのか。内需が振興する、これにこしたことはないわけでございますけれども、やはり立ち上がりとして、外需に頼らざるを得ない部分もあるわけでございますので、そこら辺のところをやっていく。その中で、調整過程にあるわけでございますけれども、やはり雇用の質を高めるといったことが必要になってくるんじゃないかという感じがいたしております。
ただ、現状の雇用情勢は非常に悪うございます。東京の有効求人倍率、2月でございますが、1.00倍ということでございます。ただ、飯田橋所、あるいは品川所、これは全国の本社が集まる所でございまして、全国的な求人もございますので、見かけ上は1.0でございますが、実質は、1倍を割っているんじゃないかというふうに私どもは認識しておるわけでございます。また、全国も0.67倍という求人倍率でございまして、非常に厳しくなってございます。
そういった中で、何をやっていくことが必要かということでございますけれども、緊急雇用対策本部といったものを立ち上げて、いろいろなことを地道に実施していくという精神でやっておるわけでございます。
また、年末には、29日、30日とハローワーク、それから、監督署をあけまして、いろいろな職業相談、あるいは労働条件等の相談に乗ってまいってきたわけでございます。また、正月明けにかけましては、派遣村の関係もございました。私は、日比谷公園には参らなかったんですけれども、その後、中央区2カ所、練馬区1カ所、港区に1カ所できました派遣村、毎日はできませんでしたけれども、三、四回回らせていただきました。基準行政、安定行政、均等行政に勤めて長い幹部がここら辺に座っておりますけれども、ああいった事態というのは、ほんとうになかったんだろうと、幹部のみんなと話をしておるところでございます。新しい世紀ができて10年になるわけですけれども、21世紀、あと90年ありますけれども、今後どういう方向に向かうのか、若干、私自身、危惧いたしておるところでございます。
そんな中で、1つだけ感想を申し上げますと、家族のきずな、あるいは地域のきずな、職場のきずな、こういったものが、ものすごく希薄化しているなというのを、派遣村を見たり、あるいは年末の特別相談等を見ておりまして感じたところでございます。極端な例でございますけれども、全く電車賃もない、新宿にも相談窓口を開設しましたが、高田馬場から歩いてこられたと。都内主要箇所に職業相談・紹介窓口を開設したわけでございますけれども、そういった中で、制度といたしまして、労働金庫さんのお力をかりまして、融資といったものも安定所のほうでやれるようになったわけでございますけれども、とにかく、従来、取り扱っていなかった生活資金の相談まで安定所がやるようになってきたと。総合的にやらなきゃいけないのかなと思っておるところでございます。
また、前回の審議会でもご説明申し上げましたけれども、非正規の方々を正規のほうに持っていくということで、新宿に「東京キャリアアップハローワーク」という名前で、ほんとうは、今年になってからオープンしようと思っておったわけですが、本省の指示もございまして、12月18日に仮オープンさせていただきまして、2月2日に正式にオープンさせていただいております。新宿の西口の、具体名を出して恐縮ですが、松岡ビルというところの9階にございます。現在、大体1日140人ぐらい来ておられるところでございますけれども、なかなかそう簡単に就職はできませんが、それでも、少しずつは正規雇用のほうへ就職していただいているというところでございます。
また、安定所の現場のほうも、今年1月5日、月曜日だったわけでございますけれども、求人は3割減、それに比しまして、求職は5割増でございます。池袋、あるいは新宿、これは大規模所でございますけれども、1日3,000人の来所者があると。渋谷でも、2,000人を超えている。また、各所、それぞれの規模に応じまして来ていると。見ておりますと、ひどいときですと、相談が80人待ちということもございまして、私どもが銀行なり郵便局に行ったときに、10人待っておられると、帰るかということになるわけでございますけれども、求職者の方々は辛抱強く待っておられる。また、事業主の方も、雇用維持をするということで、雇用調整助成金の大幅な緩和をいたしまして、それを使っていただいて、失業者にさせないでくれという政策を打っておりますが、大体3時間待っておられるというようなすごい状況になっております。
そういったところで、我々も一生懸命やらなきゃいけないと思いながらやっておるところでございます。21年度、そういった現状を踏まえまして、どういったことを行政展開としてやっていくかということでございます。大きく分けまして、5つあるわけでございます。
まず、労働基準行政でございますけれども、解雇、賃金不払い等、いつもあるわけでございますけれども、その申告相談、これもまた増えておりまして、ひどいときですと、8時、9時までかかっている。安定所もそうでございますが、そういったことになっております。それに懇切丁寧に対応していく。また、どの事案を優先的にやっていくか、そこも皆さん一緒なんですけれども、プライオリティーをつけながらやっていかないと、今の定員事情の中では非常に難しい。そういったことに意を配っていく必要があるんじゃないかということでございます。
その中で、長時間労働、これは人員が減っておりますので、残された人に過重にかかってくるということもございます。また、賃金不払い残業、そういったものもあるわけでございます。そういったものを十分精査して、的確に対応していきたいと思っておるところでございます。
職業安定行政、これは言うまでもないことでございます。常日ごろ、所長、あるいは現場の皆さんにも、体ごとぶつかっていけということを言っておるわけでございます。もう当然のことですが、求人開拓とか、当然ですし、いろいろな就職に結びつける支援、そういったものをやっていく。あるいは雇用保険も、的確に認定、受給してもらう。雇用保険も、3月が、いろいろ数字は厚生労働省として、現場を通じて把握させていただいておりますけれども、派遣関係でいきますと、業界団体は40万人とか言われております。私どもで15万人でございますけれども、そういった方々がどっと出てくるのかなということで、雇用保険部門、これから拡充をしていかなくちゃいけないのかなと思いながらやっているところでございます。
東京で、今、2月現在でございますけれども、雇用保険の受給者が月に5万5,000人を超えております。全国ですと、60万を超えました。ピークですと、平成14年に全国で110万人、東京で、平成10年に21万人というのがございますけれども、そこまで、どんどん上がっていくのかなと、そこら辺は懸念いたしておるところでございます。
それから、需給調整事業関係、いわゆる派遣の関係でございます。新聞でいろいろ処分をしたりして、的確にやってくれという事例もあったわけでございますが、こういった形になりますと、国会にかかっております派遣法がどういう形になっていくのか。それによるところも大きいわけでございますけれども、やはり制度として、できている以上は、そこをきちんと守っていただく、これは派遣元は当然のことながら、派遣先の皆さん方にも、一定のご協力をいただくといった形でやっていくことが必要じゃないかと感じがいたしております。その中で、派遣のほか、請負との関係もございますので、そこら辺のところをきちっとやっていく、そういったことが大事だろうと思っておるところでございます。
それから、雇用均等行政でございますけれども、パートの関係で大改正をやらせていただいたわけでございます。昨年の4月から施行ということになっております。正規への格上げとか、いろいろなことがあるわけでございますけれども、そこを局一丸となってやってくといったことが必要なのではないかと思っております。
また、4月1日から、改正次世代育成支援対策推進法が一部改正になります。一般事業主行動計画の公表義務につきまして、大企業から始めて、若干下のほうにも広げていくということがございます。そういったことを周知徹底をしながら、確実に次世代対策をやっていく必要があるのではないかと思っております。
また、現在、労働政策審議会、本省のほうでございますけれども、少子化対策といった観点から、仕事と子育ての両立支援といったものにつきまして、ご議論をいただいているところでございます。昨年の12月に育児・介護休業法の改正、そういったものを内容とする建議が大臣宛てにいただいております。その法案を国会でかけていただくわけでございますけれども、その対策といったものを、今後十分やっていく必要があるのではないかと思っております。
最後に、労働保険料の関係でございますけれども、こういう厳しい状況になりますと未納ということが出てくるわけでございます。そこをどういう形で少ない人員の中でやっていくか。また、今まで5月20日までで、まず第1期お支払いをいただくことになっておりましたけれども、今年から7月まで延ばしていくということになっております。若干、私が懸念しておりますのは、こういう失業情勢になってきたときに、雇用保険の基本手当のお金が大丈夫かなと。4兆円、5兆円あるということでございます。それから、運用の中で取り崩していくということでございます。今年は大丈夫なのでございましょうけれども、そういったところを気を配りながらやっていく必要があるんじゃないかということでございます。
以上、大きな5分野に向けまして、21年度の行政運営方針を簡単にかいつまんでお話し申し上げました。後ほど、各担当の部長のほうから、いろいろお話をさせていただくことになろうかと思います。ほんとうにいろいろな課題、問題点があるわけでございます。本日、いろいろな角度、観点からご熱心なご討議をいただき、また、それを受けまして、私どもとしてできることがあれば、直ちにできるものはやっていく。また、精査してやっていくものはやっていくということで、鋭意努めてまいりたいと思いますので、本日はご熱心なご討議のほどをよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。ありがとうございました。
【前田企画室長】それでは、これより議事に入ります。以降の進行につきましては、佐藤会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【佐藤会長】 それでは、第4期第4回東京労働審議会を始めさせていただきます。 初めに、運営規定第6条第1項に基づきまして、本日の議事録署名委員を指名させていただきます。三宅委員と上原委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。局長のほうからも、経済環境が急激に変化する中で、それに対応できるように一丸となって取り組んでいらっしゃるというお話がありましたので、そういうことについて、またあとで、きょう具体的なご説明を受けた後、ご意見なり、ご質問を伺えればと思います。
そういう意味で、まず、順次、事務局からご説明をお願いしたいと思います。職業安定部につきましては、議題1の「平成21年度東京労働局行政運営方針(案)」とあわせて、議題2の「平成21年度東京労働局雇用施策実施方針(案)」についてもご説明いただきたいと思います。
それでは、順次、ご説明をお願いいたします。
【木塚総務部長】 総務部長の木塚でございます。お手元の資料でございますけれども、資料1が本年度のいわゆる行政運営方針の取り組み状況と課題。資料2が、来年度、21年度の運営方針の概要。資料3といたしまして、行政運営方針案そのものをお手元に配付させていただいておりますけれども、時間の関係もございますので、本日は、20年度の取り組み状況と課題を踏まえまして、21年度の行政運営方針の骨子を中心にご説明させていただきたいと存じます。
私のほうから、総括的な最重点目標等についてご説明させていただきます。資料2の「21年度行政運営方針(案)の概要」という資料がございますが、この1ページをお願い申し上げます。
こちら、「最重点目標とその取り組み」ということでございますけれども、現下の危機的な雇用情勢を踏まえまして、今年度の主目標といたしまして、「安心して働ける雇用の場の確保」ということで、そのもとで4つ目標を設定しております。そして、これらの目標達成のために、東京労働局、労働基準監督署、ハローワークが総力を挙げて取り組むことといたしております。
4つの重点目標につきましては、こちらにございますとおり、雇用におけるセーフティーネットとしての役割を果たすこと。賃金不払い、解雇などの申告事案に優先的に対応すること。男女労働者が安心して働ける環境をつくること。労働に関する相談に的確に対応することを4つの具体的な目標として掲げ、取り組むことといたしております。
