平成28年度

 ◇平成28年11月の送検事例 

事例1

ベルトコンベアへの巻き込まれ災害を発生させた事業者を書類送検

 

 亀戸労働基準監督署は,平成281115日,運送業における梱包及び仕分け作業を請け負う法人及び現場責任者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

<事件の概要>

 平成27625日,東京都江東区内の同法人事業場において,ベルトコンベアの荷詰まりを解消するため,ベルトコンベアの運転スイッチを「切」にしてベルトコンベア上で作業を行っていたところ,ベルトコンベアの運転スイッチが「切」から「入」に切り替えられたことによりベルトコンベアが稼働し,荷詰まり解消作業を行っていた労働者が転倒し,右腕をベルトコンベア合流箇所の隙間に挟まれ重傷を負ったもの。

 捜査の結果、ベルトコンベアの運転のスイッチに錠、表示板は取り付けられておらず、荷詰まり解消の作業に従事する労働者以外の者が機械を運転すること防止するための措置が講じられていなかったことが判明したもの。

 ◇平成28年9月の送検事例 

事例1

急傾斜地崩壊防止工事現場において死亡災害を発生させた事業者を書類送検

―足場ステージの端から約17メートル墜落して死亡―

 

 青梅労働基準監督署は,平成28年9月2日,法面工事を請け負う法人及び同社所属の職長を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

<事件の概要>

 平成2823日,東京都西多摩郡桧原村内の急傾斜地崩壊防止工事現場において,足場ステージ上に集積された単管等の部材をケーブルクレーンにより山のふもとに下ろす作業を行っていたところ,つり上げていた単管が落下し,落下した単管に当たった労働者が,足場ステージの端から約17メートル下の足場ステージに墜落し死亡したもの。

 捜査の結果,安全帯を使用させる等,墜落による危険を防止するための措置を講じないまま作業を行わせていたことが判明したもの。

 

事例2

石綿(アスベスト)除去作業を違法に行った元請及び下請業者を書類送検

―事前の工事計画を届け出ず,石綿飛散防止措置を講じなかった疑い―

 

  新宿労働基準監督署は,平成28年9月29日,東京都新宿区内のビル耐震補強他工事の元請及び下請業者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

<事件の概要>

 東京都新宿区内のビル耐震補強他工事において,石綿が吹き付けられた耐火被覆材の除去作業が行われた旨の情報を把握し,捜査を行ったところ,法定の計画届を工事開始日の14日前までに所轄労働基準監督署である新宿労働基準監督署に届け出ていなかったことが判明したもの。

 また,下請である施工業者は同作業場所において,ろ過集じん方式の集じん・排気装置を使用するなどの法定の石綿飛散防止措置を講じていなかったことも判明したもの。

 

事例3

土木工事現場で死亡災害を発生させた建設業者を書類送検

―旋回中のドラグ・ショベルと電柱との間に挟まれ,労働者1名が死亡―

 

 新宿労働基準監督署は,平成28年9月29日,土木工事業を営む法人及び同社工事現場責任者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

<事件の概要>

 平成26821日,東京都中野区内の配水管敷設替工事において,近隣住宅の軒先にある植栽をブルーシートで覆う作業を行っていた労働者が,旋回中の車両系建設機械であるドラグ・ショベルに接触し,電柱との間に挟まれ死亡したもの。

 捜査の結果,死亡した労働者に作業を行わせるに当たり,ドラグ・ショベルを誘導する誘導者を配置していないにもかかわらず,当該ドラグ・ショベルと接触する危険性のある箇所に立ち入らせたことが判明したもの。

 また,同工事現場責任者は,機械等貸与者から貸与を受けたドラグ・ショベルを,同貸与者の労働者が操作するに当たり,同人が労働安全衛生法上必要とされる資格又は技能を有する者であることを確認せず,さらに同人に対し,作業の内容や指揮の系統等の法令で定める事項を通知していなかったことも判明したもの。

 ◇平成28年8月の送検事例 

事例1

清掃作業中に墜落死亡災害を発生させた個人事業主を書類送検

―高さ約11メートルの屋根から墜落して死亡―

 

  池袋労働基準監督署は,平成28年8月4日,電気設備工事及び清掃業等を営む個人事業主を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

<事件の概要>

 平成2729日,東京都板橋区内の中学校体育館の屋根清掃作業現場において,清掃作業を行っていた労働者が,高さ約11メートルの屋根上から墜落し死亡したもの。

捜査の結果,安全帯を使用させる等,墜落による危険を防止するための措置を講じないまま作業を行わせていたことが判明したもの。

 

事例2

建設工事現場で死亡災害を発生させた元請及び下請業者を書類送検

―足場の作業床上に仮置きした鉄筋が落下し,労働者1名死亡・2名負傷―

 

 渋谷労働基準監督署は,平成28年8月30日,建設工事業を営む元請及び下請業者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

<事件の概要>

 平成2657日,東京都世田谷区内のトンネル工事現場において,立坑のコンクリート壁築造のため,高さ約2.7メートルに設置された張り出し足場にて作業を行わせていたところ,同足場の作業床を支えるアングルが折れ曲がり,アングル上の作業床及び同所に仮置きされた配筋用の鉄筋が落下し,下で作業をしていた労働者2名が下敷きとなり,1名が死亡,1名が負傷した。また,鉄筋とともにアングル上の作業床から墜落した労働者1名も負傷した。

捜査の結果,足場の構造及び材料に応じて,作業床の最大積載荷重を定め,かつ,これを足場の見やすい場所に表示しなければならないところ,当該措置を講じていないまま作業を行わせていたことが判明したもの。

