第4期第2回 東京地方労働審議会 議事録


日時  平成20年3月7日(金) 9時30分~11:30
2 場所  九段第3合同庁舎 11階 共用会議室1-1
3 出席者
委 員  小井委員、佐藤委員、田付委員、橋本委員、秋山委員、大浦委員、尾野委員、黒澤委員、白川委員、三宅委員、石井委員、大久保委員、野中委員、山崎委員
事務局  村木東京労働局長、木暮総務部長、森井労働保険徴収部長、山本労働基準部長、福島職業安定部長、浅野需給調整事業部長、金崎雇用均等室長
4 議題
(1) 平成19年度東京労働局重点対策の取組状況について
(2) 平成20年度東京労働局行政運営方針(案)について
(3) 第11次東京労働局労働災害防止計画(案)について
(4) 平成20年度東京労働局雇用施策実施方針(案)について
(5) その他(質疑・意見交換)
5 議事

【児玉企画室長】  大変お待たせいたしました。定刻でございますので、ただいまから第4期第2回東京地方労働審議会を開催いたします。本日、委員の皆様方には、大変お忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。
 申しおくれましたが、本日の司会を務めます総務部企画室長の児玉でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、審議会に先立ちまして、本日の欠席委員等のご報告をさせていただきます。公益代表委員の金子委員、山崎委員と使用者代表委員の上原委員、蜂谷委員は欠席される旨の連絡がございました。また、田付委員はおくれているようでございます。
 次に、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきますが、配付資料一覧のとおりとなっておりますのでご確認をお願いいたします。配付漏れ等はございませんでしょうか、よろしいでしょうか。
 次に、本日の現時点における出席委員は13名でございます。したがいまして、地方労働審議会令第8条第1項の規定により本会が有効に成立しておりますことをご報告申し上げます。
 また、審議会は東京地方労働審議会運営規定第5条第1項の規定に基づき、原則として公開の会議とさせていただき、その議事録につきましても、発言者名を含めて公開させていただくことになっておりますのでご了解願います。
 それでは、佐藤会長、よろしくお願いします。

【佐藤会長】  それでは、ただいまから第4期第2回の東京地方労働審議会を始めさせていただきます。
 本日の議事録署名委員につきましては、大浦委員と石井委員に署名人になっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に村木労働局長からごあいさつをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【村木労働局長】  おはようございます。委員の皆様には、本日は大変お忙しい中おいでいただきましてどうもありがとうございます。また、日ごろから私ども労働行政にご理解、ご協力をいただいておりますことを改めて感謝申し上げます。
 私からは、最近の雇用失業情勢と前回の審議会以降の労働行政の主な動きについて何点かご報告して、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。
 まず、最近の雇用失業情勢でございますけれども、経済情勢がご承知のようにサブプライムローンの問題ですとか、あるいは原油、原材料価格の高騰、円高、それから例の建築確認申請問題といったものもありまして、先行きがやや不透明感が出てきているというところでございます。雇用失業情勢も若干その影響を受けているかという気がしております。
 昨年1年間を通して見ますと、失業率が10年ぶりに4%を切りまして、年平均で3.9%となっております。それから、学卒の未就職が減ってきたというような、少し回復してきたよい状況があった反面、特に若年層の失業率が5%台後半から全然下がらないという状況もあって、そうしたところがいわば交錯しているような状況でございました。
 それが、昨年末からことしにかけて、先ほど申し上げた経済の影響が少しずつ出てきたかというところがございます。全国で見ますと、それまで1倍台をキープしていた有効求人倍率が、12月、1月と2カ月連続して0.98倍ということで1倍を切ってしまいました。東京につきましては、有効求人倍率1.38倍ということで、まだ1倍を大きく上回っているんですけれども、例えば、新規求人が前年より8%落ちているということで、悪くなっているとは言えないまでも、これまでの回復改善の動きが少し弱まっているということで、これからについて注視していかなければならないと考えるところでございます。
 以上が、雇用情勢についてのご報告であります。
 そのような中で労働行政でございますけれども、まず、労働基準行政関係の動きといたしましては、昨年1年間の労災事故が件数、あるいは死亡者数ともその前の年を上回る勢いにあるということを私どもは大変懸念しているところでございます。特に建設業における墜落・転落災害でありますとか、あるいは3次産業における労災事故が後を絶たないという状況にありますので、後ほどご説明いたします平成20年度の運営方針ですとか、第11次労働災害防止計画、これは来年度から5カ年の計画でありますけれども、こうした中でも、そうした点を重点の1つとして進めてまいりたいと思っております。
 それからもう1点、いわゆる一般労働条件の中でも、最近、労働基準法などの違反についての申告件数が増えてきておりまして、これについて私どもとして懇切丁寧な対応を心がけてまいりたいと思っております。
 一方、法律制度の面についてもご報告申し上げることがございます。1つは、労働契約法の成立・施行でございます。最近、個別の労働関係紛争が増えていることに対応いたしまして、こうした紛争の未然防止、あるいは早期解決を目指しまして、労働契約の成立、変更、終了に関する民事的な基本的ルールを定めた労働契約法が、3月1日から施行され、現在、周知に努めているところでございます。
 それから、同じく昨年秋の臨時国会でございますけれども、最低賃金法の改正も成立いたしまして、来年度に施行される予定になっております。
 さらに、もう1点申し上げますと、ワーク・ライフ・バランスということが、最近、大変注目を集めておりますけれども、これについて昨年末に全国レベルの仕事と生活の調和憲章及び行動指針が策定されました。
 それから、私どもの直接の関係で言いますと、関東甲信越ブロックの仕事と生活の調和推進会議におきまして、ホワイトカラーと建設業というところに絞って推進プログラムが策定されました。今後、これの周知啓発を進めていくこととしております。
 第2に、職業安定行政の関係でございます。平成19年のトータルの数字では、求人、求職、就職とも前年を下回る数字でございました。最初にも申し上げましたけれども、このところ企業の求人意欲の停滞、あるいは求職者のほうも、いわゆる自発的離職者とか、在職求職者といったところが減ってきておりまして、労働市場の動きが弱含みになっているかなということを懸念しているところでございます。
 それから、行政の動きとしては、若年の就職援助という最近の大変大きな政策課題に対応して、2月から都内のすべてのハローワークに若年者相談コーナーを設けました。ここで、1人の担当者が一貫して就職支援をするということを基本にして相談支援を進めているところでございます。
 それから、需給調整事業の関係では、新聞等で皆様はご承知と思いますが、日雇い派遣の大手のグッドウィルにおきまして、二重派遣とか、禁止業務への派遣、それから派遣責任者をきちんと選任していないといった法違反が数多く見られました。これを踏まえまして、2カ月から4カ月の事業停止命令及び事業改善命令を発出したところでございます。さらに、ほかの会社に対しまして刑事告発等を行っております。
 今後は、2月28日に日雇派遣指針が出されておりますので、それの周知徹底を進めるとともに、指導監督を強化してまいりたいと考えております。
 第3に、雇用均等行政についても大きな動きがございました、パート労働法が大幅に改正されて、正社員との均衡待遇、労働条件の明示、あるいは苦情処理、紛争解決援助などが内容となっております。これが、来4月から施行される予定でございますので、この改正法の周知、あるいは円滑な施行のための準備を今進めているところでございます。
 以上、私どもの行政の最近の大きな動きについてのご報告でございます。以上のような状況を踏まえまして、本日は、平成20年度の行政運営方針などについてご審議をいただくことにしております。
 20年度におきましては、数多くの行政課題の中から重点事項を定めまして、その達成に向けまして、先ほどご説明いたしました労働基準、職業安定、雇用均等の3行政一体となって進めていく。それから、地方公共団体、労使関係団体との連携を図っていく。そうした中で効果的、効率的な行政運営を展開してまいろうと思っております。本日は、皆様方から忌憚のないご意見、ご要望をお聞かせいただいて、行政運営方針をはじめ行政運営全般に反映させてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【佐藤会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、時間も限られていますので議事に入りたいと思います。本日は、東京労働局の行政運営にかかわるこれまでの取り組みと、今後の事業展開についてご議論いただきたいと考えております。
 それでは、初めに議題の1から4について各部長、室長から一括してご説明お願いします。そして、後でまとめて質疑としたいと思います。皆さん、座ってご報告いただければと思います。それでは、よろしくお願いします。

