送検事例 平成23年度

送検事例 平成 23 年度

   

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◇ 平成 24 年 3 月の送検事例

 

 事例 1

法定の割増賃金不払で書類送検

 

  足立労働基準監督署は、水道工事業者と同社代表取締役を労働基準法違反容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成21年3月1日から同年12月31日までの間、労働者4名に対し、1日8時間の法定労働時間を超える時間外労働時間を行わせた場合には時間単価の25%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないのに、法定の割増率を下回る残業代しか支払っていなかった。

 同署の是正指導に対し、同社は、是正報告書を提出したが、その後も是正しなかった。

  


  

 事例 2 

  賃金不払残業で書類送検

 

  中央労働基準監督署は、北海道労働局との合同捜査の上、珈琲喫茶店をチェーン展開している経営会社及び代表取締役らを労働基準法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

  平成22年6月16日から同23年4月15日までの間、労働者8名に対し、法定の労働時間である1日8時間又は1週44時間を超えた労働を行わせたにもかかわらず、当該時間外労働に対し、通常の賃金額から2割5分以上の率で計算した割増賃金約179万円を支払わなかった。

  同署の是正指導に対し、同社は、是正期日までに是正しなかった。

 


 

 事例 3 

感電死亡災害で書類送検

 

  江戸川労働基準監督署は、エレベータ保守点検業者及び同社営業所長を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年7月26日、江戸川区内のオフィスビルに設置された小荷物専用昇降機の機械室において、充電部が露出した制御盤の点検作業を行わせる際に、絶縁用保護具を使用させる等の感電対策を講じなかった。

 

 

 事例 4 

ドラグ・ショベルに轢かれた死亡災害で書類送検

 

  三鷹労働基準監督署は、水道工事業を営む個人事業主を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   死亡災害発生前日の平成23年4月7日、東久留米市内の配水小管移設工事現場において、ドラグ・ショベル(車両系建設機械)の運転の業務に無資格者を就かせていた。

 


 

 事例 5 

労働者死傷病報告書の虚偽報告で書類送検

 

  東京労働局は、設備工事会社及び代表取締役を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年1月23日、品川区内の空調設備改修工事現場で発生した、トラック荷台の室外機の上から車道に墜落し足を骨折した労働災害について、大田区内の倉庫でトラック荷台から落下し負傷したと虚偽の労働者死傷病報告書を大田労働基準監督署長に提出した。

 

 


 

 事例 6 

墜落重傷災害で書類送検

 

  新宿労働基準監督署は、施工業者2社を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成23年4月26日、杉並区内のマンション防水工事現場において、隣接する2階建て建物の屋上からマンション4階ルーフバルコニーへ安全に昇降するための設備を設けなかった。

 

 


 

 事例 7 

ドラグ・ショベルに轢かれた死亡災害で書類送検

 

  八王子労働基準監督署町田支署は、建設業者及び現場代理人を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成23年7月12日、町田市内の水路改修工事現場において、ドラグ・ショベル(車両系建設機械)を用いて作業を行う際に、ドラグ・ショベルの旋回範囲内への立入禁止措置などの接触防止措置を講じなかった。

 

 


 

 事例 8 

クレーンに違法とう乗で書類送検

 

  八王子労働基準監督署は、衛生組合及び同組合副参事を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成23年9月9日午後、稲城市内の中間ごみ処理施設に設けられたピットにおいて、天井クレーンに取り付けられたバケットに労働者1名から3名を計3回とう乗させ、同労働者をピット上部から下部へクレーンで運搬した。 

 

 

 


 

 事例 9 

賃金不払で書類送検

 

  中央労働基準監督署は、居酒屋をチェーン展開している経営会社及び同社取締役を最低賃金法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年7月1日から同年7月31日までの間、千葉県内の居酒屋で働いていた労働者11名に対し、賃金合計約157万円(千葉県最低賃金 時間給728円)を所定支払日に支払わなかったもの。

  同社は、過去にも賃金不払を繰り返していた。

 

 

  

 

 

 

◇ 平成 24 年 2 月の送検事例

 

 事例 1

アース・ドリル機(掘削機)の接触死亡災害で書類送検

 

  上野労働基準監督署は、杭工事会社と代表取締役を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成23年5月17日、台東区内のビル改築工事現場において、アース・ドリル機(車両系建設機械)を用いて作業を行う際に、アース・ドリル機の旋回範囲内への立入禁止措置などの接触防止措置を講じなかった。

  

 

 

 

 

◇ 平成 24 年 1 月の送検事例

 

 事例 1

労災かくしで書類送検

 

  池袋労働基準監督署は、警備会社及び常務取締役を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年11月19日、板橋区内の水道管新設工事現場において、ダンプトラックに轢かれ休業4日以上の労働災害が発生したが、労働災害の発生をかくすため故意に労働者死傷病報告書を池袋労働基準監督署に提出しなかった。