具体的な内容につきましては、この後、順次、各担当部室長からご説明させていただきますけれども、主といたしまして、労働基準の分野、職業安定、需給調整事業の分野、雇用均等の分野の3行政、それぞれの基本的な業務と申しますか、使命を果たすことが重要であると考えて、局長からもお話がありましたとおり、体ごとぶつかっていくということで、ここの基本業務を最重点事項として掲げさせていただいております。
加えて、局内、組織的に横断、あるいは連携して取り組まなければいけない分野といたしまして、4点目でございますけれども、労働に関するあらゆる相談への的確な対応を、21年度は最重点目標の1つとして掲げたところでございます。
資料2の44ページから、労働相談の充実の分野ということで記述させていただいております。後ほどごらんいただければと思うんですけれども、相談者のニーズに応じた相談体制の充実。相談される方が置かれている状況に十分配慮して、的確な手続きや、窓口を周知、案内する。あるいは、迅速、適正な処理、必要な情報の提供をワンストップで行うことなど、懇切丁寧な対応を図っていきたいと考えております。
私からは、以上でございます。
【山本労働基準部長】 それでは、私のほうから、労働基準の分野につきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
お手元の資料2の3ページ以降が、労働基準の分野における重点対策ということになります。
1枚開いていただきまして、4ページになりますけれども、「厳しい経済情勢下における労働条件の確保・改善等」ということでございます。一番最初に掲げておりますのは、申告・相談等への対応等についてという部分でございまして、最重点課題に係る部分でもございます。
そこに、まず、申告・相談の状況ということでデータを載せております。申告・相談、立替払い、相談件数、ともに増加傾向にございまして、一番右のところを見ていただきますと、申告が6,594件、前年に比べまして14.6%の増。立替払いの認定申請の件数、18.1%増。相談件数、3.3%増ということになっております。ちなみに、申告の内訳といたしましては、賃金不払い、解雇に係る事案が、全体の91.5%を占めております。このような状況の中で、労働基準監督署のほうに、多くの申告・相談、あるいは立替払い、こういった事案が寄せられるわけでございます。まず、そういったニーズにしっかりこたえていくことが重要であると考えておりまして、大きく3つほどそこに掲げております。
件数の下のところでございますけれども、1つ目は、申告・相談者に対して、懇切・丁寧に対応というところでございますが、これは当然でございます。それに加えまして、件数は増えておりますけれども、賃金不払いや解雇といった申告事案には、優先的に監督を実施をして権利救済を図っていく、これをしっかりとやっていきたいと思っております。
2つ目には、企業が倒産いたしますと、どうしても、労働者の方々に賃金が届かないといったケースも考えられるわけでございます。そういった場合に、国のほうで未払い賃金の立替払い制度というものを運用しております。これをしっかり迅速に、適正に運用するということによりまして、賃金がしっかり労働者の手元に届くという形で対応してまいりたいと思っております。
3つ目には、申告とか、あるいは立替払いといったこと以外に、うちの会社ではこんなような問題がありますといった形で、名前がない形で投書とか、さまざまな情報提供がございます。こういったものに対しましても、今までも、当然対応してまいりましたけれども、非常にその数が多くなってきております。したがいまして、すべてに対して監督という形で対応するのもなかなか厳しい状況ではございますけれども、事案の中身をしっかり見きわめをしながら、優先的に取り上げるものについては、監督でしっかり対応してまいりたいと思っております。
イといたしましては、不適切な解雇・雇止めに対する啓発指導ということでございまして、特に派遣労働者、期間労働者等の非正規労働者の方々が、不適切な解雇や雇止め、こういったことで職を失われるといったことが起きてきておりますけれども、こういったことを防止するために、契約法や裁判例等の周知を図りまして、しっかりとした啓発活動を展開してまいたいと思っております。
ちなみに、年度末の時期に、多くの雇止めが行われるのではないかという新聞報道等もございますし、この時期をとらえまして、現在、労働基準監督署のほうで、有期契約労働者とか、あるいは派遣労働者、こういった方々の雇止め等で問題があるのではないかと思われる事業場に対しまして、全体としては250件程度を考えておりますけれども、監督を実施することとしております。監督をする過程で、解雇予告手当ての支払いでありますとか、適正な解雇手続きをとるとか、さらには、賃金、退職金の支払い、こういったものを適正に行うよう、しっかりとした指導をしたまいりたいと思っております。
5ページになりますが、長時間労働の抑制・過重労働による健康障害の防止についてでございます。
長時間労働、要するに、80時間を超える時間外労働を行いますと、健康障害を発生しかねないという状況もございますので、できる限り労働時間を短くする。先ほど局長のほうからもお話がございましたけれども、雇用調整が進みますと、特定の者に過度の負担がかかるといった事態も想定できるわけでございまして、そういったことがないように、例えば36協定の届出時に、窓口において指導を行う。あるいは、(ア)のところに書いてございますが、自主点検を実施して、問題がありそうなところに対しては、集団指導、監督指導、こういったものを継続的に実施することによって、長時間労働の抑制、さらには、(イ)のところに書いてございますけれども、監督指導時においては、健康診断を実施しているか、あるいは事後措置をしっかりやっているか。さらには、産業医と衛生管理者の選任、こういったこともしっかり選任しておられるでしょうかといった取組みを実施してまいりたいと思っております。
1枚めくっていただきまして、6ページになります。最低賃金制度の適切な運営というところでございます。21年度におきましても、東京地方最低賃金審議会におきまして、円滑な審議をいただきますよう、事務局として、しっかりと対応してまいりたいと思っておりますし、当然、定まりました後は、周知、履行確保ということになります。こういった取組みを展開してまいりたいと思っております。
それから、7ページ目のほうには、多様な働き方が可能となる労働環境の整備ということで載せております。これにつきましては、本年度に、「東京・仕事と生活の調和推進プログラム」ということで、一部、改訂をいたしました。その改訂いたしましたプログラムをしっかりと周知・啓発を図っていくということを展開してまいりたいと思っております。
1枚めくっていただきまして、8ページでございます。労働者の安全と健康の確保のところでございます。労働災害の発生状況につきましては、一番上のところに書いてございますように、1月31日現在の情報でございますけれども、死亡者数につきましては、昨年に比べまして、マイナス21.1%の減ということで、死亡災害はあってはならないわけでございますけれども、減少傾向にあるという状況にございます。
一方で、死傷者数(休業4日以上)全体について見ますと、残念ながら、2.4%の増加という状況になってきております。この増加している業種を見てみますと、第三次産業、道路貨物運送業、製造業、こういったところが顕著でございます。また、死亡災害については、どうしても建設業が多くの死亡災害の発生業種ということになるわけでございます。
そういう状況を踏まえまして、対策として、アといたしまして、要はそれぞれの事業場で危険の芽を事前に摘んでいただくといった取り組み、すなわちリスクアセスメント等の実施、あるいは労働安全衛生マネジメントシステムの導入促進といったものを展開してまいりたいということでございます。そこに導入率、毎年アンケートをやっておりますが、9.4%というのが載っております。これは工業的業種の50人以上の事業場に対するアンケートということで、回答があったものが5,351、導入率が9.4%でございますが、導入を検討していますといったものも含めますと、4社に1社、25.2%という率になります。引き続き、これらの事業場で、リスクアセスメント等が実施されるように、しっかりとした啓発をしていきたいと思っております。
また、イのところでございますけれども、安全を確保するための対策のところにつきましては、三大災害と言われております墜落・転落災害、機械災害等を防止する対策を実施するということが1つございますが、先ほど申し上げました増加している業種として、第三次産業、製造業、道路貨物運送業。死亡災害等が多発している業種としては建設業、こういった業種をとらえまして、労働災害防止対策をしっかり展開してまいりたいと思っております。
具体的には、労働災害が多発している事業場に対してしっかりアプローチをしていく。あるいは、東京の場合には、企業本社の機能がしっかりございますので、企業本社をとらえて、全社的に安全衛生管理体制を充実させていただくといった取組みを展開してまいりたいと思っております。
それから、ウのところでございますけれども、労働者の健康を確保するための対策でございます。特に、21年度におきましては、メンタルヘルス対策に力を入れるということにしたいと思っております。この関係につきましては、現在、東京産業保健推進センターに、メンタルヘルス対策支援センターというものを置いておりますけれども、このメンタルヘルス対策支援センターを、来年度は充実、強化をするということで、医師、カウンセラー等をそこに配置して、企業からの職場復帰支援に関する相談、あるいは職場復帰支援に関する機関の紹介、こういったことを実施し、メンタルヘルス対策の核として位置づけたいと思っております。
最後に、9ページでございますけれども、残念ながら、労働災害に遭われた方々に対しましては、何をおいても、迅速、適正な労災補償の実施ということが重要でございます。特に、最近では、脳、心臓疾患、精神疾患、あるいは石綿関連疾患、こういったものの請求件数も高水準という状況が続いております。こういった問題については、認定についてはなかなか難しい問題もございますけれども、しっかりと見きわめを行いまして、迅速な補償といったものを展開してまいりたいと思っております。
私からは、以上でございます。
【福島職業安定部長】 それでは、引き続きまして、職業安定部のほうから、職業安定の分野における重点対策等について、同じ資料2の11ページから、ご説明申し上げます。
お手元の資料2の11ページを1枚めくっていただいて、21年度の職業安定行政の重点対策を6つの柱とさせていただきました。
先ほど局長のほうからも、現下の雇用失業情勢の説明がございましたように、昨年の12月から、私は完全に雇用失業情勢の潮目は変わったと認識しておりまして、端的に申し上げますと、求職者増、求人者減がさらに顕著になっております。その数値的にも、求職者が急増しているということで、一方、求人者は急減をしている。一気にそういう状況が、昨年の11月以降からあらわれております。
そこで、多くの求職者増等に対応するため、1つは安心して働けるセーフティネットというものを、さらに充実、強化していくべきだろうと思っております。それから、2番目以降は、個別具体的な対策業務でありまして、若年者の雇用対策、それから、障害者の雇用対策、高齢者の雇用対策。それから、求職者個々の状況に対応した支援といったところ。最後に、私どもは都とのカウンターパートでございますので、東京都をはじめとした都内区市町村との地方公共団体との連携による事業ということで、6つの柱立てをして業務を進めてまいりたいと思います。
それでは、1番目の安心して働けるセーフティネットの充実・強化を説明申し上げたいと思います。14ページをお開きいただきたいと思います。セーフティネットにつきましては、本来、ハローワークが持っている根幹機能でございますけれども、さらに、これも根幹機能を強化していきたいと思っております。
1つ目は、やはり求人者、求職者に対するサービスのさらなる充実であります。何といっても失業者対策、あるいは再就職支援対策をしっかり取り組むということが極めて基本的な業務だと思っておりますが、そのハローワークが持っている需給調整機能というものを強化して、きちっとセーフティネットを張るということが大事だろうと思っております。
そのためにも、3点、主なものとして掲げて取り組みたいと思います。1つは、やはり求職者の方々のニーズ、あるいは求人・求職のバランスに配慮した求人の量的確保がないと、なかなか需給調整機能が発揮できないということでございますので、ハローワークの持っている機能、体制を総動員して、求人の確保に努めるという取り組みを強化していきたいと思います。
