第4期第1回 東京地方労働審議会議事録 |
1 | 日時 平成19年11月30日(金) 13:30~15:35 |
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2 | 場所 九段第3合同庁舎 11階 共用会議室1-1 |
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3 | 出席者
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4 | 議題
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5 | 議事 |
【児玉企画室長】 大変お待たせいたしました。定刻でございますので、ただいまから第4期第1回東京地方労働審議会を開催いたします。本日、委員の皆様方には、大変お忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。
申しおくれましたが、本日の司会を務めます総務部企画室長の児玉でございます。会長が選出されるまでの間、議事を進行させていただきますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
初めに、本審議会の開催に当たり、事務局を代表して東京労働局の村木局長よりごあいさつを申し上げます。
【村木労働局長】 東京労働局長の村木でございます。日ごろから皆様方には、私ども東京労働局の行政に大変ご理解とご協力をいただいておりますことを、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。また、本日は第4期の東京地方労働審議会委員にご就任をいただき、暮れ押し迫ってまいりました大変お忙しいスケジュールの中をご出席いただきましたことを御礼申し上げる次第でございます。
この審議会は、東京労働局所管の施行業務等に関する重要事項の調査審議を担うということでございます。委員の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のないご意見を頂戴いたしますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、最近の状況について若干ご報告をさせていただきますと、まず景気動向でございますが、11月の月例経済報告は、一部に弱さが見られるものの回復しているという判断で、これはここ数カ月続いておりますが、ただ注釈がついておりまして、サブプライムローンですとか、原油の高騰ですとか、そういったことに留意が必要だということでございます。それから、雇用情勢が実はやや気がかりでございまして、11月に判断が下方修正をされて、厳しさが残る中で、これまでは改善しているだったのが、このところ改善に足踏みが見られるというようなことになっておりました。私どもとして心して見ていかなければならないというふうに思っております。
こうした中で、私ども労働行政をめぐる諸情勢も、今、随分変わりつつございます。ご承知のように、少子高齢化とか経済のグローバル化などの荒波が労働市場にも押し寄せてきております。それから、それも受けまして、企業の方々の人事労務管理のあり方とか、あるいは、労働者の方の働き方に関する意識ですとか、そういったことも随分変化をしてきておりまして、いわゆる雇用・就業の多様化というのが随分進んできているわけでございます。こうした中で、派遣・請負ですとか、有期雇用ですとか、そういったところにおけるミスマッチや労働条件をめぐるトラブルというものも出てきているというのが最近の状況でございます。
こうした中で、実は私ども東京労働局は、今年の3月に引っ越しをいたしまして、この新しい庁舎で念願の3行政が同じ建物の中で一体となって行政をするという体制がようやく整ったところでございます。引っ越し後半年が経過をいたしまして、局の一体性をさらに高めながら行政の総合力を発揮し、重点対策に取り組んでいるところでございます。
今後もこれまで以上に労働基準、職業安定、雇用均等の3行政が一体となって、いわば総合労働行政機関としての機能を十分に発揮し、さらに地方公共団体、あるいは労使関係団体と十分連携をして行政を進めてまいりたいと思っております。
今後とも、雇用の安定と安心して働ける社会の実現を目指しまして、地域の実情に即した総合的な施策を効果的、効率的に展開してまいる所存でございます。本日は、各委員の皆様から忌憚のないご意見、ご要望をお聞かせいただきまして、行政運営に反映させてまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
【児玉企画室長】 議事に入ります前に、第4期の初めての審議会となりますので、ここで委員の皆様のご紹介をさせていただきます。
お手元の資料No.1として、第4期東京地方労働審議会委員名簿を配付しております。この名簿順に出席委員を紹介させていただきます。初めに、公益代表の金子委員でございます。
【金子委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 小井委員でございます。
【小井委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 田付委員でございます。
【田付委員】 田付でございます。よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 佐藤委員でございます。
橋本委員でございます。
山崎委員でございます。
続きまして、労働者代表の秋山委員でございます。
【秋山委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 大浦委員でございます。
【大浦委員】 よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 尾野委員でございます。
【尾野委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 黒澤委員でございます。
【黒澤委員】 よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 白川委員でございます。
【白川委員】 どうぞよろしくお願い申し上げます。
【児玉企画室長】 三宅委員でございます。
【三宅委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 続きまして、使用者代表の上原委員でございます。
【上原委員】 上原です。
【児玉企画室長】 大久保委員でございます。
【大久保委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 野中委員でございます。
【野中委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 蜂谷委員でございます。
【蜂谷委員】 よろしくお願いします。
【児玉企画室長】 山崎委員は、出席予定でございまして、間もなくいらっしゃると思います。
なお、本日の欠席委員ですけれども、使用者代表の石井委員でございます。
以上の委員の方にそれぞれ就任いただいております。
次に、委員の皆様の辞令につきましては、本来であればお一人お一人に局長からお渡しするところでございますが、まことに恐縮でございますが、略式で机上配付という形でお手元に置かせていただいております。後ほどご確認をお願いいたします。
続きまして、東京労働局職員を紹介させていただきます。先ほど、東京労働局長はごあいさつ申し上げましたので、紹介は省略させていただきます。
木暮総務部長でございます。
【木暮総務部長】 木暮でございます。
【児玉企画室長】 森井労働保険徴収部長でございます。
【森井労働保険徴収部長】 森井でございます。よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 山本労働基準部長です。
【山本労働基準部長】 山本でございます。よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 福島職業安定部長でございます。
【福島職業安定部長】 福島でございます。お願いいたします。
【児玉企画室長】 浅野需給調整事業部長でございます。
【浅野需給調整事業部長】 浅野でございます。よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 金崎雇用均等室長でございます。
【金崎雇用均等室長】 金崎でございます。よろしくお願いいたします。
【児玉企画室長】 次に、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきますが、配付資料一覧のとおりとなっておりますので、ご確認をお願いいたします。配付漏れなどはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
次に、本日の出席委員は17名、現在こちらにいらっしゃる方で見ますと16名でございます。したがいまして、地方労働審議会令第8条第1項の規定により、本会が有効に成立しておりますことをご報告申し上げます。また、本審議会は東京地方労働審議会運営規程第5条第1項の規定に基づき、原則として公開の会議とさせていただき、その議事録につきましても、発言者名を含めて公開させていただくこととなっておりますので、ご了解願います。
それでは、議事に入らせていただきます。
議題の第1は、会長の選出でございます。本審議会の会長の選出でございますが、地方労働審議会令第5条第1項の規定に基づき、公益代表委員のうちから選出することになっております。いかが取り計らえばよろしいでしょうか。
【小井委員】 会長選出ということですが、私としては労使関係にお詳しく、公正な議事運営をしていただけると強く期待しております佐藤博樹先生に会長をお願いしてはどうかというふうに存じますが、いかがでございましょうか。
【児玉企画室長】 ただいま、佐藤委員に会長をという推薦がございましたが、佐藤委員に会長にご就任いただくことについてご異議はございませんか。
(「異議なし」の声あり)
【児玉企画室長】 異議がないようでございますので、佐藤委員に会長にご就任いただくこととし、以後の議事進行につきましては佐藤会長にお願いいたします。
それでは、佐藤会長、よろしくお願いいたします。
【佐藤会長】 ただいまご指名いただきました佐藤です。ほかに適任の方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、ご指名されたということですので、会長を務めさせていただければと思います。皆様のご協力を得て、審議会の円滑な運営を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今、山崎委員がおいでになりました。
【山崎委員(使用者代表)】 よろしくお願いします。
【佐藤会長】 それでは、時間も限られていますので、議題に入らせていただきたいと思います。
まず、議題2の会長代理及び部会委員の指名についてです。地方労働審議会令第5条第3項の規定に基づき、私から会長代理を指名するということになっております。その規定に基づきまして、私としては田付委員に会長代理をお願いしたいと思いますので、ご了解いただければと思います。
(「異議なし」の声あり)
【佐藤会長】 それではよろしくお願いいたします。
また、この会議の議事録の作成ですが、東京地方労働審議会運営規程第6条第1項の規定により、会長のほかに2名の委員に議事録への署名をいただくことになっております。つきましては、白川委員と大久保委員に本日の議事録の署名人になっていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、東京地方労働審議会運営規程第9条の規定に基づき、本審議会のもとに労働災害防止部会、家内労働部会、港湾労働部会を設置することになっておりますが、部会に所属する委員につきましては、地方労働審議会令第6条の規定により、会長が指名することとされております。そこで、各部会に属すべき委員につきましては、お手元の資料No.2を見ていただければと思います。そこに各部会委員名簿がありますが、そこに示されたような形にさせていただければと思います。よろしいでしょうか。皆さんご確認いただければと思います。では、それでよろしくお願いいたします。
