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東京労働局発表
平成22年10月29日(金)


【照会先】
東京労働局職業安定部職業対策課
 課      長 磯井  衞
 課  長  補 佐 松井  勝
 高齢者対策担当官 木村 賢治
電 話 03-3512-1663(直通)
FAX 03-3512-1566


平成22年「高年齢者の雇用状況」集計結果
(平成22年6月1日現在)

~「高年齢者雇用確保措置」実施済み企業は約97%とさらに進展~

 東京労働局(局長 東 明洋)では、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、高年齢者を65歳まで雇用するための「高年齢者雇用確保措置」の実施状況など、平成22年6月1日現在における「高年齢者の雇用状況」の集計結果をまとめましたので、公表します。

《雇用状況の概要》

 年金の支給開始年齢引き上げを受け(平成25年4月から65歳)、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では企業に「定年の廃止」や「定年引き上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(注1)を講じるよう義務付け、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況を提出することを求めています。
 今回の集計結果は、この雇用状況報告を提出した「31人以上規模」の企業約2万4千社(注2)の状況をまとめたものです。なお、この取りまとめでは、常時雇用する労働者が31人~300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」としています。

1 高年齢者雇用確保措置などの実施状況

  • ○  高年齢者雇用確保措置を「実施済み」の企業の割合は96.8%(前年比1.1ポイント上昇)。
     企業規模別でみると、「31~300人」規模の中小企業は96.4%(同1.3ポイント上昇)。
     うち「31~50人」の企業は94.0%だが、前年からの上昇幅は3.1ポイントと大きい。
     一方、「301人以上」の大企業は98.3%(同0.4ポイント下降)となった。  【グラフ(1)】
  • ○  「希望者全員が65歳以上まで働ける企業」の割合は35.8%(同1.2ポイント上昇)。
     企業規模別では、「31~50人」が46.1%(同2.4ポイント上昇)と最も多く、「51~300人」は36.6%(1.1ポイント上昇)、「301人以上」は20.1%(同0.2ポイント上昇)となっている。【グラフ(5)】
  • ○  「70歳まで働ける企業」の割合は15.1%(同0.1ポイント上昇)。
     企業規模別では、「31~300人」の中小企業は16.5%(同0.1ポイント上昇)で、うち「31~50人」では18.2%(同0.2ポイント上昇)。
     また、「301人以上」の大企業は9.0%(同0.1ポイント上昇)となっている。【グラフ(6)】

2 定年到達者の継続雇用状況

  • ○  過去1年間に定年を迎えた人(13万7,782人)のうち、継続雇用された人は9万3,074人(67.6%)、基準(注3)に該当せず離職した人は3,309人(2.4%)。
     希望者全員の継続雇用制度により確保措置を講じている企業では、過去1年間に定年を迎えた人(2万6,688人)のうち、継続雇用された人は1万9,006人(71.2%)。基準該当者の継続雇用制度により確保措置を講じている企業では、過去1年間に定年を迎えた人(10万1,386人)のうち、継続雇用された人は6万7,402人(66.5%)、基準に該当せず離職した人は3,218人(3.2%)。【グラフ(7)】

3 高年齢者雇用確保措置の義務化後の高年齢労働者の動向

  • ○  60~64歳の常用労働者数は52万2,475人で、前年より7万7,104人(17.3%)の増加。
    義務化前の平成17年とでは、比較可能な51人以上規模の企業で比較すると、22万9,800人から50万6,483人に増加(120.4%の増加)。
  • ○  65歳以上の常用労働者数は18万8,923人で、前年より2万125人(11.9%)の増加。
      51人以上規模の企業で義務化前と比較すると、7万1,830人から18万1,134人に増加(152.2%の増加)。

(注1) 定年の引き上げ、継続雇用制度の義務年齢は、年金の支給開始年齢の引き上げに合わせて平成25年4月までに段階的に引き上げられ、平成22年4月1日に63歳から64歳になっている。

(注2) 集計対象は、31人以上規模の企業24,156社で、その内訳として、中小企業(31~300人規模):19,547社(うち31~50人規模:5,958社、51~300人規模:13,589社)

(注3) 事業主は継続雇用制度を導入する場合、労使協定を締結した上で基準を設けることが認められている(中小企業については、平成22年度末までの間、労使協議が調わない場合に限り、労使協定によらず就業規則などで基準を定めることが特例で認められている)。

1 高年齢者雇用確保措置の実施状況

(1) 全体の状況

 高年齢者雇用確保措置(以下「雇用確保措置」という。)の実施済企業の割合は96.8%(23,374社)(前年比1.1ポイントの上昇)、51人以上規模の企業で97.7%(17,776社)(同0.4ポイントの上昇)となっている。
 一方、雇用確保措置を未実施である企業の割合は3.2%(782社)(同1.1ポイントの低下)、51人以上規模の企業で2.3%(422社)(同0.4ポイントの低下)となっている。
 平成22年4月1日より、雇用確保措置の義務年齢が63歳から64歳に引き上げられたが、企業における雇用確保措置は着実に進展している(グラフ(1)・別紙表1)。

(2) 企業規模別の状況

 雇用確保措置の実施済企業の割合を企業規模別に見ると、大企業では98.3%(4,532社)(前年より0.4ポイントの低下)、中小企業では96.4%(18,842社)(同1.3ポイントの上昇)となっている。大企業のほとんどが雇用確保措置を実施している一方で、若干の実施割合の低下が見られる。また、中小企業では特に、31~50人規模企業での実施割合の上昇が高い。
(グラフ(1)・別紙表1)