【木暮総務部長】  資料No.2-2、行政運営方針(案)の概要という資料がございます。これからパワーポイントでもずっと映し続けますけれども、資料をめくっていただいても結構ですし、パワーポイントをごらんいただいても結構ですのでお聞きいただきたいと思っております。
 本年度の行政運営方針の特徴について最初に申し上げますと、1つは最重点目標というものを掲げさせていただきました。4点の目標がございますけれども、後ほどご説明させていただきます。
 2つ目の特徴でございますけれども、具体的な目標を掲げ、PDCAサイクルによる管理の徹底を図ったということでございます。行政の文書は、ともすれば文書がまさに並んでいるだけということですけれども、なるべく数値目標を盛り込んだということが1点ございます。また、本日、中身は説明いたしませんけれども、資料No.1で今年度の行政の実績と課題を整理しております。そのようなものを踏まえて今回の行政運営方針を作成したということでございます。
 3点目といたしまして、要点を絞り全体の量を減らしております。
 続きまして、行政運営方針の体系でございますけれども、一番最初に最重点目標というものを4点掲げて、その最重点目標達成のために何をやるかということを頭に出しております。その後に、東京の客観的な情勢、課題の分析の文書がございまして、その後、それぞれの行政ごとの重点対策を並べるという構成にしております。例年と違うところは、最重点目標のところとお考えいただければと思います。
 続きまして、最重点目標4点でございます。一番最初は、パートタイム労働者・派遣労働者をはじめとするすべての労働者の適正な労働条件を確保します。平成20年度におきましては、これが私どもの最重点目標の中でもさらに最重点ということでございます。パート・派遣という対策もございますし、あるいは労働者全体の一般労働条件対策というものも含めているものでございます。
 2点目でございますけれども、過重労働による健康障害防止や死亡災害の大幅減少を最重点とした労働者の安全と健康を確保しますということでございます。
 3点目は、仕事と生活の調和をとれた働き方を可能とする労働環境を整備しますということでございます。
 4点目でございますが、ハローワークは求人・求職サービスを通じて利用者満足度のさらなる向上を目指しますという4点を最重点目標としているところでございます。
 それでは、具体的に最重点目標を達成するためにどういう取り組みをするかということでございますけれども、まず、改正パートタイム労働法及び指針の周知・徹底を図りまして、パートタイム労働者の雇用管理の改善に努めてまいるということが1点でございます。
 また、労働者派遣・職業紹介事業に係る法制度、これは日雇い派遣の指針というものも新たにできましたので、その周知も含めまして遵法を図ってまいりたいということでございます。その中で、派遣元だけでなくて、派遣先でありますとか、請負受託者、請負発注者等に対して個別指導監督を実施いたします。細かな数字は若干の調整がございますけれども、2,000社に対して個別指導監督をしてまいる所存でございます。あわせて、企業、事業主団体等に対しまして労働基準法、最低賃金法の周知及び遵守を徹底してまいります。また、男女雇用機会均等法の一層の理解、定着も図ってまいるということでございます。
 2点目の最重点目標の過重労働の関係でございますけれども、過重労働による健康障害の防止のために、まず、長時間労働の抑制を図ってまいります。これにつきましては、時間外の限度指針というものがございますので、これをきちっと守らせるということを基本として取り組んでまいる所存でございます。
 また、過重労働によります健康障害防止といいますと、労働衛生の側面になってまいります。産業医について75%以上、衛生管理者については70%以上の選任率という具体的な数値目標を掲げまして、指導、制度の周知を図ってまいりたいと考えております。
 また、先ほど局長から申し上げましたように、最近、労働災害が増加しているということがございます。その中で、死亡災害の大幅減少を図る必要があると考えておりまして、特にその多くを占める建設業に対しまして墜落防止対策の徹底を図ります。したがいまして、墜落による死亡災害の20%減少という目標を掲げているところでございます。また、アスベストのばく露対策、被災労働者等に対する労災給付対策も実施してまいります。
 最重点の3点目、ワーク・ライフ・バランスの関係でございますけれども、これにつきましては、労働時間等設定改善法がございますので、働き方の見直しということ、あるいは年休の取得促進を図ってまいります。また、今年度から実施しております仕事と生活の調和の会議につきましては、東京レベルの会議を立ち上げるということで、その中でプログラムの推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画につきましては、300人以上については義務化されておりますけれども、努力義務となっております300人以下企業からの届け出件数について、2,000社以上から届け出があるように周知啓発を図ってまいりたいと考えております。
 4点目でございますけれども、ハローワークの関係でございます。ハローワークの関係につきましては、今年度の1つの目玉としまして、求人のコンサルティングということを掲げております。求人者に対するニーズを踏まえた適格な人材の紹介ということは当たり前のようでございますけれども、なかなか現実には難しい問題があるということでございますので、ハローワークに求人コンサルティング部門を設けまして、求人充足プランの提案等を図ってまいりたいということでございます。
 また、求職者に対するサービスにつきましては、厳選した求人の積極的な提案に加えまして、個別担当制による支援サービスを強化してまいりたいと考えております。
 以上のようなことから、ハローワークの年間就職件数は、13万7,470件という数値を掲げまして、その実現に努力してまいりたいと考えているところでございます。
 以上、駆け足の説明になりましたけれども、以下それぞれの行政分野ごとに若干補足をさせていただきます。

【山本労働基準部長】  それでは、私のほうから労働基準の分野における重点対策について説明させていただきたいと思いますが、20年度の行政運営方針にあわせまして11次の労働災害防止計画についてお話しさせていただきたいと思っております。まず、最重点の課題につきましては、既に総務部長のほうからお話しいただきましたので省略させていただきまして、20年度行政運営方針の残りの部分について若干ご説明させていただきたいと思います。
 まず、労働契約に関するルールの遵守を徹底しますということでございますけれども、これにつきましては、労働契約法が新たにできまして、3月1日に施行されております。民事法でございまして、これに基づいて取り締まりを行うという性格のものではございませんけれども、労働紛争を防止する、早期解決を図るという観点からその周知にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。そこに2つ挙げておりますけれども、適切な就業規則の作成等や雇止め基準に基づく労働契約の更新の有無の明示、あるいは合理的な労働条件の円滑な決定や変更のための周知といったことにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、最低賃金制度についてでございますけれども、先ほど局長からお話もさせていただいておりますが、最低賃金法が改正されまして来年度施行されることになると思います。今回の法改正の主要な部分というのは、最低賃金の決定に当たりまして、労働者の方々が、健康で文化的な最低限の生活を営めるように生活保護の施策との整合性に配慮するというものであります。そういった改正法の趣旨に基づきまして、最低賃金審議会の円滑な審議の運営、具体的には適切な資料の提供等に努めてまいりたいと思っております。また、具体的に最低賃金が改定された後におきましては、周知と遵守のための監督指導といったものにしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、労働者の安全と健康の確保対策についてでございます。これにつきましては、最重点課題で、先ほど過重労働対策、建設業における墜落災害の減少ということを申し上げました。それ以外にそこに掲げております4項目を掲示しております。
 なお、平成20年度は11次の労働災害防止計画の初年度でございます。
 次に、不幸にして労働災害に遭われた方々に対しましては、何よりも迅速・適正な労災補償を実施するということが重要でございます。そういった観点に立ちまして、しっかりとした取り組みを行ってまいりたいと思っております。
 続きまして、第11次の労働災害防止計画についてご説明させていただきたいと思います。平成20年度を初年度といたします5カ年計画でございます。まず、労働災害の動向と課題でございます。そこに4つほど動向ということで特徴点を挙げております。労働災害は、長期的には減少傾向でございましたけれども、減少率は鈍化しておりまして、逆に死傷災害でいえば18年度以降は増加傾向に転じているという状況が見られると思います。毎年、死傷災害については1万件、死亡災害については年間100件程度という発生状況となっております。
 また、墜落災害や機械災害といった災害が多発しておりまして、こういった災害につきましては、死亡に至る、あるいは身体障害が残るという重篤な結果になりがちであります。しかも、設備の欠陥や管理の不徹底といったものが原因として発生しているものが多いという状況にございます。
 3つ目に、脳・心疾患、精神障害等による労災件数、いわゆる過重労働に起因する健康障害でございますけれども、この請求件数は増加傾向にございます。18年は325件の請求件数がございましたけれども、19年におきましては、さらにそれを上回る勢いで請求が行われているという状況にございます。
 4つ目には、職業性疾病についてでございますが、9次の労働災害防止計画に比べまして、10次の労働災害防止計画期間中におきましては、約30%の増加という大幅な増加になっています。また、災害性腰痛等につきましては、その職業疾病のうちの60%を占めるといった状況になっているわけでございます。
 そういう中で、課題として4つほど考えております。1つは、経営首脳者はもとより、労働者に至るまで事業場のそれぞれの方々がしっかりと安全衛生意識を持って、自主的な安全衛生活動を展開していただくことが重要である、特に、末端の労働者の方々の安全意識をどのように向上させていくのか、そこまで浸透させるという観点からの取り組みが必要だろうと認識しております。
 2つ目には、基本的にはそれぞれの事業場単位、例えば工場であればそこの工場単位で安全衛生管理活動を展開するということになりますけれども、事業場単位のみの活動では十分機能しない。そのために、例えば、上位にあります本社がどのように事業場を管理していくかといった視点、あるいは、建設業であれば発注者の方々が安全衛生に及ぼす影響、あるいは元請事業者が下請、関係請負人に対して及ぼす影響、さらに、機械等を工場等に納入するメーカーといった方々の事前の管理といった観点からの取り組みも重要であると考えております。
 3つ目には、結果として事故が起こった後に対策を組むということではなくて、事前に危険の芽を摘んでいただくといったいわゆるリスクアセスメント等の取り組みが重要だということで、その対策を積極的に取り組む必要があると思っております。
 4つ目に、健康管理の関係につきましては、健康障害防止のためには健康管理ということで、衛生管理者、産業医の選任、あるいは衛生委員会を中心とした活動の展開、さらには健康診断の実施、加えて事後措置を行っていくといった取り組みの活性化が必要だと考えおります。
 そういう中で重点対策といたしましては3つ掲げております。今、申し上げました課題に対応する形になっておりますけれども、1つは、自主的な安全衛生活動の促進ということをしっかりやっていく必要があります。
 2つ目には、災害のところで少し申し上げましたけれども、重篤な災害を防止するためには、設備、または管理面からのアプローチといったものをしっかりやっていかなければならないということでございます。
 3つ目には、健康確保をしっかり取り組んでいくということになります。この3つに取り組むことによりまして、目標を3つほど掲げております。
 残念ながら増加傾向に転じている労働災害を、死亡災害、死傷災害ともに計画期間中の毎年毎年しっかり減少させる。前年に比べて死亡災害も労働災害も各年度において減少しているといった状態をつくることを目標として掲げております。その結果といたしまして、最終年度であります24年の死亡災害を20%減、死傷災害を15%減という結果としての目標をあわせて掲げているということでございます。
 それから、衛生関係につきましては、過重労働による健康障害を中心とした作業関連疾患を減少させる。増加傾向にある職業性疾病も減少に転じさせる。こういったことを目標として掲げております。
 それでは、それぞれの重点対策を具体的にどのように展開するかということでございます。1つ目は、自主的な安全衛生活動の促進対策ということになりますが、そのうちのリスクアセスメント及び安全衛生マネジメントシステムの普及定着について少し説明させていただきたいと思っております。
 19年におきまして、安全管理者等を選任すべき事業場に対しまして自主点検等を実施した結果、リスクアセスメントを導入していますといった事業場の割合は34.1%でございました。また、安全衛生マネジメントシステムをうちは導入していますと回答があったところは20.7%という状況でございました。そういう中で、リスクアセスメント、あるいは安全衛生マネジメントシステムを導入していただきまして、自主的なリスクの低減を図っていただくということが重要でございまして、その重点の業種といたしまして、製造業の50人以上の事業場を重点としてしっかりとした普及啓発、あるいは指導等を展開してまいりたいと思っております。
 次に、設備、管理を原因とする重篤な労働災害防止対策といたしまして、特定災害対策を掲げております。その1つ目は、墜落・転落による労働災害の防止についてでございます。墜落・転落災害につきましては、その3分の1が建設業で発生しているという状況にございます。また、建設業の労働災害の60%が建築業で発生している。また建設業の労働災害のうち、70%が1億9,000万円以下の建設工事現場で発生しているという状況にございます。そういう中で、重点を定めて行政展開を図るという観点から、建築工事業を中心といたしまして、1億9,000万円以下の現場の事業場に対しまして、着工時前の指導、すなわち施工前に現場代理人の皆さん方にお集まりいただきまして、どのように現場の安全衛生管理を進めるのかといった点について重点的に指導してまいりたいと思っております。加えて、災害を多く発生させている建設業店社につきましては、1年間を通じた継続的な指導をさせていただきたいと思っております。
 2つ目に、機械による労働災害の防止につきましては、その56%が製造業において発生しております。また、機械のうち食料品加工用機械によるものが16%を占めておりまして、しかも増加傾向にあるという状況にございます。したがいまして、製造業、特に食料品製造業を中心といたしまして、災害多発企業に対しまして継続的な指導、一つ一つの事業場をとらえるのではなくて、本社等に対する指導を行いまして、傘下へ対する影響力を行使しつつ企業全体の安全衛生管理の向上を図るというものでございます。また、災害を発生させた機械そのものに問題がなかったかという観点から、機械のメーカーへの指導、機械の包括的安全基準というものがございますけれども、こういった基準に基づく取り組みを展開するよう指導してまいりたいと思っております。
 時間の都合で3つ目、4つ目については割愛をさせていただきます。
 次に、健康確保対策についてございます。過重労働による健康障害防止対策及びメンタルヘルス対策ということで掲げております。これは、20年度の最重点課題にも掲げているところでございますけれども、長時間労働の抑制につきましては、時間外労働協定を届け出いただくことになりますけれども、そういった際に、窓口におきまして、月45時間を超える時間外労働協定を届け出られたところには、そうは言いつつも、できる限り労働時間を短くしてくださいよといった観点からの窓口指導をしっかり展開していきたいと思います。
 衛生管理者、産業医につきましては、20年度は特に目標を掲げております。衛生管理者の今の選任率は68.4%でございます。1.6ポイント向上させるという目標を立てております。産業医につきましては、73.5ポイントということでございまして、1.5ポイントの上昇を目指すということで取り組みをしてまいりたいと思っております。
 その上で、平成20年4月からは、50人未満の事業場におきましても、医師等による面接指導の規定が適用になります。このため、中小規模、零細事業場の健康管理をしっかり展開するという観点から、産業保健推進センターがございますけれども、そこに面接指導の相談窓口を新たに設置することにして、そこの活用促進を図ってまいりたいと思っております。
 このほか、過重労働による健康障害防止推進運動を15年度から展開してまいりましたけれども、20年度からは新たに衣替えいたしまして、9月を中心に啓発活動を積極的に展開してまいりたいと思っております。
 もう1点、アスベストによる健康障害の防止対策についてでございますが、これについては、何よりも建築物の解体工事が今後も増加することが予想されるわけでございます。解体工事に伴うアスベストの浮遊粉じんのばく露防止を、しっかり展開していく必要があると考えております。計画届、作業届については、19年は2,267件の届出がございました。一部届け出が漏れているといった指摘もございます。地方自治体等とも連携をしっかり図りまして、届出の励行、届出を行わない問題のある事業場に対する積極的な指導といったものをしっかり展開してまいりたいと思っております。
 以上が、労働基準の分野における重点対策と11次防の関係でございます。よろしくお願いいたします。

