7割以上の企業で精神疾患の発症を懸念

 

 

東京労働局 労働基準部健康課
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                                              7割以上の企業で精神疾患の発症を懸念

 ~「従業員の健康管理等に関するアンケート」結果~

 

   東京労働局(局長 山田 亮)では、労働者の心身両面にわたる健康確保対策を推進していますが、企業の対応状況を確認し、対策の浸透度を把握するとともに、今後の対策の的確な推進を図るため、昨年9月、都内に本社を置く規模300人以上の企業(4,085社)に対し、健康管理等の取組状況に関するアンケートを実施し、1,266社から回答を得ました(回収率31.0%)。今般、その集計結果をとりまとめましたので公表します。(別添参照)

  なお、東京労働局では、同様調査を平成14年度、15年度、16年度及び19年度(以下「前回4調査」という。)に実施しています。

 

第1 調査結果の主なポイント

 

1     メンタルヘルス対策

(1)  精神障害の発症例があった企業は、85.8%
 過重労働の有無にかかわらず、過去3年程度の間に精神障害の発症例があった企業は、85.8%

 に上る。(別添の§1-4、表1-3)

(2)  精神疾患発症の懸念があるとしている企業が7割以上
 過去3年程度の間に精神障害の発症例があり今後も発症の懸念があるとする企業は、72.4%と

 なっており、発症例がないが今後の発症懸念があるとする企業4.3%と合わせると、76.7%の企

  業で今後の発症を懸念している。          (別添の§1-4、表1-3)

(3)  過重労働が関連した精神疾患の発症を懸念している企業は、約5割
 過重労働が関連した精神疾患の発症を懸念している企業は、19年度調査の53.3%よりも減少し

 たものの、なお49.1%に上っている。過去3年程度の間に過重労働が関係した精神疾患の発症

 例があり今後も発症の懸念があるとする企業は、前回4調査ごとに高まり、今回16.7%となった。

   (別添の§1-4、表1-2)

(4)  「メンタルヘルス対策の充実」を重視し実際に対応している企業が増加
 心身の健康確保のために重視し、実際に対応している主な事項のうち最も多いのは、前回4調

 査と同様に「健康診断の完全実施」(86.9%)であったが、「メンタルヘルス対策の充実」「労働時

 間・労働密度など心身の過重負荷要因の改善」を挙げる企業が増加しており、特に「メンタルヘ

 ルス対策の充実」については、半数を超え52.9%となった。(別添の§1-1)
  なお、何らかのメンタルヘルス対策に取り組んでいる企業は約9割となっている。

(5)  メンタルヘルス指針の内容を知っている企業は、約7割
   「労働者の心の健康保持増進のための指針」(平成18年3月 厚生労働省策定。 以下「メン

 タルヘルス指針」という。)の内容を知っている企業は71.3%となっているが、衛生委員会等で調

 査審議したことが無い企業は22.0%を占めるほか、心の健康づくり計画を策定している企業は

 24.2%、職場復帰支援プログラムを策定している企業は39.7%に止まっている。(別添の§4-1、

 2、3、8)

 

2   過重労働による健康障害防止対策

(1)  脳・心臓疾患発症の懸念があるとしている企業の割合は、約4割
  過重労働が関連した脳・心臓疾患の発症を懸念している企業は、19年度調査の50.2%よりも

 減少したものの、なお41.9%に上っている。
 (別添の§1-3 )

(2)  1ヶ月100時間超の時間外・休日労働がある企業は、約4割
  脳・心臓疾患の発症との関連性が強くなるとされる長時間労働(1ヶ月100時間又は2~6ヶ月を

 平均して月80時間を超える時間外・休日労働)について、1ヶ月100時間超の時間外・休日労働

 がある企業は39.1%であり、1ヶ月100時間又は2~6ヶ月を平均して月80時間を超える時間外・休

 日労働があるとする企業は56.7%となっている。前回調査よりいずれも減少したものの、なお多く

 の企業で長時間労働がみられる。(別添の§5-1 )

(3)  長時間労働者に対する 医師による面接指導制度の設置は、約6割
  「長時間労働者に対する医師による面接指導制度」を設けている企業は60.2%に止まってい

 る。面接指導に準じた措置の制度を設けている企業は27.4%となっている。また、何らの制度も

 設けていない企業は、19.4%に上っているが、前回調査より約10ポイント減少した。(別添の§5

 -2 )

3     喫煙対策

(1)  3社に1社の企業で事業場内全面禁煙を実施」
  企業が実施する具体的な喫煙対策としては、「喫煙室の設置」(56.5%)が最も多いが、「事業

 場内全面禁煙の実施」も31.8%の企業で行われている。
 (別添の§6)

(2)  「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を知っている企業は約7割
   「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(平成15年5月 厚生労働省策定)について

   は、75.2%の企業が「知っている」としている。
    (別添の§6)

 

 

 

   [別添]
(601KB; PDFファイル)

 

 

 第2 今後の東京労働局の対応

     東京労働局においては、今回の調査結果を踏まえ、次のとおりメンタルヘルス対策及び過重労働による健康障害防止対策の強化を図る。

 

 1   「メンタルヘルス指針」の周知徹底及びメンタルヘルス対策の取組への支援
  今回の調査結果において、86%の企業で過去3年間に精神障害の発症例があったとしており、さらに77%の企業で今後の発症を懸念していること等から、東京労働局としては、「メンタルヘルス指針」及び「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(平成16年10月 中央労働災害防止協会策定)等のさらなる周知徹底を図る。
 また、個別の事業場に対する指導を積極的に実施するとともに、メンタルヘルス対策に取り組む事業場に対する支援措置の利用促進を図る。

 

 

 

 

主な支援措置

◎メンタルヘルス対策支援センターによる支援(別添リーフレット参照)

メンタルヘルス対策に関するアドバイスを行う相談・訪問支援、管理者等に対する教育支援等

◎メンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」による支援

                      (別添リーフレット参照)

事業者、産業医、労働者等への総合的な情報提供

◎地域産業保健センターによる支援(50人未満の事業場)

メンタル不調者の相談等

 

 

 

 1  「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」等の徹底
   長時間労働は、前回調査より減少したものの、なお多くの企業においてみられ、また過重労働による健康障害を防止するための健康管理体制の整備については、なお不十分な実態が認められた。
   このため、東京労働局としては、今後とも、恒常的な長時間労働を行う事業場に対する監督指導の実施等により、長時間労働の実効ある抑制を図るとともに、過重労働による健康障害防止対策を最重点課題と位置付け、「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」(平成18年3月 厚生労働省策定)等の徹底を図る。

 2  「過重労働による健康障害防止運動」の展開及び産業保健フォーラムの開催
   第11次労働災害防止計画に合わせて、過重労働による健康障害防止を目的とする運動を「みつめようみんなの健康 みなおそうオーバーワーク」をスローガンに平成25年3月まで展開しており、毎年9月の推進月間に「過重労働による健康障害を防止するために事業者が講ずべき措置」等の周知を図っている。また、平成23年度は10月25日開催予定の産業保健フォーラムにおいて、企業の産業保健スタッフ等への情報提供を行うことにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

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