続きまして、港湾労働部会の専門委員につきましてお諮りします。専門委員の任命は、地方労働審議会令第3条第4項の規定によって、本審議会の同意が必要となっております。特にご意見等がなければ同意するということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
【佐藤会長】 それでは、当審議会として専門委員任命に同意することにしたいと思います。事務局におきましては、本日、石井委員はあいにく欠席されていますが、石井委員並びに臨時委員等の皆様に後日、その委員任命についてご連絡いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、議題3です。東京都革靴製造業最低工賃改正の諮問についてです。事務局からまず説明をお願いしたいと思います。
【村木労働局長】 それでは、諮問でございます。
東京地方労働審議会会長佐藤博樹殿。東京労働局長村木太郎。東京都革靴製造業に係る最低工賃の改正決定について(諮問)。家内労働法第10条の規定に基づき、東京都革靴製造業最低工賃、平成17年東京労働局最低工賃公示第1号の改正決定について貴会の調査審議をお願いする。
よろしくお願いいたします。
【山本労働基準部長】 ただいまの諮問につきまして、各委員の先生方に諮問文の写しをお配りいたしまして、私から若干のご説明をさせていただきたいと思います。
【佐藤会長】 座って説明してください。
【山本労働基準部長】 それでは、私のほうから説明をさせていただきたいと思います。委員の先生方におかれましては、ご承知のとおり、家内労働者につきまして家内労働法という法律がございます。その法律に基づきまして、労働者に準ずる者として一定の保護が規定されております。その保護の一貫といたしまして、同法第8条におきまして、都道府県労働局は一定の業務に従事する家内労働者の工賃の最低額を審議会の意見を聞いて決定ができる、こういうふうにされているところでございます。
お手元の資料で3-5、最低工賃一覧表というのがございます。それを見ていただきますと、東京都内におきまして3業種、すなわち電気機械器具製造業、婦人既製洋服製造業、革靴製造業につきまして最低工賃が設定されております。これらの最低工賃の改正につきましては、厚生労働省のほうにおきまして、従来、3カ年ごとの計画を策定しております。お手元の資料3-4の第9次最低工賃新設・改正計画をお配りしておりますが、これに基づきまして改正を進めているところでございます。
東京労働局におきましては、本年度、この改正計画に基づきまして、東京都革靴製造業最低工賃を改正するため、ただいまこの審議会の場におきまして局長から改正諮問をさせていただいた、こういう次第でございます。この諮問につきましては、東京都最低工賃専門部会に審議を付託し、同専門部会で引き続きご審議をいただければというふうに考えているところでございます。
なお、家内労働法第11条には、審議会は最低工賃の改正等について調査審議を行う場合には、関係家内労働者及び関係委託者の意見を聞くものとするとされているところでございますけれども、この件につきましては、関係者からの意見聴取の手続を経た上で、同専門部会において調査審議を進めていただくこととしているところでございます。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございました。今の諮問とそれに関連した説明をいただいたところですけれども、何かご質問等はございますでしょうか。よろしいですか。もしご質問がなければ、本審議会に諮問がございました東京都革靴製造業最低工賃の改正につきましては、最低工賃専門部会に調査審議を付託し、部会の議決につきましては、東京地方労働審議会運営規程第10条に基づき、本審議会の議決とすることをご了承いただければと思います。いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【佐藤会長】 では、そのような形にさせていただきます。ありがとうございました。
なお、最低工賃専門部会の委員につきましては、お配りしました資料番号3-1にございます委員会名簿の方々にお願いしたいと思います。
また、最低工賃専門部会につきましては、地方労働審議会令第7条に基づきまして、審議会の意見に関する異議の申し出がなかった場合には、その時点をもって廃止するということにしたいと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
(「異議なし」の声あり)
【佐藤会長】 よろしいでしょうか。では、そのような形にさせていただければと思います。
それでは、続きまして、議題4の平成19年度東京労働局重点事項の取り組み状況について、事務局から順次ご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【木暮総務部長】 お手元に資料No.4以下、幾つか資料をお配りしておりますが、資料No.4をまずご覧いただきたいと思っております。これが平成19年度の東京労働局行政運営方針(骨格)でございます。4つの基本方針のもとに、それぞれ労働基準の分野、職業安定の分野、需給調整事業の分野、雇用均等の分野、労働保険適用徴収の分野、個別労働関係紛争の分野という形で重点対策を整理しているものでございます。実際の行政運営方針の概略につきましては、別途「profile」というパンフレットを配っておりますけれども、本日は、本年度の行政運営方針に基づきます行政運営の半年の結果についてご報告をさせていただきたいという趣旨でございます。
まず、私からは全体ということでございまして、資料No.5をご覧いただきたいと思います。タイトルは「個別労働紛争解決制度の取組状況」と書いてございますけれども、私ども東京労働局におきましては、労働基準、職業安定、雇用均等と広い分野にわたっております労働問題すべてについてワンストップで相談に応ずるという形の相談コーナーを設けております。21カ所設けているわけでございますけれども、そこの状況からまずご説明を申し上げたいと思っております。
本年度の上半期、4月1日から9月30日までの労働相談の件数でございますけれども、東京局におきましては、6万1,398件の相談を受けたということでございます。これは全国の相談に占める割合としては12.7%というものでございます。また、これは昨年度と比べてどうかということでございますけれども、2.6%の増ということになっております。そして、東京労働局の相談件数全体のうち、大体4割ほどが事業主からの相談という形になっております。この事業主からの相談といいますのは、ほとんど多くは制度でありますとか通達、法令についての問い合わせ・相談、どう解釈するのかという相談の形が非常に多いということでございます。
一方、60%は労働者側からの相談ということでございますけれども、その中には制度に関する相談、法令解釈に関する相談もございますけれども、個別に労働関係で紛争になっているという相談もかなりございます。その個別労働関係紛争に関する相談が、3のところにございますように、東京労働局の場合、9,538件、これが半年の数字でございます。これは対全国比で9.7%でございまして、昨年よりも東京局の対前年度比で4.1%少なくなっているという状況でございます。男女別に見ますと、男52.8%、女47.1%ということで、ほぼ半々というような状況でございます。
4番目には、個別労働関係紛争の相談の中身が書いてございますが、個別労働紛争の相談のほとんどは解雇、退職勧奨など退職関係で、そのうち解雇関係の相談が半分ぐらいを占めているということでございますが、対前年度比をご覧いただきたいわけでございますけれども、前年の87.2%ということで減少しております。これが全体の労働紛争の相談の減少に寄与しているということでございます。
一方、増えているというものがございまして、その顕著なものがいじめ・嫌がらせに関する相談でございます。これは8.9%増えているということでございまして、今年度に入って目に見えて増えているという状況にあるところでございます。
そして、これらの相談を受けまして、2ページのところでございますけれども、労働局長の助言・指導という措置、あるいは紛争調整委員会によりますあっせんというようなものを実施しているわけでございます。254件の助言・指導、698件のあっせんを実施しております。これらにつきましても、解雇、退職絡みの相談が減少しているということから、実施件数そのものは若干下がってはおりますけれども、私どもとしては一日に数件というペースであっせん、助言・指導をしているというような状況でございまして、1つ1つ丁寧に労働紛争の処理をしているということでございます。
私からは全体の概略を申し上げましたけれども、以下、労働基準行政担当の部長からご説明をさせていただきたいと思います。
【山本労働基準部長】 それでは、私のほうから労働基準行政の重点事項につきまして、本年度の取り組み状況につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
資料No.6のほうに、私ども、「労働基準行政の重点事項取組状況」という資料を入れております。これに基づきまして、大きく5点ほどご説明申し上げたいと思います。
まず、1ページ目の第1、労働条件の確保・改善対策というところでございます。その(1)といたしまして、一般労働条件確保・改善対策という項目がございます。この一般労働条件と申しますのは、労働条件の明示でありますとか、あるいは就業規則の作成届け出、労働時間管理の適正化、さらには健康管理の徹底など、労働条件の基本的な枠組みの確立といったものを目指しまして、これらの事項を重点といたしまして、問題業種あるいは事業場をとらえまして、集団指導、啓発、さらには個別企業に対する臨検監督、こういった活動を展開しているということでございます。
(1)のところに「監督指導による賃金不払残業の是正指導結果」ということで載せております。本年度の取り組みについては、まだ統計処理ができておりませんので、昨年までの数値で載せてございます。18年度に東京労働局管下の18の労働基準監督署におきまして、賃金不払い残業の是正を監督指導した結果、差額支払い額が1件当たり100万円以上のものを統計処理をしてここに載せてございます。企業件数では185件、対象労働者数として3万2,124名について差額払いをしたトータルが、37億7,575万円ということでございます。18年度につきましては、企業数において過去最高という状況になっております。
本年度におきましても、現在、賃金不払残業の問題、あるいは労働時間の適正化といったことを重点といたしまして積極的な監督指導に取り組んでいる状況にございます。
また、賃金不払残業の解消に向けまして、11月は過重労働賃金不払残業撲滅キャンペーン月間という形で取り組んでおりまして、23日の勤労感謝の日に、隣接する埼玉、千葉、神奈川局の各労働局と連携いたしまして、東京労働局におきましてフリーダイヤルによる相談受け付けというものを実施いたしたところでございます。
次に、(2)の申告・相談の対応状況というところでございます。最初に「申告受理件数」というのが表に載っております。申告と申しますのは、労働基準法でありますとか、労働安全衛生法、こういった法律に違反していますよという事実を指摘して、具体的な改善を求めるといった内容のものでございます。そこに1~9月の実績ということで19年の実績を載せております。本年は4,243件の申告を既に受理しております。前年同期に比べますと5.1%の増加という状況になっております。内容的には、やはり賃金不払、解雇、こういった問題が多いという状況にございます。
