労働安全衛生マネジメントシステムの導入で労働災害の防止、さらに「災害ゼロからリスクゼロへ」
労働基準部
労働安全衛生マネジメントシステムとは
 

 県内の労働災害の発生状況を見ると、長期的には減少してきているものの、今なお多数の労働者が被災されており、特に労働災害により亡くなられた方が平成15年には前年に比べ大幅に増加しました。
 また、労働災害が多発した時代を経験し、労働災害防止のノウハウの蓄積のある方が異動等される際に、安全衛生管理のノウハウが事業場において十分継承されないことにより、事業場の安全衛生水準の低下が懸念されているところです。
 さらに、これまで無災害であった職場でも「労働災害の危険性のない職場」であることを必ずしも意味するものではなく、労働災害の危険性を内包している場合も考えられることから、この潜在的危険性を減少させるため、危険の芽を事前に摘み取ることが求められています。
 一方、健康診断による有所見者の増加等に伴って、労働者の健康の増進や快適な職場環境の形成の促進が求められています。
 このような中で、今後、労働災害の減少を図っていくためには、事業場において安全衛生担当者等のノウハウが確実に継承されるとともに、労働災害の潜在的危険性を低減させ、労働者の健康の増進や快適な職場環境の形成を促進させることにより、事業場の安全衛生水準を向上させる必要があります。
 しかしながら、安全衛生管理について一担当者だけで進めていくことについては限界があり、経営トップ自らが率先して、経営の一環として安全衛生活動に取り組むことが求められております。「計画-実施-評価-改善」という一連の過程を定めて、連続的、継続的に実施する安全衛生管理に関する仕組みを確立し、事業の実施に係る管理に関する仕組みと一体となって適切に運用されることが重要なのです。
 「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」とは、企業のトップ自らが安全方針の作成を行うことをはじめ、職場のリスク評価、それに基づく改善計画の作成、実施、計画の定期的な見直し等を内容とする、企業の一連の安全管理の仕組みなのです。

 厚生労働省は、昨年11月に全国の都道府県労働局を通じて、大規模製造業事業場における安全管理体制及び活動に係る自主点検を行いました。
集約結果で「災害発生率が高い事業場では、外部情報の活用やリスク評価の実施が低調。一方、リスク評価や労働安全マネジメントシステム実施事業場の災害発生率は低い。」と分析がなされています。

 
システムの概要は
 

 システムの過程は概ね次のとおりです。事業場において、安全衛生管理が継続して行われるよう、主要な過程は手順を定めるとともに、文書化し管理することとされています。

  1. 安全衛生方針の表明
  2. 機械、設備、化学物質等の危険又は有害要因を特定し、それを除去又は低減させるための実施事項の特定
    労働安全衛生関係法令に基づく実施事項の特定
  3. 安全衛生方針に基づく安全衛生目標の設定
  4. 安全衛生目標達成のため、2.の特定された実施事項等を内容とする安全衛生計画の作成
  5. 安全衛生計画の実施及び運用
  6. 安全衛生計画の実施状況等の日常的な点検及び改善
  7. システム監査実施による必要な改善
  8. 定期的な当システム(仕組み)の見直し
  9. 1.から8.まで連続的かつ継続的に実施(=繰り返し)
 * このシステムをより有効なものとしていくためには、労働者の理解と協力が必要であり、システム導入、見直し、安全衛生目標の設定、安全衛生計画の作成等の際は、安全衛生委員会等の活用を通じて労働者の意見を聴き、反映させていくことが必要です。

 お問い合わせは、局安全衛生課又はお近くの労働基準監督署へどうぞ。

 

 労働安全衛生マネジメントシステム(導入の効果)のパンフレット(PDF:1806KB)
 職場のリスクアセスメントのパンフレット(PDF:1501KB)

 

 

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