【Q1】 |
企業は必ず男性と女性を採用しなければならないのでしょうか。 |
【A1】 |
均等法第 5条は、雇用機会の付与、募集・採用条件、求人情報の提供、採用選考、採用決定等のすべての段階において男女異なる取扱いをしないことを求めています。したがって、個々の労働者の職務に対する意欲、能力、適性を公平、公正に判断した結果として、男性又は女性のみを採用することになった場合には、均等法違反となるものではなく、企業は必ず男性と女性を採用しなければならないということではありません。
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【Q2】 |
当社の女性経理職員が退職しました。そこで経理部に職員を1人募集することとしたいのですが、今まで女性がやっていた仕事なので、後任も女性にしたいと考えています。このような募集は法違反となるのでしょうか。 |
【A2】 |
募集に当って女性(男性)であることを理由として、その対象を女性(男性)のみとすることは、均等法に違反します。「今まで女性(男性)がやっていた仕事だから」とか「女性(男性)向きの仕事だから」といった先入観や固定的な男女の役割分担意識に基づき女性(男性)のみを募集・採用の対象とすることは、職域の固定化や男女の仕事を分離することにつながります。性別によるのではなく、「仕事の内容」、「求める能力・適正」、「労働条件」などをはっきり示して募集・採用してください。
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【Q3】 |
例えば、3交替制の深夜業がある事業場で、希望する女性以外、女性は3交替の職務に就けないとした場合、均等法第6条違反となるのでしょうか。 |
【A3】 |
本件については、一定の職務への配置について、男性は全員を対象とするが、女性は希望者のみを対象としていることになり、均等法第6条に違反します。
なお、個々の労働者の健康や家庭責任の状況を理由として他の労働者と異なる取扱いをすることは均等法上の問題となるものではありませんが、その場合においても、一方の性の労働者に対してのみ個々の労働者の状況等を勘案することは、均等法違反となります。
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【Q4】 |
当社では「一般職」社員を対象に窓口業務研修を行っています。「一般職」はほとんどが女性ですが、このような研修は、均等法では禁止されるのでしょうか。 |
【A4】 |
均等法では、労働者の教育訓練について、性別を理由として差別的取扱いをすることは禁止されており、女性であることを理由として女性労働者のみを対象に研修を行うこともこれに該当します。
しかし、「一般職」社員を窓口業務研修の対象としているという場合に、「一般職」がほとんど女性であるために結果として研修の受講者のほとんどが女性社員となったとしても、均等法違反とはなりません。
また、女性労働者に係る措置に関する特例(Q6参照)に該当する場合は、均等法違反にはなりません。
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【Q5】 |
扶養手当の支給対象者を世帯主としています。このような取扱いは禁止されるのでしょうか。社宅の入居者を世帯主とすることはどうでしょうか。
また、妻帯者とすることは問題でしょうか。
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【A5】 |
扶養手当は「賃金」と認められ、労働基準法第4条により女性であることを理由として男性と差別的取扱いをすることが禁止されています。また、社宅の貸与は均等法上性別を理由とした差別的取扱いが禁止される福利厚生に含まれるものです。
次に、扶養手当の支給対象者や社宅の入居者の要件を「世帯主」とすることは、性別を理由とした差別的取扱いをしていることにはなりません。
しかしながら、「世帯主」の決定に当たって、女性について男性に比して不利な条件を課した場合等は、性別を理由とした差別的取扱いに該当します。扶養手当の支給の場合に「世帯主」の決定に当たってそのような条件を課せば労働基準法第4条に、社宅の貸与の場合であれば均等法第6条に違反することになります。
また、対象を「妻帯者」とすることは、供与の対象から女性が排除されることになりますので、扶養手当の支給の対象を「妻帯者」とすれば労働基準法第4条に、社宅の貸与の対象を「妻帯者」とすれば均等法第6条に違反します。
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【Q6】 |
当社では女性の希望者を対象として、キャリアアップセミナーを開催しています。均等法では女性のみを対象とした研修は禁止されているとのことですが、このようなセミナーも均等法違反となるのでしょうか。 |
【A6】 |
指針において、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない(4割を下回っている)職務又は役職に従事するために必要とされる能力を付与するための教育訓練については、その対象を女性のみとしても法違反とはならないとされています。
したがって、係長や課長などの役職に占める女性の割合が4割未満の場合であり、キャリアアップセミナーの内容が将来そうした業務を遂行していくのに必要な能力を与えるものであれば、その対象を女性のみとしても均等法に違反しません。
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