相談件数につきましては、先ほど総務部長のほうから説明がございましたので、省略をさせていただきます。
立替払申請件数についてでございます。立替払いといいますのは、法律上の倒産あるいは事実上の倒産をした場合に、事業場に支払い能力がないといった場合に、労働者を救済するために、国のほうが一定の要件を満たしている場合に立替払いを行う、そういうことによって当座の労働者の生活を保障しようというものでございます。ここに載せておりますのは、法律上の倒産以外のもの、事実上の倒産ということで労働基準監督署のほうに倒産したことを認定してほしいということで申請のあった件数でございます。19年は203件ということで、前年に比べて22.3%、同期比で増加しているという状況にございます。
1枚めくっていただきまして、最低賃金制度の適正な運用についてでございます。地域別最低賃金につきましては、ご承知のとおり、成長力底上げ戦略推進円卓会議におきます生産性向上と最低賃金引上げに向けた政策の論議を踏まえ示されました、中央最低賃金審議会の目安を参考にいたしまして、東京地方最低賃金審議会におきまして慎重に調査審議が行われまして、結果といたしまして、Aランク目安の19円プラス1円、計20円という大幅な引上げ、引上げ率といたしましては2.78%ということになりますけれども、答申をされまして、10月19日から時間給739円で発効しているという状況にございます。
その下のほうにございます産業別最低賃金6産別につきましても、既に審議会におきまして調査審議がなされまして、9円から12円という金額で答申され、官報掲載もなされ、12月31日の発効を待つばかりということになっております。労働局といたしましては、これらの最低賃金につきまして、しっかりとした周知を図っていく、さらにはこの履行確保、遵守を求めてさまざまな取組みをしていきたいと考えているところでございます。
次に、大きな2つ目といたしまして、多様な働き方が可能となる労働環境の整備についてでございます。(1)ということで、仕事と生活の調和のとれた働き方を可能とする環境整備ということで、労働時間の推移の状況と年次有給休暇の取得状況についてデータとして載せております。労働時間につきましては、東京の総実労働時間、平成18年では1,824時間ということでございまして、全国平均に比べますと19時間短いという状況にございます。所定内労働時間につきましても、全国に比べて26時間短い1,662時間という状況になっております。
1枚めくっていただきまして、年次有給休暇の取得状況でございます。これにつきましては全国値しかございませんので、ご理解いただきたいと思いますが、18年の付与日数、取得日数、17.9、8.4という数値が右のほうに目に入ろうかと思います。取得率としては47.1%ということで、平成11年を境に取得率が50%を割るといった状況になっております。年次有給休暇につきましては、とっていただくことが重要でございます。計画的付与制度の活用、こういったことによりまして積極的な年次有給休暇の取得促進を図るということが1つでございますし、また、所定外労働につきましても、所定外労働の削減要項というのを私ども定めておりまして、これをしっかり周知していく、事業者の方々に啓発をしていくという流れの中で所定外労働の削減についてもしっかり指導しているところでございます。
(2)の仕事と生活の調和に係る社会的機運の醸成についてでございます。まず、(1)ということで、東京(関東甲信越ブロック)におけます仕事と生活の調和推進会議というものを載せておりますが、これにつきましては、本年の3月に仕事と生活の調和推進プログラムにつきまして策定をいたしました。現在、そのプログラムをあらゆる機会を通じて周知広報を行っているところでございますけれども、それにあわせてこのプログラムを具体的に業種あるいは労働者の種類別といいますか、そういった形で具体的にどう進めていくのかというものを現在検討しようということで、本年度におきましては建設業分科会とホワイトカラー分科会を開催しているところでございます。今後一定の取りまとめを行うこととしております。
それから、11月14日に仕事と生活の調和シンポジウムというものを開催いたしまして、参加企業は282事業場、330名の参加者ということでございまして、この問題に対する関心の高さを感じたところでございます。
次に、大きな3番目といたしまして、労働者の安全と健康の確保対策について説明させていただきます。(1)といたしまして、安全対策についてでございます。一番最初の表は、本年度におきます1月から10月までの労働災害の発生状況について載せております。一番上の一番左の数値、全産業の数値で、死傷者数、これは休業4日以上の労働災害ということで、件数が7,076という数値がございます。昨年の同期が7,024件でございますので、残念ながら0.7%の増加という状況になっております。また、死亡災害につきましては、これは10月末現在でございますので、66件という数値で昨年と同じ水準になっております。死亡災害につきましては括弧書きで記載しておりますが、特に建設業で多発しておりまして、現在31件で、全体に対して47%の割合を占めるという状況になっております。
真ん中に3行ほど文章を入れておりますが、重大災害についてでございます。一度に3人以上の労働者が災害に遭うといった場合を想定しておりますが、この件数は今現在12件ということでございます。死傷者数は延べで92人でございます。具体的な事例としては、ご承知のとおり、シエスパでございますが、温泉施設場での爆発事故でありますとか、あるいは交通事故、ノロウイルスによる食中毒といったものが発生しております。
(2)といたしまして、第10次の労働災害防止計画の取り組み状況ということで、現状、発生状況について載せております。10次の労働災害防止計画につきましては、平成15年から19年までの5カ年間を計画期間としております。死亡災害と死傷災害のそれぞれにつきまして20%減少という目標値を立てております。死亡災害につきましては、一番上の欄の右側のほうを見ていただきますと、16.9%の減少という数値が入っていると思います。これは4年間の実績をもとに5年間を推計したという形になっております。残念ながら20%には届いておりませんが、少なくとも一定程度の減少は得られるという状況になっております。死傷災害につきましては、死傷災害の右側の2.1%の減少という数字がございます。これが全産業におきます減少の状況でございまして、残念ながら20%には遠く及ばないという状況にございます。死亡災害あるいは死傷災害ともに、やはり問題業種は第3次産業、死亡で3.2%の減少にとどまり、死傷災害では逆に11.1%の増加という状況になっているわけでございます。11次の労働災害防止計画におきましては、こういった問題がターゲットになっていくであろうというふうに考えております。
1枚めくっていただきまして、本年度の取り組みといたしましては、やはり死亡災害、死傷災害が多く出ております建設業、運輸業、第3次産業を中心にして今現在も含めて取り組みを行っております。あすから12月に入りますけれども、12月に入りますと年末年始の労働災害防止運動ということで、建災防、中災防等がやっておりまして、私ども厚生労働省も講演をするという形になっております。特に死亡災害が多発しております建設業を中心といたしまして積極的な監督指導を展開していきたいというふうに考えております。
次に、(2)のところでございます。労働者の健康を確保するための対策ということでございます。まず最初に、健康診断の有所見者の推移という数値を載せております。最近ずっと有所見率が上がってきておりまして、真ん中の表の「何らかの所見」ということで、一番下の数値、18年の48という数値がございます。18年で48%の方々に何らかの所見が見られるという状況になっております。中でも、項目別に並べておりますけれども、心電図等々の脳・心臓疾患の発症につながる項目での有所見率の高い状況が見られるというところでございます。そういう中で、過重労働を原因とする脳・心臓疾患の労災認定事案も依然として多くなっておりますし、過長な長時間労働が行われている、そういう状況も見られるところでございます。このため、過重労働による健康障害防止のための総合対策に基づきまして対策を推進しております。具体的には、時間外労働、休日労働を短くしましょう、あるいは産業医、衛生管理者の選任でありますとか職務の励行、衛生委員会の活性化、こういったことによる衛生管理体制をしっかり整備していきましょう。
3つ目には、残念ながら長時間労働をしましたといった方々には、健康を確保するために面接指導等をしっかりと実施していきましょうということで、こういったことにつきまして周知指導を展開しているところでございます。
なお、来年の4月から50人未満の事業場につきましても、今申し上げました長時間労働者への面接指導といったものが適用されるという段階になっております。この周知が待ったなしでございますので、しっかりやっていると同時に、面接指導等の受け皿になります地域産業保健センターの利用促進に努めているところでございます。
4番目は、労災のほうの脳・心臓疾患の申請、認定状況でございます。6ページのほうに具体的に2表ほど載せております。脳・心臓疾患、精神疾患ともに増加傾向にございます。特に精神障害等の申請につきましては大きな伸びになっております。申しわけございません、本年度については統計処理をしておりませんので、ご理解をいただければと思っております。
次に、7ページ、最後の項目でございます。アスベストによる健康障害防止対策ということでございます。表が3つほど載っておりまして、まず1つ目が石綿関係の届け出ということで、吹きつけ石綿の除去作業等の場合の計画届、それ以外の石綿の除去作業の作業届の実績が載っております。大きく見まして、計画届は減少をしているという状況も見られますが、作業届については対前年同期比で60.1%の増加という状況になっております。
また、石綿の健康管理手帳の交付状況についてでございますが、19年につきましては、55件ということで42.1%減少ということになっておりますが、10月からは健康管理手帳の交付要件が緩和されております。今後は増加することも予想されるという状況にあるということでございます。アスベスト総合対策3カ年計画に基づきまして、アスベストの全面禁止、解体等の作業時の暴露防止、こういったものをしっかりやっていくということが重要でございますし、また、アスベスト取扱作業者等の健康管理につきましては、健康診断の実施、健康管理手帳制度の活用、こういったものをしっかり図っていく必要があるものというふうに考えております。
以上、雑駁でございますけれども説明を終わらせていただきます。
【福島職業安定部長】 それでは、引き続きまして、「職業安定行政の重点事項取組状況」についてご説明申し上げたいと思います。
お手元の資料7をごらんいただきたいと思います。今年度の職業安定行政の重点事項については、6つを主に重点として取り組んでおります。これから申し上げる各取り組み事項の数字につきましては、本年10月末、あるいは若干9月末という数字がございますけれども、いずれも都内の17のハローワークの取り扱った数字の合計数でありますので、あらかじめご理解をいただきたいと思います。