【福島職業安定部長】  引き続きまして、私のほうから平成20年度の職業安定の分野における重点対策につきまして、19年度の実施状況も含めましてご説明し、さらには、平成20年度から新たに策定する東京労働局の雇用施策実施方針について一括してご説明申し上げたいと思います。
 20年度の職業安定の分野における重点対策につきましては、ごらんのように7本を重点対策と決定いたしました。19年度との主な違いといたしましては、障害者雇用対策を重点の第2番目に挙げているところでございます。以下、時間の都合もございますので、重点対策の上位にあるものにつきまして、簡単にご紹介申し上げたいと思います。
 まず1点目は、求人・求職者サービスのさらなる充実であります。その中で、求人者に対するサービスとしましては、資料にございますように、1から4番を主なサービスとして掲げてあります。求人者に対する最大のサービスは、いただいている求人に対する早期の充足を図る、求人企業のニーズを踏まえた人材を的確かつ迅速にあっせんしていくということでございますので、それらを念頭に置いて、まず1つは、求職者の方々に見やすい求人の内容、あるいは求人票づくりをというものを意識しまして、充足のための求人のコンサルティング部門というものを、都内の主要ハローワークに設置していきたいと考えております。こういう事業のほか、ごらんの対策を実施して求人の充足を早期に図ることに努めてまいります。さらには、求人者に対するハローワークの満足度調査というものを、定期的に実施していきたいと考えております。
 一方、求職者に対するサービスといたしましては、これも求職者の方々の早期の就職を目指すという観点から、ハローワークというのは全国のネットワークを構築しておりますので、全国のネットワークを駆使して、求職者お一人お一人に合う最適の求人をハローワークのほうから提案していくということを大きなサービスとして掲げております。
 それから、求職者に対しまして就職活動の上での課題の解決に対する支援、あるいは個別の担当制などコンサルティングというものを通じて、早期の就職を実現していきたいということを考えております。あわせまして、求人者サービスと同様に、求職者に対するハローワークの満足度調査というものを定期的に実施していきたいと考えております。
 本年度の求人・求職の取り扱い状況はごらんのとおりでございますけれども、先ほど局長からご報告させていただきましたように、求人数につきましては、本年1月末現在で対前年度比で14.6%の減少ということでございまが、これは18年8月から派遣・請負に関する求人の適正化指導というものを継続的に実施してまいりまして、その影響がかなり出ているものでございますけれども、ちょうど19年8月で1年経過しましたので、この取り組みにつきましては、やや落ちつきを見せているところでございます。一方、就職の状況につきましても、全体的に新規の求職者の減少傾向にあわせて就職件数も減少している状況でございますが、就職率につきましては、昨年同期に比べて改善の傾向を見せているということでございます。
 続きまして、重点対策の2番目の障害者雇用対策でございます。障害者雇用対策の1点目は、企業等に対する法定雇用率達成指導でございます。これまで東京局におきましては、全体的な民間企業の実雇用率の底上げに当たりましては、やや大企業が牽引役となったということでございます。ちなみに、昨年6月1日現在の民間企業等の実雇用率が1.46%でございますので、18年6月に比べて0.02%ポイント改善したという数字でございますが、これを規模別で申し上げますと、1,000人以上の規模企業が、昨年6月1日現在で1.7%でございます。ところが、300人以下企業を見ますと、いずれも1倍台を割っています。具体的には、100人から299人の規模企業が、0.86%という実雇用率でございます。そういうことを念頭に置きまして、今後は中小企業に重点を置いた達成指導というものを実施していきたいと思っております。達成指導の内容につきましては、具体的な提案を通じて実雇用数を引き上げていきたいと思っております。
 さらには、障害求職者の具体的な雇用の提案に当たりましては、3に書いてありますように、チーム支援というものを積極的に活用して、支援対象者を未達成企業等の雇用提案に活用していきたいと考えております。
 今申し上げたチーム支援という手法でございますけれども、これは18年から試行的に都内のハローワークでやっておりまして、19年度からは全ハローワークでチーム支援という方法を採用しております。これは、書かれておりますように、地域の特別支援学校、あるいは福祉施設、医療機関、区市町村、その他障害者の関係機関等も含めてチームを組みまして、そのチームの中の中心になるのがハローワークでございまして、障害求職者に係る就職の準備段階から、就職後の定着まで一貫してチームで支援をしていくというやり方でございまして、この方法は民間企業における、あるいはその他自治体における障害の雇用の経験のない企業にはまさに有効な方法でございまして、この方法をさらに強化していきたいと考えております。
 もう1つは、障害求職者に係る雇用機会の拡大でございます。先ほどのチーム支援というものを、さらに都内ハローワークで浸透させていくと同時に、個別の障害求職者に対する職業相談・紹介というものをさらにきめ細かくやれるような強化を図ってまいりたいと考えております。19年度の状況につきましては、その表のとおりでございまして、各種の取り組みにつきまして効果が出ておりまして、いずれの指標も対前年比プラスという形で状況が推移しているところでございます。
 それから、参考までに障害別の取り扱い状況をごらんいただきたいと思いますが、今年度の特徴は、精神障害者の方の求職申し込みが大幅に増加していることであろうと思います。知的障害者の方よりも精神障害者の方の登録が増加している。ところが、黄色のところが就職でございますが、就職になりますと知的障害者の方よりも精神障害者の就職がなかなか進まないというのがごらんいただけるのではないかと思います。私どもとしましては、精神障害者の旺盛な社会参加意欲というものを民間企業等に向けてさらに取り組みを強化していきたいと思いますが、いずれにしましても、精神障害者の雇用の理解というところにさらに力を入れて取り組みを強化していきたいと考えております。
 重点対策の3番目は、若年者雇用対策でございます。1点目はフリーター対策でございますが、先ほど局長からご報告申し上げたとおり、2月1日から都内全ハローワークに若年者専用の相談窓口を設置いたしました。この設置窓口を中心としてきめ細やかな職業相談を通じて、常用就職の支援をさらに強化していきたいと考えております。また、特に滞留傾向にございます30歳代のいわゆる年長フリーターに対しましても、専門的な支援というものを含めて、積極的に取り組みを強化していきたいと思います。
 もう1つは、若年対策の2番目としまして、学生・生徒に対する支援でございます。これは、在校中にいわゆるフリーターとならないように、就職の意識啓発事業にさらに努めていきたいと同時に、定着後の問題につきましても、学校と連携しながら安易な早期離職を予防していきたいと考えております。
 平成19年度の取り扱い状況をごらんいただきたいと思いますが、フリーターの常用就職支援事業としましては、昨年12月末現在で就職件数が1万6,000余となりました。
 それからトライアル雇用事業につきましては、本年1月末現在で実施件数が2,000件を超しておりまして、常用移行率が85.4%という数字になりました。特にトライアル雇用につきましては、昨年の同期に比べて8.7%ほど実施件数そのものは落ちてはいるんですが、トライアル雇用終了後の常用就職の移行率が1.1%ポイント改善したということでございます。
 それから、高校生等の内定状況につきましては、本年1月末現在86.8%という状況でございます。
 次に、重点対策の4番目といたしまして、高齢者雇用対策であります。18年4月の改正高齢法に基づいて、雇用確保措置という継続雇用制度が導入されました。現時点での導入状況につきましては、1月1日現在で規模1,000人以上企業については、すべての企業が本制度を導入していただきました。さらには、300人以上の企業につきましても99.6%という導入状況でございますので、20年度につきましては、1に記述してあります300人以下の企業に対する本制度の導入に向けて、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 19年度の導入状況はごらんのとおりでございますが、いずれにしましても、65歳まで働ける企業の割合が、まだ3割未満という状況でございますので、この状況につきましても改善して、できるだけ多くの企業で、希望者全員が65歳等まで働ける環境づくりに努力していきたいと考えております。
 その他、安心して働ける雇用環境の整備等につきましては、子育てする女性に対する再就職支援、生活保護受給者に対する支援、刑務所出所者等に対する支援、それから、新たな制度として、20年度からはジョブ・カード制度というものもでき上がりますので、これの普及促進などにつきまして取り組んでまいりたいと思っておりますけれども、時間の関係で割愛させていただきたいと思います。
 それでは、引き続いて、20年度から新たに策定いたします東京労働局雇用施策実施方針についてご説明申し上げたいと思います。
 これは、昨年10月に、雇用対策法が改正施行されておりまして、これによりこの制度が創設されたということでございます。改正前の雇用対策法の考え方は、国の雇用対策につきましては、およそ10年ぐらいのスパンで設定いたしまして、全国一律的に雇用対策にかかわる基本計画というものを策定しておりました。ところが、いろいろと雇用情勢について地域間の格差という問題が生じてまいりますと同時に、雇用情勢の改善度合いによっては、地方自治体との連携が十分ではない、あるいは、これからさらに強化するといった諸問題が生じてまいりました。このため、地域ごとに雇用情勢の改善を図るには、それぞれ地域の実情に応じた雇用対策が機動的に実施される必要があるという考えになりまして、新たにこれらを受けまして、各都道府県の労働局長が、毎年度雇用に関する施策を講ずる方針を定めるということになりました。ここで、地域が抱える雇用に関する諸課題に適切に対応していくという必要性につきましては、都道府県がそれぞれ実施いたします産業政策、あるいは福祉施策であるとか、教育施策などと極めて密接な連携が重要であるという観点から、この方針の策定に当たりましては、都道府県知事の意見を聞くこととされたものであります。これらを地方方針と呼ぶものでございます。
 これを図でイメージを説明しますと、左側にあるところが、今までの雇用対策基本計画のあらましでございます。これが先ほど申し上げた厚生労働大臣が告示で示すことになったわけですけれども、雇用政策基本方針というものが基本的に告示によって行われるということになります。それを受けまして、厚生労働本省で、全国指針というものを毎年度策定するということになります。さらには、全国指針を踏まえまして、先ほど申し上げた都道府県労働局長が、都道府県知事の意見を聞きまして、地方方針を策定するという流れになっております。
 もう1つのイメージ図をごらんいただきたいと思いますが、先ほど私のほうから、当初平成20年度の職業安定行政の分野にかかわる重点対策等についてご説明申し上げました。これをごらんいただきますと、一見同じような方針であり、行政運営方針について、知事の意見を聞けば足りるのではないかという印象を持たれるのではないかと思いますので、改めてこの関係を図で説明申し上げたいと思います。
 地方方針の内容につきましては、○○労働局地方方針というところがございますが、これは、行政運営方針の中の主に職業安定行政部分が中心となっているものでございますけれども、行政運営方針と地方方針というものの性格を見てみますと、先ほど来からそれぞれ説明をしている行政運営方針というものは、東京労働局の労働行政全般的な行政運営をどう図るかということを目的として策定されたものでありまして、労働基準関係行政をはじめ、すべての労働施策がかなり細かく記述されているものであります。これに対しまして、地方方針というものにつきましては、職業安定行政を含めた雇用施策というものを体系的に示しまして、毎年度の雇用施策の目標であるとか、あるいは重点的に実施する事項に加えまして、都道府県との連携に資する雇用関連施策も示したものとなっております。
 具体的には後ほど説明しますけれども、東京都が実施する各施策との連携に重点を置いたものになっておりまして、行政運営方針と地方方針につきましては、やや性格を異にするものだと考えております。もともと雇用対策と申し上げますのは、平成11年度末までは地方事務官制度の中で、都道府県知事の指揮監督下に置かれて職業安定行政分野がその対策を都道府県と一体的に実施しておりました。これが、12年4月に施行された地方分権一括法によって、国と都道府県がそれぞれの立場で行うという経緯がある中で、最近の地方分権の議論の高まりであるとか、あるいは都道府県から労働局、あるいはハローワークに対してこれまで以上に都道府県との連携を深めて、地域の実情に合ったきめ細かな雇用政策を実施することを具体的に要請されていることも背景にありまして、こういった地方方針の策定ということが決まったと考えております。
 それでは、地方方針の構成について簡潔にご説明申し上げたいと思いますが、3つの構成になっております。1つは、東京都内の雇用情勢と課題というものを掲げております。2つ目としましては、その課題に対する施策でございます。3番目に、雇用施策に関する数値目標という3つの柱で構成しております。
 先ほど申し上げました全国指針に基づいて地方方針を策定するという流れの中で、実は、全国指針というのは、12分野の雇用施策が書かれておりますが、東京労働局が重点的に取り上げる対策はごらんの障害者に対する就労支援の推進をはじめ4つの分野で、それぞれ東京都が行う各種の施策と具体的な連携を図ることとしております。
 重点以外の残りの8分野につきましては、3つの体系にまとめて取り上げておりまして、それぞれ施策1、施策2、施策3の中身につきましも、東京都と必要な連携を図っていくということにしております。
 私ども東京労働局の地方方針の原案に対しましては、去る3月3日に東京都知事から意見回答が3点ございました。1点目は、障害者の就職支援につきまして、東京都が実施する施策との連携を一層図られたいということでございました。2点目は、若年者の就職支援について、東京しごとセンターとの業務連携を一層図られたいということでございました。3点目は、東京都の新規事業であります低所得者生活安定化プログラムというものが3カ年計画で策定されておりますけれども、これの推進について東京労働局の協力を願いたいという要望意見が出されたところであります。
 これらの都知事の意見等を踏まえまして、文書上反映さていただいたものが、本日の資料として机上配付させていただいている地方方針(案)でございます。本日の審議会における各委員の皆様のご意見をいただきまして、最終決定をしていきたいと考えております。この方針につきましては、すべてを決定された段階で、本年3月末に公表する予定でございます。
 いろいろ申し上げましたが、地方方針の策定を機に、さらに東京都の連携をこれまで以上に加速させまして、東京都の実情に合った雇用対策をしっかり推進してまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上であります。

