第3期第3回 東京地方労働審議会議事録

日時  平成18年11月8日(水) 午後2時00分から午後4時00分

2 場所  東京労働局 飯田橋ビル会議室

3 出席者
(1) 委員
公益代表 清家会長、小井土委員、田付委員、山崎委員
労働者代表 尾野委員、北瀬委員、久笠委員、白川委員、三宅委員
使用者代表 上原委員、吉川委員、野中委員、山崎委員
(2)    事務局
大槻東京労働局長、井上総務部長、本間労働保険徴収部長、
永山労働基準部長、水谷職業安定部長、三上需給調整事業部長、
金崎雇用均等室長ほか

4 議題
(1) 東京労働局行政運営方針の基本方針と重点事項取組状況について
(2) 専門委員(港湾労働部会所属)の同意について
(3) その他(意見交換)

5 議事

司会(森井企画室長)
 大変お待たせいたしました。ただいまから第3期第3回の東京地方労働審議会を開催いたします。本日、委員の皆様方には大変お忙しいところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。申し遅れましたが、本日の進行をします総務部企画室長の森井です。どうぞよろしくお願いいたします。
 はじめに審議会に先だちまして、事務局に人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。本年9月1日より着任した東京労働局長の大槻です。本年4月1日より着任した労働保険徴収部長の本間です。雇用均等室長の金崎です。
 次に資料の確認をいたします。資料配付一覧のとおりとなっていますので、ご確認をお願いいたします。ここで、誠に申し訳ございません。資料No.6、別添6-1から6-16とご案内させていただいていますが、6-1から6-11ということで訂正をお願いいたします。
 次に本日の出席委員は現在13名ですが、金子委員については午後3時から出席予定で、計14名が出席の予定です。したがって、地方労働審議会令で第8条第1項の規定により、本会は有効に成立しておりますことを、ご報告申し上げます。
 それでは局長の大槻よりご挨拶を申し上げます。
大槻労働局長
 本日ご出席いただきました委員の皆様方には、本当にご多忙の中をご出席賜り厚くお礼申し上げます。また、皆様方にはこの審議会の審議運営、そしてまた日ごろ何かと私ども労働行政に対するご支援をいただいているところです。この席をお借りして、厚くお礼申し上げる次第でございます。
 今日、私どもの行政の推進状況について、後ほど説明をさせていただきますが、私からまず最初に若干お時間をいただきまして、労働行政をめぐる情勢について、手短にお話をさせていただきたいと思います。雇用情勢についてですが、景気の回復基調が継続する中で、総じて言えば厳しさが残るものの、改善に広がりが見えるところです。
 全国の有効求人倍率については昨年末から1倍を超えてきている状況ですし、完全失業率については高水準ながらも低下傾向で推移をしております。9月においては4.2%ということです。
 東京については9月の求人倍率が1.58、4月から6月期の失業率は4.1%という状況です。私は9月に来たばかりで、東京のハローワーク監督署本署だけで合わせますと35カ所ありますが、順次回るなどして、窓口の状況なり地域の情勢について事情把握に努めているところです。
 これは定量的な話ではありませんがハローワークにおいては、例えば高卒の求人について、長らくハローワークへの求人はなかったけれども、久方ぶりにハローワークにある程度まとまって求人をするという企業が見受けられるなど、総じて言えば、求人意欲が上向いてきているなという状況を、肌で感じているところです。
 こうした反面で、若年者の失業率は依然として高く、フリーターとかニートと言われる方々の問題も、まだまだあるわけですし、また、働く意欲と能力があるにもかかわらず、適当な仕事が見つからないという女性の問題もあります。また高齢者の問題もあるということで、いろいろな課題がまだまだ山積の状況です。いま申し上げたような方々が安定した正社員としての雇用に就くことは、なかなか容易ではないというのが現状です。
 ハローワークに関連していま申し上げましたが、労働基準監督署でいろいろ話を聞きますと、まだ何と言っても例えば過重な長時間労働の問題、あるいは解雇の問題、賃金不払の問題等々、まだまだ景気が良くなったと言われてはいますが、申告・相談等々、多々見られる状況です。
 やはり健康障害の防止の問題は当然ですし、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現等々、それに向かっての環境整備はまだまだ重要な課題としてあるわけです。
 また、アスベストの問題については重点課題として対応しており、もちろん健康障害を受けた方の石綿救済法などによる救済をしっかりやることは当然です。また暴露防止対策、予防対策も、都内ではいろいろな解体工事等も非常に多いので、引き続き積極的に継続して取り組んでいるところです。労働災害については長期的には減少傾向にあるわけですが、昨今細かい数字を見ていますと、若干増加の気配もあり、懸念をしているところです。
 こうした多種多様な課題があるわけですが、東京の労働行政については、3月に当審議会において説明をさせていただいた方針に基づき、一生懸命に業務の推進に努めているところです。詳細については後ほど個別に説明させていただきますが、若干、私から一言申し上げますと、本年度はいろいろな法律の改正、あるいは法の施行がありました。高齢者雇用安定法然り、障害者雇用促進法の施行然り、労働安全衛生法の施行もありました。また、労働時間改善設定法、また石綿被害救済法といろいろな法律の施行があり、これにしっかりと対応するということが、大きな課題でした。
 例えばの話ですが、子育て中の女性の就職と生活に関する総合的な情報ステーションという意味合いで、渋谷にマザーズハローワーク東京をオープンするといったような、情勢に応じた具体的な施策も展開に努めているところです。
 また、昨今、報道等ではよく取り上げられている請負労働に係る問題があります。これについても局を上げて対応しているところで、例えば最近の求人の中で、請負派遣の占める割合が高いわけですが、中には相当問題もあるということで、東京局では派遣請負求人のチェックを行い、その適正化について、指導しているところです。
 また、派遣事業自体の適正化指導、あるいは派遣労働者等の労働条件の確保改善、そしてまた請負事業そのもの、あるいは請負先というか、請負労働者が働いている事業所等に対する指導監督に力を入れているところです。先月と今月にかけて、首都圏の各労働局と一緒になり、首都圏派遣業務請負適正化キャンペーンといった広報活動を、集中的にやっているところです。
 今後とも私ども雇用の安定と安心して働ける社会の実現に向けて、東京地域でしっかり頑張っていこうと思っているところです。今日は折角の機会ですので、是非忌憚のないご意見をいただきまして、今後私どもの業務をより効果的、効率的に推進すべく努力したいと思っておりますので、活発なご議論をいただければ幸いです。今日はよろしくお願いします。
司会(森井企画室長)
 それでは清家会長、よろしくお願いいたします。
清家会長
 ただいまから第3期第3回の東京地方労働審議会を開催いたします。はじめに運営規定第6条第1項に基づき、本日の議事録署名委員を指名させていただきます。労働側は北瀬委員、使用者側は野中委員、よろしくお願いいたします。
 それでは議題第1です。東京労働局行政運営方針の基本方針に係る取組状況について、事務局から順次説明をお願いします。
井上総務部長
 資料No.1と資料No.2により、平成18年度の東京労働局の行政運営方針の概要とその中での基本方針に係る取組状況についてご説明申し上げます。資料No.1「平成18年度東京労働局行政運営方針の概要」です。まず、行政運営方針の構成です。平成18年度の方針においては、行政運営の姿勢として4つの基本方針を示すとともに、6つの重点対策を柱として示しています。
 その基本方針ですが、資料の左上にあるように4点あり、1点目は、東京労働局・労働基準監督署・公共職業安定所が、各担当分野の枠を超えて、東京労働局全体として一体的な取組を行い、労働行政の総合力を発揮するということです。
 2点目は地域のニーズ、特性をとらえ、地方公共団体等との連携により、各地域における行政サービスを向上させると同時に、行政効果を高めるというものです。
 3点目は利用者の利便性を向上させること。4点目は業務の整理統合等合理化により、可能な限り業務運営の効率化を追求することとする。これら基本方針の具体化した内容については、後ほど資料No.2の取組状況の中でご説明します。運営方針の概要の2つ目ですが、東京労働行政重点対策として(1)から(6)まで、6点あります。(1)高年齢者の雇用安定・労働環境の確保、(2)若年者の労働環境の確保、(3)労働時間管理の適正化などの一般労働条件の確保・改善対策の推進、(4)アスベストによる健康障害防止対策など、健康確保対策の推進、(5)職業生活と家庭生活の両立支援、(6)派遣労働者、パートタイム労働者などの雇用労働環境の整備です。
 そして、行政運営方針の中では、その後に続くものとして、各分野別の重点対策を各行政分野ごとに取りまとめています。これらの内容については、後ほどそれぞれの取組状況の中で説明します。