それから、2番目はミスマッチ対策でございますけれども、ミスマッチ対策のために、やはりそれぞれのハローワークにおける求人者、求職者のニーズに加えて、それぞれの求職者の年齢層別の志向といいますか、状況、それから、あるいは求職者の就職、就業地の動向などについてしっかり分析をして、その分析に基づいて求人の受理、あるいは職業相談において就職と充足の成功率といいますか、ヒット率を高めていく必要がある。極力ミスマッチをなくすために、ある種、戦略的な職業紹介業務というものをしっかりやろうというところでございます。
3つ目は、それらのベースになる担当する職員のクオリティーというものを上げていかないと、なかなか職員の専門性が追いついていかないと、(1)、(2)が、ある種、形骸化するということになりかねないと思っていますので、こういったクオリティーを上げていくということをしっかりやるということでございます。
それから、15ページの求人者サービスの主な点をご説明申し上げたいと思います。これは、従来から、この視点で求人者サービスというものに努めてまいりましたが、さらに21年度はこれを強化するということでございます。
1つは、早期充足の可能性の高い求人について、職業紹介部門と連携により、求人受理担当部門が直接職業紹介をやっていく、マッチングをしていく。ここは、比較的、民間の職業紹介というのは当たり前のようにやられているんですが、わりとハローワークは、細分化をしておりまして、求人は求人で受理をして、求人に対する職業紹介は、また別の部門でというようなことが一般的な例としてやられているんですが、特に東京は組織が大きい分だけ、さらにそれが明確になっているということがあって、ここはやはり求人を受理するところが、一番先に求人者のニーズがわかっているところで、しっかり職業紹介まで関与していくというやり方を、次年度は強化していきたいと思っております。
それから、2つ目は、20年度に新たに始めたサービスでございますが、コンサルティング・サービスというところが、17のハローワークでそれなりに浸透しつつありますが、これを本物に近づけるということで、1つ抜けているところがありまして、やはり会社訪問をしっかりやると。事業所のほうに訪問させていただいて、求人申込書、あるいは求人票以上の情報というものをしっかり把握してくる、収集してくる、こういう形で取り組んでいきたいと思います。それから、20年度同様に、我々のサービスが利用者にとって満足なのか、どうなのかというものをしっかり調査をして、それをさらにサービスの向上に反映させるというところであります。
それから、16ページをごらんいただきますと、求職者に対する主なサービスであります。1つは、先ほどの雇用失業情勢の潮目が大きく変わったということもございまして、ここのところ、連日、ハローワークは大勢の求職者で相談時間も延びておりますし、相談人数、待ち人数も増えております。おそらく、この状況は、21年度に入っても継続するでしょうし、さらに状況が拡大するという観点から、できるだけ待ち時間を短縮する工夫というものをやっていかないと、数十年前といいますか、十数年前にハローワークの批判があったことがあります。1時間待ちで相談時間が5分、これがハローワークなのだということをかなり批判されたこともありますので、決してそういうことがないように、待っていただくことは、どうしても物理的に出るかと思いますが、待っただけのかいがあるような求職のサービスをしていく。あるいは、できるだけ待ち時間を短縮する工夫なども、こういった求人票のカテゴリーの展示、あるいはわかりやすい工夫などを含めて、待ち時間の短縮をしていきたいと思います。
それから、何といっても、求人総数が減ってまいりますので、求職者が閲覧できる総量的には情報量が減るということですので、できるだけ職員が見合うような、適合するような求人を提案していかないと、なかなかうまくマッチングができないんだろうということで、能動的な職業紹介もさらに強化していきたいと思います。
それから、3つ目は、求職者の対応別になるんですが、いわゆる非正規労働者がかなり増えつつありますし、今後もそれが拡大するということでございますので、先ほど局長からもご案内があったと思いますが、非正規労働者に特化した専門的施設を2月2日に本格オープンしましたので、ここで非正規労働者に対する支援をしっかりやるということもしていきたいと思います。
それから、求人者サービスと同様に、ハローワークの満足度調査というものを定期的に実施していきたいと思います。
それから、セーフティネットの2つ目としましては、雇用保険制度の適正な運営であります。ここは労働者保護の観点から、まずは被保険者の取得漏れがないように、そこは徹底していきたいと思います。ご存じのように、雇用保険は、1人でも従業員を雇用すると加入をしていただく制度になっておりますので、まずは被保険者としての取得をしっかり届け出をしてもらうということから始めていきたいと思います。
それから、もう1つが、やはり求職活動実績に基づく失業認定の実施と、適正な支給をしっかりやっていこうと思います。
それから、現国会に提出されている改正雇用保険法が、状況的には、まだ審議されていないと聞いておりますし、与党と野党の対決法案にもなっていると思うので、成立の動向が、ちょっと私はわかりませんが、多分、成立をさせた場合の施行日は4月1日になる予定だと聞いておりますので、非常に短期間で新法、改正法を施行しなきゃならんということで、私どもとしては、かなり懸念材料は持っているんですが、セーフティネットの拡充・強化の大きな柱でもありますので、でき得る限り、成立前でも情報を収集しながら、ハローワークに情報提示をして、一定程度のシミュレーションを引いておかないと、4月1日以降、大きな混乱にもなると思っておりますので、これは職業安定部としても、問題意識を持って取り組んでいきたいと思っております。
それから、セーフティネットの3番目としましては、雇用調整等に対する対応であります。やはり失業を出さないということで、各企業が雇用調整、雇用維持をしていただくことを、もっと広く周知させていただくと考えております。昨年来から、雇用調整助成金等の拡充・強化というものを取り組んでおりまして、この拡充・強化された雇用調整助成金、あるいは中小企業に特化した助成金もございますので、こういったものをフル活用して、それぞれの企業において、雇用維持に取り組む場合の支援というものをしっかりやる。それから、何といっても、今現在、相当数の休業等実施計画が出ておりまして、支給チェックが追いつかないということにならないように、これも東京労働局は総力を挙げて、この支給に取り組んでおります。
いずれにしましても、努力をされている企業に対する支援として、確実に、早期に、雇用調整助成金が企業に手渡しができるように、支給ができるように、今後、迅速な支給に取り組んでいきたいと思います。
それから、それ以外にも、かなり新設された助成金、あるいは拡充された助成金等がございますので、こういったものも広く周知をしながら、その制度を活用して、それぞれの企業において、雇用機会を創出していただくような取り組みも、さらに強めていきたいと思います。
以下は、個別具体的な対策に入りますが、1つは、やはり若者の対策であります。20ページをごらんいただきたいと思います。やはり完全失業率の中でも、若年層の失業率も依然として高どまりをしておりますので、こういった若年就業者等に対する支援というのをしっかりやりたいと思います。
1つは、各ハローワークに専門窓口をつくっております。特に、これから求職者が増えてくると、当然、比例的に若年層もハローワークを訪れるという人たちが増えてくるんだと思いますが、やや待ち時間に耐えきれずに帰ってしまう方が、若年層に非常に見られる傾向がありますので、そういう意味では専門窓口をつくりました。その専門窓口をフル活用して、若年者に対する支援と、トライアル雇用制度を活用した常用就職というところを、さらに促進していきたいと思います。
それから、2つ目は、改正雇対法に基づいて、基本的には募集、採用における年齢制限は禁止でございますけれども、例外規定がございますので、こういった例外規定を活用した求人確保を通じて、若年者の応募機会の拡大、雇用機会の拡大に促進をしていきたいと思います。
それから、若年者に特徴的な、職業能力開発機会が乏しい若年者が結構おられますので、こういう方に対してはジョブ・カード制度を活用した受講あっせん、あるいは訓練修了者の就職支援も今まで以上に強化をしてもらいたいと思います。
それから、若年者の特徴として、フリーターと言われるような方がまだまだ依然として減少していかない、じわじわと減少はしているんですが、まだまだ減少幅が小さいということで、平成21年度もフリーター等正規雇用化プランというものを厚生労働省から指示を受けておりますので、東京局としてもこれを中心に推進をしていきたいと思いますが、特に年長フリーター等につきましては、若年者正規雇用化特別奨励金というものもこの2次補正で成立いたしましたので、中小企業100万円、大企業50万円という制度でございますけれども、こういった制度を活用しながら、さらに雇用の促進をしていきたいと思います。
それから、就職条件等が不明確な若年者がまだ引き続いて安定所を利用されておりますので、こういった若年者につきましては、ヤングワークプラザという、ここに特化した施設が渋谷区に、国の機関として置いてありますので、そういう機関を利用して、グループ形成のカウンセリング等を実施した。これはジョブクラブ方式と言っておりますけれども、こういったものを通じて就職状況を明確にして就労意欲を喚起したやり方をさらに促進をしていきたいと思います。それから、若年者の3番目、2番目としましては学生、生徒に対する支援でありますが、1つは、やはり在校、在学中から生徒、学生の勤労観あるいは職業観というものを醸成していくために、キャリア探索プログラム、これは昔は職業講話といったものですけれども、キャリア探索プログラムをさらに推進していきたいと思っております。
それから、就職を希望する新規学卒者等に対する支援でございますが、おそらく新卒の求人も平成21年度はかなり減少するのではないかと。いろいろ新聞報道でも、新卒の採用を見送る、あるいは中止する企業が数多く出ているような報道もありますので、学卒の求人等が全体的には減るだろうということを考えて、事前にあらゆる機会をとらえて、新卒高卒者の求人確保というものに努めていきたいと思います。
それから、もちろん学校が行う職業紹介業務の指導援助に努めまして、内定率の向上を目指していきたいと考えております。
それから、採用内定取り消しに対する対応でございますけれども、基本的に私どもは、採用内定取り消し等の相談等があった場合は、まず回避に向けて企業を指導していくというのが原則でありますが、もちろん、その前に多くの企業に採用内定取り消しを出さないような防止策ということを前提にして、まずは回避に向けて企業指導をさせていただくと。やむを得ない場合につきましては内定取り消しを受けた学生、生徒に対する支援というものをしっかりやるということと同時に、悪質な企業につきましては、今年1月19日で安定法の施行規則も改正されておりますので、企業名の公表を含む厳正な指導を実施していきたいと思っております。
22ページは、障害者の雇用対策であります。
23ページをごらんいただきたいと思います。昨年末に障害者雇用促進法が改正をされております。まずはその改正法の内容をしっかり企業等に周知をしていきたいと思っております。改正の内容については、主な点はそこをごらんいただきたいと思いますが、平成21年4月の施行が非常に小さくて、平成22年7月等の施行が非常に大きなテーマでありますが、いずれにしてもまずしっかり周知を図るということから始めていきたいと思います。
それから、24ページをごらんいただきたいと思いますが、障害者雇用対策の柱の2つでありますが、法定雇用率達成指導であります。東京は比較的大企業がこの法定雇用率等の改善に向けて牽引役を果たしていただいておりますけれども、この大企業に対する指導も当然ながら継続をしていくわけでございますけれども、やはり中小企業のところがやや改善に足踏みが見られておりますので、平成21年度は特に中小企業を意識した指導というものを実施していきたいと思っております。実施する際には、あくまで形式的な指導ではなくて、個別指導というものを中心に、具体的な提案援助をしながら雇用率の改善指導に向けていきたいと思います。
それから、もう1つは、公的機関として国会でもいろいろ取り上げられておりますけれども、教育委員会に対する指導の強化を平成21年度は柱としてやっていきたいと思います。現在、東京都教育委員会は、法定雇用率2.0%に対して1.79、不足86人という数字が出ておりますので、これを早期解消に向けて指導していきたいと思っております。
