東京(関東甲信越ブロック)
仕事と生活の調和推進プログラム ― ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けて ― |
東京(関東甲信越ブロック) 仕事と生活の調和推進会議 平成19年3月 |
東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進プログラムとは
平成18年4月1日、労働時間等に関する事項を労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善するための労使による自主的取組を促進し、労働者一人ひとりの仕事と生活の調和を図ることなどを目的とした「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」が施行されました。 労働時間等の設定の改善の促進を通じて仕事と生活の調和を推進するためには、単に職場の労働条件の問題だけでなく、人々の生活スタイルに密接に関わる問題に取り組むことが必要で、生活に密着したそれぞれの地域における理解と協力が欠かせません。地域の産業、生活習慣等の特性を踏まえた合意の形成が重要です。 このため、関東甲信越ブロックにおいて、「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」(事務局 東京労働局)を開催し、労使をはじめ学識経験者など幅広く各界、各層の意見を求めました。そして、同会議において、同会議が行うキャンペーンの実施に関する事項及び地域の労使が、労働時間等の設定の改善の促進を通じた仕事と生活の調和を推進する際に参考となる取組目標・手法を内容とする「仕事と生活の調和推進プログラム」を策定しました。 |
I 趣 旨
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II 仕事と生活の調和に関する意識調査結果について
平成18年に厚生労働省労働基準局勤労者生活部で実施した「仕事と生活の調和に関する企業及び労働者の意識調査」(関東甲信越ブロック分)の企業集計概要によれば、企業の約96.8%が仕事と生活の調和のとれた働き方の実現の必要性について、「必要」と回答しているにもかかわらず、「実施体制が整備されている(労使の話し合いの機会を設けている)」と回答した企業は36.3%に対し、「今後設ける予定」または「設ける予定なし」が63.7%と多数を占めており、取組が遅れている状況が認められます。また、労働時間等設定改善法について「知らない」及び「知っているが詳細は知らない」と回答した企業は、78.5%と同法の周知度が低い状況が認められます。
また、同調査の労働者集計概要では、年次有給休暇、休日、所定外労働の状況について、「不満(不満及びどちらかといえば不満)」とする回答の比率は、年次有給休暇については25.8%、休日については21.6%、所定外労働については19.5%と、なお高い比率となっています。年次有給休暇取得に当たって「ためらいを感じるか」という問いに対しては、「ためらいを感じる」及び「ややためらいを感じる」が66.2%と高い比率を占めています。ためらいを感じる理由として、「みんなに迷惑がかかる」という回答が62%、ついで、「後で多忙になるから」(45%)「職場の雰囲気で取得しづらい」(35%)の順に多くなっています。 |
III 仕事と生活の調和推進キャンペーンの実施
1 キャンペーンの実施
仕事と生活の調和に関する意識調査の結果、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現について、その取組が進んでいない状況が窺えます。したがって、関東甲信越ブロックにおいて、今後ますます仕事と生活の調和のとれた働き方の実現を推進するためには、企業や事業主団体及び労働者に対し仕事と生活の調和のとれた働き方の推進について、強力に周知啓発を実施し、労使の意識改革を進め、地域における気運の醸成を図っていく必要があります。
このため、東京(関東甲信越ブロック)「仕事と生活の調和推進会議」は、年間を通じて、「仕事と生活の調和の取れた働き方」を推進するため、周知啓発を行い、労使の取組を促進することとします。また、11月を「ワーク・ライフ・バランス推進月間」として、月間中に、集中的・効果的に周知啓発キャンペーンを実施します。 2 スローガン
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「働き方を見直そう!」
―仕事も生活も大切に、充実した人生を!―
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※「ワーク・ライフ・バランス」を付記します。
推進月間の副題
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―11月はワーク・ライフ・バランス推進月間―
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3 実施方法
IV 取組目標・手法
「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、関東甲信越ブロック内企業において、仕事と生活の調和の取れた働き方を推進するため、労使が取り組むべき重点目標として次の項目を掲げます。