 それでは資料No.2の「平成18年度東京労働局行政運営方針の基本方針に係る取組状況」です。基本方針の1点目です。各担当分野の枠を超えて一体的な取組を行うという部分です。その具体的な取組内容の1つとして、高年齢者に関する対策です。この具体的な内容としては、改正された高年齢者雇用安定法に基づく高年齢者雇用確保措置の義務化についての事業主への指導について、労働基準監督署が主催する安全衛生講習会にハローワークなどから講師を派遣するという形で、一体的な周知を図っているものです。
 また、この改正高年齢者雇用安定法の施行に伴い必要となる就業規則改正の監督署への届出に際し、監督署においては就業規則に問題が認められる場合には、窓口で改正高年齢者雇用安定法に係る教示を行うとともに、必要に応じハローワークへの情報提供を行っている。さらに、高年齢者の労働災害が増加している傾向にある中で、第三次産業における労働災害防止対策の一環として、ハローワークにおいても災害防止対策のリーフレットを備え置くなどの周知に努めています。
 次頁です。連携施策の具体化の2点目で、若年者に関する対策です。若年者に対しては職業選択の時点から、基本的な労働関係法令の知識などを修得していることが望ましいという観点から、ハローワークが行う就職活動支援セミナーなどの場において、就職活動に関する心構えや、就職活動の方法などと同時に、監督署から講師を派遣し、基本的な労働関係法令に関する知識について教示しています。
 具体的な連携施策の3点目、派遣労働に関する対策です。この内容としては、違法派遣・偽装請負の解消、派遣労働者の労働条件や安全衛生の確保に関し、セミナーの開催などにより、法令を周知し、あるいは違法事案に対し個別指導監督を行うといった取組を、需給調整事業部、労働基準部が連携して取り組んでいます。
 さらに、ハローワークの求人窓口においては、労働条件の確保等の観点から、派遣請負求人に対する確認と自主点検の依頼、求人内容の適正化に努めています。また不適正事案については需給調整事業部と監督署が情報を共有しながら、共同で指導を行うこととしています。
 連携施策の具体化の4点目、労働保険未手続事業の一掃対策です。労働保険徴収部が労働基準部、職業安定部などと連携を取りながら取り組んでいるところで、需給調整部との連携の中で、労働者派遣事業上に係る算定基礎調査を計画するほか、求人受理などハローワークの窓口を通じて労働保険の未手続事業所を把握した場合には、監督署と共同調査と指導を実施しています。
 2頁の下、その他の取組として、男女雇用機会均等法、次世代育成支援対策推進法などについては、新規学卒求人説明会、高齢法説明会など、あらゆる機会を利用しながら、周知に努めています。
 3頁です。基本方針の2点目、地域のニーズ・特性をとらえ、地方公共団体などとの連携により、各地域における行政サービスを向上させると同時に、行政効果を高めることとするという部分です。1点目、地域のニーズの把握です。労働基準監督署長、あるいはハローワークの所長が自ら各区、あるいは市町村を訪問し、各区、あるいは市町村長と協議しながら、地域における雇用、労働に係る課題、あるいは地域ニーズについて意見交換をしていく。その中で必要な対策について協議していくものです。
 基本方針の2点目の具体化の2つ目として、地域における個別対策の推進です。3頁から4頁にかけ、項目を紹介します。1つは地方公共団体と連携して、アスベスト暴露防止対策を推進しています。
 4頁です。2つ目で改正男女雇用機会均等法の周知のための合同説明会を地方公共団体と開催しています。
 基本方針の3点目、各地域における利用者の利便性を向上させることとするということで、その具体化としては1つには監督行政、安定行政、均等行政が一体となった地域への情報発信ということで、それぞれの窓口にほかの行政関係のパンフレットを備え置くなど、ワンストップサービスの展開に努めています。
 5頁です。これは利用者の利便性の向上の2点目として、地域利用者のニーズを捉えた地域密着型のハローワークプラザなどの業務運営に努めています。
 そして、基本方針の4点目、業務運営の効率化です。申請・届出などの手続の電子化を推進するなどによっての業務運営の効率化に努めています。雑駁となりましたが以上です。よろしくお願いいたします。
清家会長
 では続いて基準部長お願いします。
永山労働基準部長
 労働基準行政においては、労働局及び都内に18の労働基準監督署において監督指導、安全衛生指導等により労働条件の確保、労働災害の防止に取り組むとともに、労働災害の被災者等に対しては、迅速適正な労災保険の給付を行っております。私からは本年度の重点事項の取組状況について、資料No.3により、その概要を説明いたします。大きく分けて5点ありますが、1番目は労働条件の確保・改善対策であります。一般労働条件の確保・改善対策ですが、労働時間管理の適正化の徹底を図っているところです。平成13年に出された労働時間の適正把握基準がありますが、これに基づいて労働時間の適正化に係る指導の強化、さらに賃金不払残業総合対策要綱に基づく賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置に関する指針がありますので、この周知の徹底を図って、労働時間管理の適正化を図っているところです。
 2番目は監督指導による賃金不払残業の是正指導についてです。別添3-1ですが、平成17年度に東京労働局管下の18の監督署が行った監督指導において、賃金不払残業の是正を勧告・指導した結果、1事案当たり100万円以上を支払われたものの状況です。企業数が165企業、対象労働者は2万9,557人、割増賃金の支払額は39億866万円となっております。
 別添3-2を参照いただきますが、賃金不払残業については、現在も引き続き指導を実施していますが、さらに賃金不払残業の解消に向け、11月23日の勤労感謝の日に隣接する埼玉、千葉、神奈川の労働局と連携し、場所は東京労働局においてですが、フリーダイヤルによる賃金不払残業に関する相談受付を実施することとしています。賃金不払残業解消月間であるこの11月に、集中的な啓発活動を実施中であります。
 3番目は賃金不払事案への対応です。別添3-3を参照いただきますが、平成17年に東京労働局管下の監督署に寄せられた労働者からの賃金不払に関する申告は、件数で3,914件、対象労働者数で6,888人、金額では40億866万円となっております。このうち、労働基準監督署の指導、又は倒産した場合の未払賃金立替払制度の適用により、実質的な救済が図られたものは、件数で1,823件、対象労働者数で3,781人、金額で21億3,028万円となっております。
 4番目は偽装請負解消に向けた取組です。近年、製造業現場において業務請負が活用され、請負事業者に雇用される労働者が増加しておりますが、これらの中には、契約上は請負の形をとっているものの、発注者が直接請負労働者を指揮命令するいわゆる偽装請負が少なからず認められるところであります。こうした偽装請負においては、安全衛生管理に問題が生ずるおそれが大きいことから、労働基準部と需給調整部が連携して、都内の大手製造業に対して共同監督をこれから実施する予定にしております。
 5番目は裁量労働制の適正な実施の確保です。平成17年に東京労働局管下の監督署に届出のあった裁量労働制は、企画業務型で466件で前年比31.3%増、専門業務型で1,668件で前年比4.5%増となっております。これら裁量労働制の適正な導入、運用について引き続き指導を実施しているところです。
 6番目は最底賃金制度の適正な運用です。地域別最低賃金については、時間額714円を5円引き上げ時間額719円で、東京地方最低賃金審議会の答申を受け、本年の10月1日から既に施行されているところです。
 また、産業別最低賃金については6業種ありますが、それぞれ6円又は5円を引き上げるとの答申がなされたところであり、改正発行は12月31日を予定しております。
 一般労働条件の2点目です。申告・相談等への適切な対応ですが、今年の1月から9月まで申告受理件数が4,037件、前年同期比で16.3%の減です。相談の状況は相談件数が約19万件で、前年同期比で6.0%の減となっております。未払賃金立替払制度の状況は、認定申請件数が166件で、これも前年同期比の25.2%減になっております。申告・相談については申告書・相談者の置かれた状況に配慮して、懇切丁寧に対応しているところです。
 大きな2点目の多様な働き方が可能となる労働環境の整備についてです。年次有給休暇の取得促進等については、年次有給休暇の計画的付与制度の活用による積極的な年次有給休暇の取得促進、所定外労働時間削減要綱というものがありますが、これに基づく周知、啓発による所定外労働時間の削減指導を実施中です。
 2番目の仕事と生活の調和に係る社会的機運の醸成については、公労使各5名の委員による東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議を本年度設置し、8月2日に第1回目の会議を開催したところですが、これから12月と来年の2月に会議を開催し、仕事と生活の調和を推進するためのプログラムを策定することとしております。
 別添3-5を参照いただきますが、11月14日に「仕事と生活の調和を考えるシンポジウム2006 IN TOKYO」を開催する予定としております。
 大きな3点目は、労働者の安全と健康の確保対策です。別添3-6を参照いただきますが、労働災害の発生状況については、東京都内における労働災害による死亡者数は10月末時点で66人となっており、前年同期と比較して、3人増となっています。死傷者数は9月末時点で6,070人で、前年同期比の3.1%増となっています。2番目の労働災害を減少させるための対策ですが、第10次東京労働局労働災害防止計画に基づく諸対策を推進しております。特に、労働災害が多発している建設業、第三次産業等を中心に、再発防止講習会等による集団指導、個別事業場に対する監督・指導等を実施しております。また、第三次産業に対しては、特に災害の多い商業、接客娯楽業、保健衛生業、清掃業については資料3-7にあります、わかりやすい災害防止のリーフレットを関係事業者等に配付して、災害防止対策の徹底を図るよう指導しております。