1ページの第1、求人・求職者サービスの充実でございます。これは、何といってもハローワークの基幹業務と申しますか、メーン業務でございまして、この業務は主としてハローワークの大きな評価にもつながっているものでございます。本年10月末現在の数字でございますが、7カ月経過をした状況でございます。上から、新規求人数につきましては、各企業の採用ニーズに基づいて人材を募集したいという数字でございますけれども、本年10月末現在では67万7,000人強の求人を各ハローワークが受理しているという状況でございます。昨年同期に比べて、実数で約13万人ぐらいは減っているということでございます。それから、もう一つは、その下の新規求職者数でございますが、これはハローワークを通じて就職先を探したい、再就職を決めたいという求職者の数でございますが、10月末現在で35万3,733人、昨年の同期に比べて約1万人弱は減っているというような状況でございます。それから、そういう再就職を希望される方で7カ月間で就職を決定した数でございますが、8万3,489人の方が就職を決定した。昨年の同期に比べて、これも5,500人ぐらい減っているというようなことでございます。それから、求人側のほうから出された求人で、人材が確保できたと、求人に対する充足、満たされた数でございますが、11万3,688人が充足をされました。昨年同期に比べて6,400人ぐらい減っております。それで、新規求職者数に占める就職決定数の割合が就職率でございます。本年10月末現在では23.6%、昨年同期では24.6%、これも1.0ポイント、昨年同期に比べて落ちております。いずれの指標も昨年の同期に比べて減少、もしくは落ちているという数字でございますが、これは景気動向も大きく関連はしておりますが、大きく減っている新規求人数につきましては、東京労働局といたしましては、昨年の8月から派遣請負関係企業からの求人に当たって適正化指導、いわゆる偽装請負等の問題が社会問題にされましたので、ハローワークにおいてもその内容についてしっかりチェックをさせていただく業務を強化してまいりました。この関係で求人数が大きく減っていると思われます。
それから新規求職者につきましては、景気の動向にもあわせてハローワークに新規求職の申し込みをされている方が少し滞留傾向にあるということでございます。これは各委員の方ご案内のとおりなんですが、新規求人も新規求職も基本的には有効期間が3カ月いただいております。その中で需給調整をハローワークが中心となって行っているんですが、その3カ月間の動きを見ますと、特に有効求職者は、平成18年度は各月、毎月6%ぐらいずつ減少していたわけでございますけれども、この減少幅が今年度に入りまして2.5%ぐらいの減少幅になっておりますので、仕事を探している有効求職者の方がかなり滞留傾向にあるのではないかと考えております。
それから、雇用保険受給者の再就職促進を本年度の2番目の重点事項として取り組んでおります。これは失業給付という給付を受けながら再就職活動をするという方々に対して、しっかり再就職の支援をしようという取り組みでございます。表のほうは、資格決定件数が本年10月末現在で10万7,599件、これは受給資格を決定した数ですから、失業給付を受けられる権利があるという件数でございます。これも昨年に比べて1.9%減少しておりますが、これは1の求人・求職の表の新規求職者の内数としてご理解をいただくと、新規に求職申し込みをされている中でどの程度、失業給付を受けながら再就職をしようとする人たちの割合がわかるんですが、これが本年は30.4%ぐらいが失業給付を受けながら再就職活動をしているという形になります。この率は昨年の同期でも30.3%の割合ですので、失業給付を受けられる方の割合というのはそう大きく変わっていないということがおわかりいただけるのではないかと思います。
それから、早期就職件数につきましては、所定給付日数、失業給付を受けられる日数の3分の2以上を残して再就職した数でございますので、これが本年は2万5,630件。昨年に比べて倍増に近い数字があがっております。したがって、早期の就職率も28%ということになっております。
それから、雇用保険受給者の再就職促進をさらに強化するということで、東京労働局は本年度、(2)の認紹一体化モデル事業を実施しております。これは、昭和50年に認定は認定業務、職業相談は職業相談業務ということで認紹分離を行ってまいりました。失業給付の乱給付ではございませんが、雇用保険財政を少し悪化させた要因の1つとも言われておりまして、失業給付とその受給を受けておられる方の再就職支援を一体的にワンストップでやろうというのがこのモデル事業の取り組みでございます。現在、東京労働局におきましては、既に3所、大森、青梅、三鷹でやっておりまして、下半期に向けて5所を予定をしております。もう既にこの3所及び飯田橋がモデル事業を実施しておりますので、こういったモデル事業の取り組みによって、10月末現在で失業給付を受けておられる方の就職件数が2万303件という形になっておりますので、昨年以上の数字があがっているということをご報告させていただきたいと思っております。
2ページの若年者雇用対策を3番目の重要な取り組みとして業務を進めております。若年者雇用対策は4つの柱で取り組んでおりまして、1つはフリーター25万人常用雇用化プランでございます。これが3年目でございまして、3年前はフリーターは20万人、昨年が25万人、今年度も25万人ということで、常用雇用化に向けて取り組みを強化しております。現在、実績としましては、1万1,696件のフリーターの方が常用化できたという数字になっております。
それからさらにフリーター25万人常用化を進めていくために、トライアル雇用も併用しながら進めております。特に若年者のケースですとなかなか職業経験が十分ではないということでございますので、雇用主のほうも少し不安がある、あるいは働くほうも、当初から正規常用雇用ですと不安があるということで、トライアル、お試しの期間を3カ月つくりまして、その中でそれぞれが見極めをしていただくという取り組みでございまして、今年度若年求職者が少し減りぎみでございますので、トライアル実施件数は昨年に比べて9.1%減っておりますが、常用雇用移行率は昨年に比べて1.3ポイント上がりました。85.5%、ほとんどの方がそのまま常用雇用に移行しているということが数字にあらわれております。
それから、若年者雇用対策の大きな3つ目の柱として、職業意識形成・啓発という支援業務を行っております。これは在学中から職業に関する意識をしっかり持っていただくということの事業でございまして、表にございますように、中学・高校生を対象にしたキャリア探索プログラムに4万3,943人の生徒が参加をいたしました。これは私どもが学校に出かけていきまして、職業講話をしている数でございます。その事業にどれぐらいの生徒が参加したかという数字でございます。非常に多くの学校がこの事業を取り入れてハローワークと連携をしておりますので、昨年度に比べて30%以上の増加を見ております。私どもとしては年間4万人ぐらいの生徒を参加させる計画を策定しておりましたけれども、既に年間計画をもう達成しているという状況でございます。
その他、ジュニア・インターンシップ、あるいは大学生等を対象にしたインターンシップについては表のとおりでございます。
さらには、就職活動準備フェアということで、20年度卒業予定者を対象にいたしまして就職活動の基本、あるいは自己分析、マナー、業界情報、面接の実践対策まで含めたカリキュラムをつくりまして、就職準備フェアを19年度は51回予定しておりまして、参加学生等は9,300人を見込んでおります。既に12回実施いたしまして、約2,000人の方が参加したということになっております。
それから3ページをごらんいただきますと、ヤングワークプラザという事業がございます。これは渋谷のタワーレコードの前にある民間ビルの5階にヤングハローワークという事業があったんですが、このヤングハローワークは渋谷のハローワークのほうで事業を継続しまして、リニューアルをしてこのヤングワークプラザしぶやを本年9月から立ち上げております。これはジョブクラブ方式を使った年長フリーターに対する就職意欲喚起事業ということでご理解をいただきたいと思います。既に1カ月で266人の若者がこのプラザしぶやに登録をしております。その266人の方に対して、セミナー17回、191人を実施いたしました。さらにはジョブクラブ、年長フリーターの方は少しあせりも持っておりまして、自分1人ではないかという孤独感も持っておりますので、小グループで経験交流会を取り入れながら、自分1人だけではないという連帯意識を持たせながら、正社員の就職の実現を図るというグループ活動を実施しております。ジョブクラブといたしましては、既に2回、25人実施をいたしまして事業を行っております。年度末に向けてもう1回、このジョブクラブ方式をやる予定でおります。
若年者雇用対策の4番目といたしましては、新規学校卒業者に対する就職支援を学校と連携をとりながら実施をしております。高校3年生向けのガイダンスを既に304人の方に実施をいたしました。さらには新規大卒者に向けたフェアを1,418人の方に対して就職支援策を実施いたしました。
それから(2)のほうでは、本年9月末現在の高校卒業予定者の就職内定状況、過日、厚生労働省が新聞発表しておりましたけれども、その状況でございます。若干東京は全国の内定率よりも低いわけでございますけれども、それでも昨年同期比よりはわずかに内定率は上がっております。今年度後半に向けて97%の内定目標率を掲げて取り組んでおりますので、年度末に向けてさらに学校とも連携をとるなど、未内定者に対する個別支援も含めた支援をさらに強化していきたいと思っております。
それから4ページの高齢者対策をごらんいただきたいと思いますが、これは本年10月19日に新聞発表したものでございます。ご案内のように平成18年4月に改正高年齢者雇用安定法という法律が施行されて、年金と雇用の接続という観点で、65歳までの継続雇用制度の導入、もしくは定年年齢の引き上げ、あるいは定年の廃止といった高齢者雇用の大きな改正がございました。既に2年目に入っておりまして、東京の企業では全体として91.3%の企業がこうした制度の導入が図られているというところでございます。
ただ、まだまだ、定年の廃止はわずかに2.1%の320社、定年を引き上げたところが1,762社、11%、残りが圧倒的に継続雇用制度の導入をしております。特に継続雇用制度を導入した1万3,143社のうち、まだまだ希望者全員は少ないような状況でございます。できるだけ希望者全員が65歳まで継続的に雇用されるという仕組みをもう少し強化していきたいと考えております。さらには、規模51人企業だけ報告をいただいておりますので、50人以下はまだまだ不十分ではないかと思っておりますので、年度後半、あるいは来年度の取り組みとして、50人以下企業の指導をも念頭に置いた業務を進めていきたいと思っております。
(2)が55歳以上の再就職の状況でございます。就職者件数、あるいは新規求職者も少し減っておりまして、(1)の制度が完璧にいけば団塊の世代の2007年問題というのは幻になるわけですけれども、そうはいきませんので、ハローワークを通してやはり新たな職場を確保したいという方がまだまだ多くお見えになっております。この点も含めて支援をしていきたいと思います。
5番目は障害者の雇用問題でございまして、本年11月20日に新聞発表したものでございます。東京における民間企業の平均実雇用率の推移を全国対比で載せてあります。19年6月1日現在で1.46%になりました。全国では1.55%なんですが、まだまだ全国のレベルにはほど遠いという状況でございますが、確実に、着実に障害者雇用率は改善されております。ただ問題は、この改善の牽引役を大規模企業が中心になっておりまして、規模1,000人以上企業が1.71%でございます。299人以下規模のところになりますと、まだ0.82%でございますので、この辺の底上げをどう図るかというのが課題になっております。
5ページは障害者の職業紹介状況を、知的障害者、精神障害者別に全数と3つの表を載せております。これをごらんいただきますと、障害をお持ちになっている方の就職件数は確実に改善されつつあります。特に精神障害者の方が大幅に増えております。これはご案内のように精神障害者の方も法定雇用率に、義務化はされておりませんが、カウントされるようになりました。こういった動きも含めて精神障害者の方の社会参加意欲は非常に高まっているのが表でもおわかりいただけるのではないかと思います。
最後に6番目として各種雇用対策でございますが、1つは外国人求職者に対する就職支援でございます。その中で専門的・技術的職業、いわゆる高度人材の方につきましてまだまだ十分なところはございませんが、さらにこういった求人の確保も含めて高度人材向けの職業紹介機能を強化していきたいと考えております。そうした意味で東京外国人雇用サービスセンターは、9月まではハローワーク新宿のほうに設置をしておりましたけれども、これを六本木の品川ハローワークのほうに移転させました。そこでさらにこの事業を強化していきたいと思っております。