それから、障害者個々人の雇用機会をいかに拡大をするかというところの25ページをご説明したいと思いますが、やはり一人一人の障害者に応じた相談・紹介というのを充実・強化をしていくのが一番基本だと考えておりますので、これを基本の1番目に挙げさせていただきました。2つ目は、精神障害者あるいは知的障害者等に対する福祉関係機関等と連携したチームによる支援というものもさらに拡充・強化をしていきたいと思っております。それから、先ほど4-2で申し上げた法定雇用率の達成指導と、この職業紹介業務を一体的に組み合わせたものとして雇用機会の拡大を図ってまいりたいと思っております。
それから、26ページは高齢者の雇用対策でありますが、3つ挙げております。1つは雇用確保措置というものをしっかり導入していこうと思いますが、現時点では301人以上、いわゆる大企業に対しては1社を除いてすべての企業が雇用確保措置を導入していただいている状況でありますが、それ以下、特に50人以下の企業についてはまだまだこの制度が導入を図られていないという実態もございますので、平成21年度はこの50人以下の企業について特に中心的にこの制度導入の指導をしてまいりたいと思っております。
2つ目は、「70歳まで働ける企業」推進プロジェクトというのを現在やっておりますけれども、さらにこの事業を平成21年度は強化をしながら、70歳まで働ける企業を幾つか多くつくっていきたいということを含めて、この事業を強化してまいりたいと思います。
それから、個々の高齢者に対する再就職支援につきましては、そこに掲げてあるようなトライアル雇用制度、あるいは集団面接会、再就職支援セミナー、こういったものを通じて確実に60歳以上の再就職を支援していくつもりでございます。
28ページをごらんいただきたいと思いますけれども、求職者個々の状況への対応でございますが、29ページに主な各種雇用対策を掲げております。それ以外にもかなり個々の雇用対策がございますけれども、中心的なものを6つ掲げさせていただきました。
1番目は非正規労働者でありますが、これは先ほども局長からも話がありましたように、新宿に2月2日にオープンした非正規センターを核にして、各ハローワークとの連携の中で総合支援というものをやっていくものであります。かなり、1日140人前後の利用者が訪れておりますので、東京のセンターではなくて、むしろ南関東といいますか、一都三県の労働市場の中でこのセンターをさらに強化してまいりたいと思っております。
それから、マザーズハローワーク事業を通じて、仕事と子育ての両立を希望する女性に対する支援というものも、来年度は4年目に入りますので、この事業をさらに進めていきたいと思います。
それから、外国人雇用対策と、あるいは介護分野。特に介護分野はかなり求人増、求職者減が顕著な分野でありますけれども、何とか介護分野につきましては職業能力開発事業とも組み合わせをしながら一定の労働力を確保して求人に供給をしていくという事業を、特に平成21年度は強化していきたいと思っております。生活保護受給者に対する就労支援につきましては、先ほどの派遣村対応も含めてかなりの割合が増えておりますので、特に福祉関係と連携したハローワークの業務として位置づけを強めて、生活保護受給者あるいは児童扶養手当受給者に対する支援というものをしっかりやるということでございます。
それから、最後にジョブ・カードというものを活用した支援でございますが、まだまだ平成20年4月からジョブ・カード制度が始まっているんですが、まだ協力企業がそう大きく出ておりませんので、ここも少し強めていかないと、非正規対策あるいは母子家庭のお母さんとか、そういったものにかなり有効な制度というふうに認識しておりますので、この制度も使っていきたいと思います。
最後に、地方公共団体の連携で2つ。31ページでございますが、東京都との連携です。それから、それぞれのハローワーク単位の区市町村との連携があります。これは東京都との連携につきましては、これからの地方方針等についての説明で再度申し上げたいと思いますので割愛をさせていただきたいと思います。
それで、資料4の雇用施策実施方針を少し説明したいと思いますが、平成19年10月の雇用対策法の改正によって、今年度からそれぞれの都道府県労働局長がそれぞれの都道府県労働局における雇用施策実施方針というものを策定し、それぞれの都道府県知事に意見を照会しながら、知事等の要請を踏まえてこの実施方針を策定するということになっております。
2ページをごらんいただきたいと思いますが、地方方針の構成であります。1つは東京都内の雇用情勢と課題を明確にするということで、雇用情勢の現状と主要課題を明確にするということと、それから、それに基づいて雇用施策を重点的施策と基本的施策、それから、最後にそれらの雇用施策に関する数値目標ということの構成になっております。
3ページをごらんいただきたいと思いますが、東京労働局における重点施策は、そこに掲げております5つの重点施策といたしました。東京都との連携に当たってという趣旨でございます。1つは、やはり「非正規労働者に対する総合支援」であります。2つ目は「若者の自立の実現」。3番目は「障害者に対する就労支援の推進」。4番目は、「いくつになっても働ける社会の実現」。5番目は、「女性の就業希望の実現」でありますが、これらの重点施策について、先ほど説明を申し上げたものを再掲するという形になります。そこで、東京都に知事のご意見を伺うという手続になります。
4ページをごらんいただきたいと思いますが、重点施策以外に東京都との連携事業がございますので、この東京都との連携の中の施策が2つあります。非常に細かい話ですが、求職者個々の状況に応じた対応ということで、1つは介護分野における雇用管理改善、あるいは生活保護受給世帯・児童扶養手当受給者の就労支援、ホームレスの就労支援。人権の問題も含めて、公正な採用選考の推進と、こういうものについてもさらに東京都と連携をしながらやっていきたいということでございます。
それから、もう1つはその他の施策としまして、区市町村との連携が入ってきます。それから、これも2次補正で全国4,000億円の基金事業でありますが、東京都においても当然、この基金事業を通じて雇用創出がございますので、こういった事業との連携ということになります。細目につきましては、先ほど申し上げた内容をこれらに掲載をして東京都にということでございますが、過日、私どもの東京労働局長が産業労働局長にこの内容について説明をいたしまして、産業労働局から、知事部局内の意見照会の手続に、今、入っております。最終的に都知事のほうからさらに要請があればそれに付記をしていただいて回答をいただけるということでございますので、まだ現時点で回答はいただいておりませんので、最終案を今回は提出することができませんでした。
骨格については以上であります。
【浅野需給調整事業部長】 それでは、私からは需給調整事業の分野における重点施策について説明を申し上げたいと思います。資料2の32ページからになりますので、そちらをお開きください。
33ページに、まず、1番として、的確かつ厳正な指導監督の実施と書いておりますけれども、このうちアの(ア)、「法制度の周知」と書いてありますけれども、まずは制度についてきちんと知っていただく必要があるということにプラスをしまして、ここにもちょっと書いておりますけれども、日雇い派遣の原則禁止などを内容とする労働者派遣法の改正案が前の臨時国会に出されて、現在、継続審議になっているところでございます。この派遣法改正をめぐりましては、与党、野党、それぞれにおいてさまざまな検討がなされているところでございまして、また、法律としてもその予算と関連しない法律ということで後回しになると。審議入りするのは早くて今月末、普通に考えれば4月から5月ごろになるというふうな感じでございまして、私どもとしては先が見えないところでございますけれども、行政としてはまずはこの改正案についてご審議いただく立場でございますし、また、これが通った暁には、労働者保護の仕組みがちゃんと機能するように周知をするということで、このように書かせていただいているとこところでございます。
(イ)でございますけれども、当たり前のことではございますけれども、「許可申請・届出の適正かつ迅速な処理」に引き続き努めてまいりたいと考えております。
(ウ)でございますけれども、引き続き、東京労働局内、監督署、ハローワーク、それから、ほかの労働局と連携を図りながら実態を把握する。それから、違法事案を発見するということに努めて指導監督を行ってまいりたいと考えております。
それから、ここでも改正法に触れておりますけれども、改正法が施行されれば、それに沿って、例えば日々紹介といったようなものについても気を配りつつ指導監督を行っていくということであろうということで、こういう書き方をしております。
ページをおめくりいただきまして、34ページ。イでございます。「違反を繰り返す事業主に対する行政処分等の実施」でございますけれども、今年度、ここまでに私ども労働者派遣事業の停止命令2件、改善命令3件を行っております。引き続き、悪質な違反を行った派遣会社、それから、指導を行ったにもかかわらず違反を繰り返す派遣会社に対しては、行政処分を含む厳しい態度で臨むということでございます。
ウでございますけれども、このところすっかり派遣契約の中途解除にともなう解雇、いわゆる派遣切りなどと言われておりますけれども、社会問題化しておりますが、基準部、監督署、ハローワークなどと情報を提供し合うとともに、派遣元指針、派遣先指針というのがございまして、こういったものに基づいて、派遣元、先、双方に新たな就業機会の確保をはかるように指導をしているところでございます。
それから、指導に当たっては今後ともできる限り基準行政と連携してやっていきたいということでございます。
エの、いわゆる2009年問題への対応でございますけれども、2009年問題と書いておりますけれども、これは2006年ごろに製造業で請負から派遣に切りかえられたものが多くて、派遣可能期間が最長3年ということで、2009年にこれが一斉に満了するということで、こういうような言われ方をしているものなんですけれども、実は東京労働局管内ではそもそも製造業自体が少なくて、あまり製造業における2009年問題といった感じではなくて、実はぼちぼちと、一昨年ぐらいから、軽作業と、製造以外の派遣について期間満了を迎えるケースが出てきておりまして、指揮命令を要するなら直接雇用、要さないなら請負ということで指導してきたところでございますけれども、ここにも書いておりますように、期間を超えて派遣として働かせている場合はもちろんなんですけれども、形だけ直接雇用あるいは請負にしていても、実態がそうでなければ、だめということで引き続き指導をして、仕事をしてもらいたいのであれば直接雇用、あるいは請負にするように指導しているところでございます。
最後に奨励金について書いておりますけれども、ここに来て景気が急激に悪化をしたということで、引き続きやってもらいたい仕事はあるんだけれども、直接雇用となるとちょっとちゅうちょしちゃうというようなことが起こるおそれも出てきたことから、これは防ごうということでこういう奨励金が創設されております。こういったものも活用して、直接雇用を進めていきたいということでございます。
オでございますけれども、派遣会社、それから紹介会社には、年に一度、事業報告書というものを出していただくことになっております。ここのところ、少し厳し目に督促をしたこともございまして、現時点で派遣紹介九七、八%の事業所から報告をいただいているところでございますけれども、まだ未提出のところもあるということで、こういったものも使って、私ども、事業の運営状況を把握していくものでございますので、指導を徹底していくということでございます。
それから、その下、35ページでございますけれども、派遣労働者等からの苦情相談の数というのは引き続き増えてきているところでございますが、数は増えておりますけれども、そういう中でもこれは問題がありそうだといったものについては、迅速かつ的確に対応してまいりたいと考えております。それから、労働者に対する法制度の周知にも力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
【峯岸雇用均等室長】 雇用均等室の峯岸でございますが、雇用均等行政の分野についての説明をさせていただきたいと思います。