 特に建設業に対しては、年末に向けて墜落による死亡災害が増加する傾向にあることから、災害防止用リーフレット、資料別添3-8を作成して、建災防東京支部等を通じて都内の建設事業者に配付しているところです。
 3番目はリスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステムの普及・定着です。4月から改正労働安全衛生法が施行されておりますが、その円滑な施行を図るとともに、リスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステムの普及・定着を図るため、当局においては「安全衛生リスク・ゼロ運動」を引き続き実施するほか、モデル事業場制度の推進を図っているところです。
 4点目は東京産業安全衛生大会の開催についてです。これは既に7月5日に第3回目の東京産業安全衛生大会を参加者1,300名を得て開催したところです。
 次に健康の確保対策です。別添3-9を参照していただきますが、新たに策定された過重労働による健康障害防止対策のための総合対策の推進を図るとともに、「かけがえのないあなた、かけがえのない健康」を標語とする東京圏独自の取組である過重労働による健康障害防止運動を、一部改正して、第10次災防計画の期間である19年度まで継続して実施することとしております。
 また、過重労働対策やメンタルヘルス対策推進の一環として、本年の9月1日に、産業保健フォーラムを開催しました。2番目のメンタルヘルス対策の推進につきましては、別添3-11を参照いただきますが、新たに示された事業場における労働者の心の健康づくりのための指針、この周知徹底を図ることとしております。なお、小規模事業場に対しては、地域産業保健センター等におけるメンタルヘルスケアに関する相談及び一部の地域産業保健センターにおいて実施している働き盛り層のメンタルヘルスケア事業、これは現在大田と新宿の2センターで実施しておりますが、これらの活用を図っていくこととしております。
 大きな4点目は労災補償対策です。労災補償請求に対しては、迅速・適正な保険給付に努めているところですが、その中で増加傾向にある別添3-12のいわゆる過労死と言われている脳・心臓疾患、自殺を含む精神障害等についても所定の認定基準及び判断指針の的確な運用によって、迅速・適正な事務処理に務めているところであります。
 2番目は、石綿救済制度の周知の徹底です。資料は別添3-13です。本年3月に施行された石綿救済法に基づき、迅速・適正な事務処理を図るとともに、改めて安全衛生部署、地方公共団体、災防団体等と連携して、同制度の周知・広報を実施し、石綿障害被災者の救済に努めているところであります。
 大きな5点目は、最後の石綿対策です。当局では、アスベスト総合3カ年計画を本年度作成し、関係法令・制度の周知、解体等の作業時の暴露防止、アスベストの早期全面禁止、健康管理対策の推進、労災補償請求等に対する迅速・適正な処理、相談への対応の6項目について、総合的な対策を推進中であります。
 別添の3-14を参照いただきますが、9月1日に施行された労働安全衛生法施行令の改正によるアスベストの全面禁止及び改正石綿障害予防規則によるアスベスト暴露防止対策についての周知指導を徹底しているところです。
 別添3-16は、事業場の廃止等で健康診断を受けられない離職者に対し、石綿業務に従事した離職者に対する無料の健康診断事業を実施することとしておりますが、これは受付が今月の1日から17日までで、現在受付期間中ですが、この周知の徹底を図っているところであります。
清家会長
 それでは水谷職業安定部長よろしくお願いします。
水谷職業安定部長
 私からは4点にわたって説明します。1点目の雇用ミスマッチの縮小です。最近の職業紹介の状況を説明します。求人については前年度同期比に比べて1%減で、69万8,021です。一般とパートに分けますと、一般が4.1%減少しており、パートが7.2%増となっています。また、産業別に見ますと、飲食店・宿泊業、医療・福祉、あるいは卸・小売業で増加しており、反対に建設業、サービス業で減少となっています。
 一方、新規求職者については、30万8,981人となっており、前年度同期比に比べて4.8%の減少です。全体では減少していますが、在職求職者が1.8%増となっています。年々在職求職者の割合が高まってきているわけですが、在職求職者への割合は上期で21.2%の比率になっています。
 次に就職数です。前年同期の0.9%減の7万5,768人となっています。就職率に直すと24.5%で、前年より1ポイント増加しています。
 また求人充足数については昨年同期と比べ1.3%増の10万2,127人となっています。
 次に求人充足を含めた求人者サービスの充実ですが、求人充足を図るために、何はともあれ求人は受理する段階で、求人条件の明確化を図るとともに、企業や職業の持つ魅力をどう引き出していくかということが大切だろうと思っています。そういうことで労働条件についていろいろ提案、援助するとともに、採用の機会を増やすということで、面接会の参加勧奨の充実に努めてきたところです。
 また、未充足の求人については求人申込みをいただき、3週間後にすべての求人についてフォローアップしているところです。
 それと合わせて今年、何点か新しい取組をしてきたわけですが、その中で1点目としては、求人受理の際に応募期日を設け、その期日に合わせてハローワークで職業紹介をしているという、いわゆる我々内部言葉ですが、応募期日設定方式の求人受理ということを導入しています。
 これの9月までの実績ですが、資料に示したように、求人件数にして5,793件、求人数で1万7,118人となっています。また、これによる充足数は2,123件となっています。今後、一層この充足率がアップするように努めていくつもりです。
 2点目は面接機会の拡大と雇用対策です。ハローワークの会議室を利用したいわゆる管理選考、あるいはミニ面接会を含めて、大規模な別の施設を借りた就職面接会を開催してきたわけですが、この実績については実施回数で994回、1,417社の参加をいただいています。また、これにより1,399件の求人の充足を図ってきています。もう1つ、推薦紹介方式を導入しています。これまで求人受理すると自己検索で公開してきたわけですが、公開する以前に我々ハローワークが持っている求職者情報の中から、適切と思われる求職者を企業に推薦する方式です。実績としては160件で充足が29件とまだまだ少ないわけですが、これも量的にも質的にも増やしていきたいと考えております。
 大きな2点目として、マッチングセンターをこの4月から開設したわけですが、求人充足、あるいは求職の結び付き、マッチングをオール東京でやっていこう。これと合わせていわゆる年収400万円から600万円のいわゆる中堅層の求人を合わせて確保していこうということで、飯田橋に4月に作っています。これまでの実績としては、求人件数が270件、求人数にして433名の求人を確保し、159件の充足を上げています。
 次に求職者に対する就職支援です。基本的にはそれぞれの求職者の置かれた状況、あるいは企業等に配慮したきめ細かな職業訓練に努めてきたところですが、合わせて物理的時間的にもいくつか整備しています。時間的には従来からやっていた夜間と土曜開庁に加えまして、ヤングハローワークを追加しています。また、4月にマザーズハローワークを開設し、10月には高幡不動に地域職業相談室を開設しています。これに加えて職業相談窓口において担当予約制の窓口の拡充に取り組んできています。
 2点目として、就職支援セミナーです。いわゆる就職活動の仕方、応募書類の書き方、あるいは面接試験対策といった就職活動セミナーを実施してきています。この実施状況については資料の2頁に示したとおりです。なお、こうしたセミナーをただ単に数多くやればいいということではなく、必要な人に必要なときに実施することが肝要と考えています。また、応募書類の添削や模擬面接は非常に手間がかかるわけですが、こういったものの充実に今後努めていきたいと思います。
 3点目の開庁時間の延長ですが、これは資料にあるとおりで、現在19施設で実施しています。ただ、このうち3施設、大森については蒲田、木場については船堀、府中については国領で、場所を変えてこの10月から実施する予定です。いずれにしても現在より利用しやすい場所になろうかと思います。
 4点目として、地方自治体との連携ということで、市区町村のところまで35回面接会を共同開催しており、21回就職セミナーを実施しています。また出張相談も79回に及んでいます。それと雇用保険受給者の再就職の促進ですが、今年力を入れて取り組んできたわけですが、これまでの実績としては、早期就職した方、いわゆる保険の給付日数の3分の2以上を残して就職した方の割合ですが、1万3,105件となっており、昨年に比べて4.3%ほど増えています。
 それと合わせて保険受給者の就職については1万6,770人で、昨年に比べて8.8%の増加になっています。
 5点目のマザーズハローワークの運営ですが、4月に開設して、新規求職者が4,237名、就職が939名という実績となっています。いずれにしても新しい施設ですから、子育て助成を中心にして幅広く女性の方々にご利用いただけるよう、引き続き努力していくつもりです。
