京都労働局における石綿健康被害対策に係る対応について
石綿による健康被害対策については、平成17年7月8日に厚生労働省から発表されているところですが、これらも踏まえ、京都労働局においては下記1の取組を実施してきました。引き続き、石綿による健康被害等に関する不安が広がっていることや石綿暴露防止対策等の周知徹底を図っていく必要があることから、京都労働局では下記2の対応を図ることとしています。
記
1 これまでの取組状況について
- (1)石綿による健康被害等に関する相談窓口の設置
- 過去に石綿を取り扱ったことのある事業場や労働者等からの健康問題、労災補償、石綿暴露防止対策等に関する相談・問合せに対応するため、相談窓口を設置し、相談に応じています。
なお、17年7月8日から平成17年8月4日までに、京都労働局及び府下の7労働基準監督署の相談窓口に寄せられた相談の集計結果は別紙1のとおりです。
- (2)過去に石綿による健康被害が発生している事業場に対する調査の実施
- 過去に石綿による健康被害が発生している2事業場(平成11年度以降に石綿に係る疾病の労災認定をした者の所属事業場)に対し、調査を実施し、石綿取扱作業や石綿取扱期間等について確認を行うとともに、あわせて退職者に対する健康診断の実施等について要請を行いました。
- (3)過去に石綿取扱作業を行っていた事業場に対する要請及び指導の実施
- 過去に石綿取扱作業を行っていたと思われる80事業場に対し、退職者に対する健康診断の実施等についての文書要請を行い、あわせて8月3日及び8月5日に説明会を開催しました。(出席33事業場)
- (4)建築物の解体工事等を行う事業者に対する指導
- 京都府下の建築工事事業者等に対しては、既に建設業労働災害防止協会京都支部と連携して石綿障害予防規則(本年7月1日施行)の周知のための集団指導を実施していますが、あらためて同支部を通じて、建築物の解体作業における石綿暴露防止措置の徹底等について指導・要請を行いました。
なお、問題が懸念される建築物の解体作業現場に対しては、立入調査を実施し指導を行いました。
- (5)石綿障害予防規則の周知のための集団指導の実施
- 本年7月1日から施行された石綿障害予防規則の周知を図るため、京都労働局及び府下7労働基準監督署において、本年4月から6月まで、京都府下の事業場に対し集団指導を実施しました。(開催81回、出席5,961人)
- (6)関係機関に対する協力要請の実施と周知啓発
- 石綿健康診断の受診や健康管理手帳制度、労災補償制度等について周知するため、京都府をはじめとする関係自治体、京都府中小企業団体連合会をはじめとする経営団体・事業者団体、京都府医師会等に対して、広報誌の掲載による周知その他の協力要請を行いました。
2 今後の対応について
- (1)石綿による健康被害等に関する特別相談の実施
- 引き続き、京都労働局及び府下の7労働基準監督署の相談窓口において、事業場や労働者等からの健康問題、労災補償、石綿暴露防止対策等に関する相談・問合せに応じます。相談窓口は別掲のとおりです。
- (2)建築物の解体等の作業現場に対する重点的な指導の実施
- 石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の除去作業を行う事業者は、あらかじめ所轄労働基準監督署に作業届書等を提出することが義務付けられていることから(労働安全衛生規則90条、石綿障害予防規則5条)、建築解体工事を行う事業者に作業届書等の提出について周知徹底を図るとともに、8月から10月までの期間に解体作業が行われる現場に対しては、関係自治体と連携して重点的に指導を行うこととしています。
また、建築物等の解体作業現場に対しては、石綿ばく露防止対策や石綿粉じん飛散防止対策の実施内容を見やすい場所に掲示することを推進し、対策の確実な実施を促すとともに、関係労働者や周辺住民の不安解消にも資するようにしていくこととしています(別紙2、3参照[Excel:23KB])。
- (3)過去に石綿取扱作業を行っていた事業場に対する要請及び指導の実施
- 引き続き、過去に石綿取扱作業を行っていた事業場の把握に努め、把握次第、退職した者に対する健康診断の実施等についての要請・指導とあわせて健康管理手帳制度や労災補償制度等の周知を行うこととしています。
- (4)周知啓発
- あらゆる機会をとらえて、過去に石綿取扱作業に従事していたと思われる方に対する健康診断受診についての呼びかけ、健康管理手帳制度及び労災補償制度、石綿障害予防規則等について周知を行っていきます。
- (5)石綿による疾病に係る労災補償の迅速な実施
- 石綿暴露作業に従事したことのある労働者に発生した疾病に係る労災補償請求がなされた場合には迅速な補償に努めます。