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事業主の方へ

Q05セクシュアルハラスメントを行ったものに対する対処(制裁)は、どの程度具体的なものにすればよいのですか?

A.

1  対処の内容を文書に規定することについては、セクシュアルハラスメントに係る性的な言動をした場合に具体的にどのような対処がなされるのかをルールとして明確化し、労働者に認識させ、もってセクシュアルハラスメントの防止を図ることを目的とするものです。したがって、懲戒規定を定める場合には、「懲戒事由となるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動」及びそれに対応する「制裁の種類」を具体的に決定する必要があります。

2  懲戒事由となる性的言動の記述においては、均等法が定義するセクシュアルハラスメントに係る性的言動を狭めるものでない限り、どのような記載の仕方であっても差し支えはありません。また、セクシュアルハラスメントに係る性的言動に対応させる懲戒処分を譴責、減給、出勤停止、解雇のうちいくつかとするか、すべてとするかについても、均等法上の問題でも労働基準法上の問題ではありませんが、どういった性的言動がどのような制裁に当たるかが明確である必要はあります。

3  したがって、例えば、
風紀を乱したもの(セクシュアルハラスメントを含む)  譴責

過度のセクシュアルハラスメントをしたもの  出勤停止

セクシュアルハラスメントをした者は事情により譴責、出勤停止、解雇のいずれかとする
 これらの規定では、いずれも、この規定のみでは、どういった性的言動がどのような制裁に当たるかが不明確であり、均等法上の措置義務違反となります。この場合、均等法上の事業主の措置義務を満たすためには、どういった性的言動がどのような制裁に当たるかを当該規定若しくは別規定において詳述する、又は、どのような性的言動が就業規則若しくは別規定に定められている懲戒処分の対象となるかを社内用パンフレット、研修のテキスト等に明記して労働者に明らかにする等の改善が求められます。

4  なお、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、制裁の定めをする場合は、労働基準法第89条に基づき同条9号に掲げる事項(制裁の種類及び程度に関する事項)を就業規則で定め、所轄労働基準監督署長へ届け出なければなりません。この場合において、上記3の別規則を定める場合は当該別規則も懲戒の内容を定めていることから就業規則と解されるため、所轄労働基準監督署長への届出手続等が必要となります。
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