 大きな2点目の若年者対策です。特にフリーターについては本年度は全国で25万人の常用雇用化を図ろうと取り組んできたわけですが、これまで東京では1万3,699名となっています。また、若年者トライアルについては1,396件となっていますが、常用移行率は80%と設定してきたところ、75.5%と少し計画より低い値となっています。いずれにしてもトライアル求人の確保に努めていくとともに、さらに利用促進に努めていきたいと思います。
 3頁です。いわゆる在学中の者、あるいは新規に学校を出る方に対する就職支援です。数字的には在学中からの職業体験機会の充実に示したとおりです。特に高校を卒業する方の9月の内定状況ですが、東京では39.8%です。昨年に比べて1ポイントほど高くなっていますが、98%を目標にしていますから、引き続いて取り組んでいき、全員就職を目指していきたいと考えています。
 大きな3点目の高齢者対策です。資料に示しているとおりですが、特に雇用確保措置については資料に示しているとおりで、全体の84.3%で、確保措置へ移行していただいています。いずれにしてもご覧になってわかるように規模の大きいほど進んでおり、300人以下を中心にして、今後個別指導を実施していくつもりでいます。また、来年から年齢が63歳に上がることから、実施している企業についても個々で指導していきたいと思います。
 最後に障害者雇用対策です。職業紹介の状況は示しているとおりで、見ればわかりますように、知的障害者の就職数の増加は顕著です。前年に比べて26.1%となっており、全体に比べてほぼ倍の伸びとなっています。また、民間の企業の雇用率達成指導ですが昨年の6月1日調査では1.40となっています。そういうことでこちらも引き続いて、企業の指導に努めていきます。私からは以上です。ありがとうございました。
清家会長
 ありがとうございました。それでは引き続いて三上需給調整事業部長にお願いします。
三上需給調整事業部長
 資料No.5で説明します。需給調整事業部を設立して3年目を迎えています。これまで安定所で行っていた派遣、紹介関係の許可申請・届出、指導監督の業務を労働局の中で、一元的に行うということで進めてきています。許可申請・届出の状況が2頁ほどあります。3頁目からは指導監督の状況です。5頁は最近の状況ということでご理解いただければと思います。
 1頁です。許可申請・届出関係については、グラフで見て取れますように派遣については18年10月時点で1万2,095の事業所が許可申請・届出という状況になっています。これは(2)にもあるように、対前年度比で24.9%増という状況になっているということで、右肩上がりになっています。また、紹介も同様に2頁にそのパーセントが入っていますが、20%以上の伸びで増加しているということです。内容的には16年3月の製造業への派遣の参入許可、業務請負から派遣への切り替えなどが増加要因と考えられます。また、紹介は紹介予定派遣に対応するための許可の取得や、会社法の改正による新規参入のしやすさといったものが、増加要因と考えられようかと思っています。
 2頁の(4)、(5)で、(4)を見ていただくと、新規・不更新・廃止事業所の状況はこのようになっているということです。
 3頁。指導監督です。この数値を見ていただくよりも、参考資料の6頁を見ていただくほうが、指導監督の流れがわかっていいかと思います。適正な事業運営のために、我々が指導監督する前に、自主的に事業所のほうで点検をしていただくといった方針で進めています。まず、新規の届出をしたいという事業所の方々は、事前に説明会、これは毎週火曜日に1回ずつ開催していますが、上期で派遣については1,369事業所、紹介については538事業所で説明会を開くとともに自らその点検をしてもらうこととしています。
 次にあるように新規に許可がおりた、届出をしたといったときにも、許可証を交付するときに労働者派遣事業については上期で1,075、紹介については433。先ほど1万2,000の事業所がありましたと申し上げましたが、上期で1,000ですから、10%程度、上期、下期を合わせれば20%。先ほど20%前後で伸びていると申し上げましたが、そういう新規の許可届出の事業所については、しっかりと自主点検をしていただくという仕組みにしているところです。
 毎年一度、どのような事業状況なのか報告書を提出することになっていますが、その提出勧奨依頼時に自主点検表を、ここに掲げているような事業所に対して送付しています。許可が更新されるとき、新規に許可を受けますと、まず3年後に更新の申請が必要になってきます。2回目以降は5年目ということですので、3年もしくは5年に一度、許可を取るときにまた来ていただき、自主点検を集団指導の中で行うということになります。括弧にあるようにそれは一般の話で、特定労働者派遣は届出をすればいいということですけれども、これも5年に一度は来てもらって、点検をするというような構造になっていて、ここに掲げているような事業所について自主点検指導をしていくという構造になっています。そして、こういったものを踏まえて、個別指導が必要になればやっていくというような構造になっています。
 3頁に戻っていただき、そういった形での開催回数、人員というのはどのようになっているかがこのペーパーです。先ほど申し上げた流れの中で、アの集団指導では、派遣元の事業所だけではなく、派遣を受け入れる派遣先に対しても、事業主、責任者の研修会を行う。先ほど来、説明がありました派遣事業と業務請負の適正化といったものについてもセミナーをする。また、学卒求人を受け入れるときにそれに合わせて行う。また、派遣元責任者講習会ということで、派遣の許可を取るときには、必ず講習を受けた人が必要ということで、それに関連してもやっていくということで、延べ人数として1万6,000、対前年度比で26%増、紹介については5,800ということで対前年度比46.4%増で、集団的な指導を総合的に、体系的にやってきているということです。
 4頁です。個別指導の関係です。労働者派遣の関係では、実施の件数18年度526ということで、全数は前年同期に比べて少し低い状態です。しかし、このうち、業務請負というものについて対前年度比46.5%という状況でここの部分に非常に力を入れながら、進めてきているということです。これは具体的に現場に入っていってやっていくということで、非常に手間が係る部分です。ここの部分に非常に力を入れながら、対前年度比46.5%という状況で進めてきているということです。そのようなことで調査指導をしています。
 (3)以降についてはさまざまな法令が改正されています。また、そもそも派遣法自体の周知ということで、後ろのパンフレットにあるように、こういったものも使いながら、周知を進めてきているところです。(4)は労働者からの相談・申告への迅速・的確な対応の面では、申し上げたリーフレットのほか、当部や監督署・安定所に寄せられる相談・申告について、迅速かつ的確な対応を図るということで、4月から9月の半年ですが、3,857の情報提供がありました。これは昨年1年間で5,269、約5,000ですので、大体50%増というような形で、いろいろな相談なり申告が出てきています。こういったものを受けながら、具体的に調査、指導に入っていくという構造になっています。
 (5)他労働局との連携です。先ほど来話がありましたように、10月、11月のキャンペーン、いろいろなセミナーについては1都6県の首都圏労働局で連携を取りながら進めてきているということです。また地方公共団体や各種団体と連携を進めてきているということです。
 5頁です。2として労働条件の確保、安定を図るための施策と申し上げていますが、ある意味昨今の状況ということでご理解をいただくとありがたいと思います。2頁ほどめくり、9月4日に偽装請負についての解消に向けた当面の取組というものが本省から出され、それを受けて進めてきています。「記」の下にあるように、周知啓発の徹底、次頁にあるように労働基準行政と安定行政が十分に連携をとって情報をやりとりする。安定行政と基準行政それぞれへの情報提供を行う等を進めています。共同監督の強化の関係では、先ほど基準部長からも話がありましたように、製造業の大規模事業所等を中心に計画的に実施していこうと考えています。さらに厳格な対応を進めてまいります。
 最後にキャンペーンの関係ですが、別添資料の5-2です。「いま一度その請負を自主点検!」という表題でキャンペーンを10月、11月と進めてきています。ここにあるような展開をしてきているということです。さまざまなセミナーを2頁以降に掲げていますが、それぞれ盛況裏に、集団指導を実施しています。
清家会長
 ありがとうございました。引き続いて金崎雇用均等室長からお願いします。
金崎雇用均等室長
 均等行政の主な取組状況についてお話します。資料No.6です。私ども均等行政は主に3本の柱で業務を進めています。1点目が最初にあるように雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策ということで、2点目が職業生活と家庭生活との両立支援対策の推進、3点目がパートタイム労働対策の推進です。1点目、雇用の分野における男女の均等な機会の対策ですが、こちらは今年6月に男女雇用機会均等法の改正という、この分野では大きな法改正があり、その関係で相談等の状況についても、今年度上半期は昨年度より増加しています。特に事業主の皆様からの改正法の中身についてのお問合せが多くなっており、その関係で問合せ相談等が、若干昨年度に比べて増えている状況です。