【浅野需給調整事業部長】  続きまして、需給調整事業の分野における重点対策について説明させていただきたいと思います。
 来年度は構成を変えまして、まず、第1番目に許可申請、届出関係のこと、それから2番目が指導監督のこと。この中身がこの次のページ、それからその次のページのほうに書いてございますけれども、それから、3つ目の柱として私どもの姿勢を示そうということで、当たり前のことではありますけれども、申告・相談等への対応ということを載せております。
 まず、許可・届出に関する部分でございますけれども、この部分についても法令遵守をしっかり求めていくということでございます。
 それから、指導監督のほうでございますけれども、これは、引き続き各関係の部門と連携を図りながら実態の把握に努めて、違法事案の発見、さらに的確かつ厳正な監督及び指導を行うということです。その中でも特に来年度力を入れたいと考えておりますのが、先ほど、私どもの局長からも話をいたしましたが、まず第1に日雇い派遣の関係でございます。先だって、指針が公布されましたが、4月1日施行ということで既に周知に努めているところでございます。4月1日以降、同指針に基づいて派遣元、派遣先を対象に監督指導を行って、派遣労働者の就業実態の把握であるとか、それから就業条件の明示といったことを徹底させていこうと考えております。
 それから、2点目が、派遣受け入れ期間の制限の適切な運用でございます。改正法施行後4年経ちましたが、これが適切に運用されていない事案も少なくないということで、この部分について周知を図る。それから、業務内容をみると実は政令業務でないとか、あるいは、1年を超えて派遣を行っているが、そのために必要な手続を怠っているというケースも見受けられますので、そういった部分についても確実に行われるように指導監督していくということでございます。
 3番目、(ウ)でございますが、引き続き偽装請負の解消に向けて、区分基準について周知徹底を図る。それから、労働基準行政と連携して、共同監督、あるいは相互情報提供を行っていくということでございます。
 それから、(エ)でございますが、特定労働者派遣事業というのは、常用労働者のみを派遣するというものでございますけれども、そのとおりにちゃんと運営されているか、登録型のような運営をしていないかという観点も含め、派遣労働者の雇用の実態把握、指導も行っていきたいと考えているということでございます。
 その次、違反を繰り返す事業者に対する行政処分等の実施ということでございますけれども、指導を行ったにもかかわらず違反を繰り返す事業者であるとか、あるいは偽装請負という就労状態にあって重篤な労働災害を発生させたといったような事業者に対しましては、行政処分、告発等厳正な措置を講ずるということです。
 それから、その次の首都圏請負・派遣適正化キャンペーンは、20年度も引き続き10月、11月の2カ月間、首都圏のほかの労働局と連携してこれを展開して、法制度の周知徹底を図っていこうということでございます。
 私からは以上でございます。