同じ資料の36ページからでございます。まず37ページでございますけれども、均等行政といたしましては、今年度も同様、3本柱で施策を進めてまいりたいと考えております。第1点目といたしまして、男女雇用機会均等確保対策の推進でございます。均等法は平成19年に大改正をいたしまして、2年目を迎えたところでございますけれども、まだまだ周知徹底が十分だという状況にはないという現状でございます。今年度相談件数でございますが、対前年同期で比較いたしますと、若干2%ほど減少しているものの、約4,000件弱の相談が寄せられております。特に全体としての件数は減少しておりますけれども、労働者からの相談は12%ほど増加しているという状況で、相変わらず、中身を見ますとセクシュアルハラスメントに関するもの、あるいは昨今の厳しい経済情勢を反映してか、妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱いに関する相談も増加傾向にあるという状況になってございます。また、私どもが東京都下の企業に個別に訪問させていただきまして、雇用管理の状況についてヒアリングさせていただいているわけですけれども、その中での法違反件数も相変わらず多いという状況でございまして、是正に向けた取り組みを進めているという状況でございます。このような現状を踏まえまして、平成21年度につきましては、そこに掲げておりますように1点目から4点目、公正な処遇の確保、次には均等法のさらなる周知徹底、3つ目といたしましては均等法を遵守するだけではなかなか現実に生じている男女間格差を是正することが難しいということから、企業の積極的な取り組みを求めておりますポジティブアクションの推進を図っていくということ。さらには、相談等でも大変多く寄せられております、職場におきますセクシュアルハラスメントの対策の周知徹底。やはりそれぞれの企業で対策を講じていただくのが一番重要なところでございますので、さらなる周知徹底を進めてまいりたいと考えております。
2つ目といたしましては、38ページでございますけれども、仕事と家庭の両立支援対策の推進でございます。項目といたしましては、4項目掲げてございます。1点目といたしましては、育児・介護休業法の施行でございます。この育児・介護休業法も平成17年に一部改正をいたしまして、3年目になったところでございますが、まだまだこの育児・介護休業法にかかる相談というのは、むしろ増加しているという状況でございます。特に相談で多いのは、やはり育児休業の取得にかかわるもの。あるいは、育児休業取得をし、復帰時点でのいわゆる不利益取り扱い等に関する相談が引き続き多く寄せられているという状況でございます。これらにつきましても、特に個別の相談等につきましては当然迅速、的確な対応を進めてまいりたいと思っていますとともに、企業におきますさらなる制度の周知徹底に努めていきたいと考えております。
2点目といたしましては、次世代育成支援対策の推進でございます。これにつきましては、次世代法自体は平成15年に成立いたしまして、平成17年から全面施行されているわけですけれども、昨年の11月に改正法が成立をしております。この次世代法では、既にご案内のように一般事業主行動計画の策定と労働局への届け出というものを企業規模に応じまして義務化しているところでございますが、今、301人以上の義務がかかっている企業からの届け出といたしましては、4,000弱という状況でございます。比率にいたしますと、残念ながら100%という状況にはなってございませんけれども、99%という状況になってございます。今日、改正法につきましては、先ほど局長からもごあいさつの中でふれていただきましたし、参考資料ということでリーフレットを配らせていただいておりますけれども、今回の改正法により、行動計画の策定、届け出の義務の対象企業が拡大をされるということで、101人以上からが対象となると。これは平成23年4月から。さらには、今年の4月からにつきましては、既に義務となっています301人以上の企業が新たに今年の4月以降、労働局に届け出をしていただいた場合については、その行動計画の内容を広く社員に周知するとともに、社会一般に公表していただくということになってございますので、この改正法についての周知、それから、平成23年4月に向けて、101人以上の企業がより積極的に法施行前に取り組んでいただくよう促進を図っていきたいと思っております。
なお、この改正法につきましては、現在、具体的な取り組みの内容についての省令・指針を策定中でございますので、この省令・指針案が公示された場合については、改正法とともに周知を図っていきたいと考えています。
さらには、次世代法につきましては、行動計画に基づきまして具体的な取り組みをしていただき、一定の成果が見られた企業につきましては、東京労働局長が認定をするというような支援も行っております。今現在、認定企業につきましては350社ほどという状況で、決して多い状況ではございませんので、この認定に向けた取り組みについても促進を図っていきたいと思っています。
それから、4番目のところに、両立支援に取り組む事業主に対する支援ということで、2つの助成金制度を掲載してございます。中小企業子育て支援助成金というのは、100人以下の企業で育児休業を初めて取得者が出たときに、助成金として支給するもの。それから、平成21年度から労働局のほうで事務を担当することになりました事業所内保育施設運営支援助成金。これにつきましては、いわゆる企業内保育施設の建設、運営に対する助成を行うというようなものでございますので、こういった助成金を活用していただきながら仕事と家庭の両立を支援するというような環境整備に向けた取り組みについても進めてまいりたいと思っております。
なお、3番目のところの両立支援の推進につきましては、特に中小企業についてはなかなか取り組みが難しいというようなこともございますので、国として平成21年度から、委託事業を実施いたしまして、前向きな取り組みをする中小企業事業主に支援をする取り組みも予定しているところでございます。
最後は、パートタイム労働対策の推進でございます。今年度から改正パートタイム労働法がスタートしたわけでございますが、おかげさまで円滑に推進しているところでございます。まだまだ十分東京都下に周知徹底が図れている状況ではございませんので、引き続きこのパート法の周知徹底を図るとともに、このパート法に基づきます個別紛争あるいは相談等については、今年度同様、迅速、的確な対応をしてまいりたいと思っております。
なお、このパートタイム労働法につきましては、東京労働局の中に均等待遇に向けた専門家を配置いたしまして、特に中小企業を中心といたします企業に訪問させていただきまして、このパートタイム労働法に沿った雇用管理がなされるよう、情報提供、あるいはアドバイスをするという制度もスタートしているところでもございます。
以上、均等行政といたしましては大きく3本柱を進めていくこととしておりますが、東京労働局の他部あるいは署所と連携をしながら進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
【山岸労働保険徴収部長】 続きまして私から、40ページでございますけれども、労働保険適用徴収関係分野の重点対策についてご説明申し上げます。
41ページでございます。1点目が、労働保険未手続事業一掃対策の推進ということでございます。これは、公平な費用負担、労働保険財政のより健全化を図るため、今年度、平成20年度を初年度とする第二次労働保険未手続事業一掃対策3カ年計画を策定しまして、未手続事業を可能な限り把握して、計画的、効率的に解消を図るということを強化してまいりました。平成20年12月末までの実施状況でございますけれども、保険関係の成立目標が6,690ですが、実績は4,292件ということで、達成率につきましては64.2%という状況にとどまっております。目標達成には現在、厳しい状況ではございますけれども、最後、第4四半期に努力をしておるところでございます。この業務につきましては、加入促進の業務の受託団体であります全国労働保険事務組合連合会東京支部と連携をして、この業務をやっておりますけれども、各ハローワーク単位での地区協議会というのがございまして、そこの中での取り組み状況にばらつきがございますので、私ども徴収部と東京支部の役員が一体となって、個別の協議会の指導、支援を強化していきたいと考えております。
平成21年度につきましては、成立件数は6,740件を目標として掲げております。引き続き、この目標達成に向けまして積極的な加入勧奨と成立手続がなされない場合につきましては、職権による成立、こういったものについても取り組みを強化してまいりたいと考えております。
次、42ページでございまして、労働保険料・一般拠出金の適正徴収ということでございます。今年度の労働保険の年度更新の対象事業場数ですけれども、約40万事業場でございまして、徴収決定済額でございますが、この1月末現在で1兆146億円でございます。収納済額につきましては、9,930億円ということで、対前年同月比で約6%弱増加をしておるところでございます。
今年度の収納率の目標でございますが、平成18年度の実績であります98.81%を目標としております。現在は97.87%ということで、18年度同期比0.39%ポイント低下という形になっております。今後は急激な景気悪化ということで、かなり収納率の低下も懸念されているところでございますけれども、私ども、労働保険料の算定基礎調査あるいは引き続き強力な滞納整理、こういったものを進めてまいりたいと考えております。
次に、43ページ、3番目。年度更新期間変更の円滑な実施ということでございます。平成21年度から、年度更新の期間が従来の4月1日から5月20日までが、今度は6月1日から7月10日まで期間が変更されます。また、労災の保険率ですね。それから、現在、国会に上程されております雇用保険率につきましても、変更されましたら、その辺の周知について強力に図っていきたいと思っております。とりあえず、この期間の変更がございますので、周知を強力に図りまして、円滑に業務を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。重点対策ということですけれども、かなり膨大なので、多分、ご説明の時間もかなり予定より延びてしまったということもありますが、これから、ただいまのご説明について皆さんのご質問、もうちょっと説明してほしいとか、わからないとか、あとご意見を伺いたいと思います。
じゃあ、どうぞ。黒澤委員ですね。
【黒澤委員】 労働基準部の関係で2点ほどお願いしたいと思っております。4ページ、5ページでありますが、とりわけ、最近厳しい経済環境の中で不適切な解雇、雇い止め、これもきのう、新聞にも出ておりましたけれども、製造業にとどまらず、私どもの物流関係でも労働相談が結構増えております。そういう中で、先ほどお話がありました積極的な啓発活動を展開するということで、250件ほど監督実施する予定だというふうにお聞きしましたが、もう少し具体的に、それ以外にもしこういうことをやるということがあれば、教えていただきたい。とりわけ、私どもの業界の中で私の組合にも電話が来ますし、連合東京のほうにも相談が来るんですけれども、法に違反した一方的な解雇等、社長がほんとうに知っているんだろうかという感じがするところもありますので、この辺を含めて見解があれば教えていただきたいと思います。
それから、2つ目は、長時間労働の抑制と過重労働による健康障害の防止等についてでありますが、長時間労働の抑制の中で、とりわけ昨年の秋に東京労働局さんで関東運輸局と連名で適正な運送取り引きに向けての要請を関係する荷主団体にしていただきました。これにつきまして改めて感謝申し上げたいと思っております。ただ、トラック業界はどうしても自分のところの業界や会社だけではなかなかできない悩みがありまして、道路事情、あるいは荷主からの要請で出荷時間あるいは手待ち時間等々ありまして、どうしても能動的ではなくて受動的な部分がかなり多いものですから、引き続き要請をお願いしたいということと、とりわけ32条違反とか、改善基準告示違反とか、毎年のように道路貨物運送業は圧倒的に多い事情にあります。そういう意味で、ぜひ、引き続き、行政としてもご指導をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上2点です。
【佐藤会長】 ほかには。
はい、秋山委員、お願いします。
【秋山委員】 雇用均等のところで質問です。38ページのところに仕事と家庭の両立支援対策の推進ということで、そこの3番、仕事と家庭との両立の推進に関する周知という項目がございますが、この中で、育児休業の取得促進ですとか、子育て期間中の勤務時間短縮等の措置の普及・促進という項目がございます。今日はたまたま今朝、テレビでもちょっと見たんですが、今、育児休業をとっている方を対象に、例えば、解雇ですとか、そういった事案が増えているというふうにちょっと見たんですが、こういった現状の中で、今、どのような形で育児休業ですとか、介護の部分も含めまして取得促進を図っていくのか、具体的に教えていただけたらと思います。