あわせて留学生の支援、国の政策でもかなり重要視をされておりまして、東京においても品川に移転させた東京外国人雇用サービスセンターでこの留学生の支援を進めていきたいと思っておりますが、中間でございますけれども、昨年同期よりも新規求職、就職件数とも増えております。それから、新宿のほうは一般外国人に対する支援を引き続いて実施していくこととしております。
もう1つは格差の問題で、生活保護受給者に対する就労支援の推進を表に載せております。この対策は平成17年から実施しておりまして、本年でちょうど3年目になっております。福祉部局と連携をとりながら、それぞれ個別の支援プログラムを策定した極めてきめ細かな支援となっております。本年10月現在で就職件数も10%以上伸びております。
さらには児童扶養手当受給者に対する支援につきましても、同様に福祉部局と連携をとりながらチーム支援を組んで支援をしている状況でございまして、本年10月末現在でも支援開始者数、就職件数ともども大幅な増加となっております。
以上、駆け足で恐縮でございますが、安定行政の取り組みについての説明を終了いたします。
【浅野需給調整事業部長】 それでは私のほうからは、資料No.8に沿った形で、需給調整事業の重点事項取組状況について説明させていただきたいと思います。
まず労働者派遣事業、職業紹介事業の運営の前提となる許可・届出関係の業務でございますけれども、当たり前のことですが迅速・適正な処理を心がけているところでございます。その許可でございますけれども、労働政策審議会の需給部会に諮った上で、厚生労働大臣が許可するということになっております関係で、多少お時間はいただくものの、現在、許可申請をしてから概ね3カ月ぐらいで許可がおりるようになっておりまして、かつてに比べればかなり期間が短縮されているところでございます。
それから許可・届出の事業所数でございますが、引き続きハイペースで伸びております。この10月1日現在で、派遣は前年同期比32.5%増の1万6,025事業所、職業紹介は同じく20.8%増の5,016事業所となっているところでございます。この増加し続けている要因でございますけれども、派遣につきましては昨年の夏以来のマスコミでの一連の偽装請負報道等もございまして、慌てて、あるいは念のため許可申請・届出をしておこうという事業所が増えたこと、それから職業紹介につきましては、派遣会社が紹介予定派遣のために許可をとっておこうというところが引き続き多いことによるものと見ているところでございます。
次に、3ページに、指導監督状況をお載せしておりますけれども、指導監督のうちの個別指導監督につきましては、特にその中でもこちらから出かけていっての指導監督に力を入れているところでございます。この表の中の実施事業所数、うち訪問指導というところがこれに該当するわけでございますが、実施事業所数全体の伸びはそれほどでもなくて、むしろ職業紹介のほうは派遣に手を取られて多少減っているというところもあるわけでございます。派遣、職業紹介とも訪問指導の伸びは大きくて、上半期の派遣、請負あわせた訪問指導事業所数は319ということで、前年同期比45.0%の増となっているところでございます。その一方で、事業所数も多いということで、行くだけでなくて、いろいろな場を活用するということから各種セミナー、あるいは許可証交付式等の機会も活用して集団指導を行っているところでございます。
それから4ページ目に書いておりますけれども、今年度も首都圏請負・派遣適正化キャンペーンを実施しているところでございます。資料No.8の別添資料としてキャンペーンの概要ペーパーをつけておりますけれども、10月1日からスタートしまして、本日11月30日までがキャンペーンの期間でございまして、首都圏の労働局が連携して取り組んでいるところでございます。労働基準監督署との共同監督であるとか、あるいは法制度の周知啓発を行っているわけでございますが、今年の標語は「なくそう偽装請負 なおそう違法派遣」ということで、お手元にポスターと同じ絵柄のリーフレットをお配りしておりますので、ご参考までにご覧いただけたらと思います。
それからキャンペーン期間中、セミナーを実施しておりますけれども、東京局では今年6月に「製造業の請負労働者の雇用管理改善のためのガイドライン」が策定されたということで、これに係るセミナー、それから情報サービス関係のセミナーを実施したところでございます。
それから、資料No.8の4ページに相談等の状況を書いておりますけれども、これも増えているところで、迅速・的確な対応に努めているところでございます。
私からは以上でございます。
【金崎雇用均等室長】 それでは、雇用均等行政関係のご説明をさせていただきます。資料No.9になります。
雇用均等行政は3本柱と私ども申しておりまして、雇用均等関係、均等法の施行関係。それから仕事と家庭の両立支援対策、育児・介護休業法とか、あるいは次世代支援法といったものでございます。それから3つ目の柱が、パートタイム労働対策ということでございまして、その時々の政策課題とか社会情勢に応じまして、多少そのあたりの政策のウエートが変わりつつ、毎年業務をやっているところでございます。
昨年度、18年度におきまして、男女雇用機会均等法の改正がございました関係で、昨年は非常に均等法関係のお問い合わせやご相談が増えておりまして、1つ目の雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策というところの表をごらんいただきましても、昨年度は非常にご相談、お問い合わせが多い年でございました。この4月から施行でございましたけれども、同じように引き続いてお問い合わせが多いということでございます。法律の改正に伴いまして、男性も法の全面的に対象になったということもございまして、厳密には数字比較できない部分もございますけれども、おおむねトレンドとして今年度の上半期ぐらいまではお問い合わせが多い状況で推移をしてきております。
中身としては、均等法の関係ではセクシュアルハラスメント関係のご相談が非常に多いということがございます。それから昨年度、法改正がございまして、妊娠・出産等に関する不利益取り扱いについて対応が強化されましたのでその関係のご相談、それから事業主の側からはそれとも多少関連いたしますが、母性健康管理に関するご相談等も多い状況でございます。今年度も引き続きまして均等法の改正点を中心にした周知啓発活動を行っているところでございます。
また、法改正の中でもポジティブ・アクションについては、女性の能力発揮のために立ち遅れている分野については引き続き推進していくという位置づけがされておりますので、資料にもつけておりますので後ほどごらんいただければと思いますが、均等・両立推進企業表彰という企業表彰制度がございます。今年度は企業表彰につきまして、昨年度まで均等関係の表彰と両立関係の表彰が別々に行われていたのでございますけれども、これを一本化いたしまして公募するということになりまして、この中の均等部門の表彰につきましては東京労働局長賞を2社に受けていただいております。
それから、母性健康管理対策等につきましても、引き続き周知活動を行っているところでございます。
2本目の柱になります職業生活と家庭生活との両立支援対策の推進ということでございますが、こちらは育児・介護休業法関係が、17年度に法改正の関係で非常にお問い合わせが多いところから、18年度に入りましてちょっと落ち着いた状況になっておりまして、大きな改正等がございませんので、こちらの関係では相談、問い合わせ等は若干落ち着いた状況でございます。
ただ、相談の中身といたしましては、育児休業期間が一部、大企業を中心に延長していただいているという対応の中で、社会情勢が変わっている中で、育児休業あけに復帰するときの現職復帰ができないといった不利益取り扱いに関するものですとか、あるいは派遣労働者の方の育児休業問題といったような、また新しいといいますか、その状況に応じたいろんなお問い合わせが増えてきているというところでございます。引き続きまして、育児・介護休業法につきましても、特に中小企業等でまだご理解の進んでいない部分もございますので、こちらを中心に啓発活動をしてまいりますし、それから子育て支援助成金という中小企業向けの助成金が創設されまして、これが本格的に支給が始まりました。今年から本格化してきているという状況でございますので、こちらについても引き続き普及をしていきたいと思っております。
それから2本目の柱の中では、今年度非常に大きかったのが、次世代育成支援対策推進法というのがございますけれども、こちらにつきまして、2年間行動計画のお取り組みをいただいた企業の中で、目標を達成された企業の次世代認定申請というのがこの4月1日より始まるということが、今年度、年度当初の非常に均等行政のほうでは大きいことでございました。これで認定申請をされまして、認定がされれば次世代認定マーク、「くるみん」という愛称、普及を図っておりますけれども、これを取得することができるわけでございます。
こちらのほうに9月末までの数字としてあげておりますけれども、認定申請いただいたのが223社ほどございまして、認定企業が204社となっております。これにつきましては新しく10月末の資料をつけておりますので、資料9-3になりますけれども、こちらで213社に増えております。この企業につきましては随時労働局のホームページに掲載いたしまして更新しているところでございますので、ご関心をお持ちいただけましたらば労働局のホームページもごらんいただければと思っております。全国の認定数が、今のところ9月末現在で366社でございまして、そのうち204社が東京でございましたので、6割近くが東京局の管内ということでございましたので、非常に本社機能が集中しております東京での認定が多くなっているところでございます。また第二期、第三期の計画に入るという企業もこれからございますので、そちらについて新しい計画の策定のお願いをしております。
また、努力義務になっております300人以下の中堅以下の企業でございますけれども、そちらの計画策定届出につきましても、最近、自治体等でいろいろな融資や助成金が新しくできているということもございまして増加を続けておりますけれども、引き続き推進をしていきたいと思っております。そのために、参考資料におつけしておりますけれども、認定申請関係のいろんなご説明の資料等も東京局のほうでつくってお配りをしているところでございます。
それから3つ目、パートタイム労働対策でございます。パートタイム労働対策につきましては、ご承知のようにこの5月に改正法が成立いたしまして、6月1日に公布、10月1日には省令・指針も公布・告示されたところでございます。パート法につきましては新しい法律でございますので、資料9-4におつけしております。
こういう新しい法律ができまして、企業それから労働者の方々からのお問い合わせがこのところ非常に増えてきているころでございます。年度の後半から来年度にかけましては、このパートタイム労働法の改正事項の説明会等を繰り返しやっていきたいと思っておりますけれども、こちらをきちんとご理解いただくというのが年度後半の均等行政のほうでは大変大きな課題になっているところでございます。
私からのご説明は以上でございます。
【森井労働保険徴収部長】 それでは私から、資料10に基づきまして、労働保険適用徴収業務の重点事項3点についての取り組み状況につきましてご説明を申し上げたいと思います。
1点目は、労働保険未手続事業の一掃対策についてでございます。本年度は3カ年計画の最終年度でございまして、昨年に引き続きまして労働保険適用徴収業務の最重要課題として、局、それから監督署、ハローワークの連携はもとより関係団体と連携して取り組んでいるところでございます。局といたしましては東京都労働保険事務組合連合会との協議会を実施してございます。また、10月は労働保険適用促進月間で、周知・広報を行っております。今年度新しい周知・広報といたしまして、電車の動画広告にも取り組んでございます。