【金崎雇用均等室長】  続きまして、雇用均等の分野における重点対策についてご説明をさせていただきます。
 私ども雇用均等の分野における重点対策は、例年でございましたらば、男女雇用機会均等対策、それから両立支援対策、パートタイム労働対策ということで、大体この順番に伝統的に並べてきたところでございますけれども、来年度につきましては、冒頭、局長のほうからも説明申し上げましたように、4月からパートタイム労働法の改正施行ということがございます。来年度につきましては、局全体としてもパートタイム労働対策、一番上の重点の位置づけにさせていただいておりますけれども、雇用均等の分野におきましても、このようにパートタイム労働対策の推進ということをまず1点目の柱といたしまして掲げているところでございます。
 まず、改正パートタイム労働法に基づく適切な指導等及び紛争解決の援助ということでございますけれども、これにつきましては、改正パートタイム労働法は、まず今現在では、周知啓発ということを重点に、いろいろな場でお話をさせていただいているところでございますが、おかげさまをもちまして、非常にたくさんの説明会等の機会をいろんなところからお声をかけていただきまして、させていただいたところでございます。相当ご理解も進んでいるかと思うんですけれども、なかなかこの法律というのは技術的には難しい法律でございまして、今年度はまだ途中でございますけれども、昨年度の1年間の問い合わせ件数に比べて、もう既に10倍以上のお問い合わせをいただいているという状況でございまして、ここに来まして、一段と労使の皆様のご関心が高まっているところでございます。
 また、4月以降は、苦情処理の仕組みというものが整備されまして、労働局における紛争解決援助、調停等の利用もできるようになりますので、そのあたり、どのような状況になるかというのはまだ予想がつかない部分もございますけれども、的確にご相談に対応し、それから紛争解決についても援助していきたいと考えているところでございます。そのためには、雇用管理改善を図るためのツール、助成金制度とかいろんなものを活用して雇用管理改善も進めていかなければならないわけでございますので、これにつきましても労使の皆様にPRさせていただきますとともに、いろいろな支援についてご相談に乗っていきたいと考えております。
 それから、2点目でございますけれども、これは、男女雇用機会均等確保対策の推進ということでございます。均等法につきましては、今年度につきましては法改正がありまして、4月から施行ということがございまして、現在のパート法のような状況で、均等法につきましては今年度当初周知を進めてきたところでございます。改正法が施行されましてから約1年たちまして、いろいろな場にご理解は浸透しているかと思いますけれども、なお、いろいろなご相談等は増えている状況でございます。引き続きまして、法の周知に努めていきたいと思いますが、その中でも、例えば、今回男女雇用機会均等法が、男女両方に等しく適用される法律になったということで、ややもするとポジティブ・アクションの部分についてご関心が薄れていくような傾向もございますけれども、まだ分野によって、女性の能力発揮の進んでいないところもございます。引き続き、ポジティブ・アクション等につきましても周知啓発を図っていきたいと思っております。
 それから、セクシュアルハラスメント関係のご相談というのが相変わらず高水準でございます。これにつきましても十分理解が進むように、それから、紛争になったときに適切な援助をできるようにということで努めてまいりたいと思っております。
 もう1点、母性健康管理対策とございますけれども、これに加えまして、妊娠出産等に伴う不利益取り扱いの禁止というのが、均等法の改正で強化されたところでございますけれども、これにつきましても非常にご相談が多いところでございます。引き続きまして対応を進めていきたいと考えております。
 それから、3つ目の柱でございます仕事と家庭の両立支援対策でございます。こちらにつきましては、育児・介護休業法の施行というのが基本でございますけれども、最近では育児休業が、企業によってはかなり長期的にとれるような状況がございます一方で、まだまだ小規模企業においては制度の普及が進んでいないという現実もございます。小規模企業における制度の普及促進につきましては、中小企業子育て支援助成金というものもできまして、これが、今年度の後半から利用が激増してきております。このような助成金等も活用いたしまして、小規模企業への制度の普及促進に努めていきたいと思っております。
 それから、2つ目の次世代法の施行というところでございますけれども、次世代法につきましては、301人以上の届け出義務のある企業につきましては、届け出がもう既に100%近くの水準になってきているということでございますけれども、まだ301人以下企業の中小企業の行動計画の策定届け出につきましては、まだまだという状況でございます。これにつきまして、東京は非常に企業数が多いのでなかなか働きかけが難しいところでございますけれども、局の重点の中でも、来年度、特に中小企業の届け出が努力義務となっている部分についての届け出促進を図っていくということにしております。
 なお、次世代法につきましては、法改正が予定されておりまして、つい最近でございますが、3月4日に閣議決定されたところでございます。その改正の中身といたしまして、今後、23年度から予定されておりますけれども、次世代法の行動計画の策定届け出の義務づけの対象範囲が、現在の301人以上企業から従業員101人以上企業に拡大されるということで、これは準備期間をとりまして23年度からの予定となっております。それから、一般事業主行動計画の公表を企業に義務づけるということも盛り込まれておりまして、これにつきましては、21年度からの施行を今のところ予定されているということでございますので、その準備ということもございまして、中小企業における行動計画の策定に、なお一層来年度は取り組んでいきたいと思っております。
 それから、引き続きまして生活と仕事の調和ということの関連もございまして、私どものほうでも、職業生活と家庭生活の両立の推進に関する啓発活動については、関係のところと連携しながら進めていきたいと思っております。
 また、マザーズハローワーク等とも連携いたしまして、再就職希望者に対する両立支援に積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

【森井労働保険徴収部長】  それでは私から、総合的な労働行政分野におけます重点対策の労働保険適用徴収関係について、3点ほどご説明させていただきたいと思います。
 まず、1点目でございますけれども、労働保険の未手続事業一掃対策でございます。労働保険未手続事業一掃対策は、労働保険適用徴収業務の最重点対策でございますが、平成17年度を初年度といたしまして、第1次労働保険適用促進3カ年計画を実施いたしました。12月末現在で1万6,968件の成立件数となってございます。第1次計画の総括を踏まえまして、第2次労働保険適用促進3カ年計画を策定し、局内関係部署、監督署、安定所、関係団体と連携を図りまして未手続事業の的確な把握に努め、強力な加入勧奨、成立手続指導を計画的に実施することといたしております。また、手続指導に従わない事業場につきましては、局及び署において積極的に職権成立に取り組むこととしてございます。
 未手続事業一掃対策の広報でございますが、年度更新時期及び10月に実施されます労働保険適用促進月間を中心に、創意工夫した広報を集中的に実施し、より効果的な広報活動を展開することとしてございます。
 2点目は、労働保険料・一般拠出金の適正徴収についてでございます。1月末の徴収決定・収納状況を申し上げますと、徴収済み決定額は9,616億728万4,715円で、収納済み歳入額は9,459億4,931万6,785円、収納率は98.37%で、前年度比1.1ポイント増でございます。
 労働保険料・一般拠出金の適正徴収につきましては、まず、年度更新業務を的確かつ円滑に実施いたしまして、適正な事務処理に努めることとしてございます。それとともに、効果的な算定基礎調査と積極的な滞納整理を実施することとしてございます。
 なお、平成21年度から、年度更新期間の変更がございます。現行は、4月1日から5月20日まででございますが、平成21年度からは6月1日から7月10日となります。この年更期間の変更につきましての周知を図ることとしてございます。
 3点目は、労働保険事務組合の活用及び育成・指導でございます。労働保険事務組合の一掃の活用促進を図るとともに、法令及び労働保険事務処理規約等にのっとりました適正な業務運営が行えるよう計画的な監督・指導を行うこととしてございます。
 以上、労働保険適用徴収関係のご説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

【佐藤会長】  それではご報告、説明をいただきましたので、これから質疑に移りたいと思います。ただ、時間も限られていますので、前回と同じように質問はまとめて出していただいて、まとめてお答えいただいてというのを2巡、時間があれば3巡ぐらいやれればと思います。ですので、どの施策分野かとかどの方と、分野を特定されたら明記して、あるいは全体であればそれは構いませんけれども、ご質問いただければ。ですから事務局側は、それは自分の質問かどうか確認してメモをとっていただいて、回答を考えていただければと思います。
 それと、質問と意見はなかなか分離は難しいと思いますが、前半のほうは質問を中心にと。もちろんその質問に関連したご意見は一緒に出しても構いませんが、初めのほうは、まずできるだけ質問を中心に出していただければと思います。どなたからでも。じゃあ、どうぞ。続けてまたほかの方、お願いします。