  


  

 事例 2 

  墜落死亡事故で書類送検

 

  大田労働基準監督署は、足場の設置会社及び現場責任者を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

  平成23年7月11日、大田区内の工場の解体工事現場において、工場の屋根の上で作業させる際に、歩み板を設けるなどの踏み抜きによる墜落防止を講じなかった。

 

 

 

 

 

◇ 平成 23 年12 月の送検事例

 

 事例 1

賃金不払で書類送検

 

  江戸川労働基準監督署は、不動産会社と同社の代表取締役を最低賃金法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年2月26日から同年3月11日までの間、及び同年4月16日から同年4月27日までの間、労働者2名に対し、賃金合計約27万円(東京都最低賃金 時間給791円)を所定支払日に支払わなかったもの。

 同署に対しては、過去数年にわたり、同社の労働者から賃金不払や解雇に関する相談があり、その都度是正指導を行ったが、改善されなかった。

  


  

 事例 2 

  墜落死亡事故で書類送検

 

  三鷹労働基準監督署は、解体工事会社と同社の現場責任者を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

  平成22年5月28日、東京都三鷹市内の木造2階建住宅の解体工事現場において、飛散防止用シートを張るための単管支柱の組立作業に従事していた労働者が高さ3.4メートルの単管上からコンクリート面に墜落し、同年6月7日に死亡する災害が発生した。

 捜査の結果、労働安全衛生法では、高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合には、足場を組み立てる等の墜落防止措置を講じなければならないのに、同社の現場責任者は、当該措置講じることなく、労働者に作業をさせていたことが判明した。

 


 

 事例 3 

賃金不払で書類送検

 

  中央労働基準監督署は、コンピューターシステム開発会社と同社の実質的な経営者である採用責任者を最低賃金法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成21年3月の大学卒業者9名に対し、入社式後もシステムエンジニア養成研修を義務付けていたにもかかわらず、同年3月27日から同年5月28日までの間、賃金合計約48万円(東京都最低賃金 時間給766円)を所定支払日に支払わなかったもの。

 同署の是正指導に対し、同社は、研修期間中は労働契約が成立していないことを理由に改善しなかった。 

 

 

 事例 4 

賃金不払で書類送検

 

  八王子労働基準監督署町田支署は、飲食店経営会社と同社の代表取締役を最低賃金法及び労働基準法違反の容疑で、東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成21年9月1日から同年9月30日の間、労働者5名に対し、賃金合計約59万円(東京都最低賃金 時間給766円)と時間外割増賃金合計約3万円を所定支払日に支払わなかったもの。

 同社は、過去にも賃金不払を繰り返していた。 

 


 

 事例 5 

くい打機転倒事故で書類送検

 

  渋谷労働基準監督署は、くい打工事会社と同社の現場責任者を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年10月4日、東京都渋谷区内のマンション新築工事現場において、くい打機を用いてセメント袋50袋を載せたパレットをつり上げて移動していたところ、くい打機が転倒して、隣接する介護老人施設のベランダに激突し、居室のガラス窓などを損壊する事故が発生した。

 捜査の結果、転倒したくい打機は、移動式クレーンにくい打用アタッチメントを装着し、くい打機にした基礎工事用車両系建設機械であり、工事責任者は、このくい打機を車両系建設機械の用途外使用として法令で禁止された荷の吊り上げ及び移動に使用したことが判明した。 

 

 

 

 

◇ 平成 23 年 11 月の送検事例

 

 事例 1

エレベーターによる死亡事故で書類送検

 

  東京労働局は、大手総合建設会社と同社の作業所長を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成23年1月8日、東京都中野区内の30階建ビルにおいて、エレベーターのブラケット(エレベーターの搬器及びカウンターウェイトを支える部材)の修繕工事中、1次下請の鳶工が23階付近で足場を組み立てていたところ、2次下請のエレベーター運転作業員が1階から15階までエレベーターを上昇させ、そのカウンターウェイト(約4トンのおもり)が下降したため、鳶工に激突し、死亡する災害が発生した。

 捜査の結果、同社の作業所長は、元請事業者として下請事業者間の連絡調整義務を果たしていなかったことが判明した。 

  


  

 事例 2 

  賃金不払で書類送検

 

  新宿労働基準監督署はホットヨガスタジオの運営会社と同社の代表取締役を最低賃金法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

  平成21年6月16日から同年7月15日までの間、労働者7名に対し、賃金合計約73万円(東京都最低賃金 時間給766円)を、所定支払日に支払わなかったもの。

 同署に対しては、全国のホットヨガスタジオに勤務する労働者から相談があったため、同署では再三にわたり是正指導を行ったが、改善されなかった。 

 

 

 

◇ 平成 23 年 10 月の送検事例

   