【佐藤会長】 よろしいですか。
ほかには、いかがですか。
どうぞ、石井委員、お願いします。
【石井委員】 雇用調整助成金のことでございますが……。
【佐藤会長】 何ページになりますか。安定ですね。
【石井委員】 18ページでしょうかね。
【佐藤会長】 18ページですね。はい。
【石井委員】 これは中小企業では希望者が多いので、非常に期待しているんですが、実際は使い勝手が悪いという評判でございます。例えば、10人とか20人ぐらいしかいないソフト会社では、ほとんど社員を派遣しています。こういうご時世になりますと、派遣先企業は内製化、つまり社内でやることになるので、派遣切りになる場合が多いです。そうすると、ソフト会社というのは収入を絶たれるわけで、20人いたところで10人返されると。途端に経営的に苦しくなる。こういうケースの時、休業の定義がよくわからないんですが、どういう状態にしたら雇用調整助成金の援助が得られるのか、この辺を具体的に教えていただければありがたい。
【佐藤会長】 派遣会社なんかの場合での休業ということともし関係があれば、浅野さんのほうからも後で。
ほかに、もし……。じゃあ、上原さん、紀陸さんというふうに。
【上原委員】 安定のほうですけれども、資料2の平成21年度行政運営方針(案)の概要の14ページの(3)に、これは多分ハローワークでのことでしょうから、職員の力量を上げるというのがありますよね。それとの関連で、自分は部外者だからよくわからないんですけれども、人の、労働局におけるキャリアパスというんですか、例えば、ハローワークと監督署とか、それから局のものとか、そういう職員のキャリアパスが一般的にどうなっているのかというのを、少し、問題がなければ教えていただければ参考になるというのが1つですね。
それとの関連で、昨年、ハローワークを見学させていただいたんですけれども、あれは大変参考になったので、ああいうものがもし次の年度でも企画していただければありがたいなということと、それから、資料1の18ページに、右の平成21年度の事業展開というところの真ん中あたりに、介護での長期訓練というのがありますけれども、具体的にこの辺、どういうふうにやるのかというのがちょっとピンと来ないので、介護施設に実際に行ってやるのかどうか。逆に、そういう施設が公的に持っているのかどうか、その辺をちょっと教えてほしい。ここもご説明ありましたけれども、やっぱり雇用のミスマッチが一番起きているというところですよね。だから、その辺の解決策というんですか、その待遇とか難しさとかいろいろあるんだろうと思うんですけれども、その辺を教えていただきたい。もう1つは、次の19ページのキの項目に、このハローワークの市場化テストの話が出ていますけれども、半年ぐらい前の読売の社説でも、他省庁に比較して厚労省、大変民営化が進んでいて、ハローワークの市場化テストがそこで大分かせいでいるということでしたが、その辺の状況というんですかね、評価も含めて教えていただければありがたい。
以上です。
【佐藤会長】 じゃあ、キャリアパスや市場化でしたら、総務部長がいいかな。その辺は全体にかかわると思いますので。それで、介護の、先ほどの職業紹介、介護の訓練との連携ということでありましたが、訓練のほうが能開のほうだと思いますが、わかる範囲内で、それは後で。もう1人、紀陸さんのところまでという形で、まず、とりあえず。
【紀陸委員】 3点でございますけれども、1つは、かつて、いわゆる2割職安と言われていたかと思うんだが、最近はそういうような状況がどういうふうに変わってきているのか、数字的なことの把握ができていればお教えいただきたいと思います。それが1点。
2点目は、再就職する場合に一番大事なのは、私は、どうもやっぱり、教育訓練というんですか、能力開発だと思いますけれども、こちらの参考資料の中で、平成20年度の取り組み状況及び課題というような資料の中の15ページにもちょっと出ているんですけれども、「的確な公共職業訓練の活用」というのが出ていまして、数字的な件が上がっているんですが、ハローワークで職業紹介をする場合、その後に教育訓練をしてあげますよね。それを通じてきちんと定着したというんですか、再就職先に。そういう一連の流れみたいなものを数字的に把握されておられるのかという話ですね。窓口で受けて、訓練をして、就職して、定着したとかですね。そういうものがどのぐらい、きちんといけば成果が上がるよというのは、どのぐらい検証できているのかどうかというのが2点目であります。
3点目は、特にミスマッチの話で、中小企業の求人、求人数が多いのは、よく聞く話なんですけれども、中小企業さんに対する求人の掘り起こしというんですか、この資料でいきますと、先ほどの14ページになりますけれども、15ページですか。求人などの掘り起こしをどういうふうにやっておられるのか、ちょっとお話が出たかと思いますが、掘り起こしと同時に、今の若者はみんな大手とか気に入ったところしか行かなくて、中小さんに行かないがゆえにミスマッチが起きているという。私どもは、それは変だなと随分思っているんですけれども、そのつなぎをどういうふうにやろうとご苦労されているのか、その辺の状況をお話しいただければというのが3点目であります。
【佐藤会長】 そうしますと、労働市場全体の需給調整の中での職安の……。
【紀陸委員】 機能ですね。
【佐藤会長】 比重はどのぐらいかということ。2番目は、訓練でいいんですね。職業紹介した後の定着って、訓練を経た後の定着。訓練の効果。
【紀陸委員】 ええ、そうです。訓練の、はい。
【佐藤会長】 はい。3つ目は中小の求人開拓ということで。
それで、今伺いましたら、全体で安定がすごく多いので、一番最後、考えておいていただいて。そうしましたら、先ほど、キャリアパスとかは総務部長のほうでやっていただける。
では、総務部長、基準と安定。最後では浅野さん、関係するものがあれば何かお答えいただくような順序で、よろしくお願いします。
【木塚総務部長】 労働局のキャリアパスにつきましては、大きく分けますと基準系の行政職員、それから、安定系の職員とおりまして、基準系の職員につきましては、1つは労働基準監督官と事務官というふうになりまして、労働基準監督官については、当初の7年は全国的な形での異動をして、主に第一線機関において、いわゆる監督官としての業務を学び、一定の経験を積んだあと、あるいは局等で事務をすると。交互に職制が上がるごとに局に来たり署に行ったりという形で幹部になっていくという形でございます。安定系の職員につきましても、採用の当初は主に安定所のほうにまいりまして、雇用保険あるいは職業紹介関係の第一線業務につき、その後、局のほうにまいりまして、あるいは係長、補佐、その度ごとに第一線と局を行ったり来たりしながら、キャリアパスを踏んで幹部に昇進していくと。大まかに言いますとそういうことでございます。
それから、もう1点、審議会のときに現場を見て非常に参考になったというお話がございまして、来年度につきましてもぜひ、やはりこうやってご意見をいただくに際して現場を十分に見ていただくというのが何よりも重要じゃないかと考えておりまして、年2回、こういう形で審議会を開催させていただいておりますけれども、特に1回目のときをできるだけ見学というか、現場を見ていただくということを主に企画するような方向で検討を進めていきたいと思っております。
【佐藤会長】 市場化テストの動向は……。じゃあ、局長のほうから。
【東労働局長】 読売新聞の記事、私は読んでいませんので詳細はわかりませんが、市場化テスト、ハローワークだけでなくて、いろいろな政府の業務をテストという形でやるということでございますが、一括法になっておりまして、前国会で廃案になりまして、そのあと出てくるかどうか、今のところ、私どもはちょっとわかりません。先ほど、安定部長から、雇用情勢は非常に潮目が変わったということでございますので、このときに、民間ですら職業紹介というか、就職できないところでそういう概念が出てくるのかどうかというのが、私、現場としてはわかりません。
もう1つは、地方分権で、地方公共団体に移管すべきではないか、あるいはブロック化という話も出ております。ただ、労働政策審議会、本省のほうとしては、それはやはり問題があるのではないか。あるいは、ブロック化した場合に、均等室の場合ですと、全国47都道府県にないとアクセスの面で大変ではないかというようなことで、樋口恵子さんを筆頭といたしました200人ぐらいの女性の有識者の方から提言をいただいたというようなことがございまして、今の情勢からしまして、直ちにそういったことが出てくるのかというのはちょっと考えづらいのではないかということでございます。ただ、ILOは確か181号条約ですか。エンプロイメント・エージェンシー条約というのがございまして、これは民間職業紹介条約と訳しておりますが、これは日本政府も批准をいたしておりまして、経団連、当時日経連でしたが、連合さんも賛成しておりますので、それに基づきまして派遣法あるいは職業安定法を改正いたしまして、より規制緩和のほうでやってきていると。その中の整備をしているということでございます。ですから、ルールはルールでありますので、その部分を浅野部長のところで需給調整のほうでやっていると、そういう状況でございます。あとは先生のほうが詳しいかもしれません。
【佐藤会長】 本格的な実施の法改正は、ちょっと当面ないんじゃないかなと思いますよ。やっぱりトライアルのは求人開拓を含めてやっていて、ただ、求人開拓については民間委託のが成果ないので、厚生労働省としては取りやめたいなと思っていますが、ただ、やれと、続けろという話になるかどうかよくわかりませんが、一応、そういうことです。
それでは、基準部長のほうから基準関係のご質問について。
【山本労働基準部長】 それでは、私のほうから2点ほどございました。まず、1つは不適切な解雇、雇止めに対する啓発指導。しっかり今やっているところでございます。先ほどご説明申し上げましたのは、年度末にそういった形で大量の雇止め解雇、こういった事態が生じるのではないかと。これに対応するということで、臨時といいますか、機動的な対応という部分での説明をさせていただいたというところでございます。ですから、これは年間の通じての部分で250件とかということではなくて、今現在の年度末のこの時期をとらえた取組みというふうにご理解をいただきたいと思います。
それ以外に、例えば、局のほうでも2月20日に、製造業とか電気機械器具製造業のメーカー、それから、自動車のメーカー、15社を呼んで、最賃の周知のこともお願いをしたんですが、同時に、今後こういった状況になったときに、できる限り解雇といったような事態、雇止めといったような事態は避けていただくように、何とかほかの、例えば、休業だとか、そういった部分でうまく対応いただきたいんだといったようなことを、直接来ていただいて、私のほうからも要請をさせていただいたというところがございます。今後も、直接監督権限行使とは若干区分をしなくてはいけないかもしれませんが、そういった中でできる限り機動的な対応ということでやっていきたいというふうには思っています。
それから、もう1つ、自動車の関係を中心にしてのお話であったと思いますが、お手元に資料3で、行政運営方針ということでちょっと分厚いものがございます。実は、こちらに細かな話も含めていろいろ書いてございますが、13ページを開いていただきますと、「(イ)自動車運転者」というところが出てまいりますが、そこのところに、長時間労働による過労運転を防止するため、改善基準等について、あえてここには、「関係業界も含めて」という言葉を用いておりますけれども、これは荷主等も含めた団体に対してもしっかりアプローチをしていくんですよといった趣旨で入れさせていただいているというところでございます。昨年、荷主等の団体を回ったということについて評価をいただきましたけれども、来年度につきましても状況に応じながら荷主対策といったものも含めて対応していきたいと思っております。
以上でございます。
【佐藤会長】 それでは、雇用均等室長から、育休取得者解雇等々について。
【峯岸雇用均等室長】 育休取得の促進という観点ですけれども、まず、取得の前にやっぱり制度をきちんと導入していただかないといけないということで、法の周知徹底と、それから規定整備に合わせて利用の促進ということを図っていくのが私どもの役割だと思っております。これまでもそうですけれども、具体的な取り組みといたしましては、あらゆる機会をとらえまして周知を図るということで、集団による説明会の開催とか、あるいは個別に私ども職員と、それから均等室のほうに育児・介護休業の専門の職員が複数配置されておりますので、それらが個別に企業を訪問いたしまして、具体的に育児・介護休業法に基づいた規定整備状況についてヒアリングをさせていただいております。その中で、まだまだ十分ではない、あるいは未整備であるという場合については是正を求めるとともに、当然、利用者の状況についてもヒアリングをさせていただいており、利用者があまりないところについては利用の促進についてお話をさせていただいているということをしております。