年次有給休暇の取得促進を進める
1 取組目標
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「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、年次有給休暇の取得率が低下していること、労働者の意識調査結果において、年次有給休暇の取得にためらいを感じる労働者の割合が高い比率(66%)を占めている現状に鑑み、企業の労使が、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進するため、年休取得予定表の整備や計画年休の積極的活用等により年次有給休暇の取得促進に取り組むことを提言します。 |
2 スローガン
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3 手法・効果
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所定外労働の削減
1 取組目標
「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、一般労働者の所定外労働時間が増加し、週に60時間以上働く者の比率が依然高い状況にあること、過重労働による健康障害の発症も減少していないことから、毎週○曜日を「定時退社デー」とする等、企業の労使が所定外労働時間の削減を図ることを提言します。 |
2 スローガン
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3 手法・効果
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V 企業におけるその他の取組事項
「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、関東甲信越ブロック内企業において、仕事と生活の調和のとれた働き方を推進するため、重点取組目標(前記IV)と併せ、次の事項を実施するよう提言します。
(1)企業における実施体制の整備
(2)労働時間等の設定の改善に取り組む
(3)特に配慮を要する労働者に対する措置に取り組む
(4)他の事業主との取引上配慮すべき事項
取引先企業が講ずる労働時間等の設定改善措置の実施を阻害しないよう、納期の適正化、発注内容の頻繁な変更の抑制等について配慮しましょう。
VI これからの取組
「東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議」は、年間を通じて、「仕事と生活の調和の取れた働き方」を推進するため、本推進プログラムの周知啓発を強力に進めることとします。また、本推進プログラムの推進状況を把握・評価し今後の改善につなげます。
本推進プログラムの周知啓発にあたっては、各労働局は各部室、労働基準監督署、ハローワーク(「マザーズハローワーク」を含む。)などの協力を得て、年次有給休暇の取得促進など仕事と生活の調和のとれた働き方の推進について、ブロック内の先進的、模範的な取組を行っている事業場の情報を収集し、それらの取組事例を紹介することによって、ブロック内における一層の気運の醸成を図ることとします。 また、19年度以降においては、職種別及び業種別の労働時間等の状況を把握分析のうえ当該職種及び業種における仕事と生活の調和の推進プログラムの策定に向けて、分科会を開催するなどして取組を進めていきます。 また、ブロック内の各都県別の地域の実情・地域の実情に応じた今後の取組目標等についても、各労働局から情報や意見を求めるなどして、今後の取組のあり方の検討に資することとします。 |
東京(関東甲信越ブロック)仕事と生活の調和推進会議委員 (五十音順 敬省略)
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(学識経験者) | ||
小 倉 一 哉 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構副主任研究員 | |
議長 | 神 野 直 彦 | 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 |
武石 恵美子 | 法政大学キャリアデザイン学部助教授 | |
森 戸 英 幸 | 成蹊大学法科大学院教授・弁護士 | |
渡 邉 嘉 子 | 株式会社リクルート HUMAN・AD編集長 | |
(労働者代表委員) | ||
岡田 孝敏 | 情報労連東京都協議会議長代行 | |
尾野 秀明 | 日本労働組合総連合会東京都連合会副事務局長 | |
喜多 久嘉 | 日本建設産業職員労働組合協議会政策企画局長 | |
三浦 尚喜 | 運輸労連関東ブロック連絡会事務局長 | |
芳野 友子 | 日本労働組合総連合会東京都連合会副会長 | |
(使用者代表委員) | ||
井上 智子 | 日野自動車株式会社人事部人材開発室長(東京経営者協会) | |
友松 省三 | 株式会社竹中工務店東京本店安全環境部長(東京建設業協会) | |
中川 正則 | 株式会社中川電機工業所(東京都中小企業団体中央会) | |
橋本 昌道 | 東京商工会議所産業政策部長 | |
樋渡 智子 | 東京経営者協会人事労務部長 | |
(事務局) | 東京労働局労働基準部労働時間課 |