2点目は、労働保険料の適正徴収でございます。本年度の年度更新業務につきましては、雇用保険率の変更の前提となります雇用保険法の一部改正法の成立が遅れたことに伴いまして、年度更新期間が5月20日から6月11日に変更になりまして、3週間ほどずれ込みました。皆様に大変ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げたいと思います。ただ、皆様のご協力によりまして、大きな混乱もなく無事終了できましたことを報告いたします。
また、新たに、「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づく一般拠出金の徴収業務も開始されております。これもご理解をいただきまして、現在、スムーズに処理をしているところでございます。
雇用保険率の引き下げ変更に伴いまして、徴収決定額は昨年より減少し、平成19年度、今年度の10月末の徴収決定額は9,541億円となってございます。収納率は労働保険料と一般拠出金ともに現在まで順調に推移してございます。今後も算定基礎調査、滞納整理等を通しまして、適正な事務処理に努めてまいりたいと思っております。
3点目は、労働保険事務組合の育成・指導でございます。東京局の管内の労働保険事務組合は836組合ございまして、その育成指導につきましては、不正事故の未然防止、適正かつ健全な運営を図ることを重点としております。不正防止の観点からは、年度当初に重点育成指導対象組合を選定しまして、個別訪問を主体とした計画的な指導を実施しているところでございます。
また、適正な事務手続、事務処理能力の向上を目的といたしました研修会を実施しており、今年度は改正雇用保険法の施行に伴います改正内容の周知を題目にいたしまして、既に3回実施してございます。今後さらに1回実施する予定ございます。
私のほうからは以上でございます。
【佐藤会長】 どうもありがとうございます。かなり大部なものをご説明いただいたわけですけれども、これから質疑と意見交換に移りたいと思います。まず最初に、ご説明いただいた内容について、もう少し説明してほしいとか、わかりにくいとか、質問についてまず伺って、それから意見交換ということにしたいと思いますので、まず質問について、どうぞ。
【金子委員】 では、二、三、安定部長によろしいでしょうか。もう少し教えていただきたいと思う点がございます。資料No.7の2ページで、キャリア探索プログラム、職業講話のご説明がありましたけれども、これは内容的にはどういうことをやっておられるのかという資料はついていませんよね。内容をちょっと教えていただきたいということが1つ。
それから3ページで、ヤングワークプラザしぶやにおけるセミナー等の実施状況がございますけれども、これはまだ始めたばかりということですが、こういうセミナー等を実施した効果、結果といいましょうか、具体的に就職につながっているかどうかということは見える手立てはあるのかどうかということでございます。
それから同じページの中で、高卒の就職内定率がありますが、東京の場合には全国平均を下回っておりますけれども、その要因は一体どういうところにあるのかということを、もしおわかりでしたら教えていただきたい。
以上3点でございます。
【佐藤会長】 質問を伺ってから、少しまとまって質問が出たところで、まとめて回答していただくようにしましょう。
では、秋山委員。
【秋山委員】 資料No.6の賃金不払残業の是正のところでお伺いしたいんですが、このような形で是正をされていくというのは非常にいいことだと思うんですが、本来は賃金不払残業をしない、させないというところが非常に重要だと思うんです。その点に関して何か取り組まれていることがございましたら教えてください。
【佐藤会長】 では、小井委員。
【小井委員】 労働基準部長には、資料No.6の3ページに有給休暇の取得率がありますが、なぜ東京の数字がなくて全国値だけなのか。
それから、21世紀に入って50%を切り続けているわけですね。これは労使の委員の方に聞いたほうがいいのかもしれないけれども、労働局では、21世紀に入ってから40%台に落ち込んで、去年はちょっと反転しているようだけれども、落ち込んでいる理由についてどういう分析をされているのかということです。
それから、職業安定部長には2点。資料No.7の3ページにジョブクラブで年長フリーターを対象にしているというんですけれども、年長というのはいくつぐらいかということを教えてもらいたい。
もう1つ、外国人雇用の留学生の就職の希望とあっせんで、1,000件台の希望に対し、決定がたった130人台というのは、一体なぜなのかと思うんですね。ひょっとして行政の壁があるのかなというふうに思わないでもないんだけど、非常に不思議なんですね。その点についてもお伺いしたい。
【佐藤会長】 では、上原委員。
【上原委員】 基準のほうのお話で、事故の中で、建設とか運輸というのはイメージがわかるんですけれども、三次産業、温泉の例が出ていましたけれども、ちょっと多いという中身、具体的な中身がちょっとわかりにくいので教えていただければありがたい。
それから安定のほうで、これも積極的に雇用したいという視点から伺いたいんですが、障害者の中で知的障害者と精神障害者が増えているということなんですけれども、具体的な仕事の中身みたいなものを、もし差し支えなければ教えていただければ参考になるなと。
以上、2点です。
【佐藤会長】 ここまでの質問について、安定部長、基準部長にお答えいただいて、資料は今ない場合には後で用意していただくという形にしていただければと思います。
では、安定部長お願いします。
【福島職業安定部長】 それでは、私から先にお答えをさせていただきます。
キャリア探索プログラムの内容がわかるものということですが、これは職業講話ですので、主として高校、中学校、最近小学校からも少しオファーが来るようになりました。これは職業知識、職業とはという話をさせていただいて、場合によっては、例えば高校生ぐらいですと職業興味検査を行うこともあります。主に職業に関する、最近の職業はこんな状況になっているとか、もちろん労働市場の話を通じまして在学中から職業に対する意識をもう少し持ってもらうためにいろんな職業に関する話をさせていただくのを職業講話と呼んでいます。昔は講話と言っているんですが、今はキャリア探索プログラムという、ちょっとしゃれた名前にさせていただいてございます。
手元にちょっと資料がないものですから、具体的にどんな資料を使っているか。多少、各ハローワークでアレンジをしているケースもありますので、統一したフォーマットといいますか、そういうものを使ってやりなさいということはあまりしていません。それから、場合によってはビデオを使いながら講話をするケースもございます。
それから2つ目としまして内定率の低さ、高校卒業予定者の内定率が全国に比べて低い要因は何かということですけれども、はっきりこれだという要因はなかなか出てないんですけれども、どうも東京の場合は、一般的に出足が鈍いといいますか、年度後半に向けて内定が向上していくという傾向が毎年続いているわけであります。最近内定を早めにとった高校生と、まだ内定がとれていないという、非常に二極化をしている傾向が、少し昨年に比べて傾向が強いかなと見ております。卒業まで間もなく4カ月を切るようになりますので、なるべく早めに、私どもはできれば年内に内定をとれるような支援を強化してまいりたいと考えております。今までは学校の進路指導の担当教諭を通じていろんな求人情報の提供なりをしていたんですけれども、できるだけ今度は、12月に入りましたら、進路指導の教諭と生徒とハローワークが個別面談をしながら求人を絞り込んでいくとか、そういう作業をやっていくようにしています。若年労働力を確保したいという求人の状況は非常に好調ですので、97%という当初目標の内定率にはほぼ届くのではないかなと思っております。
3点目は、ヤングワークプラザのセミナー、あるいはジョブクラブで、結果、就職が見えてくるのか、どういうシステムかということでございますが、これはまだ9月の後半から始めたばかりでございまして、特にセミナーとかジョブクラブというのは一定期間、例えばジョブクラブは12週間かけてやっております。その中で経験交流会なども取り入れながら、あるいは職場見学なども取り入れながらやっておりますので、そこで少人数でやっておりますから十分この若年者は就職意欲も高まってきていると、職業に対する認識も高いということであれば、必ずこれは今度ハローワークにつなぐシステムをつくっておりますので、ハローワークのつないだ関係でどのくらい結果が出ているかということでございますが、まだ現在は就職決定をしたということは数字としては出ていません。これからだと思っております。
【金子委員】 数字を聞きたいのではなくて、どのような形でその結果を調査できるのかということなんですが。
【福島職業安定部長】 これはヤングワークプラザに登録をしたリストがございまして、その若年者がどこのハローワークにつないだか、就職支援をしたかというのを追跡できるようなシステムになっておりますので、結果としてはそれでわかるということでございます。
それから、これは小井委員からいただいた質問ですが、年長フリーターの年齢は概ね35歳未満でございます。特に年長という部分は25歳以上35歳未満をかなり意識して支援をしております。
それから、留学生の数字でございますけれども、20年の3月卒業予定者を支援をしております。この数字は実は本年3月末までに支援した人たちがこの年度に入って内定をとられた数でございますので、6,306人に紹介して139というのは、その6,306人の数字のうち139人じゃなくて、実際139人、去年いろんな支援をして今年になって内定をとれたという数でございますので、ちょっとここの数字の出し方が非常におわかりにくいかなと思ってはいます。
したがって今回、6,306人の方に紹介をしているんですけれども、これは、今後、年度後半、内定者が出てくるということになっております。139人はほとんど昨年支援した方の内定の数でございます。
【小井委員】 6,000というのは……。
【福島職業安定部長】 述べ件数です。
【小井委員】 述べですね、1人で何件も紹介されると、こういうことですね。
【福島職業安定部長】 そうです。
【小井委員】 実ではどのぐらいになるのでしょうか。
【福島職業安定部長】 実ですと、新規求職者が実でございますので、2,083人というのが今年度に入って留学生として求職登録をされた数になります。
障害者のほうは、精神障害者、知的障害者がどのような仕事をされているかというご質問だと思いますが、主に知的障害者は単純労働に従事しているケースが非常に多いんです。清掃であるとか厨房であるとか。ただ、最近、知的障害者のレベルが高くなっておりますので、ここ2年、平成17年以降を見ますと、一般事務職で就労しているケースが非常に増えてまいりました。職種枠も、まだまだ単純労働の職種が多いのでございますけれども、事務職の職域にも相当雇用されている実態が出ております。
精神障害者は非常に多様な職種に入っておりまして、非常にレベルが高い人も多数おります。ただ、どうしてもフルタイムがきついということもございますので、形態としては短時間から入っていくというケースがありますけれども、専門的・技術的な職業の方も非常に多いのが特徴です。あまり単純労働という形の職業は、この精神障害者の方は少ないと思います。ちょっと、お手元に数字がなくて、恐縮でございます。
【佐藤会長】 今の分は、安定部長の説明で大体終わったと思いますので、今度は基準部長お願いします。
【山本労働基準部長】 それでは私のほうから、3点であったと思いますが、まず1点目の賃金不払残業につきまして、差額払いの状況についてはご理解いただいたということでございます。じゃ、しない、させないための取り組みをどうしているのかというお話でございます。
まず1つは、賃金不払残業に対しては、監督指導を行って指摘をするということになりますが、現象面で言うと、労働基準法の37条違反ということで、私どもが指導する場合には是正勧告書という文書で指導をして、文書で報告をいただくということになります。
