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厚生労働省
東京労働局発表
平成22年2月3日


東京労働局労働基準部安全課
 安全課長     佐藤 誠
 安全専門官    相川 滋男
  電話 03-3512-1615
     03-3512-1541(夜間緊急時)
   FAX 03-3512-1559


エレベーター設置工事等における労働災害防止
対策の徹底のため、関係団体に緊急要請

1  東京労働局(局長 東 明洋)は、本年に入り、都内でエレベーター設置工事等に係る死亡災害が相次いで発生したことを重くみて、社団法人日本エレベータ協会等の関係団体に対して、エレベーター設置工事等に係る労働災害防止に万全を期すよう緊急要請(別紙)を行った。
2  要請の背景等

(1) 別添資料のように、都内におけるエレベーターの設置・解体工事及び保守点検作業等に係る死亡災害については、本年1月だけで3件(4名死亡)が発生している。
 平成18年から21年までの4年間に同種死亡災害が死亡災害は5件発生しているが、本年の状況はこれを著しく上回る極めて憂慮すべき状況である。

(2) 死亡災害の発生状況は現在調査中であるが、主な原因として、適切な作業計画が作成されていないこと、合図の確認や作業間の連絡調整が十分行われていないこと、作業が請負業者まかせになりやすく元請等の安全管理が十分機能していないこと、等が考えられる。

(3) このため、東京労働局では、エレベーター設置工事等の安全確保のため、関係団体に対し、本要請の趣旨・内容について、各会員事業場への周知徹底を行うとともに、その対策に万全を期すよう要請を行った。

3  労働災害防止対策の推進

 東京労働局では、今後、建設工事・解体工事現場における監督指導・安全パトロール等において、今回の要請項目が適切に実施されているか確認するとともに、建設工事計画届等の提出書類の受理時における窓口指導を徹底するなど、指導を強化することとしている。


東労基発第18号
平成22年2月3日

社団法人 日本エレベータ協会会長殿
社団法人 日本クレーン協会東京支部長殿
建設業労働災害防止協会東京支部長殿
社団法人 東京建設業協会会長殿
社団法人 東京建物解体協会会長殿

東京労働局労働基準部長

エレベーターの設置・解体工事及び保守点検作業等における
労働災害防止対策の徹底について(緊急要請)

貴団体におかれましては、エレベーターの設置・解体工事及び保守点検作業等における労働災害防止対策の徹底についてご協力をいただいているところですが、本年に入り、清瀬市内の建物解体工事に伴うエレベーター解体工事中に搬器上で作業中の2名の作業員がカウンターウェイトにはさまれた死亡事故、練馬区内の自動車運搬用エレベーターの点検作業中に作業員が搬器の手すりと周囲の支持塔頂部の水平はりの間にはさまれた死亡事故、さらに新宿区内の新築工事に伴うエレベーター設置工事中に作業員が昇降路内でカウンターウェイトに接触した死亡事故が、立て続けに発生したところです。

平成18年以降のエレベーターの設置・解体工事又は保守点検作業等に関連した死亡事故は8件発生(別添参照)し、10名が死亡しておりますが、年ごとの発生件数で見ると本年は1月で既に最多となるなど極めて憂慮すべき状況にあります。

東京労働局においては、平成18年にエレベーター保守点検中の作業員が搬器上ではさまれ死亡した災害を契機に、エレベーター保守点検作業等における労働災害防止の徹底を関係団体に要請したところですが、その後もエレベーターに関連した死亡災害が後を絶たない状況にあることは誠に遺憾であります。

貴団体におかれましては、このような状況を厳粛に受け止め、自主的な労働災害防止活動の取組強化を図るとともに、会員事業場に対し下記事項の徹底について周知し、労働災害の防止に万全を期されるよう要請します。

なお、本要請に基づき実施した事項については、本年3月5日までに本職あてにご報告いただくようお願いいたします。

1

エレベーターの設置・解体工事又は保守点検作業等を行う元方事業者及び関係請負人(以下「事業者等」という。)は、あらかじめ、作業場所の形状、対象となるエレベーターの構造等に適応した作業計画を作成すること。

作業計画には、(1)作業の方法及び順序、(2)作業指揮者の氏名及び作業員の配置、(3)合図の方法、(4)労働災害防止のための方法等について記載すること。

特に、特定元方事業者は、労働安全衛生法第30条に定める措置の実施が必要であることに留意すること。

2

事業者等は、上記1の作業計画を、実際に作業を行う労働者及びすべての関係請負人に周知、徹底すること

3

事業者等は、作業については必ず当該作業計画に基づき作業を行うこととし、その際作業間の連絡調整を徹底すること。

4

事業者等は、関係労働者に対し、エレベーターの構造、エレベーター昇降路内及び搬器上における作業の災害防止のための方法等、必要な知識、技能を付与するための教育訓練を実施すること。

5

事業者等は、エレベーター関係作業についてリスクアセスメントを実施し、その結果に基づいて作業方法の見直し、作業の安全化、作業の標準化を図ること。



別添

エレベーター設置工事等に係る死亡災害事例

番号 災害発生年月 発生時間 発生場所 事故の型 発生状況
1 平成22年1月 19時 新宿区 はさまれ、
巻き込まれ
エレベータ-の設置工事において、昇降路内の1号機のピットで、被災者は配線作業を行っていたが、隣接する3号機のピット付近でカウンターウェイトに接触しはさまれているのが発見された。
2 平成22年1月 17時 練馬区 はさまれ、巻き込まれ 油圧式エレベーター(カーリフター)点検作業中、エレベーターの搬器に乗って、上昇させながらガイドレールの状況の確認を行っていたところ、ガイドレールを支持する昇降路の鉄骨頂部のはりと搬器側部の柵との間に頭部をはさまれた。
3 平成22年1月 11時 清瀬市 飛来、落下 建物解体等工事に伴い、エレベーターの搬器を1Fに停めて撤去作業中、搬器のかご上付近で作業を行っていた作業者2名が落下してきたカウンターウェイトに激突、はさまれた。
4 平成21年1月 16時 目黒区 はさまれ、巻き込まれ エレベータ-の設置工事において、作業者はエレベーターの地下ピット内で作業中に、他の作業者がエレベーターを操作して地下1階に搬器を降ろしたため、搬器とピット端部の間にはさまれた。
5 平成20年8月 10時 港区 墜落、転落 エレベータ-の設置工事において、エレベーター設置用仮設ゴンドラにてガイドレールを立て込み作業中、ゴンドラがエレベーターピット内を約42m落下、ゴンドラに乗っていた作業者2名が墜落した。
6 平成20年3月 14時 中央区 激突され マンションの立体地下駐車場内で、駐車設備(エレベーター付き)の修理作業中に、他の作業者が駐車設備を上昇させたためカウンターウェイトが降下し、搬器上で作業していた作業者が当該カウンターウェイトに激突され、その激突の衝撃により約3.5m下の床に墜落した。
7 平成18年9月 20時 中野区 はさまれ、巻き込まれ 集合住宅のエレベーターが5階に停止したまま動かないとの通報により、一人で出動した作業者が点検中に、昇降路の天井と搬器の上の手すりにはさまれた。
8 平成18年8月 16時 江東区 はさまれ、巻き込まれ 作業者は機器の調整のため、搬器上において作業中、搬器内にいた他の作業者がエレベーターを上昇させたため、搬器と昇降路の壁との間にはさまれた。

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