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1. |
背景 |
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兵庫県下での業務上疾病は、平成6年の511件をピークに減少傾向にあります。腰痛についても、平成8年の296件を最高に減少傾向にあるものの、業務上疾病全体に占める割合が5割から6割と、依然として高い状況です。全国的に見ても腰痛の発生件数は、業務上疾病発生件数の約6割を占めており、業務上疾病予防対策の最重点課題の1つとなっているのが腰痛予防対策です。 |
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2. |
指針についての基本的な考え方 |
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今後の腰痛予防対策は、各事業場における自主的安全衛生管理活動の中で計画的かつ継続的に推進を図ることが望まれるため、労働安全衛生マネジメントシステムの一環として取り組むことが重要です。
その際「快適職場指針」による快適職場づくりの視点を組み入れることも可能です。
また、腰痛予防対策は、総合的な健康確保増進対策として既に示された「兵庫働く人のステップアップ健康づくり指針」(労働安全衛生マネジメントシステムの考え方を基に策定されたもの)の中に組み入れて実施することも効果的です。
本指針は、平成6年9月6日付基発第547号「職場における腰痛予防対策の実施について」で示された対策を総合的に各事業場で取組み発展させることを目的として作成したものです。 |
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3. |
腰痛予防対策を労働安全衛生マネジメントシステムの一環として実施することについて |
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労働安全衛生マネジメントシステムとは、事業場において安全衛生方針の表明、安全衛生目標の設定、安全衛生計画の作成、実施及び運用等日常的な点検及び改善までの一連の過程の見直しを連続的かつ継続的に実施する安全衛生管理に関する総合的な仕組みです。
腰痛予防対策も各事業場の実情に即して、この労働安全衛生マネジメントシステムの一環として取り組むことが重要ですが、その取り組みに当たっては、先ずリスクアセスメント(腰痛発生の危険性を高める因子《リスク因子》を各作業現場や作業ごとに特定し、そのリスク因子がどの程度影響し、改善の必要性・緊急度はどの程度であるか等について危険度の評価)を行う必要があります。
本指針は、リスクアセスメントを行うためチェックリストを作成し、活用することとしました。 |
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4. |
チェックリストについて |
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チェックリストの活用により腰痛予防対策及び問題点についての評価を行います。
その結果は、腰痛予防への改善計画を立てる上での優先度等の参考にします。
各チェックリストは以下の構成になっています |
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兵庫腰痛予防自主管理指針のチェックリスト目次
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一般的・共通的腰痛対策チェックリスト |
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作業態様別チェックリスト |
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重量物取扱い作業 |
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重症心身障害児施設等における介護作業 |
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腰部に過度の負担のかかる立ち作業 |
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腰部に過度の負担のかかる腰掛け作業・座作業 |
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長時間の車両運転等の作業 |
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表2チックリスト使用上の留意点 |
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腰部への影響を評価するための評価表 |
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作業姿勢評価表 |
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重量点評価表 |
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表3チェックリスト使用上の留意点 |
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5. |
チェックリストの活用による腰痛予防対策について |
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腰痛予防対策の改善目標の設定と行動計画については、「快適職場指針」(別紙3参照)及び「兵庫働く人のステップアップ健康づくり指針」(別紙4参照)の中に組み入れることも効果的です。
これら、活用と方策の流れは、下記の「兵庫腰痛予防自主管理指針の展開」を参考にして下さい。 |
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兵庫腰痛予防自主管理指針の展開 |
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腰痛予防対策の必要な作業の特定
(1)過去に腰痛災害が発生した作業
(2)衛生管理者等の巡視結果から腰痛予防対策が必要とされた作業
(3)安全衛生委員会において委員から腰痛予防対策が必要とされた作業 |
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作業の解消・回避
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可
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作業の廃止・機械化による作業者の配置の解消
作業者に対し過度の負担とならない作業への回避 |
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完了 |
否 |
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腰痛対策共通項目評価
(表1) |
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作業態様別評価
(表2) |
要 |
(1)重量物取扱い作業
(2)重症心身障害児施設等における介護作業
(3)腰部に過度の負担のかかる立ち作業
(4)腰部に過度の負担のかかる腰掛け作業・座作業
(5)長時間の車両運転等の作業 |
不要 |
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腰部への影響評価(表3)
(1)作業姿勢の評価
(2)重量点の評価
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快適環境形成の促進
兵庫働く人のステップアップ健康づくり
健康保持増進活動の促進
地域産業保健センター相談医の活用 |
総合評価・
改費計画の検討 |
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(注)表1~表3はチェックリスト |
計画の実施 |
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改善効果の評価 |
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