また、先ほどもちょっと触れましたけれども、この育児・介護休業法に関する相談が本年度も7,000件を超えて寄せられておりますので、そういった相談についても迅速に、あるいは適正に対応するとともに、特に労働者からの相談につきましては、その相談を端緒として事業主に対しての是正を求めるという取り組みをしております。
それから、来年度からになりますけれども、先ほど、基準部長の説明の中に、仕事と生活の調和推進プログラムで報告書を作成したというご報告をさせていただいたんですが、この推進プログラムの中にも育児・介護休業法の制度、規定整備の促進と、それから、特に男性の育児休業取得促進を図るということでスローガンを掲げておりまして、この推進プログラムの周知を図っていくということも来年度からは進めてまいりたいと思っております。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。それでは、安定部長から、介護への入所……、訓練との兼ね合いですね。あと、職安の比重なり、その辺について。
【福島職業安定部長】 1つは、補助金ですかね。
【佐藤会長】 はい。補助金ですね。
【福島職業安定部長】 ちょっと使い勝手が悪いんじゃないかということでご指摘をいただいたんですが、昨年の12月、今年2月と数次にわたって雇用調整助成金制度という拡充緩和といいますか、強化をして、現状においてはかなりの中小企業、もちろん、大企業の方も雇用調整助成金制度を使えますので、中小企業は特にそのうちから中小企業雇用安定化奨励金という制度をつくりましたので、件数は昨年の3倍、4倍、5倍になって、休業等実施計画が出ておりまして、現実に支給申請もきちんと出まして、私は、今までの制度から見たら数段の使い勝手のよさが出てきているなと思っていますが、個別具体的な事例というと、当然、派遣元もそういうことで常用の派遣労働者を雇っている場合には休業せざるを得ないというようなケースの場合は、派遣元で当然雇用調整助成金制度を活用したいということについては、今も相談が多いですし、現実、派遣会社から計画等も出ている状況であります。今、石井先生から話があった使い勝手がよくないというのは、多少、煩雑さといいますか、やはり添付資料なんかもあまり省略
をしていないので、そういう部分での事務手続上の使い勝手は少し改善する必要があるなと私は思っていますけれども、制度そのものはかなり使い勝手はよくなったというふうに理解をしております。
【石井委員】 基本的には認められるんですか。ソフトウエア会社へ派遣していた社員が、派遣切りをされて帰ってきますよね。それに対して雇用調整助成金は申請できるんですかね。
【佐藤会長】 派遣会社でも活用できるかというご質問。
【福島職業安定部長】 ええ。派遣会社は当然できますよ、派遣元で。
【石井委員】 20人の会社で5人なら5人派遣していたと。それが、5人帰ってきた場合にソフトウエア会社は雇用調整助成金を申請できるんですか。
【福島職業安定部長】 ソフトウエア会社がですか。
【石井委員】 はい。
【福島職業安定部長】 残った従業員等で休業せざるを得ないというケースですよね。
【石井委員】 休業が前提ですか。
【福島職業安定部長】 もちろん、出向もありますし、教育訓練もありますけれども。
【石井委員】 残りの社員も併せて休業しないと助成金はもらえないのですか。
【福島職業安定部長】 そうですね。そこは、だから、ソフトウエア会社が直接雇用関係のある従業員を休業するとか休業させるとか、出向させるとか。
【東労働局長】 待機状態になっているわけですよね。それで、今までは10分の1とか20分の1の労働者量の数字で、1人でも休業していただければ適用できるというふうに、相当要件緩和いたしましたので、例えば、20人のうち10人が派遣先がなくなって待機状態、実質休業ですよね。そういう場合は多分認められると思います。
【石井委員】 ああ、そうですか。
【東労働局長】 はい。
【石井委員】 それで、その10人の人に対して補助金が80%。
【東労働局長】 今、幾らかな。3分の2かな。
【佐藤会長】 中小企業だと5分の4。
【福島職業安定部長】 中小は5分の4です。
【石井委員】 そうすると、それに対して補助金は出るということですから、その人は職業訓練か何かに行かせておくと。
【東労働局長】 単なる休業をしているか、あるいは教育訓練をしていただく場合はそちらでもいいし。
【石井委員】 それは、1年とか半年とかって制限はありますか。
【東労働局長】 向こう3年間でございますけれども。
【福島職業安定部長】 ですから、それは休業等実施計画というのを出してもらわないと、この制度の活用はできないんですよね。そういう計画をせずにいきなり休業してしまったとか何とか、それで助成制度を使いたいといわれると、もう事前にそういう実施等計画が出ていないところは基本的にこの制度を使えない。ですから、そういう制度を使う場合には休業等実施計画をきちんと出していただくというのが前提にはなります。
【石井委員】 ただ、実際に聞いた話なんですが、社労士というんですか……。
【東労働局長】 社会保険労務士。
【石井委員】 相談したら、それは適用されないって言われたと。
【福島職業安定部長】 どういう理由で……。
【石井委員】 いろいろな場合がありますので、その辺が徹底してないのかなと。
【佐藤会長】 じゃあ、調整事業部長のほうから、ケースがあればそれも含めて。
【浅野需給調整事業部長】 少し前まで派遣会社は使えないんじゃないかというふうに思われていたと思われる節もありましたので、今回、こういう状況にもなっていますし、派遣会社も同じように使えるんですよというのを私ども、いろいろな機会にお話しをしております。特に派遣契約の中途解除にかかる情報を得て指導するとか、そういった場合には派遣会社の方に、こういうようなやり方もあって、派遣会社も使えますよと、通常と同じような形で要件を満たせば使えますよというようなことを周知するように努めているところでございます。
【佐藤会長】 確かに、今言われたように、使えないんじゃないかって誤解もあったので、多分、社会保険労務士さんも、それは……。
【石井委員】 公の社労士さんですので。
【佐藤会長】 いや、社会保険労務士さんが全部ちゃんと知っているというわけではありませんので、それは再度確認をしておいたほうがいいです。
【東労働局長】 2月の上旬からそういう制度改正がありましたので、周知広報の問題も我々はあると思いますので、労働局のホームページでございますとか、あるいは、安定所に電話しても、ずっと電話がつながりっ放しで対応できない、出てくれないという声も十分聞いておりますので、そこら辺の周知広報のことは今後考えさせていただきます。
【佐藤会長】 では、続きまして、よろしくお願いします。
【福島職業安定部長】 それでは、キャリアパスとハローワークの視察が終わりましたので、介護の話ですね。
【佐藤会長】 と、訓練ですね。
【福島職業安定部長】 はい。介護労働力の確保というのは、我々行政にとっても重要な課題で、かねてより、具体的に言うと介護労働安定センターとの連携の中で、3級ヘルパー、2級ヘルパーの介護労働講習というものはずっとやってきたんですが、かなりスケール面でも小さいですので、なかなか全体の労働力が拡大するというわけにいかないんですね。それで、厚生労働省も今度は能力開発局を中心に、介護労働力を確保する意味で、介護労働講習というか、離職者訓練を中心に、これは民間の教育機関に委託をしていくやり方ですけれども、かなりの、全国でも2万人以上の訓練規模を設けてやるように、東京でも1,000人ぐらいの規模を受け持つつもりでおりますし、それが1つと、従来の介護労働安定センターでの講習をまだ継続しますので、それに今度の離職者訓練の、全国2万人ぐらいの規模ですけれども、それと、東京都独自で離職者対策の中で介護講習というのも計画をしておりますので、そういうものも含めてハローワークのほうで、介護講習に対する受講の指示、あっせんなんかもしっかりやっていくようにしたいと。実は1月末現在で介護職種に関する求人と求職のバランスは、求人倍率が4.5倍なんですよね。つまり、求職者1人に対して4.5人以上の求人数が出ています。したがって、非常にその分野では労働力不足が顕著でありますので、そこにやはり非正規労働者、あるいは若年者も含めて、研修、能力開発をきちんとやって、労働力として供給するというやり方と、実はそれ以外にも未経験者を雇った場合でも、ある程度助成金制度が使える、奨励金ですけれども、そういうものを打って、施設側のほうが未経験でも、社内で、施設で訓練していきますよというニーズがあれば、未経験の人たちもそこにあっせんできるという、とにかく全体で介護労働力を拡大していこうという取り組みを強めていきたいというか、考えているところです。
それから、委員のほうから、2割、職安のそれ以降の動向というのは、これは年2回、雇用動向調査というものを上半期、下半期にやって、就職経路別といいますか、それがハローワークと縁故であるとか、学校であるとか、情報誌であるとかいうところが、経路別に出てくるところがかつては20%がハローワークの経路といわれていたので、多分、そういうことから2割行政といわれているところのゆえんだとは思っているんですが、私も、そこは非常に問題意識を持っていて、特に就職率というところは、就職経路に即反映しますので、上げていこうという取り組みも毎年毎年させていただいておりますが、状況がどうかといわれると、その資料1という、平成20年度の取り組みの資料を見ていただきたいと思うんですが、18ページをごらんいただきたいと思います。平成20年度1月、平成21年1月末現在の実績という表になっているものがありまして、上から3番目が就職率、22.3%。この数字は、就職件数を全求職者数で除した数、率なんですね。
【佐藤会長】 就職率が高い部分は大丈夫なの。紀陸さんがいわれたのは、以前、全体の中の2割だったけれども、増えているのか減っているのかということなので、わからなければわからないで結構です。
【福島職業安定部長】 それは、確実に増えています。
【佐藤会長】 職安のシェアは増えている。
【福島職業安定部長】 シェアは増えています。だから、雇用動向調査でも、27%か30%になっておりますので、それは間違いなく増えている。東京においてもこういうふうに増えているということです。
それから、再就職と能力開発の関係で、どの程度就職しているのかと。訓練をした人ですね。手元の数字でかなり、科目別とか細かいのは抜きにして、平成17年度、ハローワークが受講指示をした方で、訓練終了後就職をした率38%。平成18年度54.4%。平成19年度49.9%という就職率です。就職訓練を修了して就職した率。多少じわじわと上がってきて、平成18年と平成19年は若干5ポイントぐらい落ちましたけれども、約半分ぐらいの方は修了して就職をされているという状況です。定着は、ちょっと、申しわけありません、把握をしておりません。就職率だけです。
それから、求人の掘り起こしというところのご質問があったと思いますけれども、非常に今、苦戦をしております。各ハローワークでもかなり体制を強化して、かなり総動員の形でとにかく求人を外へ行って確保するという体制を強化しているんですけれども、空振り、空振りというところが非常に多くなって、極めて苦戦をしております。それの求人を確保するときにどういう形でやるのかというのは、過去に求人を出していただいた企業で、最近求人が出てこない事業所、あるいはこれは民間の情報誌も使います。それから、インターネットでエントリー情報、リクルート情報があるような企業、すべての媒体の中で求人が出そうなところをリストアップして、とにかく、各職員が訪問しながらやっているところでございます。
それから、今やっているのは、学卒の求人が厳しい状況になるということで、実はそれ以前は大卒、高卒も含めて求人事情がいいときには中小企業は苦戦したんですが、なかなか新卒がとれないということで、新卒の求人もやめてしまうような企業があったので、過去の学卒の求人からリストアップをして充足ができなかったところを含めて、そこにまた一般求人としてアプローチをかけていくとか、あらゆる方法を駆使して、今、求人の確保の掘り起こしに努めているところでございます。
【佐藤会長】 時間も迫っているんですが、まだ二、三あれば。
【紀陸委員】 1点だけ。補助金の制度というのは、ちょっと基本的なことで確認なんですが、日本独特といってもいいんでしょうかね。欧米には……。
【佐藤会長】 だれ? 僕に?