 通年で均等法については周知対策をやっていますが、毎年6月が男女雇用機会均等月間ですので、この月間を中心に、資料にも付けていますが、男女雇用機会均等セミナーを開催したり、あるいはいろいろな説明会に、月間に限らず通年出向いています。特にハローワーク、監督署等の説明会などにおいて時間をいただいて、均等法の説明も聞いていただいているというところです。
 また、大学や高校等を経由して、女子学生に対する周知啓発といった資料配付も行っています。また、この均等月間を中心として、ポジティブ・アクションの推進ということで、均等推進企業の表彰ということを毎年やっておりますが、こちらについては別添資料6-2に載せているように、今年度は8社の企業を東京労働局長優良賞ということで表彰させていただいています。またこの企業にも加わっていただいて、東京女性の活躍推進協議会というものを開催し、ポジティブ・アクションの好事例について広報をしているところです。また最初に申しましたように、今年度は男女雇用機会均等法の改正ということがあり、6月に国会で成立して公布されました。この10月11日に省令指針が公布告示され全体像が明らかになったところですが、これについては来年の4月1日から施行ということで、現在、あちこちで説明会やいろいろな資料の配布等をさせていただいているところです。
 東京局の主催としては、10月、11月で合計6回の説明会を開催しています。こちらのほうは別添5に資料を付けていますので、こういう形で室で主催して説明会をやっているということですが、このほかにもいろいろな所にご協力をいただいていて、最初にも地方自治体との共催の説明会ということで、説明をさせていただいたところです。東京都内の市区に声をかけたところ、8つの市区から共催したいということでご了解をいただき、年明けになりますが、共催の説明会を開催する予定にしています。
 大きな2点目ですが、職業生活と家庭生活との両立支援対策の推進です。この1つの大きな柱は育児・介護休業法の施行ですけれども、これは平成17年4月1日に大きな法改正があった関係で、昨年、大変問合せが多くなっていましたが、1年経って今年度は落ち着いてきたかなというところです。
 この育児・介護休業法については周知活動を続けており、特に今年度は、小規模事業所に対する法の説明会などに重点を置いてやっているところです。また今年度、中小企業子育て支援助成金というのが創設されましたので、これについても中小企業向けの広報活動を展開しているところです。
 両立支援対策の大きなもう1つの柱になっている、次世代育成支援対策推進法の関係ですが、これについては、301人以上企業に事業主行動計画を立てていただく義務がありますが、おかげさまでこの301人以上企業については、届出率が99.8%ということで、4,000社を超える企業からお届けをいただいています。
 今年度は、努力義務になっている300人以下の企業への周知活動を中心に展開しているところです。これについては300人以下の企業に対し、中小企業向けのリーフレット等を局で作成して、配布したり説明会を開催したりしているところです。またこれについては来年度、4月1日から認定ということが出てきます。認定されると認定マークが使えるということで、最近、事業主さんからの問合せも増えているところですが、これについて、東京は特に全国でも認定の集中することが予想される地域になっていますので、早目に準備をしていただくということで別添9に付けていますように、現在、事前説明会ということで、4月に集中するのが予想されるところから、細かく事前にいろいろなご相談に乗るということで、定期的に事前の説明会、相談会を開催しているところです。
 この両立支援対策については、広報活動も大変重要ですので、ファミリー・フレンドリー企業表彰という制度があります。今年度は東京局の管内から大臣優良賞、労働局長賞を1社ずつ表彰させていただいたところです。
 最後にパートタイム労働対策ですが、パートタイム対策は均等行政に限らず、各行政がいろいろな方向からやっているところです。均等行政においてはパートタイム労働法と指針というのがあり、これによりセミナー等で、特に均衡処遇の関係を中心に啓発活動を開催しているところです。
清家会長
次に本間労働保険徴収部長、お願いします。
本間労働保険徴収部長
 よろしくお願いします。私のほうからは資料No.7に基づいて3点ほど説明させていただきます。徴収部の業務というと新たな施策というよりも、例年、基本的な業務を合理的、計画的、あるいは適正にということで進めていくことにしています。そういった中で、労働行政を財政面から支えているという業務になりますので、的確な対応を心がけているところです。
 1点目としては、未手続事業場の一掃ということです。昨年3カ年計画というものを立て、今年は2年目になりますが、局あるいは監督署、安定所との連携、あるいは関係団体との連携によって進めているところです。なかなか未手続事業場の把握というところで、正確なところがまだつかめない困難さというところがありますが、いろいろなデータから拾ってきて、一つひとつ確実に加入を勧奨しているという状況になっています。自主申告自主納付あるいは自主成立ということがいちばん望ましいのですが、なかなかそこは難しいところがあります。昨年は職権成立が42件ということで、まだまだ数字的には上がっていないのですが、昨年の反省点を踏まえて、今年も適切に進めていきたいと考えています。加えて適用促進という意味では、10月に適用促進月間というのを例年やっていますけれども、加入に関する広報を通じて、これからも適用促進業務を積極的に展開していきたいと思っています。
 2点目に労働保険料の適正徴収ということです。今年度の年度更新については、個別、事務組合委託を含めて、約39万の事業場に対する年更業務が終了しています。結果的には全部自主申告という形をとっていただければいちばんいいのですが、なかなか困難なところがあります。ちなみに今年度は、職権で認定しているのが1,700件という数字が出ています。
 労働保険の徴収決定額、収納額ですが、昨年、東京局は初めて1兆円を超え、今年度についても9月の時点で1兆円を超えている状況になっています。収納率については昨年度の東京は98.67%ということで、徴収決定額も全国で占める割合が約26%という状況になっています。そういった意味で東京局の徴収業務についての役割は一層増大していると言えるかと思います。
 滞納整理の実施ですが、局において通年で滞納整理をやっています。高額滞納整理あるいは累積滞納事業場について、実地督励を積極的にやっている状況になっています。加えて10月からは、局、監督署と連携して、一斉滞納整理を実施しているところです。
 大きな3点目ですが、労働保険事務組合の育成・指導についてです。約18万2,000件という事務組合の委託事業場がありますが、これは東京局の適用事業場の約45%を占めています。そういったことで事務組合の役割というのは極めて大きいということから、組合の健全な運営の確保、活動の活性化、自立化ということを念頭に置いて、事務組合の育成・指導に努めていきたいと考えています。簡単ですが以上です。
清家会長
 いま、事務局から東京労働局の業務について一通り、ご説明を伺いましたので、ただいまのご説明につきまして、委員の皆様からご質問あるいはご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。どなたからでも自由にお願いします。
三宅委員
 何点かお聞きしたいと思います。1つは派遣の問題です。製造業の関係で、いま新聞報道などで偽装請負という形の派遣問題がクローズアップされています。いまの報告を聞いて、かなり努力されていろいろ点検だとか指導とかされていると思ったのですが、建設の関係で以前に私は発言したのですが、建設のほうの調査というのは今のところあまり計画していないという話でした。実際問題として、このチラシは常用雇用を派遣しますということなのです。こっちのチラシもそうなのです。1万4,000円で派遣しますということです。建設は適用除外ですから派遣はいけないのです。
 ところが、こういうのが実態としてあります。これは東京ではありませんけれども、神奈川県でも千葉県でも大工さんを派遣します、1万8,000円ということが実際に起きているのです。私は建設労働組合に所属しているものですから、この建設の偽装請負の関係で、請負の形態をとりながら派遣を実際にしている。この実態を調べていただきたいと思うのです。
 同時に、こういうのが入ってくるというのは偽装請負の関係で入ってきていますので、ゼネコンさんにこの実態があるのかないのか、東京労働局として指導をするべきではないかなと思うのです。表立ってはなかなか見えてこないのですが、うちの組合員の話では現場の休憩室にチラシが置いてある実態もあるので、是非調査をしていただきたいと思っています。これが1点です。
 もう1つは、今度の重点になっているアスベストの関係ですが、私どもの組合でも、暴露防止をしようということで特別教育の講習会を開いたり、作業主任の講習会なども開いているのですけれども、いまは大体20%程度で止まってしまっているのです。建設産業全般に、この講習会を受けないと作業に従事できないということを、是非、もう1つ大きな声で東京労働局から各住宅メーカー、ゼネコンさんに要請というか、そういうのをしていただけないかと思います。そのことによって受講者を増やしていきたいと思っています。仕事の関係で発注者とか元請から言われれば、私ども組合員も受講が増えていくと思います。そういう意味で是非、そういう指導をお願いしたいと思います。
