ニュース&トピックス各種法令・制度・手続き事例・統計情報窓口案内労働局について
ホーム > ニュース&トピックス > 報道発表資料 > 2009年度 > 平成21年における道路貨物運送業に対する監督指導状況

厚生労働省
東京労働局発表
平成22年3月17日


東京労働局労働基準部
 監督課長  松田  明
 監察監督官 金田 文人
  電話 03(3512)1612(内線6416)


平成21年における道路貨物運送業に対する監督指導状況

83社に対して監督指導を実施。

72社(約87%)で労働基準法等の法令違反あり。

39社(約47%)で改善基準告示の違反あり。

 東京労働局(局長 東 明洋)は、管下18労働基準監督署(支署)において、平成21年に都内の道路貨物運送業を営む83社に対して実施した監督指導の結果を次のとおり取りまとめた。

 道路貨物運送業に対する監督指導は、長時間労働(*)等による過労運転の防止を主眼として、労働基準法等及び「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)の遵守の徹底等を図ることを目的として実施している。

(*)平成20年の東京都内における道路貨物運送業を含む運輸業の年間総実労働時間は2,093時間と全産業の1,854時間を大きく上回っている。

1 監督指導実施結果

(1)72社に労働基準法等の違反

 監督指導を実施した83社のうち、何らかの労働基準法等の法令違反が認められたのは72社(86.7 %)であった。

法定労働時間に係る違反(労働基準法第32条) 47社(56.6%)

割増賃金に係る違反(労働基準法第37条) 29社(34.9%)

法定休日に係る違反(労働基準法第35条) 5社(6.0%)

(2)39社で改善基準告示違反

 道路貨物運送事業者は労働基準法等の法令のみならず、改善基準告示の遵守も求められている。

 監督指導を実施した83社のうち、何らかの改善基準告示違反が認められたのは39社(47.0 %)であった。

最大拘束時間に係る違反(改善基準告示第4条第1項第2号) 34社(41.0%)

総拘束時間に係る違反(同項第1号) 22社(26.5%)

休息期間に係る違反(同項第3号) 22社(26.5%)

連続運転時間に係る違反(同項第5号) 14社(16.9%)

最大運転時間に係る違反(同項第4号) 5社(6.0%)

休日労働に係る違反(同条第5項) 4社(4.8%)

2 監督指導の事例

(1)長時間労働に係る投書を契機に監督指導を実施

 労働者からの長時間労働及びサービス残業が行われているとの情報があり、運送会社に対し、A労働基準監督署が監督指導を実施した。

 その結果、運転前の点検及び運転後の洗車等の時間を労働時間に含めていないことが判明した。また、改善基準告示を超える拘束時間などの違反も認められたことから、労働基準法及び改善基準告示違反で是正勧告を行った。

 監督指導の結果、運転時間前後の労働に対する賃金が遡及して支払われ、改善基準告示に適合した労働時間管理により長時間労働等が解消されたことが再監督により確認された。

(2)監督指導に従わず過労死を発生させた事業場を書類送検

 清涼飲料水の運送を行う会社に対し、B労働基準監督署が監督指導を実施したところ、長時間労働等の実態が認められたため、労働基準法及び改善基準告示違反で是正勧告を行った。

 その後再三指導を行ったが、是正されなかったところ、同社の自動車運転者が長時間労働を原因とする心臓疾患により死亡した(当該労働者については労災認定された)。

 このため、B労働基準監督署は労働基準法違反被疑事件として捜査に着手し、社長及び同社を書類送検した。

3 今後の方針

 道路貨物運送業においては、法定労働時間に対する労働基準法等の違反及び改善基準告示違反の比率が高いことから、今後も引き続き問題が懸念される事業場や長時間労働が原因と考えられる交通労働災害を発生させた事業場等を対象として監督指導を行うこととしている。

 また、重大又は悪質な事案に対しては、司法処分を行うなど厳正な対応を行うこととしている。

 さらに、本監督指導結果を踏まえ、本日、東京労働局長から関東運輸局東京運輸支局長に対し、道路貨物運送業者における改善基準の履行確保及び過重労働による健康障害防止について協力要請を行った。


このページのトップに戻る

東京労働局標章 〒102-8305 東京都千代田区九段南1-2-1                            

Copyright(c)2000-2017 Tokyo Labor Bureau.All rights reserved.