【紀陸委員】 先生に。ドイツもありましたっけ。いや、財源がね。事業主共通の仕組みというのは日本独自ですかね。
【東労働局長】 雇用税をとっているところはそれで回していろいろやっているところがありますけれども、賃金補助という形で、フランスなんかは社会保険料のオンとか、そういったのをやってますので、それが賃金なのか、大きな意味での公費の負担のところの補助なのかという意味では、フランスなんか、イギリスも多分やっていると思いますけれども。賃金を直接というと、橋本先生はドイツの件、御存知ないでしょうか?
【佐藤会長】 ちょっと僕も、それは。どう?
【橋本委員】 ドイツはあります。
【佐藤会長】 ドイツはある。
【東労働局長】 ドイツはやっていますよね。
【紀陸委員】 いやいや、財源は雇用保険の事業主拠出のものでもって補助金の仕組みをつくっていると、そういう意味ですよ。
【佐藤会長】 あっ、財源がね。
【東労働局長】 財源ですか。ドイツは雇用税ですよ。
【橋本委員】 雇用保険の保険料です。労のほうも入っているんです。
【紀陸委員】 労も入ってる?
【橋本委員】 はい。
【紀陸委員】 事業主だけというのは、やっぱり日本だけ。
【東労働局長】 ドイツの悪天候手当でしょうか?制度替わったかもしれません。
【佐藤会長】 お金がどこからというのは、なかなかそこは難しいところだよね。
【東労働局長】 ええ、タックスとチャージとですね。ちょっと調べます。
【佐藤会長】 はい。じゃあ、はい。
【三宅委員】 2点なんですけれども、1つは、この東京都との連携というところなんですけれども、資料4の4ページのところに、緊急雇用創出事業での運営管理に関する連携というのが出ています。今回の国会で多分決まるんじゃないかと思うんですけれども、緊急雇用対策が4,000億円で出るということで、そのうち、人口割合から考えると400億円ぐらい東京都に来るのかなと思うんですけれども、これは、具体的に労働局として、東京都とどんなふうに連携なりを計画しているのか、それをちょっと教えていただきたいのと、それから、もう1つは資料2の43ページなんですけれども、労働保険の年度更新のことなんですけれども、円滑な作業ができるようにということでご説明があったんですけれども、納付の時期が変わっただけで、保険年度が変わっているわけではないのですが、結構混乱が起きているかなと思うんです。年更書類が今、かなりおくれているという話を聞いているんですけれども、次年度、ぜひ、保険年度が変わっているわけではないので、作業自体は同じなんですよね。だから、ぜひそのあたりのことを具体的に対応を教えていただければと思います。
以上です。
【佐藤会長】 いいですか。
じゃあ、どうぞ。
【山崎委員】 障害者雇用のところで、チーム支援という言葉が出ていたんですけれども、これにはジョブコーチとかそういったものも含まれるんでしょうか。その辺をちょっと。
【佐藤会長】 じゃあ、僕はちょっと局長になんですけれども、これは今日の重点対策だとか、すごく量が多いでしょう。今みたいな状況だと、やっぱり業務量がすごく、あるいはほんとうに延ばさなければいけないところがありますよね。そうすると、やっぱり、どこか当面半年やらないとか、1年やらないとかということをやらないと、実際難しいんじゃないかと。重要じゃないとは言わないけれども、そこに人は割けないわけだから、そういうことを考えられているのか。だから、変な話ですけれども、当面ここは、特定の事業を言っちゃいけないけれども、今まで5日やっていたのを半年間2日しかやりませんと。この3日分はこっちの仕事をやりますみたいなことをやらないと、ほんとうにやれないんじゃないかという気もするので、ちょっと、その辺どんなことを考えられているかを伺えればと。重点の中の、さらに重点化しないとという。
【東労働局長】 本省に各局ございまして、各課がありますので、いろいろなことで政策メニューがいっぱい来るわけですね。
【佐藤会長】 そう、たくさん来るわけ。
【東労働局長】 それで、私が一番やっているのは、安定のある就職をさせることと。それで、きちんと保険を受給させる。基準のほうなら労働条件をやっぱり向上していくと、それが基本だと。そのためのツールに過ぎない。それで、それを全部100%追いかけるというのは無理なので、プライオリティーをつけてやるということを皆さんには常々、所長には言っております。
それで、4月からはやはり雇用保険の受給者が増えるであろうということでございますので、安定部長とも相談しながらやっておりますが、そちらのほうに人を若干配置するとか、あるいは今、とても出られないんですね。お客さん対応で、求人部門も、求職部門も。そこをどうするかというところがあるんですけれども、やはり中での応援体制、仕切りはありますけれども、あいていたらパッとやるというようなことをやろうと思っております。やらなければいけないんですけれども、やはり、放っておいていいものをというんじゃないですけれ
ども、それでやらせていただきます。
【佐藤会長】 東京都との連携について、どなたがいいのかな。
【福島職業安定部長】 東京都の連携の基金事業の話。3年事業で、全国4,000億円で、東京は400億ぐらいかなと、それは違っておりまして、137億円ぐらいですね。この積算はちょっと細かいので省略させていただきたいと思いますけれども、連携は、そのうち雇用再生特別基金事業は、安定した雇用ということが一応義務化になっていまして、1年以上の雇用の見込みがある者を、雇用創出の事業で何人雇うんだと。これは東京都の交付金、国からの交付金ですので、10分の10の。それで、東京都の考え方は全区市町村におろしたいということで、今、区市町村のほうから事業計画が出ております。我々も入って東京労働局があって、この事業ならば1年以上の安定的な雇用に結びつくかどうかというのを審査をさせていただくのが1つの連携事業で、あとは、具体的に事業に着手した場合については、できる限りハローワークに求人を出していただきたいということを連携事業として求めていきたいと思っております。
それから、緊急雇用創出事業は、これはいわばつなぎ事業なんです。短期的な、臨時的な就労ですので何とも言いようがないんですけれども、ここも多分区市町村におろすというスタイルになろうかと思います。東京都の考え方は。それでも、臨時的な就労でもできる限りハローワークに求人を出していただいて、ハローワークからもあっせんが可能な状況にしていただくということは申し入れをしておりますので、こういった連携を今後強めていきたいと思っております。
【佐藤会長】 あと、ジョブコーチの件も。
【福島職業安定部長】 すみません。ジョブコーチは、当然、ケース会議のメンバーです。就労前、実習中、就労後、すべてジョブコーチに入っていただくことが非常に有効ですので、必ず入っていただくようにしております。
【佐藤会長】 それでは、雇用保険。
【山岸労働保険徴収部長】 徴収関係の変更時期の変更でございますけれども、これは社会保険との徴収事務を将来的には一元化したいということで、社会保険の算定基礎届、これの届け出期間と合同にしたいということで、今回の6月から7月10日までということになっております。それで、申告していただくのは、今までと同じように前年の4月から3月31日までを、これをすぐ、4月1日から5月20日だったのを、ただ届け出の期間を6月1日から7月10日までに申告していただくということでございます。ただ、そういうことで、今までは申告書を4月1日には事業主の皆さん方のところにはお届けするように郵送しておりましたけれども、今年度につきましては5月末に発送しまして、6月1日にはお届けするよう、今、予定をしております。また、事前の周知ということで、3月下旬に本省から各事業主の皆さん方へ、従来は、申告書をお送りしていましたけれども、今度はこういう形で変更になりますよということではがきを送らせていただくようにしております。そのほか、新聞広告だとか、ネットでのバナー広告だとか、そういったものをやっておりますし、さらにパンフレット、それからポスターですか、こういったものをつくりまして周知に努めたいというふうに考えております。
以上でございます。
【佐藤会長】 まだご質問等あるかと思いますが、もう時間も過ぎてしまいましたので、質疑はここまでにさせていただければと思います。
議題は以上ですけれども、何かほかに、そちらから特に、いいですかね。
それでは、最後に事務局を代表して局長からごあいさつをいただければと思います。
【東労働局長】 本日は、ほんとうにありがとうございました。いろいろなご意見をちょうだいいたしまして、それを踏まえまして、平成21年度に向けて鋭意やっていこうかと思っております。
それから、やはり現場の視察ですね。これは私もぜひ、皆様方に見ていただければと思います。ただ、プライバシーという面がありまして、そういう時間は皆さん方が行かれると、カメラとか入ると、サーッと、クモの子が散っていくように逃げていく、そういった現象もございます。ただ、やはりそういった意味で現場を見ていただくというのが大事だろうかと思っております。
あと、1点だけ、ご紹介だけさせていただきますが、やはりいろいろ制度を知らないということもございまして、それは我々のPR不足といったものもあるわけでございますが、最近の若い人たちが労働法についていろいろ全く知らないということで、佐藤先生に研究会を立ち上げていただいているみたいでございますので、そこら辺のところも私どもチョイスしていきたいと思っております。
【佐藤会長】 報告書、まとまりましたので。
【東労働局長】 よろしくお願いします。
以上でございます。
【佐藤会長】 それでは、どうもありがとうございました。これをもち
まして、第4期第4回東京地方労働審議会を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
── 了 ──