 このアスベストの問題では、認定の迅速化ということが言われていますが、以前も話をしましたけれども、どうしてこういう事が起こるのかということで何点かクレーム相談が来るのです。いくつかの監督署の関係でそういう二重の聞取りが行われる。例えば、ある監督署に出したら、最終ばく露現場が違う監督署だからということで回されるのですが、同じ作業を2回もやる。それだけで認定が遅れていくわけです。そういうのが実態としてあるので、指導をもっと徹底するべきだと思います。
 もう1つは、局をまたいだ調整はどうなっているのか。それを教えてもらいたい。東京で出して最終的に埼玉に回されて、そしたら同じことをまたやるということで、その結果、何カ月間かは遅れるわけです。ですから、そういうのをどういうふうに調整しているのかをお聞きしたいと思います。
 私たちは低建協を作って参加し、低層住宅の安全教育をやっているのですが、このテキストが出ていて労災の適用の関係が書いてあります。ところが、職人さんのところに「請負」と書いてあって、これは一人親方労災に入らなければ駄目だと書いてありますが、現実問題としての請負というのは複雑で、現実的には管理監督されている手間請負というのが一般的に多いのです。これは直接労働局が作ったものではありませんけれども、こういうのも講習会で使われるものですから、厳密な形の労災請負の適用関係の指導も是非やっていただきたいと思っています。
清家会長
 違法な派遣というか、偽装請負の問題とアスベスト等の労災の問題ですので、三上部長と永山部長からお願いします。
三上需給調整事業部長
 ご質問の件ですが、確かに建設業というのは、ある意味で非常に長い歴史を持っている面がございます。そういったところでいろいろな調査等もあろうかと思いますが、現在、私どもの体制の中で特に9月4日付で出ている通達の中でも、今回、平成16年3月から製造業というところに新たに派遣という形が出てきて、その状態というのはどういうふうになっているのか。そして製造業において大きな問題が起きた場合には、それに対して基準行政と共同で対応していくと、そういうようなことを中心に、いま体制としてそういうふうに動いているということを、まずご理解いただきたいと思っています。
 そういった中でも、このキャンペーンの中で製造業については、いま関東近県の9,000の事業所にアンケートを出していて、派遣の状況なり請負の状況がどうなっているのか、そういったところを我々需給部としてはまずひとつ、偽装請負と派遣の関係ではやっていかないといけない。そういう状況にあるということを、ご理解いただきたいと思います。
 その中で、昨年度も全国で7件の行政命令を出した中で、東京局は4件ありましたけれども、そのうちの1つで、いわゆる建設絡みのものについては厳しく指導し命令を出しています。個別具体的な例の中で、そういう建設業であるものについては本当に我がほうの体制もあって、なかなか難しい面もあるのですが、そういった中できっちりとやっていきたいと思っていますので、そういった形で対応していきたいということを考えているということです。全体を見ながら建設業との関係もあろうかと思いますが、現在、そういう方向で需給部としては進めているということを、ご理解いただければと思っている次第です。
永山労働基準部長
 アスベストの関係ですが、労災認定の迅速化というお話ですけれども、アスベストにつきましては労災保険法に基づく請求、石綿救済法に基づく請求があるわけです。石綿救済法については当局においても100件近い請求が出てきておりますが、9割方は処理が終わっております。当然、救済が目的ですから迅速処理に努めるということで取り組んでおります。本法請求についても迅速適正な処理を心がけて進めているところであります。
 先ほどお話にあったのは、転々とされた労働者の方が最終事業場がわからないとか、暴露作業が確認できないというケースだと思いますが、これについては当然、調査内容等は署所間で必要な場合は移送をするということで引き継ぎを行っているところですし、それは局間でもそういう形で同じような対応をしているところであります。今後とも、迅速処理という観点から問題が起きないように徹底を図っていきたいと考えております。
 一人親方等につきましては、特別加入の促進について、行政内部の会議等や監査や指導の際に指導しているところであります。
 石綿の特別教育については、それぞれの機関で講習会を実施してもらっておりますが、そういう教育を受けた上で、安全な作業に従事してもらうことが必要であります。実は先般も東京低建協という低層住宅等の協議会があって、トップセミナーがありました。そこに私も出かけて行ってご挨拶していますが、特に住宅メーカー等に対しては、その中でいろいろなアスベスト対策について説明を申し上げているところです。引き続き特別教育等の徹底について努めていきたいと考えております。
清家会長
 三宅委員、よろしいですか。
三宅委員
 是非、頑張っていただきたいと思います。
清家会長
 ほかに、いかがですか。
北瀬委員
 資料3の労働基準行政の重点項目の取組状況ということで、先ほどご説明を受けましたけれども、それについて私のほうからさらなる取組の強化というか、それからまた企業に対しての指導的なものも、要望的な発言になりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 冒頭、局長さんから経済の動向もお話されて、景気のほうが回復傾向ということであるようですので、それに合わせて労働者の労働時間も延長の方向にあると私も聞いています。先ほどのお話ですと労働時間の賃金に係る関係については、これから産業をちゃんとやっていく方向で今までの事例なども書いてありましたが、ただ、この時間の問題で今年4月1日から労働安全衛生法が施行されました。この中で月100時間になったり平均で月80時間になった労働者に対しては、健康診断を受けさせることが義務付けられましたが、これはあくまでも自分の申告というか、手を挙げてからということになるのです。そうした場合に現場の実態というのは、労働者自らが月にこのくらいだからといって、自分から受けたいと手を挙げることは、なかなか難しいというのが現場にはあります。せっかくできたものであっても、なかなかこれが運用されないということになると、言葉が乱暴かもしれませんが絵に描いた餅になりはしないかという気がしています。したがって、その辺のところをいろいろな業務監査の中で、もし時間外労働の明らかにそういうものがあるならば、労働局から指導する取組をしていただきたいと思います。
 併せて、長時間労働なり時間外ということになると公休日もなかなか消化できない。休めないという実態もあるように聞いています。有給休暇もなかなか取得できないことがあるようです。有給休暇も、企業によっては取れる所と取れない所の格差の拡大もしていると聞いているので、最低でも法律で定めた有給休暇というものがあるわけですから、未消化にならないような取組というか、従業員が取れない企業については、監視も含めて取らせる指導をしていただけるように、よろしくお願いしたいと思います。私からの要望です。
清家会長
 ご要望ですけれども、永山部長からお願いします。
永山労働基準部長
 先ほどの改正労働安全衛生法の施行についてですが、労働者の週40時間を超える労働時間が1カ月当たり100時間を超えて、疲労の蓄積した労働者に対し、申し出を受けて、長時間労働者への医師による面接指導制度が導入され、既に施行されているわけです。この制度はすべての事業場に対してですが、小規模の常時50人未満の労働者を使用する事業場は、平成20年4月から適用ということになっています。これらの法改正については、我々としても施行前から周知徹底を図ってきておりますし、冒頭に申し上げましたが、現在も労働基準監督署等で監督指導や個別指導、安全衛生指導等の場で指導しているところであります。また、集団指導と言って、一斉に事業者を集めて指導するケースもありますが、そういう場を通じて周知徹底を図っております。さらに、ハローワークとの連携により、窓口にこういう法改正の内容についてのリーフレットを置いて周知徹底に務めているところです。
 そういう中で、事業者に対してはこのような制度ができたということで、長時間労働者について事業主は把握しているわけですから、法がきちんと施行されるように指導を強化していきたいと考えております。
 また、有給休暇についてですが、有給休暇については取得率が年々下がってきておりまして、我々としても非常に危惧しているところであります。時短促進法が本年3月末で終了し、4月からは、労働時間等設定改善法が施行されておりますが、その中でも、有給休暇の取得拡大というのは大きなテーマになっておりますので、有給休暇の取得促進を図っていきたいと考えております。先ほどの説明でも申し上げましたが、有給休暇の取得については、仕事と生活の調和推進会議の中でも大きな議題になっておりますので、推進プログラムを作る際にもそういうものも取り入れていって、社会的な気運の醸成を図っていきたいと考えております。
清家会長
 北瀬委員、よろしいですか。
上原委員
 労災についてなのですが、実際に職場でその兆候を見つけるのは大変難しい話だと思います。仮に兆候があった時に、本人もそうでしょうし職場での対応というのも大変難しいことが実際にはあると思います。そういう意味でセルフケア、ラインスタッフによるケア、事業外資源によるケアということであるのですが、我々も仲間に聞いてみると、事業外資源である都道府県の産業保健センターの存在を知らない経営者もいるし、ホームページなどを見るとさまざまな施策がありますけれども、そういうところにもう少し本人、事業者が簡単に相談に行けるような施策が、見えてくるといいのかなというのが1つです。