 

 

◇平成28年7月の送検事例

事例1

定期賃金を支払わなかった会社を,最低賃金法違反で書類送検
―経済的虐待に該当する障害者に対する賃金不払も―

 

 品川労働基準監督署は,平成28年7月1日,生めん等の製造販売業を営む会社及びその代表者を,最低賃金法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  被疑会社は,労働者2名に対し,平成26年6月分及び同年7月分の賃金計約109万円をそれぞれの所定支払日に支払わず,もって,東京都最低賃金(1時間869円(当時))以上の賃金を支払わなかったもの。

 最長で2年以上,定期賃金を所定支払日に支払わないまま労働者を勤務させていたことから,是正に向けた指導を行ったものの是正しなかったため,書類送検に踏み切ったもの。 

 

事例2

石綿(アスベスト)を含む建材の解体を違法に行った会社を
労働安全衛生法違反で書類送検

 

 渋谷労働基準監督署は,平成28年7月1日,建設業等を営む会社及び同社元部長を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成25年9月3日,東京都渋谷区内の現場において,事前に石綿使用の有無を調査せずに労働者に既存建物の床を解体する作業を行わせたもの。

 捜査の結果,解体された建物床の建材に石綿が使用されていたことが判明したもの。

 

事例3

墜落防止措置を怠り死亡災害を発せさせた事業者を
労働安全衛生法違反で書類送検

 

 八王子労働基準監督署は,平成28年7月5日,木造家屋建築工事業等を営む会社及びその代表者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁立川支部に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成28年3月18日,木造平屋建て新築工事現場において,高さ約4メートルの母屋の上で垂木の取り付け作業を行っていた労働者が墜落し,1週間後に死亡したもの。

 捜査の結果,墜落による危険を防止するための措置を講じないまま作業を行わせていたことが判明したもの。

 

◇平成28年6月の送検事例 

事例1

墜落防止措置を怠り死亡災害を発生させた事業者を
労働安全衛生法違反で書類送検

 

 中央労働基準監督署は,平成28年6月2日,解体工事業を営む会社及びその代表者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成26年12月6日,東京都千代田区内の解体工事現場において,5階建て鉄筋コンクリート造の建物4階外壁解体中に外壁が倒壊し,倒壊した壁と4階床面の間に挟まれた労働者が死亡したもの。

  高さが5メートル以上のコンクリート造の工作物の解体又は破壊の作業を行う場合には,コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任しなければならないところ,同工事現場においては,資格を有する者を選任していなかった

 

事例2 

墜落災害を発生させた事業者を労働安全衛生法違反で書類送検
異常が発生したドラグ・ショベルとともに運転中の労働者が墜落-

 

 中央労働基準監督署は,平成28年6月17日,解体工事業を営む会社及び同社の職長を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成25年9月25日,東京都千代田区内の解体工事現場において,ドラグ・ショベルを用いて鉄筋コンクリート造の建物地下2階の解体ガラの撤去等の作業を行っていたところ,ドラグ・ショベルの上部旋回体部分が不意に旋回する異常が発生し,運転中の労働者がドラグ・ショベルとともに地下2階部分から地下3階部分に墜落し,両足を切断する怪我を負ったもの。

  ドラグ・ショベルを含む車両系建設機械については,定期に実施する自主検査を行った場合において,異常を認めたときは直ちに補修その他必要な措置を講じなければならないところ,本件では,その補修を行っていなかった

 

◇平成28年5月の送検事例 

事例1

違法な長時間労働を行わせた道路貨物運送会社を
労働基準法違反で書類送検

 

 江戸川労働基準監督署は,平成28年5月9日,道路貨物運送業を営む会社及びその代表者を,労働基準法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成25年7月26日,同社所属のトラック運転手が,建築資材を輸送途中の高速道路パーキングエリア内において意識不明の状態で発見され,翌日死亡したもの。

  労働基準法では,法定労働時間を1週40時間,1日8時間と定めているところ,時間外労働に関する協定を労働基準監督署に届け出ていない状態で,運転手に法定労働時間を超えて,1か月当たり127時間30分の違法な時間外労働を行わせていた。

 

事例2 

つり荷の落下による死亡災害を発生させた事業者を
労働安全衛生法違反で書類送検

 

 足立労働基準監督署は,平成28年5月24日,建築資材の販売及び取付工事業を営む会社及びその代表者を,労働安全衛生法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

  平成25年11月18日,東京都足立区内の建設工事現場において,移動式クレーンによる荷降ろし作業中,吊っていた荷がナイロンスリング(吊り紐)から外れ,落下した荷に当たった労働者が死亡したもの。

  使用していた移動式クレーンは,つり上げ荷重が1トン以上であったので,玉掛け技能講習を修了した等の資格を有する者でなければ当該業務に就かせてはならないところ,資格を有しない者に業務を行わせていた。 

 

事例3

違法な長時間労働を繰り返した会社を
労働基準法違反で書類送検

 

 大田労働基準監督署は,平成28年5月27日,自動販売機によるソフトドリンクの販売等を営む会社及び代表者を,労働基準法違反の容疑で東京地方検察庁に書類送検した。

 

〈事件の概要〉

 平成25年7月1日から平成26年1月31日までの間,労働者に時間外労働に関する協定で定める限度時間を超えて,1か月当たり最長で158時間24分の時間外労働を行わせた結果,当該労働者が精神障害を発症するに至ったもの。

この記事に関するお問い合わせ先

労働基準部 監督課 TEL : 03-3512-1612

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