【グラフ(1)】

(3) 雇用確保措置の上限年齢

 雇用確保措置の上限年齢については、雇用確保措置の実施済企業のうち、現在の義務年齢である64歳を上限年齢としている企業は9.6%(2,234社)(51人以上規模の企業で10.2%(1,820社))となる一方、法の義務化スケジュールより前倒しして65歳以上を上限年齢としている企業(定年の定めのない企業を含む。)は90.4%(21,140社)(同3.5ポイントの上昇)となっている(グラフ(2)・別紙表3-1)。

【グラフ(2)】

(4) 雇用確保措置の内訳

  雇用確保措置の実施済企業のうち、「定年の定めの廃止」により雇用確保措置を講じている企業は2.7%(638社)(同0.2ポイントの低下)、「定年の引上げ」により雇用確保措置を講じている企業は13.1%(3,062社)(同1.5ポイントの低下)、「継続雇用制度の導入」により雇用確保措置を講じている企業は84.2%(19,674社)(同1.7ポイントの上昇)となっており、定年制度により雇用確保措置を講じるよりも、継続雇用制度により雇用確保措置を講じる企業の比率が増している。(グラフ(3)・別紙表3-2)。

【グラフ(3)】

(5) 継続雇用制度の内訳

  「継続雇用制度の導入」により雇用確保措置を講じている企業(19,674社)のうち、希望者全員を対象とする継続雇用制度を導入している企業は28.3%(5,572社)(同0.4ポイントの低下)、対象者となる高年齢者に係る基準を労使協定で定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入している企業は57.4%(11,296社)(同3.8ポイントの上昇)、労使協定の締結に向けて努力したにもかかわらず協議が調わず、法に基づく特例措置により就業規則等で基準を定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入している企業は14.3%(2,805社)(同3.4ポイントの低下)となっている(グラフ(4)・別紙表3-3)。

【グラフ(4)】

2 希望者全員が65歳以上まで働ける企業等について

(1) 希望者全員が65歳以上まで働ける企業の状況

 希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は35.8%(8,640社)(同1.2ポイントの上昇)となっている。
 企業規模別に見ると、中小企業では39.5%(7,715社)(同1.5ポイント上昇)、大企業では20.1%(925社)(同0.2ポイント上昇)となっている。 (グラフ(5)・別紙表4)。

【グラフ(5)】

(2)「70歳まで働ける企業」の状況

 「70歳まで働ける企業」の割合は15.1%(3,646社)(同0.1ポイントの上昇)となっている。
 企業規模別に見ると、中小企業では16.5%(3,230社)(同0.1ポイント上昇)、大企業では9.0%(416社)(同0.1ポイント上昇)となっている(グラフ(6)・別紙表5)

【グラフ(6)】

3 定年到達者の動向

 過去1年間の定年到達者(13万7,782人)のうち、継続雇用された者の数(割合)は9万3,074人(67.6%)、継続雇用を希望したが基準に該当しないことにより離職した者は3,309人(2.4%)、継続雇用を希望した者について見ると、継続雇用された者の割合は96.6%、基準に該当しないことにより離職した者の割合は3.4%となっている。
 また、継続雇用制度により雇用確保措置を講じている企業のうち、希望者全員を継続雇用している企業では、過去1年間の定年到達者2万6,688人のうち、継続雇用された者の数(割合)は1万9,006人(71.2%)となっている。基準該当者を継続雇用している企業では、過去1年間の定年到達者10万1,386人のうち、継続雇用された者の数(割合)は6万7,402人(66.5%)、継続雇用を希望したが基準に該当しないことにより離職した者は3,218人(3.2%)となっている(グラフ(7)・別紙表6)。

【グラフ(7)】

4 雇用確保措置の義務化後の高年齢労働者の動向

  • 31人以上規模企業における60歳~64歳の常用労働者数は52万2,475人(同17.3%増加)。51人以上規模の企業では、雇用確保措置の義務化前(平成17年)と比較すると、22万9,800人から50万6,483人に増加(110.4%の増加)
  • 31人以上規模企業における65歳以上の常用労働者数は18万8,923人(同11.9%増加)。51人以上規模の企業では、雇用確保措置の義務化前(平成17年)と比較すると、7万1,830人から18万1,134人に増加(152.2%の増加)と、高年齢労働者は引き続き増加傾向にある。
    (グラフ(8)・別紙表7)

【グラフ(8)】

5 今後の取組

(1) 雇用確保措置の定着に向けた取組

 雇用確保措置は着実に進展しているが、未実施企業が782社あることから、引き続き、各都道府県労働局、ハローワークによる個別指導を強力に実施し、早期解消を図る。

(2) 希望者全員が65歳以上まで働ける企業の普及

 平成25年度には、年金の支給開始年齢の定額部分が65歳に引き上げられ、報酬比例部分の引上げが始まることも踏まえ、60歳代前半の雇用確保を図るため、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合を50%とすることを目指し、企業に積極的に働きかけを行う。

(3) 「70歳まで働ける企業」の普及・啓発

 少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の低下、団塊世代の65歳への到達等を踏まえ、年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向け、「定年引上げ等奨励金」の活用等により、65歳までの雇用確保を基盤として、企業の実情に応じた何らかの仕組みで70歳まで働ける企業の割合を20%とすることを目指し、「70歳まで働ける企業」の普及・啓発に取り組む。



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