 偽装請負が先ほども議論になりましたが、製造業に派遣が解禁になっていますけれども、まだ課題が多いというのは、派遣の受入期間が1年で、来年の春から3年になるということは好ましいことだとは思うわけですが、経営にとって雇用をするということは、特に日本の中小企業にとっては雇用契約の打切りというのは大変難しいわけです。したがって、相当慎重に対応せざるを得ないわけですが、一方で仕事の増減等もあります。したがって、社会保険の加入や有給休暇の取得がしっかりされていれば、労働者の不利にならない部分もあるのであって、場合によっては経営としては3年と言わずに、もう少し長く対応できれば好ましい。そういう意味で最低賃金の問題で、もう少し配慮するということがあってもいいのかなと思います。これは意見ですが、そんなふうに感じます。
 男女雇用均等法の問題で、当たり前の話ですけれども、求人票に男女の区分とか年齢は書けないわけですが、実際の現場でいくつか聞いていると、ハローワークのほうから「女性の方が応募しているけれど、構いませんか」とか、何歳の方が来ているんですけど、よろしいですかと問合せがあるやに聞いています。そうすると、それに対して受け答えをすることを当然やるわけですが、そういう部分が何と言ったらいいか、法の精神はよくわかるのですが、現実の部分でもう少し工夫が要る部分があるのかなという気がします。
 例えば、これは私は事実を確認したわけではないのですが、民間の求人の会社があってパンフレットなども折込みでずいぶん入っていますけれども、女性をほしいという明らかな意図があれば女の人のマークが入っているとか、第三者が見ても分かるようなのがあるわけで、そういう実務的な運用がもう少しスムーズにいくような工夫があれば、双方の利用度も上がってうまくいくのかなと、そんな感想です。
清家会長
永山部長、三上部長、金崎室長、お願いします。
永山労働基準部長
 メンタルヘルス対策の中で、4つのケアの中で事業場外資源によるケアについてのお話ですが、先ほども説明しましたけれども、地域に産業保健センターというのがあります。これは都内の監督署ごとに18のセンターがあり、その利用促進をお願いしているところです。各センターにはメンタルヘルス相談の専門家もおりますので、相談件数も徐々に増加してきているところです。労働者健康福祉機構の東京産業保健推進センターというのがあり、そこにもスタッフがいて相談を受けております。その他に、いろいろな書籍やビデオの貸出しも実施しておりますので、そういうものもご利用いただいて勉強していただければと考えております。
三上需給調整事業部長
 先ほどお話がありましたように、平成16年3月から製造業の派遣が認められるようになり、また来春からは3年という状況になってきますけれども、この製造業における派遣というものが本当に適正に行われていくように、我々としては一生懸命やってきているわけです。派遣は派遣らしく、請負は請負らしくというスタンスの中で、いろいろな形で自主点検をお願いしたりということでやってきているところです。
 制度自体については、私どもがどうのこうの言えるものではありませんが、先ほどのキャンペーンの中でも1,000社を超える製造業の事業所の方々が、キャンペーンのセミナーということで派遣と請負の違いについて、人事だけでなく製造部門の方々もかなり多く来られていて、非常に熱心に集団的な指導を受けられていたと思っています。私どもがすぐ個別指導監督や命令をしたりということでなく、こういうキャンペーンなどを通じながら、先ほども申し上げたように請負は請負らしく、派遣は派遣らしくという格好にもっていけるように、今後とも努力をしていきたいと思っています。そういう方針できていますので、よろしくお願い申し上げます。
永山労働基準部長
 先ほども申し上げましたが、本省の通達を受けて需給調整部との共同の監督も実施することとしておりますが、それ以前から、東京労働局では労働者派遣業とか請負業とかの労働者の労働条件には問題があるということで取組んでおり、本年度も監督指導を計画しているところです。そういう中で派遣法の特例で、例えば、先ほど最低賃金の話が出ましたが、賃金の支払いについては派遣元が責任を負うことになるわけです。派遣先で問題となる実態が見られた場合は、派遣元も派遣先もその責任に応じて指導していくこととなります。
金崎雇用均等室長
 均等法の関係でご意見をいただきました。民間企業のほうでもいろいろな工夫をして求人活動をしているところかと思います。特に小さい職場での事情とか、これまでの慣習などいろいろな事情もわかるところですが、均等法も改正されたところで、特に今回の改正により、今まで女性であることを理由にした差別というのが性別による差別ということになり、男女とも同じように適用されるようなことになりました。逆に言えば男性の側でも差別に当たるようなことがあったときに、今まで以上にそれを訴えていくことができるという枠組みにもなっていますので、何で女性でなければいけないか、男性でなければいけないかという固定観念に基づくところも多々あるかと思いますから、その辺を何卒もう一度ご理解いただきまして、ご検討いただくことをお願いしたいと思います。
清家会長
上原委員、よろしいですか。
吉川委員
 いま派遣と請負のお話がずいぶん出ていますが、私もその件で1つお聞きしたいと思います。派遣になると、いま一般でも3年ということになりましたね。派遣だと同じ職場では1年なり3年で同じ人が働くなら正社員にしたり、変えなければいけない。この法律ができて偽装請負が厳しくなったから、逆に1社の2、3業務を一括に受託して、結果的には請負になったら何年でも同じ形態で続いても働けるのでしょうか。
その辺が派遣と請負で、派遣のほうからすると少し違和感というか。
三上需給調整事業部長
 お手元にパンフレットがあるかと思いますが、請負と派遣の違いということから考えていただくといいと思います。請負の根本的な部分としては、そういう指揮命令を含む雇用管理の面がちゃんと独立しているということ、仕事・業務を独立してやるということ、この2つがきっちりやられているのが請負ということです。ただ、派遣ということになると結局は人を出してという構造になるわけですから、そこの形でしっかりと請負は請負という格好でやっていただくということであれば、当然、そこの請負は自社に専門性があり、そして自分の労働者を指揮命令しているという格好がとれている。しっかりとした形を持っているわけですから、その中でちゃんと働く人に対して、それならば制限が何年とかは基本的にはないわけですから、そういうふうに考えていただければありがたいと思います。
吉川委員
 ある程度わかるのですが、結果的に依頼する側、事業主のほうが、そういうことよりもむしろ長く使いたいから形だけ変えるというケースが、結構、この法律ができてから多いように見受けるのです。形だけの指揮命令で実際には会社が出している。実際には違うという状況が多いように思います。
三上需給調整事業部長
 実態とまでは申し上げませんが、現在、キャンペーンの中で関東近辺の9,000社に対してアンケートを出し、大体2,000社ぐらいから返ってきています。その中で請負と派遣のこういう部分についても、どういうふうに考えておられるのか聞いて、いま調べつつあります。本当に雰囲気としてそういうふうに思われているのか、実態はどうなっているのかというのは、もう少し我々もきっちりと押さえていきたいと思っていますので、何となくフワフワッとした議論だけでは、本当に個別で見てみないと分からないものがありますから、雰囲気だけではなかなか議論が難しいのではないかと思っています。
吉川委員
 実態として意外と変わっていないというのが、特に中小には感じるような気がしますので、そこのところも考えていただけたらと思います。そうでないと、中小の一生懸命やっている派遣会社が、逆に仕事がなくなってきているのです。大手企業の系列会社が何でも一括に請負でやるという形で、入り込んできているケースが非常に多くなってきています。ですから、誠心誠意やっている派遣の会社に対しての圧迫が非常に強くなっている現実も事実だということ。大手が全部悪いわけではないですけれども、十把一絡げで何でもかんでもバッとやる所が重要視されているような感じを全体的に受ける気がします。中小の派遣会社の人たちは、そういう感覚を最近非常に持っているというのが現実だと思いますので、その辺のところも併せてご理解いただき、ご検討いただけたらと思います。
三上需給調整事業部長
 基準部と共同で監督ということを、製造業の中に入ってやっていくことになってきていますので、本当にそういう実態などを具体的に把握しながら進めていきたいと思っています。
吉川委員
 むしろ製造業より、ほかの業種だと思います。
三上需給調整事業部長
 製造業だけではなくて、例えば先ほど申し上げたように、いろいろな相談や申告といった中には、製造業だけでなくさまざまな産業があります。そういうものを受けた中で、調査に入るべきものについてはしっかりと調査していますので、製造業は1つの例ですから、そういったものも踏まえながら請負と派遣の違いというのを、しっかりと見極めて対応していきたいと思っています。
吉川委員
 わかりやすく説明するとしたら、企業の受付というのは、最近は人材派遣なり請負が多いのですが、今まで派遣でやっていて慣れて、このままずっと使いたいけれども派遣だったら限定がある。ところが請負にしたら限定がなくなる。ただ受付だけで請負にするとまた偽装請負と言われるので、ほかの部分も一緒に含めて、例えば受付の人間は派遣なら年月が切られるけれども、請負ならば年月は制限なく使えると企業側が思っているケースが多いと思いますから、その辺も納得できない不公平感がある気がします。先ほど上原委員が言われたように、ある程度派遣においても期限の制限がなければ、そういうことは起きないのではないかと思います。もちろん、本採用化を進めていくという考え方はわかりますが、そうであるならば請負も何かその辺の制限がないと、何か違うのではないかと感じています。