その際には、単に37条の指摘だけではなくて、これはこういうことで問題ですから、払ってくださいねという指導を一方でしながら、労働時間管理の状況についてはいかがでしょうかといった部分について、例えば、労働時間の適正な把握のための基準というのが別途設けられております。そういった基準に基づいて適正な管理をしてくださいとか、具体的に、あなたの会社ではこういった問題があるので、この辺を気をつけていただいたらいかがでしょうかとか、そういった形での個別の指導をまずさせていただいているというのが1点でございます。
とともに、やはり啓発指導の一環としまして、労使双方がやはり自主的にそういったものをなくしていく、労働時間を適正に把握をして、残業手当については支払っていただくというのが必要ですので、そういったものをしっかり取り組んでいこうということで、私どものほうで、賃金不払い残業の総合対策要綱というものを、別途設けております。そういうものを周知をしていく中で、労使双方の啓発活動といったものを展開している。そういう流れの中で、全体として、同じようなことを繰り返さないといった形での取り組みを進めているというのが1点目でございます。
それからもう1点の、年次有給休暇の取得状況のデータでございます。実は、この資料の出所が、お手元の下のほうに書いてございますとおり、厚生労働省の就業条件総合調査9の、労働時間制度等総合調査ということで、全国調査で、東京のほうで一たん集計をして、それを本省のほうに渡して全国統計をとるというスタイルであれば、私どもは必ず把握するということになるんですが、システムとしては本省のほうで一括して調査をしているという実態でございます。小井委員のご指摘を踏まえまして、ちょっととれるのかどうか、もう一度確認をして、しっかり把握しなければならないということを、むしろご指摘だというふうにも受けとめまして、取り組んでいきたいと思います。
【小井委員】 あと、お聞きしたいのは、なぜ低いのかということです。
【山本労働基準部長】 それで、なぜ低いのかというのを、お手元の、きょう資料としてお出ししております、折れ線グラフになっているところを見ていただくと、取得率のでこぼこが出てくると思います。
見ていただくと、一番ピークになっておりますのが、平成3年、4年、5年ぐらいが、一番取得率が高いという時期に重なります。実は、このころがいわゆるバブル経済が崩壊の時期に当たりまして、私どもは別の統計で、先ほど、申告受理の状況というのも申し上げたと思います。実は、このころから申告受理が、申告件数が右肩上りでどんどん増えてきている。バブル経済が崩壊する中で、非常に労働者の方々が厳しい環境下に置かれている。このころにリストラとか、いろいろな言葉も出てまいりました。そういう中で、なかなか労働環境として年次有給休暇を取得できる環境というものが、なかなか厳しい状況になってきたのではないかということも、一つの理由ではないか。
ただ、厳格に、個々の労働者の方々に個体調査をするといったこともやっておりませんので、正確なことは申し上げられませんけれども、一つの背景としてはそういうことがあるのではないかというふうに考えております。
それから3点目の、第三次産業における労働災害は、どんなものが増えているんでしょうか、どういったものが多く発生しているんでしょうかということでございます。
これにつきましては、労働災害を、事故の型別の分析というものをやっております。第三次産業対策につきまして最も多いという事故の型は、転倒となっております。これが18年のデータでいきますと、転倒にかかわる災害が全体の26.7%という水準になっております。
次に多いのが、交通事故による災害、これが16.6%という形になっておりまして、それ以外に、やはり機械類も若干ございますので、挟まれ・巻き込まれ災害というのが3つ目に多くて、14.6%、この3つがベスト3という状況になっております。
【佐藤会長】 今の労災のことで、製造派遣で事故が起きると、派遣が元だから、業種としては、データ的にはサービス業になるのでしょうか? 対事業所サービスだから。
【山本労働基準部長】 派遣ではとっていません。
【佐藤会長】 もちろんないですけれども、例えばそういう場合は、製造業じゃなくてサービス業、第三次産業にカウントされるということでいいですか。
【山本労働基準部長】 サービス業になります。
【佐藤会長】 そういうことですね。そういうのが増えてきたときに、中身がわからなくなってしまうので、ちょっと考慮が必要かもしれません。
【山本労働基準部長】 派遣業は派遣業で、別途災害統計をとるように、努力はしておりますので。
【佐藤会長】 そうですか。
それでは、またお三方に続けて伺って、質問があった方はちょっとメモをしていただくというやり方でいきたいと思います。どちらからでもどうぞ。
【黒澤委員】 1点、質問させていただきます。資料8の派遣労働者の関係で、昨今は派遣労働者がかなり増えているわけですけれども、3ページに個別指導、それから集団指導の関係が載っておりますが、とりわけ法改正の中で、派遣先で3年を超えた場合の、いわゆる雇用直接申し込み義務というんですか、その分も含めまして、具体的に是正指導をされている内容、違反している内容がどういうもので、どんなふうな指導をされているのか、ちょっとお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
【白川委員】 2点、質問させていただきたいと思います。聞き漏らしもあったかもしれませんが、確認をさせていただきたいと思います。
資料ナンバー5の2ページ6番、紛争調整委員会によるあっせん運用なんですけれども、最後の段で、あっせん運用は人数不足のため、迅速性が損なわれていると懸念をしているということでございますが、しからば、対応の方向性は一体どのようにご認識されていらっしゃるのかということについて、お答えできる範囲で教えていただければと思います。
もう1点が、資料ナンバー9の、パートタイム労働対策の中での、改正パートタイム労働法の周知の関係でございます。先ほど、問い合わせがかなり多くなってきたというお話でございます。私どもJAMという、中小企業の産業の中での機関会議の中で、労働界による指導も必要ではないかという声も出てきているところでございます。どのような問い合わせが多く、そしてどのようなところに懸念事項が多いのか、そういった問い合わせを踏まえて、周知の点でどのようなところに注意を払う、もしくは注力をしていくのか、もしお考えがあればお教えいただければと存じます。
以上です。
【山崎委員(公益代表)】 私もいいですか。
【佐藤会長】 どうぞ。
【山崎委員(公益代表)】 資料7の5のところですけれども、障害者の雇用のところで、アのところに障害者全体というのがあって、イが知的障害、ウが精神障害なんですけれども、これは、アからイとウを引くと身体障害になるということでしょうか。
あとは、最近大きな問題になってきている発達障害ですね、アスペルガーとか、ADHDといった、あれはどちらに入る形になっていますでしょうか。
【福島職業安定部長】 実は、どちらにも入れていないんです。全数には入っておりますけれども、いわゆる全数から知的と精神を除けば身体なんですが、実はそうじゃなくて、身体に、その他という区分で、実は発達障害をとらえています。正確に申し上げますと、全数から知的と精神を除いて、かつ身体を除くと、その他のいわゆる発達障害者が出てくるという区分になっています。
【佐藤会長】 それは、あとでデータがつくれれば。
【福島職業安定部長】 はい。
【山崎委員(公益代表)】 発達障害について、最近は大きな問題になってきているので、できれば個別に分けて示していただきたいと思います。
【佐藤会長】 それでは、野中委員お願いします。
【野中委員】 ちょっと一つだけお聞きします。資料6の7ページのアスベストの関係なんですが、ここの表の3枚目に支給決定の件数というのがあって、これは18年度まであるんですけれども、19年度の現在というか、半年分ぐらいのデータというのがあるんでしょうか。あったら、ちょっと数字だけ教えていただきたいというふうに思っていますけれども。
【佐藤会長】 まず、需給調整部長が最初で、基準部長、総務部長、均等室長の順にいきますか。よろしくお願いします。
【浅野需給調整事業部長】 お尋ねの具体的な指導の中身ですけれども、18年度のデータになりますが、私どものほうでは、派遣請負関係で886件の是正指導を行ったところですけれども、一番多かったのは、いわゆる偽装請負関係で、請負にかかわる是正指導が2割ちょっとぐらい。
それから、派遣契約を適正に結んでいないというものが、17%ぐらい。労働者への就業条件の明示がきちんとしていなかったというものが、同じく17%にちょっと足りないぐらい。それから、派遣元台帳がきちんとしていない、あるいは、派遣先への通知の不備がその次、それから、派遣期間に関する事項というのは137件ございました。パーセンテージでいうと8.7%でございましたけれども、私どもとしましては、改正法施行後、一定期間が経過したということもございまして、派遣受入期間関係について、手続面も含めて守られているか、すべきことがなされているかといったようなことに、昨年度、今年度と、特に注意を払った指導監督を心がけているところでございます。
以上でございます。
【佐藤会長】 次に基準部長。
【山本労働基準部長】 お答えいたしますが、すみません、はっきり申し上げて、今は手元に数値を持ってきていませんので、後ほどお答えをしたいと思いますが、全体としては、新法に基づく申請は鎮静化しておりますが、従来の労災保険法に基づく労災認定申請の件数は、やっぱり依然として一定水準あると、こんなような状況でございます。
【佐藤会長】 もしわかれば、あとで。
【山本労働基準部長】 はい。
【佐藤会長】 次に総務部長。
【小暮総務部長】 あっせん委員の人数につきましては、これは来年度予算に向けて、全体の調整もございますけれども、本省のほうに要望しておりますので、できれば増員が実現できればいいなということでお願いしているわけでございますけれども、一方で、あっせん委員の方々の稼働率といいますか、を、若干増やしていければいいなということは考えております。実態上は、やはり学識経験の方といいますか、大学の先生の方は、本当にたくさん出ていただくわけにいかないので、弁護士の方とか、社会保険労務士の方とか、そういう方々を増やして、稼働日数を増やして対処しているというのが、実態上、対応している対策でございます。
【佐藤会長】 それでは、均等室長。
【金崎雇用均等室長】 それでは、パート法の関係でございますが、資料のナンバー9のように、一番簡単におわかりいただけるリーフレットをつけてございますので、もしあまり全文をごらんいただいていない委員におかれましては、このリーフレットのほうも見ていただければと思うんですけれども、私どものほうにたくさん寄せていただいているご質問等の中では、やはり適用範囲というのがまだはっきり、短時間労働者ということで、労働時間が少し少ない方というのが対象になっているということでございまして、その適用範囲は一体どういうふうに考えたらいいのかというそもそものところのご質問も、結構多い。国会等でも、フルタイムパート問題というのが問題になりまして、フルタイムであれば、名称がパートとなっていても、一応法律の適応対象になっていないということもございまして、そのあたりがまだ十分浸透していないようで、そういうご質問もかなりございます。
それから、雇い入れなどの際の労働条件の通知、明示等の義務、説明義務をどのようにすればよろしいのかといったようなご質問とか、それから、均衡処遇というのが大きな柱になってございますので、均衡処遇の取り方はどういうふうにしたらいいのか、その辺がちょっと技術的に、この法律は、なかなか詳しく通達等で書いてあるんですが、なかなか複雑な法律になっておりますので、その辺の技術的なお尋ね。それから案外多いのが、正社員への登用ということが義務化されておるんですけれども、そこの部分について、どこまで義務がかかるのかとか、それから例えば、パートから契約社員にするというところは今、制度があるけれども、それだけではだめで、最終的に正社員に登用していただくという道をつけていただくということになっているんですが、それはどこまで措置すればいいのかとか、どの辺の労働者に、新規募集、正社員募集のときにパートの方にも通知すればいいのかとか、そのような細かいお尋ねが非常に多くなっております。