 事例 1

フォークリフトの無資格運転で書類送検

 

  東京労働局は,古紙回収業者及び同社の営業所責任者を,労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成22年7月26日午後2時頃,営業所内において,プレス機に投入するために仮積みしていた段ボールの中から,同所2階の寮に住んでいる者が死亡しているのが発見された。

  捜査の結果,平成22年7月24日午後3時頃,営業所において,最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転の業務に運転資格を有しない者を就かせていたことが判明した。

  


  

 事例 2 

ゴミ焼却施設内の事故での労災かくしで書類送検

 

  立川労働基準監督署は,ゴミ焼却施設の運転管理業者と同社の元事業所長を,労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈事件の概要〉
  平成23年1月19日午後1時頃,ゴミ焼却施設で,運転管理業務を委託されている事業者の労働者が灰クレーンのバケット置場で右足を捻り,右足距骨を骨折して休業2ヶ月を要する労働災害が発生した。

  捜査の結果,遅滞なく労働者死傷病報告書を立川労働基準監督署長に提出しなければならないのに,平成23年7月21日に至るまで報告しなかったことが判明した。 

 

 

◇ 平成 239 月の送検事例

 

 事例 1

マンション改修工事現場における墜落災害で足場工事業者を書類送検

 

  江戸川労働基準監督署は、足場工事業者を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年2月10日、東京都江戸川区内のマンション改修工事現場において、足場工事業者の現場責任者は、労働者に、マンションの外壁に設置した工事用の足場に取り付けた高さ約6メートルの落下物防護板(朝顔という)上において、朝顔の解体作業を行わせていたところ、労働者が朝顔と一緒に地上に墜落し全身打撲で休業約1年を要する傷害を負ったもの。

  捜査の結果、現場責任者は、朝顔の解体作業について墜落の危険があったにもかかわらず、被災労働者に安全帯を使用させる等の墜落防止措置を講じなかったことが判明した。 

  


  

 事例 2 

  ドラグショベルと共に転落- 被災者は半年間意識不明後死亡

~道路舗装工事業者を書類送検~

 

  向島労働基準監督署は,道路舗装工事業者及び同社の社長を,労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

  平成23年1月25日,東京都墨田区内で施工していた道路バリアフリー工事現場において,労働者に,道板を使用し,ドラグショベルを運転させてトラックの荷台からおろす作業を行わせていたところ,道板がトラックの荷台から外れ,労働者がドラグショベルと共に転落、負傷して意識不明となり同年7月に死亡した。 ドラグショベルの積みおろしの際に使用していた道板は、トラックの荷台後部にピンを挿入して固定しなければならないのに,ピンを用いずに単にトラックの荷台後部の端に載せただけの状態であったため,機体重量約1.5トンのドラグショベルがその道板上を走行した際に同道板が外れたもの。

  道路舗装工事業者は,トラックの荷台に道板を固定する穴は事故後に開けたにもかかわらず、災害発生原因を隠蔽するため,同署の事故調査の際には,「この穴は災害発生前に開けたものである。」旨の事実に反する説明を行っていた。

 


 

 事例 3 

フォークリフトの荷の落下による死亡災害

で古紙等のリサイクル業者を書類送検

 

  江戸川労働基準監督署は、古紙等のリサイクル業者を労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年2月24日午前,東京都江戸川区内の古紙等のリサイクル業者江戸川事業所において,空き缶をプレスする作業を行うにあたり,空き缶を入れたコンテナ(鉄製,ボックス型で総重量約0.4トン)の両脇をフォークリフトのフォークで挟んで移動させ,コンテナ内の空き缶をベルトコンベヤーに投入する際,コンテナの両脇上端をフォークで挟んだ状態で,フォークを上昇回転させ,コンテナの中味を空にしようとしたところ,コンテナがフォークからはずれ,落下し,フォークリフトの下にいた被災者を直撃し,同人は死亡した。

  捜査の結果,あらかじめ,荷の種類及び形状等に適応する作業計画を定め,かつ,当該作業計画により計画を行わなければならないのに,作業計画を定めなかったことが判明した。 

 

 

 事例 4 

ベルトコンベヤー作業中の墜落災害で書類送検

 

  亀戸労働基準監督署は、貨物取扱事業者及び元同社担当部長を,労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年5月18日,東京都江東区内の事業場構内において,ベルトコンベヤー上部において発生した荷詰まりを解消させる作業中,高さ2.64メートルから墜落する労働災害が発生した。

  捜査の結果,安全に昇降する設備を設置せず,ベルトコンベヤーのベルトを昇降設備代わりに使用させていたことが判明した。 

 


 

 事例 5 

工事業者及び元請の現場責任者を書類送検

 

  青梅労働基準監督署は、土木工事業を営む個人業者及び現場を管理する元請事業者の現場責任者を,労働安全衛生法違反の容疑で、東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