【黒澤委員】  時間の関係がありますので、簡潔に質問させていただきます。ページでいうと54ページ、前後するかもしれませんけれども、パートタイム労働法の関係でいうと、ことしの4月1日施行ということで、とりわけ2番目に書いてあります均等待遇に取り組む事業主への支援という形が出されておりますが、具体的にちょっとわからない部分があるので、すいませんけど具体的にはどのような支援なり助成があるのかどうか、教えていただきたいというのが1つであります。
 それから36ページの高齢者雇用の関係ですけれども、ここには、定年延長よりもどちらかといったら再雇用制度が多分多いのではないかなと思っておりますが、先ほどご説明の中で、できるだけ希望者全員に向けた環境づくりにというお話があったんですけれども、とりわけ今、現行でいうと、希望者全員は圧倒的に少ないと思うんです。具体的にどのようなことを考えておられるのか、ネックになっているところはどういうところがあるのか、もしあれば説明をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、労働保険の関係で、98%収納で、1.7%ぐらいが未納になっているというお話がありましたけれども、じゃあ未納のところはどんな対策をとっておられるのか、すいませんけど教えていただきたいと思います。

【佐藤会長】  とりあえずは3点でよろしいですか。

【黒澤委員】  はい。すいません。

【佐藤会長】  ほかの方、続けて。どうぞ。じゃあ、そちら、こちらというふうにいきますので。

【白川委員】  私からも54ページの雇用均等の関係で、パートタイムの対応なんですけれども、既に昨年の10倍以上の相談が来ているというお話でございます。私、JAMという産別でございますが、私どもも本省のほうから説明を受けましたけれども、やはり事業主判断が非常に微妙で、とらえづらいところがあるのではないか。例えば、正社員とのフルタイムの場合の責任、権限がどう同等程度と見るのかというのが、事業主は非常に難しいのではないか。実際の仕事の状況に入り込まないと、相談に乗り切れないところもあるのではないか。具体的に、今後しっかりとした相談体制を構築していく上で、どのような考え方をお持ちなのか、ぜひお聞かせいただければと思います。
 以上です。

【佐藤会長】  はい。これは1番目とも重なると思います。それから、秋山さん。

【秋山委員】  雇用均等のところで、1点お伺いしたいんですが、56ページの次世代法に関してで、届け出を今後推進していくということだったんですが、一方で認定ということで、私どもの企業もぜひ認定を目指していきたいと現在思っているんですが、認定される企業を増やしていくために、周知ですとか、例えば具体的な進め方等、今後そういったところを推進していくために何か取り組まれることがあったら、教えてください。お願いします。

【佐藤会長】  ほかには……、どうぞ。

【三宅委員】  18ページなんですけれども、1点だけ。健康確保対策で、アスベストによる健康障害防止対策ということで、ばく露防止というのが出ています。そこでちょっとお聞きしたいんですけれども、従来、アスベストが対象になっているのが、白と青と茶と言われていたんですが、この間新たに新聞報道などで、日本では扱われていないのではないかと言われていた3種類のアスベストが検出されているということがありました。
 従来の検査では、それは検査の対象になっていなかったと聞いているんですけど、そのあたりの再調査の指導というか、ばく露防止対策の関係で、そういう指導はどうされるのか、そのあたりを教えていただければと思います。

【佐藤会長】  あと1人か2人、伺ってからお答え……、とりあえずはよろしいですか。
 じゃあ、ここまでということで、均等関係が一番多いので、均等室長。それから安定関係、徴収、あとアスベストは基準、そんな感じで。マイクがこうだから、こちらから行きますか。まずここからで、あとはマイクが渡しやすい方向で。
 よろしくお願いします。

【金崎雇用均等室長】  わかりました。ありがとうございます。
 パート法につきまして、大きく2つほどご質問をいただいておりますので、お答えさせていただきます。パート法の関係でございますが、事業主等向けの支援ということで、どういう中身かとご質問をいただきましたけれども、1つにはパートタイムに関しまして助成金がございまして、短時間労働者均衡待遇推進助成金でございますけれども、事業主向けにいろいろな法を上回るような改善がされたときに、支給できる助成金がございます。これについては短時間労働援助センターということで指定されております21世紀職業財団で担当しておりますけれども、こういうものにつきましても活用の促進を図っていきたいと思っております。
 それから、これだけではなくて、具体的にどのような雇用管理改善をしていけばいいかというご相談に関しましては、4月以降、「均等待遇推進コンサルタント」が室のほうに配属されることになっております。このコンサルタントが企業訪問等もさせていただきまして、アドバイスをしていきたいと考えております。また、当然労働者の方向けにも、いろいろな場で資料を提供させていただきたいと思っております。これが1つ目でございます。
 もう1点の、非常に相談が増えているということでご心配をいただきまして、どのように相談体制をとっていくかでございますけれども、当然均等室で頑張って相談対応をしていかなければいけないところでございますが、先般、労働局としても、全体で応援体制をとるようにということで、本省のほうから別途通知がございました。東京局におきましても、局長にリーダーシップをとっていただきまして、局全体で均等室を応援してやろうということで相談中でございますので、できるだけ遅滞なく施行できるように、体制を整えることとなっております。
 それから次世代法の関係でございますけれども、次世代法は今年度、初年度ということでございまして、予想以上にといいますか、東京ではたくさん認定をさせていただきました。全国の半分以上だと思いますけれども、1月末現在で233社の認定をしております。来年度につきましては、2年計画の最初が今年度の認定でございましたので、勢いとしては少し少なくなってくるかなと思うんですが、また3年計画の事業主様の最初の認定が4月以降たくさん出てくるのではないかなと思っております。
 私どもは次世代認定について、初めての経験で認定してきたものですから、細かいところで、いろいろ企業にもこういうふうにお知らせするべきであったと思うことも多々ございまして、そういうことにつきましても次世代認定通信という局独自のお知らせを、認定希望の事業主のところにはお配りして、発送しましてPRをしておりましたり、あるいは事前相談会ということで、ホームページ等でもPRをいたしまして、事前に相談に来ていただく取り組みもしているところでございます。
 引き続きまして、事業主団体の皆様にもこれまでもご協力をいただいてきたところでございますけれども、いろいろなところのお力をかりながら、認定が少しでも進むようにPRをしたいと思っております。また、年度末でございますので、ポスターの駅張り等もしまして、PRをしていきたいと思っております。
 以上でございます。

【佐藤会長】  それでは高齢者雇用です。安定部長。

【福島職業安定部長】  それでは高齢者雇用についてご質問をいただきましたので、お答えします。
 昨年、6月1日現在での雇用状況報告をとりまとめた段階の数字を申し上げますと、1,675社雇用状況報告をいただいたのですが、いずれにしても制度導入を図ったところは1,500社を超えているわけです。現在は、もう少し数字が上がっているんだろうと思っております。
 内訳を申しますと、雇用確保措置の状況は、雇用確保措置をとられた企業の中で、定年制がなしというのが2.1%でございました。それから定年を引き上げたところが11.6%、合わせて13.7%。残り86.3%は、継続雇用制度を導入したという結果です。
 問題は、継続雇用制度を導入した86.3%の企業がどういう状況かというと、希望者全員を65歳まで継続的に雇用するのが、26.7%でございます。73.3%の企業は、希望者全員ではなくて、労使協定なり、就業規則の中で、65歳まで継続的に雇用するための一定の合理的かつ客観的な基準を設けているということでございます。
 次に、26.7%の割合をどこまで引き上げられるかでございまして、就業規則については、大企業3年、中小企業5年という制約もございますので、できるだけ私どもとしてはハローワークの企業指導を通じて、この期間を短縮していただき、また、希望者を雇用する割合を、セミナーであるとか、いろいろな手法を使いながら高めていくと同時に、未導入企業をなくすというところも含めて、指導を強化していきたいと考えております。
 以上でございます。

【佐藤会長】  じゃあ、基準部長、アスベスト関係ですね。

【山本労働基準部長】  それでは、私のほうからはアスベスト関係でございますけれども、確かに、白、青、茶以外に、新しく別のアスベストが見つかったということで、新聞報道等もされたということでございます。当然のことながら、今まで一度、建築物にどういったアスベストが含まれているのかという調査をしておりますけれども、改めて自治体のほうにお願いいたしまして、どういったものが含まれているのか、建築物の再調査をやっていただいているところでございます。
 また、建築物の解体工事の場合には、計画届だとか作業届といったものを出していただくわけでございますが、建設業者を中心としまして、そういった新しいものも出てきていますよということは、しっかりと周知していかなくちゃいかんということで、いろいろな機会をとらえて周知活動も展開しておりますし、計画届とかいったものが出てきた際には、大丈夫でしょうかという点をもう一度確認しながら、必要な指導を行っていくということで対応していきたいと思っております。

【佐藤会長】  徴収部長、さっきの未徴収の問題ですね。

【森井労働保険徴収部長】  未徴収の関係につきまして、説明させていただきたいと思います。多額の滞納をしたり、多年度にわたりまして滞納を繰り返しております、そういった納付意欲の低い事業主に対しましては、財産調査等を実施いたしまして、差し押さえ等の滞納処分を積極的にしております。
 もう少し具体的な手法を申し上げますと、管轄ごとの滞納債権の把握と、それから担当制によります一貫した滞納整理を実施するために、複数の徴収専門官によります方面制を導入して、きめ細やかに滞納整理を図っているところでございます。
 ちなみに前年度、実は東京は収納率が98.81%で、これは全国3位でございまして、東京のような大局でここまで至るのは、非常に大変なことでございました。今後ももっと収納率を上げることを目指して取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

【佐藤会長】  それでは、もう質問がだめという意味ではなくて、質問プラスご意見という形で移らせていただきたいと思いますが、1つは先ほど東京労働局雇用施策実施方針については、ご意見を伺って、変えるべきところがあれば変える可能性もあるというお話でしたので、それも念頭に置きながら、ご意見をいただければと思います。
 どなたからでも結構ですので、いかがでしょう。どうぞ。