清家会長
 これは派遣法そのものに関わることかと思いますので、またそれは別途、そちらの部会のほうでいま検討中だと思いますので、しばらくお待ちください。
白川委員
 改正高齢者雇用安定法と、次世代育成支援対策推進法の対応の関係で若干質問させていただきたいと思います。私は機械金属産業の労働団体の役員をしています。その関係で中小企業の事業主さん、組合とも話をさせていただいていますが、ご指導を熱心にしていただいたおかげもあって、高齢者雇用の確保措置については、かなり実態が進んできたなというふうに私どもも感じているところです。
 ただ、300人以下という所が、まだまだ進捗が遅いということもあります。これについては引き続き対応策等もご説明いただきましたので、ご努力いただきたいのですが、1つ私から質問させていただきたいのが、この法律の中で、導入に際しては会社選択による対象者の選定も可能というふうになっているわけです。その際に、十分な協議がそこで果たされたかどうかということが重要だと我々は考えているわけですが、一部、聞いている話の範疇で、会社選択ということで制度は導入したけれども、実態は少数の方しか高齢者雇用、継続雇用、再雇用されていない。実効性が薄いというケースもあるかと思います。少ないから善い悪いということではなく、その基準の妥当性ということについてどのように行政としてこれまで指導し、また現状の課題について感じていらっしゃるか教えていただきたいということ。
 また次世代法関連では、その300人以下の所は高齢者以上に進んでいないと思います。今日お聞きした資料では、届出率は301人以上だけはお聞きしたのですが、300人以下の所についてはお聞きしていません。非常に低いのではないかと思っています。この届出率も、もしわかれば教えていただきたいと思いますが、特にお聞きしたいのは、届出促進対策についてはかなり項目列記していただいていますけれども、当局として導入に向けて、各個別企業の対応でどんな課題があると認識しているのか。その課題認識と合わせて、有効な促進対策を打っているということだろうと思いますが、そこのところが十分聞き取れませんでしたので、是非教えていただければと思います。
清家会長
 これは水谷部長、お願いします。
水谷職業安定部長
 高齢法につきましては私から説明します。先ほどご説明申し上げましたように、規模が大きい所のほうが進んでいるわけで、我々のこれからの指導の中心は300人以下になってくると思っています。これについては先ほども説明しましたように、個々の企業とお話させていただいて個別指導で進めていくつもりでいます。その中で事業主と労働者の協議が十分されていないという指摘ですが、あくまで我々が目指しているのは、希望者全員を継続雇用していただくことに狙いがあるわけです。恣意的に一部の人だけでは指針に反しますから、基準を作る場合にも客観的で誰から見ても公平でなければいけない。この2つについてよく指導してまいりたいと考えています。
金崎雇用均等室長
 次世代法関係のお尋ねですが、届出率というのは300人以下については出していません。300人以下というのは、届け出た企業数は資料に出していて、いま現在は、この資料を作ったときよりは少し増えていて、400社を超えていますが、母数がそれ以外も含めて全部ということになってしまいますので、そういう意味で率としては出していません。ただ、東京で膨大な企業数があることを考えると、おっしゃるようにまだまだの比率であると思っています。
 課題ですが、私どもはご説明しましたように小規模企業向けの説明会をしたり、あるいは高齢法のほうで、特に300人以下を重点に今年度説明会を開催していますので、そちらで次世代法の関係も説明させていただくとか、あるいは今年度からそれを後押しするための助成金制度もできましたので、その関係の助成金の広報と一緒にやっています。努力義務ということもありますが、義務であるということが必ずしも企業全体に行き渡っていないと感じています。
 一般論として大事な課題であることは、最近、少子化問題がいろいろな場で取り上げられるようになっていますから、認識は進んでいるかと思いますが、自分のところの企業で必ず取り組まなければいけない課題であることを、全企業にご理解いただくにはまだまだかなというところです。また、男性の育児休業も大企業を含めても1%にいかないような微々たる比率ということもあり、その辺の意識の問題とか、どの企業でも取り組んでいただきたいことだということを、もっと私どもも広報していかなければいけないと思っています。最近では組合のほうで、特にこれは大企業が多いのですが、力を入れて取り組んでいただいていると伺っていますので、その辺も含めていろいろな場をお借りしていきたいと思っています。
白川委員
 水谷部長さんからお聞きした内容は、そのとおりだと思います。こちらのほうは私どもが各社を回っていても、人材不足、人手不足ということがあって、かなり積極的な所も現実問題はあるわけです。ですから私どもも労働界としてそういう指導をしていますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次世代法のほうですが、これは中小企業の場合、いま申し上げた高齢とは状況が違うのです。むしろ対応していけばいくほど、経営的には厳しいとまでは言いませんが、やや難しい面もあります。先ほどお答えいただきましたように大企業等はさまざまなスタッフも揃っていますから、運営ノウハウ等も十分蓄積していこうとしていただいているご答弁をいただきましたので、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。
清家会長
 時間になりましたが、あと1人ぐらい、ご意見を承りたいと思います。
久笠委員
 均等推進企業や両立支援推進企業に対して、表彰制度が設けられていますけれども、今年選ばれた企業の特徴があれば教えていただきたいということと、もう1点、東京女性の活躍推進協議会というのが開催されていて、ポジティブ・アクションの普及ということを協議していますが、今後、どういったことを具体的にされていくのか教えていただきたく、よろしくお願いします。
金崎雇用均等室長
 表彰企業につきましては年々、特に均等表彰につきましてはいろいろな取組をする企業が増えていて、取組としては充実してきています。例えば女性のいろいろな役職登用とか、あるいは均等だけでなく、両立支援のほうも含めて、その両輪で取り組んでいただいているということで、幅広い取組をいただいている企業が多くなっています。
 特に最近、コンプライアンスに関する企業の認識というのが高まっていますので、そういう意味で、活躍のみならず、先ほどの次世代支援ではないですが、そういう全般的な取組を持ち上げようとする企業が多くなっています。またトップダウンで頑張ろうという企業が、大企業の中に特に目立ってきているということを感じています。ファミリー・フレンドリー企業のほうについても、男性の育児休業や全体的な取組をしていただいているということです。
 ポジティブ・アクションに関しては、今回、法改正の中でも企業が自分の会社の取組を広報するにあたって、国も後押しするという項目が加わりましたので、例えばホームページ等で企業の取組をPRしていくという対策などを、もう少し強化していくことになると考えています。
清家会長
 ほかにもまだご意見があるかと思いますが、本日はもう1つ議題がございますので、質問や議論はここまでとさせていただきます。次に議題2ですが、専門委員の同意について、事務局からご説明をお願いします。
井上総務部長
 お手元の資料No.8の専門委員候補者名簿をご覧ください。本審議会には港湾労働部会が設置されているところですが、所属委員のうち、専門委員をお願いしているお二方、東京運輸支局次長と東京都産業労働局長に、それぞれ本年4月、本年9月に人事異動があり、新たに東京運輸支局次長には長尾秀樹氏が、東京都産業労働局長には島田健一氏が就任されたところです。専門委員の任命につきましては、審議会の同意を得て労働局長が任命すること、と地方労働審議会令で定められているところです。このお二方を専門委員に任命することにつきまして、本審議会の同意をいただきたく、ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
清家会長
 専門委員の任命につきまして、ただいま事務局からご説明がありましたが、この件について何かご質問、ご意見等ございますか。よろしいですか。特にご意見がないようでしたら、当審議会としては、ただいまの事務局のご提案どおり、専門委員の任命について同意することとしたいと思います。よろしいですか。
(異議なし)
清家会長
 ありがとうございました。それでは当審議会として専門委員の任命について同意することとします。本日予定していました議題は以上です。これをもって第3期第3回東京地方労働審議会を終了します。本日はありがとうございました。


このページのトップに戻る

東京労働局標章 〒102-8305 東京都千代田区九段南1-2-1                            

Copyright(c)2000-2017 Tokyo Labor Bureau.All rights reserved.