   平成22年10月26日,東京都青梅市内に所在する浄水場上内の沈殿池において,沈殿池内にある水路の補修作業中に沈殿池内で動力により回転する機械に巻き込まれて死亡する災害が発生した。

  捜査の結果,回転する機械に巻き込まれるおそれがあることから,機械を停止し,あるいは覆いを設けるなどの措置を講じなければならないにもかかわらず,個人業者及び元請事業者の現場責任者は,共謀の上,何ら危険を回避するための措置を講じることなく,被災労働者を危険な状態のまま作業に従事させたことが判明した。 

 

◇ 平成 23 年 8 月の送検事例

 

 事例

歯の接触予防装置のない丸のこ盤で労働者が左手指負傷、ディスプレイ業者を書類送検

 

   池袋労働基準監督は,展示装飾の製造,取り付けなどのディスプレイ業を営む事業者及びその経営者を労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁へ書類送検した。

 

〈 事件の概要 〉

  平成22年6月2日,労働者が作業室内で丸のこ盤を使用し,発泡スチロール製のボードを切断する作業を行なっていたところ,左手が丸のこ盤の歯に接触し,左手三指を負傷したものである。労働安全衛生法は、労働者に丸のこ盤を使用させる際,事業者に歯の接触予防装置を備え付けることを義務付けているが,使用させていた丸のこ盤には,歯の接触予防装置が設けられていなかった。

  なお,同社は,過去にも丸のこ盤による同様の労働災害を起こし,労働基準監督署から指導を受けていた。

  

  

◇ 平成 23 年 6 月の送検事例

   

 事例 1

建設業者らを「労災かくし」で書類送検

 

  三田労働基準監督署は,建設業者及び同社の課長を,労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  鳶・型枠組立等工事業を営む会社が,平成22年7月27日,東京都港区内の新築工事現場において,労働者に足場の解体作業を行わせていたところ,労働者が足場上から約1.6m下の床上に転落し,腰椎横突起骨折の傷害を負い,25日間休業した。同会社の課長らは,休業4日以上の労働災害が発生した場合は,所轄の労働基準監督署長に「労働者死傷病報告書」を遅滞なく提出しなければならないことを承知していたにもかかわらず,平成22年12月17日に至るまで同報告書を提出しなかった。全国の労働基準監督署においては,従来から,労災かくしの排除対策の強化を図っており,労災かくし事案を認めた場合には司法処分を含め厳正に対処してきているところである。東京労働局管内の労働基準監督署においても,労災かくし事案を平成20年度に10件,同21年度に6件,平成22年度に4件送検している。

  


  

 事例 2 

解体工事現場で落下した天井が労働者を直撃し意識不明の重体、解体工事業者を書類送検

 

  向島労働基準監督署は,解体工事業者及び同社の会長を,労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉
  解体工事業を営む会社が,平成22年9月10日,東京都葛飾区内の解体工事現場において,労働者に3階建て鉄骨造建屋の解体作業を行わせていたところ,3階の解体中に天井部分の軽量コンクリート板がはがれ落ち,3階床面の開口部から1階に落下し,1階で廃材を片づけていた労働者の頭部を直撃し重傷を負った。 解体作業を行っていた鉄骨造建屋は,高さが5メートル以上(高さ9.89メートル)であったので,建築物等の鉄骨等作業主任者が直接作業を指揮しなければならないのに,直接指揮していなかった。 

 


  

事例 3

水道工事現場の労災かくしを書類送検

 

  八王子労働基準監督署は,建設業者及びその代表者を労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈事件の概要〉
  平成22年9月2日,午前11時20分頃,水道管管理用立坑内において,梯子を上る際に足を踏み外し墜落し,右下腿脛骨骨折を負い,休業2ヶ月を要する労働災害が発生した。

  当該災害の発生場所を自社の資材置場等と偽った内容を記載した労働者死傷病報告を八王子労働基準監督署長に提出した。

 

 

  

◇ 平成 23 年 4 月の送検事例

 

 事例

金属加工会社らを「労災かくし」で書類送検

  

   池袋労働基準監督署は,金属の切断加工・梱包業者の会社及び同社の相談役と取締役兼製造部門担当部長を労働安全衛生法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉
  平成22年1月10日に,東京都板橋区内所在の同社本社工場において,同社の労働者が作業中に,走行してきた門形クレーンと安全柵の間に左脚をはさまれ,骨折・靭帯損傷の傷害を負い,65日間休業した。しかし,同社の当時の代表取締役社長と同社の取締役兼製造部門担当部長は共謀し,労働災害を隠す目的で労働者死傷病報告を遅滞なく提出しなかった。

  

この記事に関するお問い合わせ先

労働基準部 監督課 TEL : 03-3512-1612

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