【尾野委員】  過重労働による健康障害防止運動を5年間やっておりまして、ことしの3月で終わるということなんですけれども、5年はちょっと長かったかなという気はします。当初、単年度ではなくて複数年の取り組みをされて、私どもとしても活用させていただいて、周知なりに非常にいい効果が上がってきたと思っています。
 ただ、実際そういったものは拡大している状況にあるので、今年度単年度で、重点目標にはなっておりますけれども、この5年間の活動を総括していただいて、できれば単年度の重点というよりも、複数年の方針を立てていただいてPRをしたほうが、よりそれぞれ、私ども労働組合あるいは企業の皆さんにもPR力があるんじゃないかということで、ぜひひとつ検討していただきたいなと思います。
 それから2点目がパート法の関係で、現在は法の定着ということで、周知の時期だと思いますけれども、ある一定の時期を過ぎたら、点検はなかなか難しいかと思うんですけれども、例えば正社員化の関係の問題でも、制度をつくって実態が伴わないことも可能性としてはあります。就業規則の規定例を見ても、上司が推薦をした者というのが例として挙げられているわけで、職場の上司がパートタイマーの方を正社員化するという考え方がなければ、実際そういう方が出てこない可能性も、就業規則の規定例の中であれはいかがなものかなと思っているんですけれども、そういう部分もあるので、監督・点検の時期も、1年ぐらいたったらあるんじゃないかと思うので、ぜひそういったこともお願いしたいということです。
 それから3点目。3点で終わりますけれども、安全の関係で、リスクアセスメント、マネジメントシステムの導入を重点的に、50人以上という形でやりましたけれども、例えばこの安全の資料を見させていただいて、資料4-2の資料安No.24に規模別の死亡者とか、25に規模別の死傷者数が出ていますけれども、多いのはやっぱり圧倒的に50人未満になっているので、そこをやらないということじゃないと思うんですけれども、規模の大きいところじゃないとなかなか導入しづらいという部分で、まずはということだと思うんですが、一番大きいのは50人未満のところなので、そこに対しても抜かりのないようにぜひお願いしたいと思います。
 以上です。

【佐藤会長】  ほかにはいかがですか。どうぞ。

【三宅委員】  死亡災害の減少の問題で、建設産業で非常に増加しているということなんですけれども、特に1億9,000万円以下の工事で多いということなんですが、建設業は中小・零細事業所が多いことと、重層下請になっていることが、安全の徹底がなかなかできない原因の1つではないかなと考えているんです。
 それで、さまざまな小規模な事業所でも、安全大会を開けるような施策をとらなくてはいけないと思うんです。私どもの組合でも、各組合単位、それから支部単位などで安全大会をやっているんですけれども、やる上で効果的な読本というか、そういうものが不足しているのではないかなと思うんです。
 地方の労働局などでは、重大事故、死亡事故の事例、そして対策集みたいなものを、絵入りでつくっていると聞いています。私は香川県のものを見せてもらったんですけれども、絵が入っていて非常にわかりやすいんです。特に中小事業所が多い関係で、そういうところに個別に対応するのはなかなか困難だと思うんですけれども、ぜひそういう事例集、対策集を、絵が入っているものでつくっていただいて、私たちの組合の中でも集めて、どこでもやれるようなものをつくっていただくとありがたいなと思うんです。
 それで私たちの組合の中では、60代の人の事故が結構多くて、これも何か対策を打たなくてはいけないなと思っているんです。高齢者の働き方というか、大規模なゼネコンだとかいうところの現場であれば、高齢者は高いところには行かないし、入場もできないケースがあるんですけど、小さな現場では何も問わないのが一般的ですので、そのあたりの対策も含めて、ぜひ検討をお願いできれば。とにかく事例集が欲しいなと思います。
 以上です。

【佐藤会長】  ほかにはいかがでしょうか。
 じゃあ、私から2つあって、先ほどの次世代法のことですけれども、これは法改正が決まった後のことなんですが、101人以上は行動計画をつくらなきゃいけないと。そうすると、東京についていうと、すごい企業数になるだろうと。これをどう円滑にやるかということで、つまり平成23年ですけれども、23年にどっと出されると、正直言って大変だと思うんです。できればもちろん自主的に、23年より前から出していただく企業が、ある程度あるほうがいい。その辺をうまく広報していただくといいかなと。
 つまり、23年度からみんなつくらなきゃいけなくなりますと。早目に、自主的に出せば認定も早くもらえるわけですから、23年に出すとその後2年になります。つまり同規模企業がみんな出すようになるわけですから、どうせなら早目に出して早く認定をとったらいいのではと。例えばですけれども、やはり早目に出していただくことを広報していただくのも1つかなと。それはある面では、行政事務も円滑にするし、早目にやっていただくと企業にもプラスだと思うので、そういう広報をちょっと工夫していただければというのが1つです。
 もう1つは、大企業でもかなり誤解があって、認定がとれなかった。例えば僕がよく聞くのは、有期契約を正社員だけやればいいと誤解していたところがかなりあって、有期でも常用労働者、特に30時間以上については適用対象だというのを、大企業でも知らなくて認定がとれなかったこともありますので、幾つか、十分に周知されていなかった点について、多分中小企業だと余計そういうことが多いと思いますので、説明会をやるというお話がありましたけれども、できればやっていただければということです。それだけです。
 あと、安定にかかわるところで、若い人たちの就業意識啓発みたいないろいろなことをやられているみたいですけど、ちょっと気になっているのは、大学生でもそうなんですが、高校生の就職する人が基本的な法律の知識を持っていない。例えば再均制度を知っているのは、就職する高校生では五、六割なんです。
 こういうキャリア意識教育もいいんですけど、基本的な権利、例えば就業規則に規定されていなくても、子供が生まれれば育児休業がとれるわけですけど、これを知らないと、就業規則に規定されていないととれないと思っちゃう人も結構いるんです。そういうパンフレットか、つまり就業意識啓発じゃなくて、基本的に知っておくべき権利みたいな教育をやられているか、もしわかれば教えていただければと思います。
 私ばっかりじゃなくて、ほかにはいかがですか。
 よろしいですか。そうすると、均等と基準と、あとは安定と。それではこちらから今度は戻るという形で。

【山本労働基準部長】  それでは私のほうから基準関係についてお答えしたいと思います。まず1つは過重労働による健康障害防止対策でございます。本年度は労働局全体の最重点課題として積極的に取り組むということですが、第11次の労働災害防止計画の中でも最重点という取り組みでしておりますし、当然のことながら、それは中期計画でございますから、中期的な問題点を視野に置いているということではございます。
 一方で、啓発活動を中心に展開するということで、過重労働による健康障害防止推進運動をまた別途やるわけでございますが、こちらについても、一応11次防に対応する形で、中期的な視点を持って取り組みたいと思っております。実は今まさに、どんな取り組み中期的な展望に立ってやろうかと検討しているところでございますので、尾野委員のご意見も伺いながら、しっかり対応していくようにしたいと思っております。
 それから、もう1つ、リスクアセスメントとかマネジメントシステムの問題でございまして、実際事故が起きているのは50人未満ではないかということで、そういったところにも定着をというお話でございます。確かにそのとおりでございまして、事故が起きているところは50人未満のところも非常に多いという状況でございますけれども、これはリスクアセスメントとか、安全性マネジメントシステムといったものの性格から、まず大きなところでしっかりお手本をつくっていただこうと。
 そういった意味において、50人以上の製造業、特に機械設備等を有しているところにまず範となってそういった取り組みをしていただこうということで、重点と言っておりますけれども、それ以外に、例えば事故を起こしたところについては、当然その都度、リスクアセスメントの普及啓発をやっておりますし、さまざまな集団指導とかをやっておりますので、その場ではわかりやすい小規模零細企業用のリスクアセスメントのリーフレット、簡潔版みたいなものをつくって活用しながら、周知啓発を図っている状況でございます。しっかりやっていきたいと思います。
 それから、建設業の中小零細の現場、あるいは事業者の方々に対して、わかりやすいパンフレット、リーフレットをつくれというお話だろうと思います。実は中小企業向けのとか、あるいは高齢労働者の方向けのパンフレットをつくっております。ただ、要は小難しいものをつくるんじゃないと。もっと絵で見て、何をやったらいいんだというのが一目でわかるようなものをつくれというご趣旨だろうと思います。そういった趣旨を踏まえて、これからまさに11次防の中でも、パンフレット等をつくっていきますので、わかりやすい、理解しやすいものに努めていきたいと思います。よろしくお願いします。

【佐藤会長】  もしわかればで結構です。

【福島職業安定部長】  それでは、わかる範囲でお答えします。
 今、会長がおっしゃったことも事実だろうと思います。生徒自身が労働法のことをよくわからないのはもちろんのこと、実は進路指導の教諭も十分理解しているとは言えない一面もありますので、ここはハローワークとして毎年、特に高校生の場合は進路指導の担当教諭と連絡会議を、四半期ごとにやっています。その中でいわゆる労働法の講義をしたり、あるいは我々、都庁時代は産業労働局もポケット労働法というのをつくっていまして、そのポケット労働法を、版権をいただくわけにいきませんので、コピーして使わせていただくということをやっておりまして、国側としてそういうものをつくっているかというと、今のところはつくっておりませんので、ぜひ20年度に向けて検討していきたいと思っております。

【佐藤会長】  僕もポケット労働法、知っていますけど、結構大きいんですよね。知っておくことは20個とか10個ぐらいとかにしたほうがいいかなという気もしないでもない。
 どうもすいません。均等室長、何かあれば。