私どもといたしましては、その辺の、これはパート法改正と言っておりますけれども、ほとんど新法みたいな大きな改正でございますので、基本の法律自体の枠組みと構造といいますか、その法律の目指すところのご理解を、まず基本的にしていただくように、説明会等ではまず心がけて説明しようと思っております。
あと、それから、できるだけ法の対象になる範囲が、労働者の方の範囲が故意に狭くなることがないようにということを気をつけて、ご説明をしたいと思っております。
それからご質問の中で、やはりかなり労働基準法とか社会保険とか、純粋に言えばパート法だけでない部分のご質問やご相談も多いので、そのあたりは関係行政と連携しながら、わかりやすい説明をしなければいけないなというふうに思っております。
【佐藤会長】 まだまだご質問はあると思いますが、残された時間が限られてきましたので、ご意見を含めてでも構いません、この機会に。三宅委員。
【三宅委員】 三宅です。派遣の関係でちょっとお伺いしたいと思います。
私は建設労働組合が出身なんですけれども、建設は一応、派遣は適用除外というか、してはいけないということになっているんですけれども、現実問題としてはかなりありまして、請負を装う形になっているんですが、結果的に手元だとか、手元というのは単なる手伝いですね、そういうのを請負というのはあり得ないんですね。現実的にはあり得ないんですけれども、私ども組合のところに結構情報がファクスなんかで入ってきたりするんですけれども、そういうのは、労働局と相談しながら対応ということで、情報が集まったら連絡をしてとかやっているんですが、結果がわからないんです。うちの担当者なんかが「どうなったのか教えてもらえますか」と言うと、それはちょっと教えられないということなんです。ですから、ぜひ、情報ももっと掘り起こして伝えていきたいし、そういう違法派遣はやめさせたいと思うんですけれども、結果がわからないと、組合員に、どうなりましたよということが言えないので、そのあたりの情報をぜひ返してもらうという手だてを考えていただけないかなというのが、1つあります。
もう1つは、先日、東京労働局から本省のほうに、バイク便の労働者性のことでやって、僕はすばらしいなと思ったんですけれども、建設で「手間請」という言葉があるんですが、監督署の職員の皆さんが手間請と聞くと、これはもう請負なんだなとすぐに思って、労働者関係というか、労働者性というのにまず否定的な考えを持つんですけれども、バイク便の労働者と同じような、出来高払いの賃金という性格が非常に強いんです。労務の代替性もないし、それから管理監督も結構されているというところで、住宅メーカーだとか、ゼネコンの下請だとかいうところで働いているわけですけれども、そこのところでぜひ、各監督署の職員の皆さんに、建設労働の手間請問題について学習というか、実態をきちんと理解してもらうための研修とか、そういうのをぜひ検討していただけないかなと。もちろん個別にやって、事例は違うと思うんですけれども、ぜひお願いしたいなと思っているんです。
以上です。
【佐藤会長】 ある分を聞いておいていただくということで、もし何かあればレスポンスしていただくということにしますけれども、ちょっと私も教えていただきたいことがあります。資料7の4ページの障害者雇用率なんですけれども、私はいつも労働政策審議会の障害者雇用分科会で見たりするんですが、全国と東京、東京なんだけど、東京のデータを都道府県別におろすと、障害者雇用率は本社単位で集計しているので、つまり、これは東京が増えているようだけれども、東京のある事業所で見たときに、実際の雇用率が上がっているかどうかがわからないというデータでいいですね。
【福島職業安定部長】 そうです。
【佐藤会長】 つまり、東京に本社のある事業所を積み上げたときに、こうなっているということで、ほんとうは東京都に障害者が住まわれているわけですから、そこで障害者の雇用がしっかり増えているかどうかはわからない。それは何か、わかるようなことをやったことがあるんですか。つまり、増えていても安心ができないですね。
【福島職業安定部長】 今、会長がおっしゃったとおりなんですけれども、雇用状況報告書で出てくるときに、本社が東京に所在地を持っていて、地方に事業所あるいは支店がある場合は、報告書の中の個表として出てくるんです。それを全部外していくと、東京だけの数字というのは出ることは出るんですけれども、非常に膨大な作業になるんです。それは、独自システムでやろうかと思っても、なかなかそこは、全国システムの問題ですので、できない。例えばハローワークの飯田橋の1所ですら、大変な量のデータなんです。
【佐藤会長】 わかりました。そういう意味では、ちょっと地域単位で見ると、データ的にも工夫する必要があるということですね。
【福島職業安定部長】 そうです。ただ、東京の事業所に対して雇用率が下がっているかというと、東京のハローワークを通して、ただ、すべて56人以上事業所に紹介、就職させたというわけではありませんけれども、4,000人を超す就職を決定したというデータがありますから、それは確実に東京の就業場所で雇用されている。その数字が年々上がっていますので、そういう意味では東京の雇用率が、正確値では出ませんけれども、近似値は出ているかなと思います。
【佐藤会長】 わかりました。意外に知らない方が多いので、読み方としてちょっと注意するということが大事かもしれません。
では、先ほどの請負の件、可能な範囲内で結構ですのでお答えください。
【浅野需給調整事業部長】 いろいろな情報をいただき、ありがとうございます。なかなかこういうふうに指導しているんだという具体的なことをお伝えできないんですけれども、情報公開法における整理と、それから、いろいろな方の協力を得ながら調査を進めるということもございまして、行政処分を行う場合であるとか、それから、申告者に対して、申告に対する一連の対応として、法違反の事実の有無だとか、指導内容だとか、是正結果だとかの、結論部分だけを申し上げる場合を除いては、非常に申しわけないんですけれども、個別の事案については指導の有無も含めて申し上げられないんです。ただ、いただきました情報については、私どもにとって非常に貴重な情報でございますので、しっかり活用させていただくこととしております。
それから、いただくときの情報が具体的であればあるほど、調査しやすいということでもございますので、どうかそのあたりをご理解のうえ、よろしくお願いをしたいと思います。
【佐藤会長】 今のに関連して。
【山本労働基準部長】 関連というか、バイク便に合わせまして、手間請の労働者制の問題がございました。その件については、基本的には昭和62年に労働基準法研究会報告で、請負と労働契約との区分の基準について示されておりまして、具体的にはその一つ一つの事案に当てはめてというのがまず大原則なんです。その上で、今はむしろしっかりと研修をして、各監督官がしっかりとそういう基準を身につけて、使えるようにしろというお話でございます。
実は私は、前任のところが本省監督課というところにおりまして、監督官の研修も、実は担当しておりました。新人、それから5年目研修、上級研修、その辺が基本的なベースの部分の研修になるんですけれども、そういった場合には、当然のことながら、そのときどきの情勢にかかわる、こういったところが問題になっていますよと。今のお話であればバイク便の問題であったり、そういったところもしっかり話をして、しっかり、こういった通達がありますよ、こういった基準がありますよということを示しながら、中央研修という形でやっております。もっとしっかりやれというご趣旨かもしれませんので、しっかりやるように、また本省のほうにも伝えたいと思います。
【佐藤会長】 では、上原委員。
【上原委員】 資料7の2ページのジュニア・インターンシップのところで、下から4行目ぐらいに、学校独自で実施しているのもあるということが書いてありますけれども、台東区の地元の中学から、ある会でお話があったんですけれども、そこの校長先生が言うには、企業を見学するということはもちろんわかるんですけれども、そのほかに、作業もさせてくれないかという話があったんですね。そうすると、企業としては、安全とか衛生とかいう部分から言うと、若干お金も払うようなことも言っていましたけれども、受け入れとして難易度があるので、その辺の、このジュニア・インターンシップの考え方の中に、見学のほうに作業というのもやるんだというのが入っているのかどうか、その点を確認したいというのが1つ。
それから、職業意識の形成とか啓発というのはよくわかるんですが、別の話で、高校生のグループがある組織からの紹介で、見学したいと、これは見学の話だったので、それはそれでよかったんですけれども、見学のときに、例えばその高校はネクタイをしているらしいんですけれども、ちゃんと締めさせてくるとか、私はよく知りませんけれども、最近の高校生はズボンを下げているらしいんですね。そういうのはちゃんと上げさせますとかいう話があったんです。そういう話を聞いていると、もっと教育現場そのもので先にやることがあるんじゃないかなとちょっと思ったものですから、蛇足ながら報告したいと思います。
【佐藤会長】 それでは、ジュニア・インターンシップで、おわかりの範囲内で。これは厚生労働省の所管ですか。
【福島職業安定部長】 ジュニア・インターンシップは厚生労働省です。
【佐藤会長】 文科省のかもしれないんじゃないですか。
【福島職業安定部長】 かもしれません。東京では、東京都教育庁行っている中学生の職場体験事業というのがあり、もしかしたらそっちかなとは思っています。この事業は、都内すべての中学校において、3日ないしは5日の職場体験をするというプログラムを組んでいまして、私どもも安定行政として協力をしてくれという要請が来ていますから、協力はしましょうというスタンスになっているんです。多分上原委員がおっしゃったのは、もしかしたらそっちかもしれませんね。
【上原委員】 いずれにしても、中学生に働いてもらうというのは、ちょっといかがなものかなと思うんですね。企業サイドとしては、ちょっとそんな気がするんです。
【佐藤会長】 もしあとでわかれば、調べてみてください。
【福島職業安定部長】 わかりました。いろいろな問題が出て、学校長から、コンビニで3日やっていたら、事故が起きたという話を聞いています。この事業は、推進協議会を設置しておりますので、しかるべき機会等で、それは申し上げたいと思います。
【佐藤会長】 まだまだご質問かあるかと思いますけれども、ちょっと時間も過ぎてしまいましたので、すみませんが、本日の議論はここまでということにしたいと思います。
それでは、最後に事務局を代表して、村木局長からごあいさつをいただけるということですので、よろしくお願いいたします。
【村木労働局長】 大変活発なご質問、ご意見をどうもありがとうございます。まず、私どもの行政にご関心を持っていただいて、ご理解をいただくということが大変大事だと思っておりますので、これからもよろしくお願いします。
今日いただきましたご意見は、またしっかりと中で検討して、行政に生かしていきたいと思います。地方の審議会でありますけれども、東京というのは全国の1割というだけではなくて、ここで最初に物事が起きるという特徴がありまして、その意味で、私ども東京の労働局を預かるものといたしまして、非常に自負心を持って、かつ懇切丁寧に仕事を進めていきたいと思っております。その際に、いろいろ教えていただく、あるいは、ご理解、ご協力をいただくことが大変重要でございますので、どうか、これからまたよろしくお願いいたします。
【佐藤会長】 ありがとうございました。それでは、これをもちまして、第4期第1回東京地方労働委員会を終わらせていただきたいと思います。
どうも、ありがとうございました。
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