|
|
平成21年 申告処理の状況
【解雇・賃金不払等に関する申告件数が増加】
○ 申告処理件数は2,826件、対前年比19.8%増で、過去10年(平成12年以降)最高の件数。 ○ 賃金不払事案2,178件、解雇事案483件でいずれも(平成12年以降)最高の件数。 ○ ほぼすべての業種で申告件数が増加し、特に派遣業がここ数年で大幅に増加。(514件(全業種の18.2%)で最も多い。) |
愛知労働局(局長 中沖剛)は、平成21年に管下14労働基準監督署(支署)における申告処理(※)の状況を以下のとおり取りまとめた。
(※)申告とは、事業場が労働関係法令に違反している事実を労働者が労働基準関係機関等に申し立てることをいう。これを受けた労働基準監督署においては、事業場を臨検し又は事業主の出頭を求めて違反の事実を確認し、違反が認められた場合には、是正を勧告するなどにより改善を図らせている。
1 平成21年申告処理状況 ≪グラフ1、2参照(PDF)≫
(1)愛知局全体の申告件数
(1) 申告件数 2,826件(前年比467件増、過去10年の最少1,975件(平成18年)と比べ851件の増加。)
(2) 違反率 70.5%
(2)業種別申告件数
派遣業が平成14年の216件と比較し、倍以上(298件増)となっている。
(1) その他の事業 737件(前年比82件増)
うち派遣業 514件(同52件増)
(2) 商業 414件(同49件増)
(3) 接客娯楽業 403件(同113件増)
(4) 製造業 322件(同53件増)
(3)業種別違反率
(1) 接客娯楽業 76.0%
(2) 商業 72.6%
(3) 製造業 69.6%
(4) その他の事業 69.1%
うち派遣業 67.8%
(4)主要な申告事項
(1) 賃金不払 2,178件(77.1%)
(2) 解雇 483件(17.1%)
(3) その他(最低賃金、労働時間等)354件(12.5%)
(注: 1件の申告について複数の申告事項に及ぶことがあるので、主要な申告事項の合計数と申告処理件数は一致しない。)
2 今後の指導方針
平成21年は、厳しい経済情勢を背景に労働者からの申告件数が平成12年以降最高の件数となったものであるが、いかなる経済状況下にあっても法定労働条件の遵守は使用者の責務である。特に、解雇、賃金不払等の事案については、労働者の生活に重大な影響を与える問題であることから、労働者のおかれている状況に留意しながら、事案の解決に向け迅速・的確な対応を図っていくこととしている。
また、再三の指導に応じないなど悪質な事案に対しては、司法処分を行うなど厳正に 対処することとしている。
(参考)
1 平成21年の申告事例は別添(PDF)のとおり。
2 主要申告事項の関連法規概要
(1)解雇(労働基準法第20条)
(1) 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前に予告をしなければならない。その予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。
(2) 解雇予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
(2)賃金不払(労働基準法第24条)
(1) 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
(2) 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。