【金崎雇用均等室長】  はい。最初にパート法の関係で尾野委員からご指摘いただいたところでございますけれども、よく私どもの配っておりました資料をごらんいただいておりまして、ありがとうございます。ご指摘いただいたところは本省が作成して全国に配りましたパート法の解説パンフレットの就業規則の例だと思うんですけれども、そのようなご意見がありましたことは、本省のほうにも伝えたいと思っております。
 それからまた、実効性の確保につきまして、一定の期間で点検をするべきであるというご意見につきましても、もちろん東京局としても工夫を考えなきゃいけないと思っておりますが、そのあたりも本省の担当のほうにもぜひ伝えたいと思っておりますので、また何かございましたらお知らせいただければ、大変ありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それから、佐藤先生からご指摘がございました次世代法の関係でございますけれども、確かに東京は、書類をどうやって保管するかというところからして、非常に準備が大変かなと思っておるんですが、今301人以上企業が4,000社ちょっとございます。これが101人以上規模になると、場合によっては1万ぐらいは増えるんじゃないかなと思っております。局の重点施策のほうにも数値目標で掲げておりますように、当面、300人以下企業の届け出2,000社を目指すと来年度掲げておりますけれども、それでもまだ数千社残る計算になってございまして、そのあたりが非常に課題でございます。
 ぜひ事業主団体のお力もかりまして、円滑に進めていきたいと思っておりますが、正直いいまして企業の把握自体が、大企業の場合は大体把握できますけれども、ちょうど100人前後になりますと非常に難しい問題もございますので、これも現状では課題と思っております。
 それから最近、見ておりまして非常に目立つといいますか、私どもとしても課題になっているのが、企業分割とか統合、それから企業の変更、企業名の変更も含めて、いろいろな再編が非常に進んでおりまして、次世代法において、例えば認定された企業についてもそうなんですが、計画期間中に分割されるとか統合するのがほんとに日常茶飯事でございまして、それは1つ1つご相談等ありましたら、対応しておりますけれども、それが101人以上になりますと、子会社等でたくさん出てくるところもございますので、分割されたときにどうするかとか、そこら辺の課題もございます。企業グループでお取り組みいただくのがいいのかなと思っておるんですけど、そのあたりはまだ未知の課題がいっぱい出るかなと思っておりますので、いろいろお知恵をいただければと思っております。
 それから、佐藤先生からもう1点ご指摘がございました、大企業でも基準について十分理解されていなかったところがあって、認定取得にご苦労されているんじゃないかというご指摘だと思うんですけれども、おっしゃるとおりでございまして、それにつきましては私どもももっと細かいところまでPRしなければならなかったところもあり、また細かく決まっていなくて、初めての制度なので、いろいろなところで疑義が出てきたこともございました。
 お手元にはないんですけれども、もしかしてお帰りになってお持ちになっていらっしゃったらと思うんですが、先般11月の審議会のときに、次世代認定通信という資料を配付させていただいているかと思うんですけど、その中で最初の認定をやっておりました経験から、このあたりが誤解がありましたということをお知らせしておりまして、この資料につきましてはホームページにもアップしておりますので、もし何かございましたらホームページも見ていただいて、ご意見等がございましたらまたいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【佐藤会長】  先ほどご質問があったパートタイマーの社員への登用制度のモデル例ですか、僕はそれをきちっと見ていないんですけれども、改正パート労働法上、管理職の推薦があるのは違法ではなくて、合理的な基準がちゃんとできていればいいわけですね。例えは社員についても、管理職になる場合、推薦があるわけで、それがいけないなんてことはないので、合理的な推薦ルールが明記されていればそれはいいはずなので、僕は見ていませんけれども、それがあればいけないということではないと思います。というのが私の理解です。それが合理的であればです。

【尾野委員】  もちろん当然だと思いますし、実際は職場で上司が推薦しなければならないのは事実なんですけれども、なかなかそういう取り組みがされない現状の中でしていこうという規定例としてあるのは、そういう見方もされちゃうんじゃないかということなんです。受け取るほうで、じゃあ、うちはそういう仕組みをつくっておいて、だけど推薦しないから、なしよと。何年も登用する人が出なくて、だけど規定はあるからオーケーじゃ、うがった見方をされてしまうのではないかという懸念がありますということです。

【佐藤会長】  わかりました。そういう趣旨で。
 ほかに……、もうそろそろあれですか。まだ少し時間がありますから、無理に伸ばすつもりもありませんので、きょうのご説明以外でも、この機会に少し伺いたいとか、ご意見で述べたいということがあれば。労働局の事業にかかわることであればですが。よろしいですか。
 それでは、一応ご意見を伺えたということで、ご質問、ご意見をこれからの行政に生かしていただければと思います。
 ほかに何かございますでしょうか。

【大久保委員】  1つだけよろしいですか。

【佐藤会長】  はい。

【大久保委員】  感想です。きょう伺っていて、ほんとうに水も漏らさぬ、行政がいろいろやっていただいていることはありがたいと思いますが、頑張っていただきたいと思いますけれども、経営側から言わせますと、バブルが崩壊した後からの企業経営は、いわゆるリストラという、人の問題だけじゃないんですけれども、これが行われて、非常に人事労務、総務担当者が少なくなっているんです。そういう中で、後から後から制度が変わって出てくるものですから、これは旧日経連も問題があったのかもしれませんけれども、要するに手が回らなくなっちゃうという中堅・中小が多いんです。こういうこともちょっと頭に入れておいていただきたいというのが1つ。
 それから先ほどの労働基準法の問題で、例の若い人が理解しにくいというので、私どもは新入者教育を広くやっているときに、弁護士さんに、おまえさんたちをこれが守ってくれるんだよということをやると、非常に興味を持って聞いてくれる例があります。数年前からやっております。
 それから最後ですけれども、これは厚生労働省本省のあたりで議論がこれからまた出るでしょうけれども、例の管理職の役割の問題、範囲の問題は、やっぱり日本人の働き方の問題はホワイトカラーなんです。ですからホワイトカラーの働き方という問題についても、近い将来、よく見ていかないと。問題はホワイトカラーだと思うんです。ブルーカラーはきちんとある程度守られておると思うので、ぜひ、何か。ただ感想で恐縮ですけれども。

【佐藤会長】  どうもありがとうございました。
 議事は終わったのですが、事務局のほうから何かご発言があるということですので、それではよろしくお願いします。
 マイクありますか。

【村木労働局長】  この際、委員の皆様に1つご提案といいますか、お諮りしたいことがございまして、今、資料も配らせていただいております。
 私ども労働行政は、ご承知のように直接企業ですとか労働者の方々と対応しておりますのは、均等室なり需給調整部はここで皆様にご説明させていただいておりますけれども、それ以外は主にハローワークですとか、労働基準監督署で業務を行っております。
 そこで、審議会の委員の皆様にも、一度そういったところにおいでいただいて、直接現場の署長であるとか、担当者から今どういうことが起こっているのか、あるいはどういう悩みがあるかということについてお聞きいただいて、またご意見をちょうだいできればと思っております。
 実際、例えばハローワークもこの5年で設備等も、中の進め方も随分変わっておりますので、それは昔見たよという方も、ぜひ最新の状況をごらんいただければと思っておる次第でございます。そこでお手元にございますように、皆様のご賛同がいただければ、監督署、ハローワーク、あるいは実際の建設の工事現場で今どういう安全状況になっているかということも含めて、何回かに分けて視察及び意見交換会を実施させていただきたいと考えているのでございますけれども、いかがでございましょうか。

【佐藤会長】  いかがでしょうか。3回ぐらいでやりたいということで、つまり、ご都合のつく方は可能な限り出てくださいということで、ここで決めたから出なきゃいけないということではないと思います。いいことかなと思いますけど、いかがでしょう。

(「賛成」の声あり)

【佐藤会長】  じゃあ、ぜひこういう形でやっていただいて、日程が複数出てくると思いますので、その中でご都合がつくところがあれば可能な限り出ていただくという形でやらせていただければと思います。よろしいですか。
 じゃ、事務局から後でご連絡が行く……、一応、いつごろなのかな。

【村木労働局長】  新年度に入りまして、5月、6月ぐらいかなと思っていますけれども、また少し広目に日程調整をさせていただきます。

【佐藤会長】  では、そのぐらいだということですので、皆さんお忙しいと思いますので、できるだけ早目に計画をつくって、多くの方にご参加できるような形でやらせていただければと思います。ぜひよろしくお願いします。
 では最後に、事務局を代表して、村木局長からごあいさつをいただければと思います。

【村木労働局長】  本日はさまざまなご意見をちょうだいたいしまして、ありがとうございます。これを行政運営方針、あるいは来年度の行政運営に反映させてまいりたいと思っております。私ども労働行政はなかなか難しい状況にありまして、職員に対してはよく前門の虎、後門の狼と申しておるんですけれども、民営化できるんじゃないのかという議論が、規制改革会議等から出ていると。それから今度は、地方によこせというのが、地方分権推進会議とか、知事会のほうからいろいろ出てきている。それに対して、もちろん民営化できるところはするけれども、やはり働く方々のセーフティーネットとして、私たちは大事な役割を持っているし、やっておると信じておりますということで、反論をする。
 それからもう1つは、当然地方でやっていただきたいことはたくさんあるんだけれども、そうはいっても日本全体としてのセーフティーネット、ナショナルミニマムをきちんとそろえていく、それから、例えば安定行政でいきますと、今のような状況の中で、県がそれぞれ担当するということで、果たして広域的な労働市場に対応できますか、あるいは、雇用保険を精緻的に運営できますかと。やはり最低限のものは私どもにやらせてくださいということで、お願いをしておるところでございます。
 来年度、いろいろな議論があろうかと思いますけれども、議論は議論として、もう1つ、我々としてきちんとやるべきことをやり、実績をもって、私どもの存在意義をお示しすることが一番大事なことだろうと思っております。その中で、東京の役割は大変重要でございます。これからも、さまざまな点につきまして、ご意見、ご協力、ご理解、何より叱咤激励をぜひお願いを申し上げたいということで、ごあいさつにかえさせていただきます。どうもありがとうございます。これからもよろしくお願い申し上げます。

【佐藤会長】  皆さん、お忙しい中お集まりいただいて、どうもありがとうございました。
 それではこれをもちまして、第4期第2回東京地方労働審議会を終わらせていただきます。ほんとうにどうもありがとうございました。

── 了 ──



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