パートタイム労働
事業主の方からのよくあるご質問
Q1.正社員と同じ仕事をしているパート職員から処遇を同じにしてほしいと言われたが、そのような義務はあるのか。
A.パートタイム労働者でも、(1)職務の内容、(2)人材活用の仕組みや運用等が正社員と同一である方については正社員との差別的取り扱いが禁止されています。正社員には支給されている各種手当が支給対象となっていない場合には、正社員と同様に支給対象となる可能性があります。(パートタイム労働法第9条)
Q2.パートタイム労働者から正社員に転換する制度についてはないが、個別に優秀なパート労働者のみ正社員にならないかと声をかけている。正社員転換措置をとっているといえるのだろうか?
A.事業主は、パートタイム労働者を通常の労働者へ転換する措置を講ずる義務があります。事業主が正社員になってほしいと思うパートタイム労働者にだけ声をかけ、通常の労働者への転換を促すこと自体は、法違反となるわけではありませんが、そのような行為だけでは、法律で求める正社員転換措置を実施しているとは言えません。事業所内の全てのパートタイム労働者が通常の労働者へ転換できる機会が付与されるよう公正で客観的な仕組みを整える必要があります。(パートタイム労働法13条)
労働者の方からのよくあるご質問
Q3.正社員と同じ時間働いているパート(フルタイムパート)でも、パートタイム労働法でいう「パート労働者」になるのか?
A.職場で「パートタイマー」と呼ばれていても、1週間の所定労働時間が通常の労働者と同じ場合(いわゆるフルタイムパート)はこの法律でいう「パートタイム労働者」には該当しません。ただし、このような方々にも、指針によりパートタイム労働法の趣旨が考慮されるべきものとされています。(パートタイム労働法第2条)
Q4.正社員とパート、仕事の内容が同じかどうか判断できないがどうしたらよいのか。
A.パートタイム労働法では、仕事の内容(職務内容)が同じかどうかなどにより、差別的取り扱いの禁止などの事業主の措置が定められていますが、正社員と一部別の作業を行っていて仕事が完全に一致しない場合など、職務の内容が同じかどうか本人では判断がつかないような場合もあると思います。
法律では、中核的業務が実質的に同じであれば業務内容は同じと判断することとしていますので、一部の作業が異なるからといって、直ちに「職務の内容が異なる」ということにはなりません。
また、パートタイム労働者は、待遇の決定にあたって考慮した事項について、パートタイム労働者から求めがあった場合には、説明しなければならないとしていますので、職務の内容が同じであるにも拘らず、正社員と待遇の差があると考える場合には、一度説明を求めてみましょう。
待遇の差が職務の内容の違いにあるのであれば、職務の内容の違いについて具体的な説明があるはずです。(パートタイム労働法第14条2項)
Q5.社員食堂の利用が正社員に限定されていて、パートは利用できないが、問題はないか?
A.事業主は、福利厚生施設のうち、給食施設、休憩室、更衣室について、通常の労働者が利用している場合は、パートタイム労働者にも利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。
配慮とは、施設の増築など求めるものではありませんが、パートタイム労働者に正社員と同じ機会を与えるなどの具体的な措置を求めるものです。
例えば、給食施設の定員の関係で、労働者全員が一度に利用できないような場合には、個々の労働者の昼食時間帯をずらし、利用できるようする等具体的措置が求められます。(パートタイム労働法第12条)